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東のダンジョン

倒せ!蟻軍団

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 俺は中央の大部屋に入って、中央の大部屋の本来のトラップが発動した。
多分、BOSS全部倒すまで出てこれないようにするためのトラップ。
だから何だ。ただ数が多いだけじゃないか。今の俺には数なんて関係ない。滅ぼしてやる。
俺は部屋の中央へ突撃し斬りこんでいく。
大部屋の壁際には大量の卵があり、部屋の中心へ行こうとしたときに一斉に孵化した。
え~、ここでさらに増えるのかよ。
数でごり押しする気かよ。目の前には大量の蟻がいる。これらを倒すのは少し骨だぜ。
それでもやってやる。
そう思っていたのも束の間、さらに卵が孵化する。
ちょっと待て!?どんだけ数を増やす気だよ!
孵化したばかりの蟻はダンジョンの影響を受けてすぐに戦えるぐらいの成体になった。
この状況かつて見た映画に似ている。
あれは確かただでさえ強い敵が2の乗数で増えていくという恐ろしい状況で核弾頭のタイマーを持った奴を探さなければならないという状況に似ている。
こちらは2の乗数で増えるわけではないし、核弾頭のタイマーを持つ敵を探す必要もなく、明らかにこちらの方が一体一体が弱い。それゆえにあそこまでの絶望感はない。
四方八方から魔法弾が撃ち込まれる。
俺の防御力をなめんな!そんな豆鉄砲ダメージにならないんだよ。
蟻からの魔法弾に当たってもダメージにはならない。さっきの映画みたいにハイレーザーソードを振って撃ち返し見たりしてみた。
そして、映画のワンシーンのように跳ね返すことができた。
できたのはよかったのだが、こいつら攻撃力が弱かったために映画のようにはいかなかった。
倒し数0、ひどい話だ。やってみたはいいがなんか格好がつかない。
ここにいる蟻たちはワークアントが一番多い。
通常アント系とエンプレスアントは土属性、サムライアント系は火属性。
BOSSのアントクイーンは土Lv2でエンプレスアントは土Lv3、サムライアントクイーンは火Lv2だ。
弱点を突く爆弾を投げ込んで一掃しよう。
俺は銃をしまってフレアボムを取り出し投げる。
近くの敵は斬って斬って斬りまくり、投げて投げて投げまくる。
これにより蟻の数がどんどんと減っていく。

「まだまだ!!!」

調子に乗ってさらに蟻たちを倒していく。
攻撃が激しくなっていき、気づいたら俺はハイレーザーソードを振るたびに衝撃波見たいの出ていた。
前には、出ていなかったけど、これは楽できていい。ジャンジャンバリバリ倒していくぞ!
蟻を倒していく。しかし、一向に数が減らない。
周りをよく見ると卵はすべて孵化していない。
もしかして倒しても減らないのは、倒す速さより、卵が孵化して数が増える速さの方が早いのか。
それによく見ると卵1個から出てくる蟻の数が4、5匹で、複数孵化する。
爆弾1個で倒せる蟻の数は、4~6匹。
はっきり言ってため殲滅が追い付いていない。
こうなったらこの部屋を吹き飛ばす気持ちで使わせてもらうぜ。
俺のアイテムボックスの奥底に沈めた危険物を使うとするか。
これは試しに作ったはいいが、危険すぎてアイテムボックス奥底に沈めて使うとつもりがなかった。しかし、殲滅力がない以上、一気に倒すにこれほどいいものはない。
ゲーム時代は従者であるあいつらがいたから使う場所がなかったといえる。
しかし、ここには俺しかいない。使っても大丈夫だ。
さあ、使わせてもらうぜ。核弾頭のような大変危険な物で取扱注意、一瞬でここいったいが消えてなくなる爆弾。
その名は、『ハイパーデンジャラスボム』
俺が知る限り最高の危険物だ。
これは防御力無視してダメージを与え、爆発の属性は無属性。
威力は、武器攻撃力×STR×MGI×AGI×(現在のHP-10)×(現在のMP-10)×バフデバフの数で決まる。
ハイパーデンジャラスボム使用後、HPMPが10になり、12時間STR、MGI、AGIが90%マイナスされ、さらに1時間HPMPが回復できなくなり、バフを受けれなくなる。一応、状態異常とデバフを受け無くなる。
威力が強くなることで爆破範囲がとんでもないことになる。
地上で俺が使ったうえでの予想はこの国が消えてなくなって国サイズのクレーターができるのではないかと思っている。
この予想は《ためボム》使用していない状態での予想だ。もし《ためボム》を使った状態での地形変化なんて考えたくもない。どれだけの命が消えてなくなるのだろうか。考えるだけで末恐ろしい。
要は地上で使わなければいいだけの話だ。ここはダンジョンだ。どれだけ暴れても壊れることはない。
さあ、消えてなくなれ。
俺はアイテムボックスから一時的STRを増やすポーションを取り出して飲んだ。これでバフがかかる。
バフデバフなしで使用した場合、威力がゼロになる。絶対にバフデバフがない状態では使ってはいけない。使った場合、自分の首を絞めるだけだ。
大部屋の中心にハイパーデンジャラスボムを投げる。
ハイパーデンジャラスボムは曲線を描いて部屋の中心へ落ちる。
そして、ハイパーデンジャラスボムは爆発した。
大部屋は一瞬にして真っ白になった。
俺は真っ白な光に包まれた。この一瞬がものすごく長く感じた。
体感では1時間たったように感じてから爆発音が聞こえた。
爆発音で鼓膜が破れるのではないかと思ったほどものすごい音がした。
光は徐々に晴れて、周りを見ました。
そこにはありの姿は1匹としていなかった。
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