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女性向け恋愛シュミレーションゲーム『聖女伝説』とは?
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ここでこの世界の舞台となっている『聖女伝説』というゲームについて説明しておきたいと思う。
『聖女伝説』というのは、乙女ゲームの元祖というべきゲームだ。リリースされた当時は『乙女ゲーム』なんて呼び名はなかったから、女性向け恋愛シュミレーションゲームと呼ばれていた。
主人公の住む世界には、『聖女』と呼ばれる、私が前いた世界でいうところの、女王?巫女?的なやんごとなき女性がいて、この世界を支えている……らしい。ゲーム中でも公式が出しているガイドブックにも、聖女がどんな日常を送っているのか書いていないので、詳細は不明だ。そもそもプレイヤーにとっても、聖女が何者であろうと大した問題ではない。
聖女には任期があるのだが、その任期がいつ終わるのかは定かではない。ただ、聖女の交代がいつ来てもいいように、常に控えの聖女がいる。
主人公は、学校で知らず知らずのうちに受けさせられていた、聖女適性試験で高得点をマークしてしまい、次期聖女候補として選抜され、聖女になるための最終試験を受けることになる。
その最終試験の課題というのが、「世界を豊かに、そして世界を平和にするために奔走する」ことだ。しかし、いくらゲームの世界とはいえ、普通の女子高生に世界をどうにかできるような力などない。
そこで、主人公を助けてくれるのが、『支援者』と呼ばれる様々なバックグラウンドを持った九人のイケメンたちである。王族・貴族から裏社会に片足を突っ込んでいるようなちょっと危ない支援者もいる。そして支援者たちは、自らの人脈・知恵・知識等を使って主人公を助けてくれるのだ。
とは言っても、ゲームのプレイヤーがやることと言えば、支援者の元を訪れ、「○○様、お力をお貸しください」という選択肢を選ぶだけ。で、これを繰り返していくと、世界は勝手に豊かで平和になっていくのだ。めでたしめでたし……ではなく。
『聖女伝説』の真のハッピーエンドは、星乙女の最終試験にクリアすることではない。九人の支援者の内の一人と相思相愛になることだ。
お目当ての支援者の元に頻繁に通うと、これまた勝手に親密度なるものが上がっていき、恋愛イベントが発生する。
この恋愛イベントが何段階かあり、全てを見事にクリアすると、支援者様とラブラブハッピーエンドを迎えられるというわけだ。
といった、非常にシンプルで何度プレイしても飽きない中毒性、支援者様たちの美麗なビジュアルと個性溢れる性格にハマる女性たちが続出し、『聖女伝説』は瞬く間に人気が爆発した。
コミック化・小説化に留まらず、アニメ・舞台・出演声優によるライブ……毎月のように『聖女伝説』関連のイベントやらグッズの販売がある。
もちろん、ゲームの方も定期的に新作が出され、その都度、新しい攻略対象キャラが追加されている。
そして、今、私がいる世界は、『聖女伝説』の第一作目だと思われる。
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聖女には任期があるのだが、その任期がいつ終わるのかは定かではない。ただ、聖女の交代がいつ来てもいいように、常に控えの聖女がいる。
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その最終試験の課題というのが、「世界を豊かに、そして世界を平和にするために奔走する」ことだ。しかし、いくらゲームの世界とはいえ、普通の女子高生に世界をどうにかできるような力などない。
そこで、主人公を助けてくれるのが、『支援者』と呼ばれる様々なバックグラウンドを持った九人のイケメンたちである。王族・貴族から裏社会に片足を突っ込んでいるようなちょっと危ない支援者もいる。そして支援者たちは、自らの人脈・知恵・知識等を使って主人公を助けてくれるのだ。
とは言っても、ゲームのプレイヤーがやることと言えば、支援者の元を訪れ、「○○様、お力をお貸しください」という選択肢を選ぶだけ。で、これを繰り返していくと、世界は勝手に豊かで平和になっていくのだ。めでたしめでたし……ではなく。
『聖女伝説』の真のハッピーエンドは、星乙女の最終試験にクリアすることではない。九人の支援者の内の一人と相思相愛になることだ。
お目当ての支援者の元に頻繁に通うと、これまた勝手に親密度なるものが上がっていき、恋愛イベントが発生する。
この恋愛イベントが何段階かあり、全てを見事にクリアすると、支援者様とラブラブハッピーエンドを迎えられるというわけだ。
といった、非常にシンプルで何度プレイしても飽きない中毒性、支援者様たちの美麗なビジュアルと個性溢れる性格にハマる女性たちが続出し、『聖女伝説』は瞬く間に人気が爆発した。
コミック化・小説化に留まらず、アニメ・舞台・出演声優によるライブ……毎月のように『聖女伝説』関連のイベントやらグッズの販売がある。
もちろん、ゲームの方も定期的に新作が出され、その都度、新しい攻略対象キャラが追加されている。
そして、今、私がいる世界は、『聖女伝説』の第一作目だと思われる。
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