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自分の工房を目指して(クリエイターズへ)

冒険者ギルド

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 冒険者ギルドに入ってすぐにひと悶着があったが、力でねじ伏せて俺はギルド受付に向かった。
向かったらなぜか女神も俺についてきた。
そこで訪ねようとしたら、女神から口に指をあてられてふさがれた。

「女神とは呼ばないで、それとここで活動するための名前を考えたの。名前はラッキー・ライラック。ライラと呼んでほしい」

伯爵が言っていたライラとは女神を指していたのか。ラッキーライラックどこかで聞いたことがある名前だ。
確か毎週日曜VR競馬で出てきた馬の名前を同じだ。
年末のVR競馬有馬記念で確か父娘対決が起きたとかニュースでやっていたような。VR馬券は買っていないけど。その年のVR競馬を見たけど勝ったのは父でも娘でもなく。史上三頭目三冠馬Mr.C.B.(二代目)が勝った。父は鞍上のミスで仕掛けが遅れてハナ差4cmで届かなかった。娘は4着だったと覚えている。
女神がこの世界で名のる名前はそこから来ているのだろうか?

「出会えた幸運とこれから友情を育みたいから、こういう名前にしたの」

ラッキーは幸運、ライラックの花言葉はなんだっけ、友情なんてあったか?
花言葉はよくわからん。同じ花でも色によって違うらしいから覚えようとしなかった。
馬からではないことはわかった。

それからライラと一緒に受付に行き冒険者になる手続きをしてもらう。ライラは何事もなくなれたが、俺はなれなかった。
一応、伯爵から冒険者になるための紹介状をだしたが、ギルド側に俺の実力が分からないため試験することとなった。
さっき、冒険者を一撃でのしことを話したが、ギルド側が用意した試験官でないためダメといわれた。

それからギルド裏へ移動して、試験をしてくれる冒険者はランクB級の人だった。
その人と手合わせすることになった。
俺がその人の体に一撃を入れられたら合格。
手合わせは一瞬で終わった。相手の顎にアッパーを入れて一撃でノックダウンさせた。
あっけないものだった。
この程度の力でランクB級とは・・・何も言うまい。ただ、試験官がBランクでも下の方だったのだろう。
その後、ギルドの人から合格を言い渡され、試験官の人は治療された。

建物に戻って冒険者として登録ために書類を書く。
言えば書いてくれる。『インフィニティ・ワールド』の製作会社が日本のため基本この世界で使われている文字は日本語である。サーバーによって文字が変わるとかじゃなくて基本日本語で、オプションで英語などの外国語に変更することができる仕様だった。そのためこの世界では基本文字は日本語である。
書類に名前と生年月日、歳、職業、得意武器を記入する。
名前と生年月日、歳得意武器はすぐかけたのだが、職業はどう書こうか迷った。
自分の職業は何かと聞かれたら、錬金術師?細工師?鍛冶師?など生産系の物はあらかたできる。
それらひっくるめてクリエイターと呼ぶべきだと自負している。受け入れられるかわからないが、そう書いておこう。
書類を提出すると受付の人は何事もなく受け取った。これでよかったのだろう。

それからはギルドから簡単な説明があった。
ギルドはランク分けされており、ランクは特A級、A級、特B級、B級、C級、D級の6ランクに分けられる。
最初はD級でギルドはいりたての初心者を意味している。C級は半人前、B級は一人前、特B級はベテランとなる。
さらにランクによって行動に制限がかかる。
ランクD級だと都市周辺までしか行くことができない。ランクC級だと領内まで、ランクB級で国内、特B級になって国外でも活動することが許される。なお、パーティーだとメンバー内の一番ランクが高い人が参照される。
ランクD級からランクC級になるのは簡単でギルドから初期依頼がありそれを達成するとランクC級となる。
俺とライラはランクDからは始まる。工房に行くためにはまずは、特B級目指すか、特B級の人を仲間にする必要がある。
ギルドはギルドの施設以外での冒険者同士のいざこざに関与しない。自分たちで対応するように。
なぜ詳しい説明をしないか聞くと詳しい説明しても覚えていない人が多いためその都度説明しているという答えが返ってきた。

 説明の後、初期依頼として薬草の採取とモンスターの退治をギルドから依頼された。
依頼内容はエイドリーフは5枚、モンスター退治はスライム3体討伐だった。

「エイドリーフはこのあたりで手に入るものなのね」
「スライムは年を出て下水の出口付近いると思う」
「なら簡単ね」

受付に行ってライラとパーティを組めないか聞くとパーティ結成の書類を渡された。
書類には『パーティ名』『パーティリーダー』『パーティメンバー』の記入欄がある。
ライラと話し合ったところ『パーティ名』を『凰牙』にした。この名にしたのは俺たちのパーティ名を見た『クリエイターズ』の誰かが俺たちに接触測ろうとするだろうと考えてこの名にした。
『パーティリーダー』は俺が勤めて、ライラはメンバーとなった。
パーティ結成の書類を受付に提出した。受付は書類を確認して少し待った後、承認が認可された。
そして俺たちはパーティ『凰牙』として行動を開始した。

初期依頼は一人につきなので俺たちがやることはエイドリーフ10枚とスライム6体討伐である。
東に行くため依頼などすぐに終わらせて特B級まで駆け上がろう。できれば特B級の人が入ってくれるのが手っ取り早いのだけど。ないものねだりしてもいけないので依頼に集中する。
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