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時を超えて
買い物
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屋敷を出て近くの村へ向かった。
この村の大きさは、村というには大きく、町というに小さい。そんな大きさだ。
鍛冶屋へと向かいそこに細工用の道具がないか見に行く。
村の人に鍛冶屋のある場所を教えてもらい。鍛冶屋に行く。
ついた鍛冶屋は、前にいた場所にあった鍛冶屋に比べて明らかに小さかった。
まあ、比較対象がおかしいだけかもしれないけど。あっちは王都にあるのだから大きいのは当たり前か。
俺は中に入り、中にある商品を見て回る。
商品を見た限り、王都にあった鍛冶屋より腕がいいように見える。しかし、素材が悪いのか製作者の腕を存分に振るえていないよう見えた。
「よう、嬢ちゃん、何か探してんのか」
声のほうを振り向くとずんぐりむっくりで口の周りにかっこいいひげを生やした男がいた。
見ただけでその人の種族が分かった。この人はドワーフだ。
ドワーフは種族全体で地魔法が得意で手先が器用なのが多くいる。鉱物の見わけもよくできて鍛冶が得意だ。
ならここの商品の出来がいいのわけだ。ただ素材の品質が低いのは何と言うべきか。
「細工道具を買いに来たんだ。初心者用の細工道具ってここにおいてない」
「初心者用の細工道具か、ここでは細工道具を作ってはいるが、売ってはいないんだ。買いたいなら細工屋に行きな」
ここは細工道具をつくりはするが細工屋に物を卸しているだけか。
なら次は細工屋に行くか。あと錬金関係の店を見つけないと。
俺は店主のドワーフに細工屋がある場所を教えてもらった。教えてもらった後、主人からチケットを一枚もらった。
「これは?」
「教えた細工屋の割引チケットだ。あっちの主人に見せると初心者用の細工道具を割引きしてもらえる」
「なんで私に?」
「細工するってガキには誰も渡してる。だからお前さんだけ特別に渡したわけじゃねぇ。
ガキは道具を一個買うにもそれだけでていへんだからな。無理して全部そろえたとしても今度は材料のほうまで金が回らない可能性がある。
俺が細工屋の主人で、ガキが細工しやすく、そのまま職人なりやすくできないか相談したんだ。
んで、できたのがこのチケットだ。だから励んでいろんなものを作ってくれよ」
割引きのチケットをもらって鍛冶屋を後にした。
それにしてもあのドワーフのひげ、かっこよかった。前世ではあんなひげ目指していたんだけどな。結局できなかったなぁ。
鍛冶屋の主人に教えてもらった細工屋に到着する。
店の中に入ると中は思っていたより広く、色とりどりの道具と材料、装飾品が売られていた。
「いらっしゃい。何か探してるのかい」
入って商品を物色していたらカウンターのほうから声をかけられた。
声をかけてきたのはさっきの鍛冶屋の主人と同じくドワーフで今度は女性だった。
「初心者用の細工道具を探しに」
そう言って鍛冶屋の主人からもらったチケットを見せた。
「へ~、先にあっちに行ったのかい。ちょっと待ってな。初心者用の細工道具を持ってきてやるから」
そう言って主人は奥へと引っ込んでいった。
待っている間、店内を物色する。
装飾品コーナーに変わったところがあった。
手先が器用なドワーフが作ったとは思えない物が売っていた。
多分これらは子供たちが作ってここに売った装飾品だと思う。
手作り感がいっぱいな心あふれるものから武骨なものまで色とりどりだ。
「嬢ちゃん。おまちどうさん」
そう言って奥から店の主人が戻ってきた。
「おや、そのコーナーを見ていたのかい」
「はい。やっぱりこのコーナーって」
「嬢ちゃんが思っている通り、コーナーはここで細工道具を買っていった子供が作ったものをあたしが買い取ったもの売っているのさ。嬢ちゃんも良いものができたら内に売ってくれ。できによっては色を付けて買いっとてやるよ」
こちらとしてはありがたい話だ。
ただでさえ無収入である以上、母さんの財産を切り崩して生活していかなきゃならない。
たとえ、収入がなくても2年と一か月は持つにしてもやっぱりどこかで収入が欲しかった。
あとは材料を買って錬金関係の店を探して帰って製作開始だ。
それから材料を物色して簡単なペンダントを作ろうとして、ひもをたくさん購入する。
ウルフの牙に穴をあけてそこにひもを通してできる簡単なペンダントだ。
『インフィニティ・ワールド』ではこれでAGIが1上がるアクセサリーができる。
これはゲームの話だが、この世界では意味がないだろう。
でも作り方次第ではかっこいいものができるはずだ。
さて、細工道具と材料は買うことができた。今度は錬金関係の店を探さないと。
そう思って店主にこの村に錬金関係の店はないかと聞くと、
「錬金関係の店かい。この村にはないねぇ」
錬金関係の店はないのか。そうなると次の村だが、村程度では錬金関係の店をやっている人がいないかもしれん。
そうなるとやはり町ぐらいのところでないとダメか。
ペンダントを作ることにしたから、錬金に必要なものを後回しすることにしよう。ちょっとガックシ。
錬金関係は後回しにしようとしたことで気持ちが落ちたように思えたのか店主からちょっとした情報をもらった。
「嬢ちゃん。気落ちする必要はないよ。知り合いがこの村に錬金関係の店を開きたいって言っていたんだよ。奴のことだからちゃっちゃと店を作っちまうからそれができるまで待ちな。奴ことだから1か月あれば作っちまうんじゃないかなぁ」
店主の知り合いがこの村で錬金関係の店を作ろうとしているのか。それも1か月って今建設中の建物は・・・。ここに来るまでに結構あったな。それのどこかに入るのか。その間はペンダントでも作っていよう。
店主にお礼を言って店を後にした。
この村の大きさは、村というには大きく、町というに小さい。そんな大きさだ。
鍛冶屋へと向かいそこに細工用の道具がないか見に行く。
村の人に鍛冶屋のある場所を教えてもらい。鍛冶屋に行く。
ついた鍛冶屋は、前にいた場所にあった鍛冶屋に比べて明らかに小さかった。
まあ、比較対象がおかしいだけかもしれないけど。あっちは王都にあるのだから大きいのは当たり前か。
俺は中に入り、中にある商品を見て回る。
商品を見た限り、王都にあった鍛冶屋より腕がいいように見える。しかし、素材が悪いのか製作者の腕を存分に振るえていないよう見えた。
「よう、嬢ちゃん、何か探してんのか」
声のほうを振り向くとずんぐりむっくりで口の周りにかっこいいひげを生やした男がいた。
見ただけでその人の種族が分かった。この人はドワーフだ。
ドワーフは種族全体で地魔法が得意で手先が器用なのが多くいる。鉱物の見わけもよくできて鍛冶が得意だ。
ならここの商品の出来がいいのわけだ。ただ素材の品質が低いのは何と言うべきか。
「細工道具を買いに来たんだ。初心者用の細工道具ってここにおいてない」
「初心者用の細工道具か、ここでは細工道具を作ってはいるが、売ってはいないんだ。買いたいなら細工屋に行きな」
ここは細工道具をつくりはするが細工屋に物を卸しているだけか。
なら次は細工屋に行くか。あと錬金関係の店を見つけないと。
俺は店主のドワーフに細工屋がある場所を教えてもらった。教えてもらった後、主人からチケットを一枚もらった。
「これは?」
「教えた細工屋の割引チケットだ。あっちの主人に見せると初心者用の細工道具を割引きしてもらえる」
「なんで私に?」
「細工するってガキには誰も渡してる。だからお前さんだけ特別に渡したわけじゃねぇ。
ガキは道具を一個買うにもそれだけでていへんだからな。無理して全部そろえたとしても今度は材料のほうまで金が回らない可能性がある。
俺が細工屋の主人で、ガキが細工しやすく、そのまま職人なりやすくできないか相談したんだ。
んで、できたのがこのチケットだ。だから励んでいろんなものを作ってくれよ」
割引きのチケットをもらって鍛冶屋を後にした。
それにしてもあのドワーフのひげ、かっこよかった。前世ではあんなひげ目指していたんだけどな。結局できなかったなぁ。
鍛冶屋の主人に教えてもらった細工屋に到着する。
店の中に入ると中は思っていたより広く、色とりどりの道具と材料、装飾品が売られていた。
「いらっしゃい。何か探してるのかい」
入って商品を物色していたらカウンターのほうから声をかけられた。
声をかけてきたのはさっきの鍛冶屋の主人と同じくドワーフで今度は女性だった。
「初心者用の細工道具を探しに」
そう言って鍛冶屋の主人からもらったチケットを見せた。
「へ~、先にあっちに行ったのかい。ちょっと待ってな。初心者用の細工道具を持ってきてやるから」
そう言って主人は奥へと引っ込んでいった。
待っている間、店内を物色する。
装飾品コーナーに変わったところがあった。
手先が器用なドワーフが作ったとは思えない物が売っていた。
多分これらは子供たちが作ってここに売った装飾品だと思う。
手作り感がいっぱいな心あふれるものから武骨なものまで色とりどりだ。
「嬢ちゃん。おまちどうさん」
そう言って奥から店の主人が戻ってきた。
「おや、そのコーナーを見ていたのかい」
「はい。やっぱりこのコーナーって」
「嬢ちゃんが思っている通り、コーナーはここで細工道具を買っていった子供が作ったものをあたしが買い取ったもの売っているのさ。嬢ちゃんも良いものができたら内に売ってくれ。できによっては色を付けて買いっとてやるよ」
こちらとしてはありがたい話だ。
ただでさえ無収入である以上、母さんの財産を切り崩して生活していかなきゃならない。
たとえ、収入がなくても2年と一か月は持つにしてもやっぱりどこかで収入が欲しかった。
あとは材料を買って錬金関係の店を探して帰って製作開始だ。
それから材料を物色して簡単なペンダントを作ろうとして、ひもをたくさん購入する。
ウルフの牙に穴をあけてそこにひもを通してできる簡単なペンダントだ。
『インフィニティ・ワールド』ではこれでAGIが1上がるアクセサリーができる。
これはゲームの話だが、この世界では意味がないだろう。
でも作り方次第ではかっこいいものができるはずだ。
さて、細工道具と材料は買うことができた。今度は錬金関係の店を探さないと。
そう思って店主にこの村に錬金関係の店はないかと聞くと、
「錬金関係の店かい。この村にはないねぇ」
錬金関係の店はないのか。そうなると次の村だが、村程度では錬金関係の店をやっている人がいないかもしれん。
そうなるとやはり町ぐらいのところでないとダメか。
ペンダントを作ることにしたから、錬金に必要なものを後回しすることにしよう。ちょっとガックシ。
錬金関係は後回しにしようとしたことで気持ちが落ちたように思えたのか店主からちょっとした情報をもらった。
「嬢ちゃん。気落ちする必要はないよ。知り合いがこの村に錬金関係の店を開きたいって言っていたんだよ。奴のことだからちゃっちゃと店を作っちまうからそれができるまで待ちな。奴ことだから1か月あれば作っちまうんじゃないかなぁ」
店主の知り合いがこの村で錬金関係の店を作ろうとしているのか。それも1か月って今建設中の建物は・・・。ここに来るまでに結構あったな。それのどこかに入るのか。その間はペンダントでも作っていよう。
店主にお礼を言って店を後にした。
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