Lilus（リーラス）　～意志によらぬ力を競え！～

空乃参三

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一年目　二〇五七年

25：第二五回　九月八日　選手の一日

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　おはようございます、レスコス・テラーサです。
　現在九月八日午前六時五〇分。今日はコラムの執筆を済ませてから競技の記録の仕事をする予定です。なので朝早いのです。

　今日はリーラス選手の一日、というテーマで書いてみたいと思います。
　選手の所属クラスによるのですが、多くの選手は年間五〇～七〇回出場します。
　原則として一日に出場できるのは一回だけですので、年に五〇～七〇日会場のドラリス・リーラス・アリーナを訪れます。
　リモートでの参加は認められていませんので、アリーナに足を運ぶのは必須です。
　出場しない日は、別に仕事を持っている選手もいますし、休日に充てている選手もいるので、このあたりは日本でいうところの「社会人」の生活に近いのではないかと思います。
　敢えて言えば、ラメミリアの人は日本人ほど仕事に時間をかけないといったくらいでしょうか。
　私の所属する「リーラス運営会社」はラメミリアきってのハードワークで知られる会社なのですが、日本の会社と比較するとのんびりしていると思います。
　私が日本にいたときは、仕事のペースの違いに慣れるまで時間がかかったのを覚えています。

　選手の一日の話に戻りますが、今回は試合に出場する日の一日についてお話しします。
　選手は出場する競技開始の四〇分前までに選手控室に集合し、受付を済ませます。
　控室に入るチェックに少し時間がかかるので、大抵は自分が出場する競技の開始一時間前くらいにアリーナに到着するようです。
　第一競技に出場する場合、競技が八時四〇分～九時半に始まるので、八時～八時五〇分には選手控室に入ります。

　ちなみに競技開始三〇分前までに受付を済ませていない場合、その競技への出場権を失います。
　四〇分前までに届け出ていれば特に罰則などはないのですが、届け出がない場合は年間の累積回数に応じてポイント剥奪のなどのペナルティがあります。
　朝が苦手な選手などは、午前中の競技に出場しないようにしているケースもあるそうです。

　試合開始一〇分前になると選手たちは控室から競技が行われるステージへと移動します。
　ステージ移動後にブース番号順に選手が紹介されます。選手紹介は競技開始時刻の前に行われますので、注意してください。

　競技開始時刻になると進行役が開始宣言し、競技が開始されます。
　競技は大体二〇～三〇分で、競技が終わると六位以下の選手は控室に戻ります。
　結果確定後（通常は競技終了後、五分以内に結果が確定します）　五位までに入った選手については、表彰を受けます。
　表彰を終えた選手は選手控室に戻り、定められた場所へと移動します。
　ここで当該競技に出場した選手の点呼を行って、解散となります。
　競技開始から解散までは一時間くらいになります。
　Sランク競技やAランク競技といった大きな競技の表彰式は少し長くかかるので、解散までの時間はもう少し長くなります。

　解散したら多くの選手は控室を出て、その後はフリータイムとなります。
　例外は「当番選手」とされた選手です。
　その日の第三競技までに出場する選手の中から、三名（各競技から一名）が当番選手として選出されます。
　選出方法ですが、受付時に当番選手となることを希望した選手の中から抽選で決定します。

　当番選手は、最終競技の開始前まで選手控室に待機します。
　彼らは、何らかの理由で当日に出場ができなくなった選手がいた場合、その代わりとして競技に出場します。
　Sランク競技にはこの制度は適用されないのですが、下位のクラスの選手でもAランクまでの競技に出場できるので、下位のクラスの選手には当番選手を希望する選手が多いです。
　また、選手のクラスごとに年間の出場回数の上限が定められているのですが、当番選手として代理出場した場合は出場回数にカウントされません。
　賞金やポイントは普通に出場した場合と同じようにカウントされるので、選手にとってはメリットのある制度だと思います。

　当番選手にならない場合、選手がアリーナにいる時間は二時間から三時間くらいです。
　一日の勤務時間としては短めですが、アリーナまでの移動に時間がかかる選手もいますし、普通に仕事をしている選手もいるのでこうした形になっているのだと思います。
　また、リーラスのプロ選手はIlasを多く持つ人として人々の尊敬を集めていますので、そうした人たちへの配慮という意味もあります。

　ちなみにラメミリアの会社などの一日当たりの労働時間は五時間から六時間に設定されていることが多いです。
　週休二日が徹底しているので、週当たりの労働時間だと二五時間から三〇時間です。日本の労働時間と比較して短いことがわかると思います。
　私の場合は月の出勤日が一八日なので週休三日くらいになります。その代わり一日の労働時間は八時間から一二時間。平均すると週に三二、三時間くらいの勤務です。
　ラメミリアの平均と比較すると総労働時間も多いのですが、一日当たりの労働時間が長いのが特徴です。ハードワークと言われるのはそのあたりが影響しているのだと思います。

　今回はこのくらいで。では！

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