Bグループの少年

櫻井春輝

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第四章 Bグループの少年と夏休み

第三話 やつは鬼だ

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「じゃあ、まずは――マサ、お前からだ。準備しろ」
「お、おう……」
 予想していた通り最初に自分から呼ばれて、望んでいたこととは言え、久しぶりに亮のとんでも具合を見たために思わずどもって返事をした将志は、緊張を顔に浮かべながら防具を付け始める。
 そんな将志を戦々恐々と見てくる男子部員達。
「――マサの次は誰でもいいから、一人防具つけて待機しとけ」
 将志が防具をつけるのをジッと見ているだけの男子部員へ、訝し気に亮が言うと、すかさず一人が前に出る。
「ならば、俺が次を――」
 郷田が早速とばかりに防具を付け始めようとする。
「あー、いや、おっさんは最後にしておけ」
 そう言われてピタッと体を止めて、残念そうな顔で振り返る。
「……何故だ?」
「それまで俺が誰かと相手するのをじっくり見て、どうしたら俺に勝てるか頭でイメージとっとけ」
「……お前の動きを観察してろと、そういうことか?」
「そう。だから、おっさんは最後」
「……わかった」
 不承不承なのを隠せない郷田の声に亮は苦笑する。
「あと、どうせなら、次に相手するのを、おっさんが指名して準備させといてくれるか?」
「……ふむ、そうだな、わかった。一人を相手するのにかかる時間は如何ほどだ?」
「……五分ぐらいじゃねえか?」
「……それだけか」
「五分経ってまだ足が動くならそれ以上相手してやるよ。誰でもな」
「……そういうことか」
「ああ、そういうことだ」
 亮の乱取りは審判が止めるみたいな試合じゃなく、どれだけ打たれても続くので、五分間動きっぱなしになることを将志は知っているから、この会話がすんなり頭に入る。郷田も経験しているからこそ、亮の言うことがわかったのだろう。
 それを知らない、いや、経験してない部員達は五分で動けなくなるものだろうかと首を傾げている。
 将志の周りを見渡した郷田は、将志のすぐ近くにいた男子部員に目を止める。
「ふむ、ならば次は――田中、用意しておけ」
「うぇえ!? お、俺っすか……?」
「ああ、用意しろ」
「う、うっす……」
 田中は死刑台に向かうかのような悲壮感を漂わせながら自身の荷物のある場所へトボトボと向かう。
「他は引き続き練習を続けろ! 俺が呼んだら防具をつけるように!」
「お、おっす――!!」
 部員の声が道場内に響き、各々が練習を再開したところで、将志の準備が終わった。
「終わった、亮」
「ああ」
 頷く亮の前に将志は立って、頭を下げる。
「お願いします」
「ああ――お願いします」
 亮も同じように頭を下げて返す。
 すると、部員達が驚いたように目を瞠る。
 意外に思われるかもしれないが、亮はこういうところはキチンとしていたりする。
 というよりも、子供に指導する時には最低限の礼も教えるということもあって、互いに礼をするのは当たり前の話だと将志は亮から聞いたことがある。
 それは剣道でも変わらないのだが、それでも亮がするのは部員達には意外に見えたのだろう。
「――で、亮はやっぱり防具はつけないんだな?」
 将志がわかりきっている質問をすると、亮は考える素振りも見せず答えた。
「いらねえ」
「……だよな」
 将志は苦笑の籠った息を吐いた。
(……亮に防具が必要だと思わせるなら……最低でも主将レベルかな……いや、まだ足りないか)
 そしてもう一度、ふーっと息を吐いてから竹刀を構えて亮を見据え、準備は整ったと目で訴える。
「よし、じゃあ、始めるからな」
 亮は宣言し、気楽なようにゆらりと一歩踏み出した瞬間――
「ぐっ――!!」
 亮の姿が拡大したように大きくなった錯覚を感じたと同時に、目の前にいる亮から左の竹刀が振るわれる。
 こうなると経験から予想していたがために、将志はどうに反応して防げた。
(でも、すぐに――ほら、来た!!)
 反対の手に握られた竹刀が胴に迫り、なんとか身を後退して躱す。が――
(はあ!? 燕返し――!?)
 躱した右の竹刀が、将志の避けた方向へ迫り、これもなんとか反応して撃ち返す。が、しかし――
「うっ――!?」
 右の竹刀に視線を向けている間に、左の竹刀によって面を打たれる。
「っ、うあっ!? ぐっ――」
 その後も亮の攻撃は止まらず、立て続けに胴、面、面、胴、面と滅多打ちされる。
「このっ――!!」
 再び来る胴打ちを撃ち返すと、やはり反対の竹刀がすかさず襲ってきて、それも撃ち返したが、息つく間もなく小手を打たれて、将志の手から竹刀が零れる。
「――っ、は、はあ……」
 今の一瞬だけでどれだけ体力を奪われたのか、将志の息が切れそうになる。
 動いた量だけで見れば大したことないのかもしれないが、亮が向かってきた瞬間から感じるプレッシャーや、次の一手を考える思考、その間の緊張感。それらがこの短い間に将志から体力を奪っているのだ。

 今の一方的な乱取りに見入っていた男子部員達がゴクリと喉を鳴らす。
「……フルボッコじゃねえか……」
「ああ、まるで手も足も出ねえって感じで……」
「将志のやつはもう、主将、副将に次ぐ腕前だってのに……」
「……今みたいなのを全員……?」
 彼らはゾッとした顔でお互いを見合わせた。

「早く拾って構えろ」
「あ、ああ……」
 将志が拾って間合いを広げようと、一歩後退したところで、亮から感心したような声がかかる。
「大体わかってたけど、やっぱり腕上げてんな。ちゃんと稽古してたみてえだな」
 亮が滅多に世辞でそんなことを言わないのを知っている将志は、沸き上がる嬉しさに蓋をして憮然としてみせた。
「……一瞬の間に滅多打ちされた気がするんだけど?」
「最後の胴には反応してたじゃねえか。その後もな。中学の時のお前なら出来なかったはずだ」
「……一応、言われたことはやってきたからさ」
「ああ。やってないと思ってたらもっと打ってるとこだ」
 そう言って物騒に笑われて、将志の背筋に冷たいものが走る。
「は、はは……ちゃんと練習してきたよかった」
「おう。まあ、これで見たいものは見れた。次はもっときつめにいくぞ」
「お、お手柔らかに……」
 腰が引きそうになるのを堪えて返して構えると、亮はニヤっと笑って一歩踏み出した。



「おら! その足は飾りか!? ちゃんと動かせ!!」
「ぐっ――」
「何度も言わせんな、視線を一点に集中するのやめろ!!」
「このっ――」
「常に相手の全体を見ろって言っただろ! 足と手動かしながら考えんだよ!!」
「お、おおおおおおおお――!!」
「やりゃあ出来んじゃねえか! スピード上げんぞ――!!」
「ぐうっ――あああああああ!!」



「はあっー、はあっー……」
 体力を底から振り絞った将志が疲れ果てて床で大の字を描いている。
「マサ、お前ちょっと走り込み足らねえな。これから走る距離増やせよ――次のやつ」
 対して碌に汗も掻いた様子の無い亮がそれだけ告げると、次の順番として待機している田中へ目を向ける。
 将志との乱取りを途中からあんぐりと見ていた田中がビクッと肩を揺らす。
 そして恐る恐るといったように亮と目を合わせると、すぐに逸らして助けを求めるように周囲を見回すも、全員が田中と目を合わせるのを避けてしまった。
「早くしろ。時間もったいねえ」
 亮に促されて、田中は諦めのため息を吐いて足を動かした。
 そのゆっくりさに亮は苛立ったようで、声を荒げた。
「さっさと来い――!!」
「は、はい――!?」
 田中は驚いた猫のように飛び上がると、素早く亮の前に立って深々と頭を下げた。
「お、お、お、お――お願いします!!」
「ああ、お願いします……って、マサ、邪魔だ……っと」
 頭を下げて返した亮はそう言って、いつまでも足元にいた将志を、足で押すように転がした。
 蹴っていないのは亮の優しさである。
「ううぇっ――」
 そんな声を発して転がった将志の行き先は千秋の足元であった。
 ちなみに周りで見ていた部員達は当然のように顔を引きつらせている。
「はい、お疲れさん、将志」
「はあっ、はあ……ち、千秋……りょ、亮のやつ相変わらずだ……! ほんと容赦ない……!」
 将志が思わず愚痴ると、千秋は苦笑を浮かべた。
「そうかもしれないけど、ちゃんと手加減してくれてるじゃん。こうやって話せるぐらいなんだし」
「……そ、そうかも、はあっ……しれないけど、はあ……ああ……」
 これ以上話すのは億劫になって、将志は寝そべったまま項垂れた。
 するとで将志の耳に亮と田中の声が飛んでくる。
「少しは対処しやがれ!! 案山子か、お前は!?」
「い、いや、今のはいくらなんでも……うわあっ!?」
「お前で対応できねえスピードじゃねえ筈だ! ビビッてばかりでねえで、集中して目凝らしやがれ!!」
「ひいいいい――!?」
 そこで将志は思わずふっと頬を綻ばせた。
(まったく同じこと中学の時に言われた記憶があるぞ……)
 中学の時に亮に頼んで鍛えてもらった時の鍛錬は殆ど乱取りだった。それと自信を持てる一打ちの練習として、抜き胴を徹底的に仕込まれたのだ。
 何故抜き胴になったかは、最近になって千秋から、前日に観たテレビのロードショウの影響だったと聞いてへこんだりもしたが、とにかく乱取りが多かった。
 それはともかくとして、亮がどうやって将志を強くしようかと考えたかについては、それほど悩まなかった。
『とにかく試合で強くなれたらいいんだな? じゃあ、簡単だ。相手の攻撃を全部避けるか受けるかして捌けるようなればいいんじゃねえか?』
 そんなシンプルな結論により、将志の亮からひたすら滅多打ちにされる日々が始まったのだ。
 極論にもほどがあるが、確かに相手の攻撃が当たらなければ負けることは無いのだ。
 亮より速く鋭く竹刀を振るう中学生などとてもじゃないが想像できないし、恐らくはいないだろうということから、亮の攻撃を捌けるようになれば、確かに亮以外が相手ならば無敗になれるだろう。
 そういうことで始まった、一見では将志が亮から一方的に打たれるだけの乱取りの稽古は、果たして功を奏することが叶ったのだ。
 亮からの攻撃を完全に捌くなど、元より無理な――不可能な話であるが、それを少しずつ、ほんの少しでも捌けるようになった時、気づいたら将志は部員を相手にレギュラーの座を勝ち取れたのだ。
 それがあまりにもアッサリだったことに将志は驚きを覚えずにいれなかった。
 なにせ、亮の動きときたら鋭くて速過ぎる上に的確で、そんな亮相手に少しでも目が慣れると――といっても、亮の攻撃を完全に捌けた訳ではない。いいとこ二割である――部員の動きが鈍臭く感じて戸惑ったほどだったのだから。
 そしてその時に得た自信を糧に将志は今、この部で主将、副将に次ぐほどに成長できたのだ。
(――って言ってもやっぱり、これはきつい……)
 将志の息はまだぜーはーと荒い。
 亮は相手の実力を瞬時で見極めて、相手がギリギリ対応出来る、それをほんの少し上回るスピードで攻撃を仕掛けてくるのだ。そして、相手に限界を無理矢理、出させ続ける。少しでも対応できるようになってくれば、そこから亮は攻撃を加速させる。反対にこっちの動きが鈍れば、ひたすら滅多打ちされるから必死になる――させられる。相手が亮のスピードを上回れない限り、それはエンドレスになる。
 つまり、亮の敏捷性にとてもじゃないが敵わない部員達からしたら確実にエンドレスになるという訳である。
 なので打ち破るとしたら、もしくは対応するには技巧でしかない。
 つまり、この亮の乱取りでの稽古は強制的に相手の動体視力や技巧を底上げするものなのである。
(実際、これが本当に効果あるからな……自分でも知らないほどの実力を引き出し続けてくれるし……)
 そんな亮の稽古であるが、勿論いいことだけではない。
「おい、目瞑ってんじゃねえ!! 次ビビッて目閉じたら蹴っ飛ばすぞ!!」
「す、すみませええん――!!」
 怖いのだ。
 恐らく亮は相手の実力を引き出すために先ほどのように怒鳴って本能を刺激しているのだろう。それによって本気を、限界を引き出させている。
(……いや、もしかしたらただイラついただけかもしれないけど……)
 それでも生物的に、実力的にとても同じ人間とは思えない亮がそれをするからこそ効果があると将志はそう睨んでいる。
(――頑張れ、田中。頑張れ、皆……)
 将志は部員達にこれから迫る試練を思って、心の中でそっと合掌したのであった。






「あんたは、さっき言った躱した時の癖だな。それ見つけられると簡単にやられちまうぞ。まあ、そうそう見つからねえとは思うが、直しておくことに越したことはねえよな。この合宿の間になんとか直すようにな」
「はあーっ……はあっ……わ、わかった……――あ、ありがとう、ございました……」
「ああ、ありがとうございました」
 副将の柳生は亮が年下だということを意識した様子もなく、疲れ果てた顔で素直に助言を受け入れて頭を下げていた。
 その途端にバタンと床に倒れて、これまで亮と乱取りした全員と同じく全身で床に大の字を描いた。
 そこですかさず女子部員がササっとやってきて足や腕を引っ張ってそこから移動させる。
 亮が将志と同じように田中を足で転がした後から、見てられないと言わんばかりに女子部員達が自主的に始めたのだ。
「次――」
 亮が短く呼びかけると、郷田が進み出た。
「俺だ」
 そう告げる彼の顔は待ち続けたせいかやる気でみなぎっていた。
「ああ、もう最後のおっさんか……」
「そうだ、よろしく頼む」
 亮の前に立って、郷田はペコと頭を下げた。
「ああ。おっさんとはあの時以来か……それから腕上げてるのは見てわかるんだが……まあいいか、実際にどれだけ腕上げたか見せてみろよ」
 そう言って挑発的に笑いかけると、郷田は獰猛に口端を吊り上げた。
「望むところだ……!」
 そんな二人のやり取りを見ていた、亮との乱取りを終えて起き上がった男子部員達が揃って声を上げ始めた。
「やったってください、主将!!」
「やっちまえ、郷田!!」
「どうか、俺達の仇を――!!」
「どうか、どうかその鬼に一矢報いてください!!」
「その情け容赦のない鬼にどうか!!」
 散々な言い様で、鬼と呼ばれた亮はゆっくり男子部員達へ視線を巡らせた。
 途端に彼らは顔ごと目を逸らして、冷や汗を流しながら道場の壁や天井を熱心に眺め始める。
「……手加減してやってやってるってのに……まあいい。おっさん、用意はいいか」
「ああ」
 頷いて郷田は逸る気持ちを抑えるかのようにゆっくりと竹刀を構える。
 亮は相変わらずの、構えもなく竹刀をぶら下げるような形だ。
「よし、来い――!!」
 郷田が先に動き出すと見てとったからか、亮がそう叫ぶと郷田は猛然と亮へ突進した。
 馬鹿正直に真っ直ぐで力強く、鋭いその振りおろしを亮は左の竹刀で打ち払うように弾き返す。次いで右の竹刀が打たれようとした時には、郷田は態勢を整えて待ち受けていた。
「へえ……」
 その一瞬の間に、亮は感心したような笑みを浮かべた。
 それからは壮絶な打ち合いとなった。
 体格に見合わぬ動きで亮の攻撃を捌き、避ける郷田。もちろん、亮の攻撃を全て捌くなど無理で何度か打たれている。だが、一度打たれたぐらいではまるで怯まず、果敢に亮に攻め込んでいる。
 対して亮は郷田の攻撃を危なげなく打ち返したり、避けたりと危なげないように対処している。もちろん、攻撃の手は今まで相手にしていた部員以上の勢いと数がある。
 被弾しながらも時に避け、弾いて次々と攻め込む郷田と、二刀を以って台風のように竹刀を振るい相手をする亮。
 亮の攻撃を捌ききれず時にクリーンヒットをもらう時もあるが、それでも止まらず勢いを緩めず動き続ける郷田と亮の二人の戦いは、気合と勢いの点では正に伯仲の様相を呈していた。
「お、おお――!!」
「負けてないぞ!!」
「……郷田のやつ、あんなに強くなってたのか……」
「ああ……もう俺達じゃ相手にならねえからな……」
「もうあいつの本気を引き出せるのは桜木だけってか、くそっ――」
「しかし……強えな……」
「桜木もそうだけど、主将本当に強い……」
「行けー! 郷田ー!!」
「くそ、何で当たらねえんだよ!!」
「桜木、防具つけてないから当たったら危ないけどな」
「それでもだよ! 第一、あの鬼に一発当たったところで何か問題あると思うか!?」
「……無さそうだな」
「そうだろ!? いけー! 頑張れ、主将!!」
「そこ! あとちょっと!!」
 そんな声援を受けた郷田であるが、集中しきった様子から耳に届いていないだろう。
(……これは主将が亮との練習を望む訳だな……こんなに強くなってたのか、主将……)
 副将の柳生や、将志でどうにか相手をしていた訳だが、その時でも郷田はまるで本気を出して、いや、出せていなかったのだと今ならわかる。
 亮を相手に溌剌としたように活き活きと竹刀を振るう郷田は、まるで待ち望んでいた遊び相手とようやく再会が叶ったかのようだった。
「おおっ――!?」
 固唾をのんで見守っていると、ようやく郷田に好機が訪れたかと部員達がざわめいた。
 郷田からの面打ちを亮がまた弾き返そうと迎え撃ったや否や、郷田は体ごとぶつかるように勢いを乗せ、結果、亮の体が僅かに揺らめいたのだ。
 と、同時に郷田は一歩踏んで態勢を整えると、そこからの――
「来たー――!?」
 師から受け継いだ郷田の山おろしである。
 これを亮は避けることは不可と判断したのか、二刀を以って相殺しようと竹刀を平行に並べて勢いよくぶつけた。が――
「おおおおお――!?」
 部員達から歓喜の雄たけびが上がる。
 態勢が悪かったのもあっただろう、亮の竹刀が二本とも宙を舞ったのである。
「い、いけー!! 主将ー!!」
「いけ! 郷田!!」
 ルールなど頭から飛んだかのように、彼らは一矢報いて欲しいがために郷田へ声援を送り、郷田もそれに応えるように竹刀を振りかぶる。
「亮くん――!?」
 亮は飛んだ竹刀を見やって「あらら」と零し、郷田の追撃から大きく一歩退いて避けた。
「ああ……」
 部員達の失望した声が道場内に響く。一部にホッとしたような息を吐く音も。
 そこでようやく、興奮している郷田は亮が竹刀を手にしていないという事実と、そんな亮へ更に追撃を仕掛るのはいくらなんでもという当たり前の認識を思い出せたのか、肩で息をしながら立ち止まった。
 そして、亮に竹刀を落とさせたという、正に一矢報いたことにようやく理解が追いついたようで――
「お、お……おおおおおおおお――!!」
 沸き上がる興奮と歓喜を噴き出させたかのように郷田は両拳を握って全身で吠えた。
 その様子を亮は苦笑を浮かべて眺めていた。
「はっは、やっぱり俺の二刀流じゃ、もう無理だな……」
 そんな亮の敗北宣言が聞こえた部員達は驚き顔を見合わせ歓声を上げた。
「おおおっし!!」
「流石、郷田だぜ!!」
「流石、主将っす!!」
 まるで自分達が勝ったかのような喜びようである。
 対して郷田は興奮を押し隠すように深呼吸を繰り返し、再び亮へと向き合って構えた。
「……今のはすまなかった。試合形式でやっていなかったこともあって、興奮して抑えられなかったようだ」
「いや? 構わねえぜ? 元から防具無しでって言ってやってたのは俺なんだしな」
「そうか……だが、次からは気を付けよう」
 勝ったからこそ出せたその言葉に対し、亮は首を捻った。
「うん……? もしかして、おっさん、気づいてねえのか……?」
「……何がだ?」
 郷田が問い返すと、亮は肩を竦めて苦笑した。
「まあ、やればわかるだろ。じゃあ、続きいくぜ」
「おう、頼む」
 郷田が頷くと、亮は竹刀を拾うと一歩後退して郷田を見据えた。
「……?」
 そのさっきまでとは随分と空いた間に、郷田が不思議そうに目を瞬かせる。
「――もう、いつでもいいんだぜ、おっさん」
「あ、ああ……」
 躊躇いがちに郷田が頷き、足を前に踏み出そうとしたその時だ。
 ――ッパーン!!
 と、郷田の胴から綺麗な音が響いた。
 呆気にとられた郷田だが、次第に驚愕さから目を見開き慌てて後ろを振り返る。
 そこには竹刀を振り終え、残心をしている亮がいるのである。
(……今のは……)
 将志が亮に鍛えられた抜き胴だ。
『なんか、自信が持てる一撃ってあるか? ない? じゃあ、何かそういう一撃鍛えるか。何すっか……そうだな…………あ、抜き胴にすっか』
 そう言われて当時中学生だった将志は亮に、抜き胴を徹底的に仕込まれたのだ。
 最近になって千秋から聞いた話では、その話をしていた前日に亮がロードショウで『ルパン四世』を観て、その時の六衛門のシャキーンってやっていた姿が頭に思い浮かんだから抜き胴に決めたなんて、そんな亮の適当ぶりにちょっと泣きたくなることを知ってしまった。
 それはともかくとして、将志が抜き胴を鍛えた際に、当然として亮がそれの指導に当たったのだ。将志の手本として見せるために、、だ。
 日に日に芸術的な、とつけてしまうほど綺麗になっていく亮の抜き胴をまざまざと見せられて、将志は生まれ持った才能というものと、自分と亮とが持つその差に眩暈がしたのは一度や二度ではない。
(あれはきつかったな……けど、綺麗すぎるお手本があったせいで俺もイメージしやすくて、今は抜き胴が一番の決め手になってるし……)
 そんな将志が手本にした抜き胴は当時より更に洗練されているように見えて、将志は録画しておけばよかったと後悔した。
 亮は振り返って、左の竹刀を肩に担ぎながら郷田へ笑いかけた。
「どうした、おっさん? まだ終わりじゃねえぜ?」
 再び呆気にとられていた郷田はそこでハッとすると、竹刀を構え直した。
「キエエエエエエエ――!!」
 気合いの雄たけびを上げて、気を入れ直した郷田は猛然と亮へ突進する。
 が、亮は真っ直ぐ向かってきた竹刀をひょいと躱す。
 それぐらいは想定済みだと郷田は追撃する。が、それも、その次も、更にその次も、そしてその次も、全て避けられる。
「はあっ、はあっ……ふんっ――!!」
 空振りの消耗は大きい。それが何度も続けば尚更だ。
 郷田は再び気合を入れ直したように喝を入れて、亮へ竹刀を振る。
 が、しかし当たらない。亮本人には勿論、亮の持つ竹刀にも触れることが出来ない。
 郷田がひたすら空振りを繰り返すその光景に、部員達が戸惑いざわめき始める。
「お、おい……」
「なんだよ、全然当たらなくなったじゃねえか……」
「いや、当たってないのは元からだけど……」
「――打ちあえてない……」
「……それは桜木が逃げてばっかだからじゃねえのか?」
「いや、桜木は逃げてるんじゃなくて、で避けてるだけだ」
「……どう違うってんだよ……?」
「だから――桜木が逃げてるから当たらないんじゃなくて、避けられるから当たらない、打ちあえないんだよ」
 尚も首を傾げる部員がいるが、何人かは違いを理解して頬を引き攣らせた。
「はあっ、はあっ、はあ――っ!!」
 何度も空振りを繰り返して堪らずといったように郷田は山おろしを放つ――が、それもアッサリと躱されてしまい、挙句には打ちおろしの隙を狙われて再び綺麗にスパンと胴を抜かれる。
 大きく肩を揺らして息を荒げる郷田は、ゆっくりと振り返った。
「どうだ、わかったか、おっさん?」
 からかい混じりに問われて、郷田は荒げていた息を深く吐いて無理矢理整えた。
「……もしかして、今までは制限をかけていたのか?」
 そう問い返すと、亮は正解と頷いた。
「ああ。だが正確にはちょっと違う。おっさんの間合いに合わせていた」
「……そういう、ことか……」
 郷田の一歩では到底届きそうにない今の亮との間合いを見た郷田は、納得したように頷いた。
「ちなみに言えば、それは前の稽古の時もだ」
「……確かに、そうだな」
「それと大体な、おかしいと思わなかったのかよ?」
「……何がだ?」
 訝しげに問う郷田に、亮は短く息を吐いた。
「俺とおっさんの体格差を良く見ろ――何で、俺がおっさんと打ち合わなくちゃならねえんだ?」
「……?」
「いいか、俺の体格が示すように俺の持ち味はパワーより、スピードだ。素手での時もそうだが、俺は基本、攻撃は避けるか捌く。真向からぶつかって相殺するような真似なんか滅多にしねえよ」
「――っ!?」
 亮の言葉に衝撃を受けたのは郷田だけではなく他の部員達もだった。
 加えて、将志は納得したように頷いていた。
(……ああ、そういうことか)
 朝に千秋の言っていたことが、将志にはようやくわかってきた。
「で、では……さっきまでは、どうして……」
 震えそうな声で問われた亮は、眉をひそめた。
「いいか、これは稽古なんだぞ。特に前におっさんとやった時だ。あの時はおっさんが山おろしを体得して、自信を戻した時だった。そうだな?」
「あ、ああ……」
「そんな時におっさんと乱取りしておっさんにひたすら扇風機させてみろ。戻った自信なんか粉々になって、また迷走しちまうじゃねえか」
「……っ! で、では……」
「ああ。おっさんが気持ちよく打ち合えるように、俺はおっさんの間合いで、回避主体でやるのもやめて、真っ向勝負をしていたんだよ。実際に、おっさん、あの時一番深くまで集中できてただろ?」
「そ、それはその通りだが……では、俺は、とことんまで制限を課していたお前と乱取りをしていたと、そういう、ことなのか……?」
 ショックを隠せない様子の郷田に、亮はアッサリと頷いた。
「そういうことだな」
「そ、そう、だったのか……」
 悔し気に呟いて郷田は力なく俯いてしまった。
 そうなるのも無理はないだろう。まともにやり合えるようになったと思った好敵手は制限に制限を重ねて自分を相手していたのだとわかったのだから。
 亮の言っていることは本当なのだろうかと疑わし気な者もいるが、総じて郷田へ同情の籠った視線が向かう。
 そんな中で亮は周囲を一切気にする素振りもなく、淡々と言った。
「けど、その制限の下ではもうおっさんの稽古をつけるには不足だとわかった」
 郷田が僅かに顔を上げる。
「以前のおっさんでもそれなりにやれてただろうが、もう無理だな。俺の二刀流で真っ向勝負するにはもう不足みてえだ。腕上げたな、おっさん」
 ニカッと笑って亮はそう賞賛――したのだろう。
 それは僅かに頬を綻ばせた郷田の表情が示していた。
「……それは、お前の二刀流では、ということか……?」
「ああ。前にも言ったが、俺は剣はそれほど稽古してねえんだぞ? 本分は徒手空拳だしな。だから剣を手の延長と考えて素手の時のように動かねえと――そんなの剣術なんて言えねえだろ。とにかく、剣の技量に於いて俺はもうおっさんには敵わないってこった」
「……つまり、お前の剣とでは俺の勝ちだと、そういうことか……?」
「さっきからそう言ってんじゃねえか」
「……そうか」
 そうして顔を上げた郷田は、左の拳を強く握って、表情を晴れ晴れとしたものに一変させた。
「ま、だから、これからの乱取りは、おっさんが如何に足を動かして俺を捕まえるか、だな。俺に一撃を見舞わせるか、俺に竹刀を使わせたら……そうさな、高校生じゃもう、おっさんの相手になるやつなんていねえんじゃねえか?」
 その発言の意味を理解しきった者は頬を引き攣らせた。
「お、お前、それは……」
 引き攣ったような声を出す郷田に、亮は眉をひそめた。
「なんだ?」
「……いや、いい……いや、一つ聞きたいんだがな」
「ああ」
「これからお前は回避主体でやると言っていたが……それは今までみたいに制限がある訳でもない本気の動きでってことか……?」
「はあ?」
 亮のその時の声は、訝し気であり呆れたようであり――つまりは何言ってんだこいつという副音声が聞こえるようなものだった。
 それがわからない者はいなかっただろう。だが、それについてどっちの意味を持っているかについてはわかる者はいなかった。
 本気を出して当たり前という意味なのか、そうでないという方向なのか――
「俺が本気で回避に専念したら、おっさんの腕じゃ少なくとも五年は当たらねえぞ。そんなの稽古にならねえだろ」
 呆れたようで、それでいて苛立ったような亮の言葉に、郷田は二の句が継げなかった。
 代わりのように部員達が囁き合う。
「……今の本気で言ってたと思うか……?」
「まさか……」
「でも、五年ってまたリアルな数字出してきたな……」
「……確かに。言葉の綾とかなら十年とかだしな……」
「……なあ、それって……」
「……いやいや」
 亮は苛立ちを追い出すかのように息を吐くと、郷田の手にある竹刀へ目を向ける。
「ほら、やるぞ、おっさん。今度はおっさんが動けなくなるまでだ。回避に専念するって言っても、隙あればさっきみたいに打つから、そのつもりでな」
「あ、ああ……」
 ハッとして郷田は構え――そして乱取りは再開されたのであった。



「はーっ、はーっ、はーっ……」
 郷田はもう一歩も動けないと言わんばかりに床で大の字になっている。
 亮は腕を回し、軽く伸びをして男子部員達へ言った。
「最後のおっさんも終わりっと……じゃあ、俺は恵梨花とユキに新しいこと教えにあっちに戻るからな。その後にまた一周するから、用意しとけよ」
 サラッと告げられたその言葉が脳内に浸透するのに、男子部員達はたっぷり三十秒ほどかけてしまった。そして、恐怖で引き攣らせた顔を見合わせて絶叫する。
「えええええええ!?」
「ま、まだやんのかよ……」
「てっきり、今日はもう終わりなんかと……」
「てか、何で桜木のやつ息切らしてないんだ……? 俺達全員と乱取りしておいて……」
「……いや、一応少しは息切らしてるぞ、ほら」
「いや、あれはちょっと走ってきました程度のものじゃねえか」
「……つまり、そういうことなんじゃねえの?」
「……あん?」
「だから、俺達全員を相手するのは桜木にとって、その程度のことって話……」
「……うわ……」
 そんな引いたような声を背に亮は恵梨花達の元へ足を進めていく。心なしか、少し嬉しそうな足取りに見える。
 そこで待ったの声がかかった。
「ちょっと待ってよ、亮!!」
 千秋である。
「……なんだ、千秋?」
 面倒くさそうに亮が振り返る。
「あたしも! あたしも乱取りしたい!!」
「……お前は、さっき練習見ただろ」
「あれだけじゃ物足りない! それに元々は一日はあたしに稽古してくれるはずだったでしょ!!」
「……いや、だから、それを、俺がこの合宿の参加にって変えたんだろ?」
「それはわかってるけど! でも、その条件で言うなら、将志に乱取りの相手して、あたしに無いのは納得いかない!!」
「む……」
 流石にこの言い分には亮も反論出来ないようだ。
(……亮、千秋に稽古つけるの相変わらず嫌がるな……)
 中学の時に将志が亮に稽古をつけてもらった話を聞いてから千秋もせびったが、亮は頑なに断っていた。理由を聞いてみると――
『あいつは剣に関しては天才だからな。そういうやつの相手して、俺のせいで綺麗に伸びるはずの才能が変な方向に曲がるのは見たくない』
 そんなことを言っていた。わかるような、わからないような……当時はまったく意味がわかなかった。
(でも、少しぐらい相手にしてもいいと思うんだけどな……?)
 実際のところ、千秋も郷田のように女子の中で抜きんでてしまって、まともに千秋の乱取りの相手を出来る女子はいないのだ。
 それは男子を含んでもで、ならば同じ身同志で郷田と千秋が乱取りをしても、体格差があり過ぎて、色んな意味で一方的になって鎬を削ることが出来ないという難点が出たのだ。
 だから千秋が亮に乱取りの相手を願うのは至って当たり前の話とも言える。
「あー……じゃあ、そうだな……これでなら相手してやる」
 そう言って、亮は手で何かを握るような形を作って前に出した。
「? 何それ……?」
 千秋が首を捻る。
「わからねえか……?」
 そう言って、亮はその手を軽く振った――まるで竹刀を振るうように。
「!!」
 千秋がハッと目を瞠る。
「え、嘘……何それ何それ!?」
 駆け寄り興奮で彩られていく千秋の顔を見て、亮はニヤリとした。
「これを、こうして――これで勝負だ」
 亮は何かを握ったような右手を左の腰脇に持っていき、居合をするかのように腰深く構えた。
「は、ははっ――ちょっと待って――こう?」
 千秋には何かが見えているのか、亮と同じようにして腰深く構えた。
「ああ、それでいい――で、決着が何がつくかでわかるな?」
「この構えでって言ったら……もう一つしかないでしょ!!」
 亮は頷き、そうして二人は腰深く構えたまま対峙した。
 その一連を見ていた男子部員、女子部員は何が起こっているのかとポカンとしたままだ。
「……あれ、何やってんだ……?」
「さあ……?」
「見るに……ごっこ遊びか?」
「……居合切りでのってか? ははっ」
「いや、でも当人達の顔、すげえ真剣だぞ」
「確かに。近づいたら斬られそうだな」
「……そういや、さっき桜木が二刀流振り回してた時の最後のアレ見た――いや、見えたか?」
「……見えた」
「……俺の目の錯覚じゃなかったんだな」
「……もしかしたらそれの延長じゃないのか、今やってるのって……?」
「ということは、あの二人には互いに腰の刀が見えてるってことか……?」
「……恐らくそうだろう」
「主将! 生き返ったんですか!?」
「……元より死んでおらんわ……しかし、シンケンか。あれを、ここまで高度に見せ合う二人とは……」
「シンケン……? え、真剣ですか?」
「いや、恐らくお前の思ったものじゃない。俺が言ったシンケンとは心の剣と書いて、心剣しんけんだ。さっき誰かが言ったようにごっこ遊びに近いが、上級者が使うと互いに真剣が見えてしまうというものだ。俺の先生がやっているのを見て以来だ」
「……つまり?」
「疑似的に真剣での勝負が出来るということだ」
「……本当にそんなことが……?」
「あの二人ならあり得るだろう……そもそも桜木がさっき見せてたではないか。皆も見ただろう? やつの心剣を」
「ああ……」
「それ以上に今の二人の真剣な顔を見ればわかるだろ」
「……」
「だとして……あの、勝負がつく時ってのは……?」
「居合をしてるのを見るに……どちらかの首が飛ぶ時ではないのか? もちろん、イメージでだが」
「うわあ……」
 彼らがそう話している間も、亮と千秋は腰深く構えて対峙したままであった。いや、お互い位置を取るためか、ジリジリと円を描くように動いている。
 そうして見ている間に、将志の目にも二人の腰に彩られた鞘が見えてきた。
 亮は紅の、千秋は白で彩られた鞘が、だ。
 それを意識したと同時に、二人は動いた。
「シッ――!!」
「やあっ――!!」
 鞘から抜き放たれた真剣が両者の首へと向かい――
「千秋――!?」
 千秋の剣を掻い潜った亮の剣が、千秋の首を斬り飛ばすのを将志は幻視した。
 イメージだというのはすっかり頭から離れて将志は絶叫してしまったのだ。
「――っはあ!? はっ、は……うわあ、首が飛ぶってこんな気分なんだ」
 水の中から飛び出たように息を吸いこんだ千秋がケロッとした顔で言うのを、亮は苦笑で受け止めた。
「……なかなかそう平然としてられるやついねえんだがな……」
「あははっ――あ、将志! 大丈夫だからね!!」
 ブンブンと手を振ってくる千秋に、将志は声を出してしまったことに今更ながら恥ずかしくなって顔を赤くしながら手を振り返した。
「は、はは……そうだよな、本当は持ってなんかないもんな」
「……いや、無理もないと思うぞ。さっきのあの二人では、な。それにさっきのがハッキリと見えるのは才能か、もしくは実力のある証拠なんだぞ。桜木のだけしか見えなかったやつが大半のようだしな」
 慰めるように郷田が言ってくれて、将志は苦笑した。
「はは……どうもっす」
「うむ……」
 そんな二人の先で、亮が千秋に言う。
「今のでなら、合宿中に何度か付き合ってやるが?」
「んー……ん! じゃあ、お願い! 面白かったし!!」
「おう……まあ、居合ならいいか」
「何がー?」
「いや、こっちの話」
「ふうん……?」
 そう小首を傾げる千秋を置いて、亮は今度こそ恵梨花達の元へと向かった。
 そんな亮の後ろ姿を見ながら男子部員達が小声で話し始める。
「……この後も、あの鬼の指導……」
「藤本さん達を指導してる時の十分の一でいいから、もうちょっと優しくしてくんねえかな……」
「だな……」
 切実な顔で深いため息を吐く彼らの合宿はまだ初日である。
 
 
 
************************************************
男子部員達「そういや今日って初日だった……」(遠い目
練習パートは次回からは駆け足で進めるかと思います。

励みになるので、感想いただけると嬉しいです!

緊急事態宣言が発令されたりと大変な時期となりましたね。
私は在宅勤務となって、これでゆっくり寝れるぜイエーイなんてちょっと思ったりもしたんですが、家で仕事→仕事終わる→そのまま執筆作業
と、区切る時間を見失って寧ろ疲れたような気がする今日このごろです。
賢明な皆様なら、軽率なことはされないでしょうが、どうかお身体気をつけてください。

Twitterにて、私の今月書籍化される別作品のイラストラフなんかが掲載されてるので、興味のある方は是非に!

↓こちらの作品も是非↓

『社畜男はB人お姉さんに助けられて――』4/30書籍化!
https://www.alphapolis.co.jp/novel/249048187/870310808

おまけツイートとか流してるので、興味ある方は是非↓のツイッターまで
https://twitter.com/sakuharu03
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