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東のダンジョン

ダンジョンの森 西のセーフティゾーン

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 俺たちは入り口から近い西のセーフティゾーンに着いた。
そこには休憩していた冒険者たちがいた。
情報交換するために近づいた。
ここにいた冒険者たちは横穴を探している冒険者達だった。
横穴は複数開いているという話だったけど、全部塞ぐことができたのか?
そこのことを聞くとまだすべては塞ぐことはできていないという。
横穴は複数、西側の一つは埋めることができたという。
残りはまだ不明だという。
ここで疑問がある。本当にここはダンジョンなのか?
前世でもそんな話はなかった。まぁ、前世の時はゲームだったからどんなに中で暴れても穴が開くことはなく地形が壊れることはなかっただけなのかもしれない。
しかし、前のダンジョンではどれだけ力を出しても壊れなかった。
そうすると異世界化したことによりダンジョンにも変化が起きたのか。

冒険者達と会話していた。ベカズが驚いた声を上げた。

「それは本当なのか!?」

いったい何が起きたのだろうか。

「それは本当なのか!?ダンジョンが死にかけているって」

ダンジョンが死にかけている?
そんなことがあり得るのか?だからベカズが驚いているのか。
しかし、ダンジョンが死にかけていると何が起きたのだろうか。

「ダンジョンが死にかけているとどうなるんだ?」
「ダンジョンの壁がもろくなって、モンスターが壁を攻撃すると崩れるようになり今回みたいな横穴ができるようになるのとトラップが発動しなくなるのと中の環境が変わってくるっていう話だ」
「ではかんぜんに死んでしまうとどうなるんだ」
「外と変わらなくなる」
「なるほど」

今、ダンジョンが死にかけているからモンスターが壁を攻撃して横穴ができてしまった。
中にも影響がでて森が燃えるようになってしまったというところだろうか。
ダンジョンが死にかけているという前兆は察知できなかったんだろうか。
いや、まだダンジョンが死にかけているという確証がないから何も言えないのかもしれない。
それにしてもダンジョンが死ぬか・・・。
ダンジョンってどうやったら死ぬんだ?

「ダンジョンって死ぬなんて初めて聞いたんだけど、どういうこと?」
「なんだ知らないのか?まずダンジョンってどうやってできるか知っているか?」

どうやってダンジョンができるか、今思うとそれは知らない。
ゲームだとプログラマーの誰かが考えて作ったとしか言えない。でも異世界化したことでそんなことはできないからまた別の手段でできるということになる。

その人の話ではダンジョンはダンジョンコアがあって初めて作られる場所だという。
ダンジョンコアがどうやってできるかはわからないらしい。
魔力溜まりが発生しやすい場所でできるとよくいわれている。
ダンジョンコアができて自然とダンジョンが形成される。
ダンジョン形成されたとき階層型かフィールド型のどちらになるのかはまだ分かっていない。
ダンジョン内に出るモンスターがどんな個体が出るのかもわからない。まだ研究中だという。
完成したダンジョンはダンジョンで死んだ存在を取り込み成長するといわれている。
階層型は、階層が増えればそれだけ強いモンスターがよく出るようになる。
フィールド型が成長すれば地下に沈んでフィールドが拡張される。
ダンジョンは死ぬ。
自然で発生するものだから自然に消えるものなのではないかとそう思ったのだが。
ダンジョンコアがダンジョンから無くならない限りダンジョンは死なない。
ダンジョンができる法則からここは魔力がたまりやすい場所であることは間違いないので魔力切れによるダンジョンコアの消失は考えられない。あるとしたらダンジョン周りの地形が変化でもしない限り無いと考えられる。

「ざっとこんなもんだ」
「ふむふむ。今、このダンジョンは死にかけているのは誰かがダンジョンコアを壊そうとして気づつけたか、地形変動でも起きてダンジョンコアに魔力が送られてこないかのどちらかということでいい」
「俺たちはそう思っている」
「しかし、おかしな話ですね」

おかしな話とはどいうことだ?

「確かこのダンジョン、国の方から殺してはいけない。ギルドにダンジョン抹殺不可令が出されていませんでしたか」

なにそのダンジョン抹殺不可令って?
ようはダンジョンを殺してはならない令状だろうか。

「そうだ。ここでとれる果物と蜂蜜は金になる。それゆえに国の方から令状がでている」
「なのにこのダンジョンが死にかけているということは地形が変わった・・・。ということは最近でもありませんし」
「現状ではこのダンジョンが死にかけているのは不明なんだよな」
「まさか、あの魔法陣の影響を受けているのか」
「あの魔法陣ってなんだよ」

ここにいる冒険者たちに俺たちがこれまでやってきたことを話した。
ここにも増殖の魔法陣がある可能性があり、その影響でモンスターが大量発生し氾濫しかけていることを伝えた。
さらに、増殖の魔法陣の近くには必ず畑が存在していることを伝える。
ここにいる冒険者たちは誰も畑を見ていないという。
畑と魔法陣が設置されたのは一日二日前の話ではない。それなのに誰も見ていない。ということはセーフティゾーンの所にはないということだろうか。
しかし、1人の冒険者が気になる情報を話した。

「パーティ『チェイサー』から聞いたんだけど、中央から北東の奥あたりに畑を見たと一定の聞いた覚えがある」
「なに、それは本当か!?」
「ああ、正確な位置はわからないぞ」
「情報がないよりはましだ。北東か」

エリンに地図を出してもらい。北東方面を円で囲む。
今度は中央に向かって進む。
ここにいる冒険者たちに一言声をかけて中央のセーフティゾーンへ向かった。
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