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なんか報奨金の金額が・・・?
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とりあえず今後のことについてはまた考えないといけない。指の再生治療の金額を考えると、今の貯金全部使っても足りないからな。
報奨金などの手続きはかなり自動化されており、魔物の査定は係の人がするんだが、そのあとの手続きはすべて自動である。査定の後に渡されたプレートと登録証を装置に入れると、階位に合わせて実績ポイントが登録され、報酬額が支払われることになる。
この装置はかなり昔にいた天才発明家が開発したもので、主要な都市にはすべて置かれている。世界中の冒険者のデータの登録や集計が自動で行うことができるようにしたものらしい。これができる前は受付で随時対応していたらしく、集計にも時間がかかっていたようだ。
換金の時にはメニューが2つあり、一つは通常通り報酬を受けて実績ポイントをためるもの、もう一つは実績ポイントがつかないが、その分報酬額を多くしてくれるというものだ。この場合、報酬額は2倍となるのでお金がないときにはこっちを選択することが多いが、多くの冒険者はギリギリの生活をしてでもポイントをためる方を選んでいる。
もちろんお金を貯めてゆっくりと階位をあげていこうとする奴らもいるがかなりの少数派であり、他の奴らにからかわれることが多い。
今回はさすがに治療のためにお金も貯めないといけないのでポイントを諦めるしかないだろう。ただなぜか前ほど上の階位に上がるための欲望が感じられないのはすでに諦めてしまったせいなんだろうか?腕など大きな怪我を負うとやはり階位をあげるのが難しくなるのか、あまり上昇志向がなくなるという話を聞いたことがある。
ボタンを押そうと思ったが、そのボタンの下のカバーが外れかけていた。壊れかけているのかと思い、係の人を呼ぶとすぐにやってきた。
「またカバーが外れちまってるな。ネジがいかれたんだろう。ときどき緩んでくるんだよな。誰かがたたいたりしているのかな?」
外されたカバーの中には上と同じようなボタンが4つあった。
「このボタンは何なんだ?」
「俺たちもよく知らないんだが、昔使っていたボタンらしい。今は使えないので、間違ってボタンを押さないようにカバーをするように言われているんだよ。何か問題があったら困るからすぐに対応するようにときつく言われているんだ。
それだったらボタンを取り外したらと思うだろ?けどボタンを取り外すと装置自体が壊れてしまう可能性もあって取り外せないんだとさ。」
「そうなのか。」
「すまんが修理道具を持ってくるからそれまでこれを間違って押さないように見といてくれるか?まあこの時間だから誰も来ないと思うけどな。」
そういって係の人は修理道具を取りに行ったようだ。今回は夕べのうちに討伐を完了して明け方に戻ってきたのでこの時間には冒険者役場には冒険者はいない。まあ魔物狩りに行っていない連中はおそらく1階の食堂で酒でも飲んでいるのだろう。
気になったのでカバーの外れた部分のボタンを見てみる。ほとんど見えなくなっているが、ボタンには文字が書かれている。上のボタンも前はこんな文字が書かれていたのかな?ボタンは4つあって「20:80」、「50:50」、「70:30」、「100:0」となっている。
何の数字なんだろうか?気になったので前にもらって換金していなかったプレートを入れてボタンを押してみる。
通常は100ドールの報酬なんだが、「100:0」のボタンを押したところ1000ドールの硬貨が2枚出てきた。
「は?」
どういうことだ?いつもの20倍の硬貨が出てきたぞ。これは本当に壊れているのか?ドキドキしながら他のボタンでも試してみると、「70:30」で1400ドール、「50:50」で1000ドール、「20:80」で400ドール、いつも使っているボタンだと200ドールと100ドールだった。
壊れているのかもしれないが、今のうちだと先ほどのプレートも入れて「100:0」のボタンを押してみると、いつもは2000ドールのはずが1万ドールの硬貨が4枚出てきた。
「おお~~~っ!!」
小さな声で歓声を上げる。なぜだかよくわからないが、このボタンだと金額が20倍になっているぞ。少し残っていたプレートも全部換金してから係の人が戻ってくるのを待つ。
「すまん、すまん。なかなか道具が見つからなくてな。」
「いや、気にしなくてもいいさ。」
この後カバーを取り付けるのを手伝うが、かなり適当に止めているので隙間が開いたままになっていた。これだったら何か突っ込めばボタンを押せるな。
酒場で一人食事をしながらボタンのことを考えてみる。いつも使っているボタンが100ドールと200ドールだったこと、数字の順番から考えると、この二つのボタンは「95:5」と「90:10」だったと考えられるな。
この二つの数字が報奨金と実績ポイントの割合と考えると5と10が報奨金?それなら数字が合うな。ってことは95と90が実績ポイントだと?
いつも使っているボタンだと報酬のうち95%が実績ポイントにカウントされて報奨金は5%ということなのか?すべて報奨金と思っていたボタンも90%が実績ポイントに使われていたと言うことなのか?
それじゃあ俺の年間に稼いでいたお金は40万としたら20倍で800万ドール?すでに特階位の慰労金を軽く超えているじゃないか!!
これだったら冒険者で上の階位になるって意味があることなのか?特階位なんて一匹でどのくらいのものを狩っているって思っているんだ。おそらく今の俺の年収の10倍以上だろう。ということは年間に8000万ドールくらい稼いでいると言っていいだろう。
それなのに引退後にもらえる金が年間500万ドールってどういうことなんだ?引退後の人生なんて長くても20年だぞ。それまでに稼いだお金のほとんどが戻ってこないって言うことになるじゃないか。
たしかに魔物の素材を使った装備とか道具とかの値段を考えるとそのくらいの価値はあってもいいよな?なんで今まで気にしなかったんだろう?
これって誰も気がついていないのか?それ以前に実績ポイントをためたいという気持ちがかなり薄れているのはどういうことだ?
もしかして今回の戦闘で頭を打った時に何かあったのか?指を切断されたと言うことが影響しているのか?そういえば冒険者になってから階位をあげる欲望がなる前よりも強くなっていたような気もするな。
うーん、かなり危ないことに気がついたような気もするので、あまりおおっぴらにしない方が良さそうだな。どう考えてもかなり上の方の思惑が絡んでいるだろう。もしかしたら国自体が絡んでいるのかもしれない。
報奨金などの手続きはかなり自動化されており、魔物の査定は係の人がするんだが、そのあとの手続きはすべて自動である。査定の後に渡されたプレートと登録証を装置に入れると、階位に合わせて実績ポイントが登録され、報酬額が支払われることになる。
この装置はかなり昔にいた天才発明家が開発したもので、主要な都市にはすべて置かれている。世界中の冒険者のデータの登録や集計が自動で行うことができるようにしたものらしい。これができる前は受付で随時対応していたらしく、集計にも時間がかかっていたようだ。
換金の時にはメニューが2つあり、一つは通常通り報酬を受けて実績ポイントをためるもの、もう一つは実績ポイントがつかないが、その分報酬額を多くしてくれるというものだ。この場合、報酬額は2倍となるのでお金がないときにはこっちを選択することが多いが、多くの冒険者はギリギリの生活をしてでもポイントをためる方を選んでいる。
もちろんお金を貯めてゆっくりと階位をあげていこうとする奴らもいるがかなりの少数派であり、他の奴らにからかわれることが多い。
今回はさすがに治療のためにお金も貯めないといけないのでポイントを諦めるしかないだろう。ただなぜか前ほど上の階位に上がるための欲望が感じられないのはすでに諦めてしまったせいなんだろうか?腕など大きな怪我を負うとやはり階位をあげるのが難しくなるのか、あまり上昇志向がなくなるという話を聞いたことがある。
ボタンを押そうと思ったが、そのボタンの下のカバーが外れかけていた。壊れかけているのかと思い、係の人を呼ぶとすぐにやってきた。
「またカバーが外れちまってるな。ネジがいかれたんだろう。ときどき緩んでくるんだよな。誰かがたたいたりしているのかな?」
外されたカバーの中には上と同じようなボタンが4つあった。
「このボタンは何なんだ?」
「俺たちもよく知らないんだが、昔使っていたボタンらしい。今は使えないので、間違ってボタンを押さないようにカバーをするように言われているんだよ。何か問題があったら困るからすぐに対応するようにときつく言われているんだ。
それだったらボタンを取り外したらと思うだろ?けどボタンを取り外すと装置自体が壊れてしまう可能性もあって取り外せないんだとさ。」
「そうなのか。」
「すまんが修理道具を持ってくるからそれまでこれを間違って押さないように見といてくれるか?まあこの時間だから誰も来ないと思うけどな。」
そういって係の人は修理道具を取りに行ったようだ。今回は夕べのうちに討伐を完了して明け方に戻ってきたのでこの時間には冒険者役場には冒険者はいない。まあ魔物狩りに行っていない連中はおそらく1階の食堂で酒でも飲んでいるのだろう。
気になったのでカバーの外れた部分のボタンを見てみる。ほとんど見えなくなっているが、ボタンには文字が書かれている。上のボタンも前はこんな文字が書かれていたのかな?ボタンは4つあって「20:80」、「50:50」、「70:30」、「100:0」となっている。
何の数字なんだろうか?気になったので前にもらって換金していなかったプレートを入れてボタンを押してみる。
通常は100ドールの報酬なんだが、「100:0」のボタンを押したところ1000ドールの硬貨が2枚出てきた。
「は?」
どういうことだ?いつもの20倍の硬貨が出てきたぞ。これは本当に壊れているのか?ドキドキしながら他のボタンでも試してみると、「70:30」で1400ドール、「50:50」で1000ドール、「20:80」で400ドール、いつも使っているボタンだと200ドールと100ドールだった。
壊れているのかもしれないが、今のうちだと先ほどのプレートも入れて「100:0」のボタンを押してみると、いつもは2000ドールのはずが1万ドールの硬貨が4枚出てきた。
「おお~~~っ!!」
小さな声で歓声を上げる。なぜだかよくわからないが、このボタンだと金額が20倍になっているぞ。少し残っていたプレートも全部換金してから係の人が戻ってくるのを待つ。
「すまん、すまん。なかなか道具が見つからなくてな。」
「いや、気にしなくてもいいさ。」
この後カバーを取り付けるのを手伝うが、かなり適当に止めているので隙間が開いたままになっていた。これだったら何か突っ込めばボタンを押せるな。
酒場で一人食事をしながらボタンのことを考えてみる。いつも使っているボタンが100ドールと200ドールだったこと、数字の順番から考えると、この二つのボタンは「95:5」と「90:10」だったと考えられるな。
この二つの数字が報奨金と実績ポイントの割合と考えると5と10が報奨金?それなら数字が合うな。ってことは95と90が実績ポイントだと?
いつも使っているボタンだと報酬のうち95%が実績ポイントにカウントされて報奨金は5%ということなのか?すべて報奨金と思っていたボタンも90%が実績ポイントに使われていたと言うことなのか?
それじゃあ俺の年間に稼いでいたお金は40万としたら20倍で800万ドール?すでに特階位の慰労金を軽く超えているじゃないか!!
これだったら冒険者で上の階位になるって意味があることなのか?特階位なんて一匹でどのくらいのものを狩っているって思っているんだ。おそらく今の俺の年収の10倍以上だろう。ということは年間に8000万ドールくらい稼いでいると言っていいだろう。
それなのに引退後にもらえる金が年間500万ドールってどういうことなんだ?引退後の人生なんて長くても20年だぞ。それまでに稼いだお金のほとんどが戻ってこないって言うことになるじゃないか。
たしかに魔物の素材を使った装備とか道具とかの値段を考えるとそのくらいの価値はあってもいいよな?なんで今まで気にしなかったんだろう?
これって誰も気がついていないのか?それ以前に実績ポイントをためたいという気持ちがかなり薄れているのはどういうことだ?
もしかして今回の戦闘で頭を打った時に何かあったのか?指を切断されたと言うことが影響しているのか?そういえば冒険者になってから階位をあげる欲望がなる前よりも強くなっていたような気もするな。
うーん、かなり危ないことに気がついたような気もするので、あまりおおっぴらにしない方が良さそうだな。どう考えてもかなり上の方の思惑が絡んでいるだろう。もしかしたら国自体が絡んでいるのかもしれない。
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