15 / 41
15.カルロス様はやっぱり素敵です
しおりを挟む
船はボロボロになりながらも本当に近くまで来ていたわ。
「ロザリー嬢なんで出てきた!出てきてはだめだ。中に入れ。」
カルロス様が怖い、本気で怒っているわ。でも後悔したくないんですもの。
「カルロス様が大好きだからですわ。カルロス様、これを船に向かって投げて下さい。皆さんはこれを沢山作ってください。」
カルロス様は一瞬目を見開き、薄っすらと目に涙を浮かべて老夫婦から火のついた棒をもらうと思いっきり船に向かって投げてくださったわ。
「よし当たったぞ。誰か他にも投げれる者はいないのか?」
偉そうに言ってるこの人は誰?そう思ったけどいまは時間がないので無視をして…だってどう考えてもカルロス様以外無理でしょう。あの筋肉だから成せる技だわ。
「そこへお父様が戻って見えて、第一騎士団長、さっさと槍を作れ、投げるのはカルロス君にしかできないだろう。カルロス君、頼んだぞ。」
カルロス様は頷いて、すべての槍を見事に船まで投げ入れてくださったわ。船が燃え始めて、流石に敵も焦って海に逃げ込む者が沢山見えるわ。でもこの距離だと泳いでこちらに来てしまうんじゃないかしら?そう思っているとカルロス様が、
「やっと俺たちの得意な戦いに持ち込めるぞ。さぁ弓が得意な者は前にこい。剣が得意な者は弓を掻い潜って来たものを斬り殺せ。一人としてこの砦を通すな。」
「「「「おー!!!」」」」
それから私は突然カルロス様にお姫様抱っこされてまた城の中へ…。
「大勢の前で告白してくれてありがとう。愛しているロザリー。」
「えっ!」
私は自分がやったことを今頃理解して真っ赤になってしまったわ。でもそれよりもカルロス様が私のことをロザリーって呼んでくださったことが嬉しくて…。
「カルロス様、これからもロザリーとお呼びくださいね。」
「分かった。二人の時はそう呼ぼう。私のこともカールと読んでくれ。」
「はい、カール様…。」
こんな時に不謹慎なのは分かっていたけどカルロス様をカールと呼べたご褒美と言わんばかりに、優しく微笑んで唇に優しくキスをしてくれたわ。前世も含めて私にとってはファーストキス…。私は腰が抜けてしまい、それからは戦いのお邪魔にならないようにちゃんと城の中で待っていたわ。
しばらくすると皆さんの歓喜の声が聞こえてきたの。勝ったのね本当に良かったわ。そんなことを思っているとお父様が入って来て、
「ロザリーおいで、みんなが待っているよ。」
と言われたの。意味がわからなかったけどお父様と城の外に出ると、
「麗しの女神ロザリー嬢、バンザイ!」って誰かが言って、みんなに繰り返し言われたわ。私は恥ずかしくてお父様の後ろに隠れてしまったの。そうしたら皆さんに笑われてしまったわ。でも恥ずかしいんですもの。前世も含めて人前に立ったことなんてないもの。お父様にぼそっと助けてくださいって伝えたわ。お父様は嬉しそうに頷いて、
「みんなよくやってくれた。私のロザリーは普段人前に出ない。とても恥ずかしがり屋なんだ。だからもう勘弁してやってくれ。」
「「「ロザリー嬢ありがとうございます。」」」
皆さんが口々にお礼を言ってくださって、私は嬉しくて泣いてしまったわ。それでも頑張って
「こちらこそ、この国を、守ってくださりありがとうございました。」
と言って、城の中にお父様と入っていったの。カルロス様はとても忙しそうに指示を出して見えて素敵だったわ。
私はまたお料理を手伝おうと思ったのだけど、やったこともない馬での移動など動き詰めで疲れたのか急にめまいがしてきて、
「お父様、どうしましょう。くらくらしてきましたわ。」
「疲れたんだね。ゆっくり休みなさい。」
お父様に抱っこされて、私はベッドに運ばれたの。
「ロザリー、大変だ、熱があるじゃないか!」
「えっ、気が付きませんでした。」
「そんなところまでマリアに似てしまって。」
「お父様が横にいてあげるから安心して寝なさい。」
「はい、お父様。絶対にそばにいてくださいね。一人は嫌です。」
「分かっているよ。ロザリーが寂しがり屋なのはお父様が一番分かっているから安心しなさい。」
「お父様大好きです。おやすみなさい。」
私はお母様が亡くなってから誰かがそばにいないと怖くて寝れなくなってしまったの。寝ているうちに誘拐されてしまう気がして、いつもはエマが寝るまで手を握っていてくれるのだけどお父様にそこまでは言えないから我慢して寝たわ。
でも起きたら、ベッドの横に居たのはお父様ではなくて、カール様でびっくりしたわ。私はあのまま次の日の昼過ぎまで眠ってしまい、熱はすっかり下がったのだけど、お父様は国王陛下にすぐに報告しないといけないし、王都を何日も空けられないから仕方なくあとはカルロス様に任すと言って帰られたのだとか。寝顔を見られちゃったはよね。どうしましょう、とても恥ずかしいわ。
「ロザリー嬢なんで出てきた!出てきてはだめだ。中に入れ。」
カルロス様が怖い、本気で怒っているわ。でも後悔したくないんですもの。
「カルロス様が大好きだからですわ。カルロス様、これを船に向かって投げて下さい。皆さんはこれを沢山作ってください。」
カルロス様は一瞬目を見開き、薄っすらと目に涙を浮かべて老夫婦から火のついた棒をもらうと思いっきり船に向かって投げてくださったわ。
「よし当たったぞ。誰か他にも投げれる者はいないのか?」
偉そうに言ってるこの人は誰?そう思ったけどいまは時間がないので無視をして…だってどう考えてもカルロス様以外無理でしょう。あの筋肉だから成せる技だわ。
「そこへお父様が戻って見えて、第一騎士団長、さっさと槍を作れ、投げるのはカルロス君にしかできないだろう。カルロス君、頼んだぞ。」
カルロス様は頷いて、すべての槍を見事に船まで投げ入れてくださったわ。船が燃え始めて、流石に敵も焦って海に逃げ込む者が沢山見えるわ。でもこの距離だと泳いでこちらに来てしまうんじゃないかしら?そう思っているとカルロス様が、
「やっと俺たちの得意な戦いに持ち込めるぞ。さぁ弓が得意な者は前にこい。剣が得意な者は弓を掻い潜って来たものを斬り殺せ。一人としてこの砦を通すな。」
「「「「おー!!!」」」」
それから私は突然カルロス様にお姫様抱っこされてまた城の中へ…。
「大勢の前で告白してくれてありがとう。愛しているロザリー。」
「えっ!」
私は自分がやったことを今頃理解して真っ赤になってしまったわ。でもそれよりもカルロス様が私のことをロザリーって呼んでくださったことが嬉しくて…。
「カルロス様、これからもロザリーとお呼びくださいね。」
「分かった。二人の時はそう呼ぼう。私のこともカールと読んでくれ。」
「はい、カール様…。」
こんな時に不謹慎なのは分かっていたけどカルロス様をカールと呼べたご褒美と言わんばかりに、優しく微笑んで唇に優しくキスをしてくれたわ。前世も含めて私にとってはファーストキス…。私は腰が抜けてしまい、それからは戦いのお邪魔にならないようにちゃんと城の中で待っていたわ。
しばらくすると皆さんの歓喜の声が聞こえてきたの。勝ったのね本当に良かったわ。そんなことを思っているとお父様が入って来て、
「ロザリーおいで、みんなが待っているよ。」
と言われたの。意味がわからなかったけどお父様と城の外に出ると、
「麗しの女神ロザリー嬢、バンザイ!」って誰かが言って、みんなに繰り返し言われたわ。私は恥ずかしくてお父様の後ろに隠れてしまったの。そうしたら皆さんに笑われてしまったわ。でも恥ずかしいんですもの。前世も含めて人前に立ったことなんてないもの。お父様にぼそっと助けてくださいって伝えたわ。お父様は嬉しそうに頷いて、
「みんなよくやってくれた。私のロザリーは普段人前に出ない。とても恥ずかしがり屋なんだ。だからもう勘弁してやってくれ。」
「「「ロザリー嬢ありがとうございます。」」」
皆さんが口々にお礼を言ってくださって、私は嬉しくて泣いてしまったわ。それでも頑張って
「こちらこそ、この国を、守ってくださりありがとうございました。」
と言って、城の中にお父様と入っていったの。カルロス様はとても忙しそうに指示を出して見えて素敵だったわ。
私はまたお料理を手伝おうと思ったのだけど、やったこともない馬での移動など動き詰めで疲れたのか急にめまいがしてきて、
「お父様、どうしましょう。くらくらしてきましたわ。」
「疲れたんだね。ゆっくり休みなさい。」
お父様に抱っこされて、私はベッドに運ばれたの。
「ロザリー、大変だ、熱があるじゃないか!」
「えっ、気が付きませんでした。」
「そんなところまでマリアに似てしまって。」
「お父様が横にいてあげるから安心して寝なさい。」
「はい、お父様。絶対にそばにいてくださいね。一人は嫌です。」
「分かっているよ。ロザリーが寂しがり屋なのはお父様が一番分かっているから安心しなさい。」
「お父様大好きです。おやすみなさい。」
私はお母様が亡くなってから誰かがそばにいないと怖くて寝れなくなってしまったの。寝ているうちに誘拐されてしまう気がして、いつもはエマが寝るまで手を握っていてくれるのだけどお父様にそこまでは言えないから我慢して寝たわ。
でも起きたら、ベッドの横に居たのはお父様ではなくて、カール様でびっくりしたわ。私はあのまま次の日の昼過ぎまで眠ってしまい、熱はすっかり下がったのだけど、お父様は国王陛下にすぐに報告しないといけないし、王都を何日も空けられないから仕方なくあとはカルロス様に任すと言って帰られたのだとか。寝顔を見られちゃったはよね。どうしましょう、とても恥ずかしいわ。
0
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
破滅ルートを全力で回避したら、攻略対象に溺愛されました
平山和人
恋愛
転生したと気付いた時から、乙女ゲームの世界で破滅ルートを回避するために、攻略対象者との接点を全力で避けていた。
王太子の求婚を全力で辞退し、宰相の息子の売り込みを全力で拒否し、騎士団長の威圧を全力で受け流し、攻略対象に顔さえ見せず、隣国に留学した。
ヒロインと王太子が婚約したと聞いた私はすぐさま帰国し、隠居生活を送ろうと心に決めていた。
しかし、そんな私に転生者だったヒロインが接触してくる。逆ハールートを送るためには私が悪役令嬢である必要があるらしい。
ヒロインはあの手この手で私を陥れようとしてくるが、私はそのたびに回避し続ける。私は無事平穏な生活を送れるのだろうか?
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)
夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。
ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。
って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!
せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。
新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。
なんだかお兄様の様子がおかしい……?
※小説になろうさまでも掲載しています
※以前連載していたやつの長編版です
悪役令嬢に転生したと思ったら悪役令嬢の母親でした~娘は私が責任もって育てて見せます~
平山和人
恋愛
平凡なOLの私は乙女ゲーム『聖と魔と乙女のレガリア』の世界に転生してしまう。
しかも、私が悪役令嬢の母となってしまい、ゲームをめちゃくちゃにする悪役令嬢「エレローラ」が生まれてしまった。
このままでは我が家は破滅だ。私はエレローラをまともに教育することを決心する。
教育方針を巡って夫と対立したり、他の貴族から嫌われたりと辛い日々が続くが、それでも私は母として、頑張ることを諦めない。必ず娘を真っ当な令嬢にしてみせる。これは娘が悪役令嬢になってしまうと知り、奮闘する母親を描いたお話である。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる