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121.サーシャが現れました
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お兄様の水晶を見るとすでにサーシャが現れていた。サーシャは犬のリードのような物を持っていて、それはあろうことか、ネクスさんの首につけられた首輪に繋がっていたの。私は思わずアーサーの方を見たわ。アーサーの心の傷が抉られないか心配になったから…。許せない、サーシャだけは絶対に許せない。私は思わずアーサーを抱きしめていたわ。このままでは自分自身がおかしくなってしまいそうだったから。アーサーは自分が一番つらいはずなのに私を優しく抱きしめ返してくれて…おかげで落ち着いてきたわ。サーシャがネクスさんの頭に手を置き嫌な笑い声をあげている様子がみえて、ネクスさんがすごく苦しそう。魔力を奪われているのかもしれないわ。これではサーシャに対して手も足も出せないじゃない。ああ、ネクスさんが倒れてしまったわ。今度はルーサ様が、サーシャに呼ばれているみたい。行かないで欲しいけど、どうやらネクスさんを使ってルーサ様を脅しているみたい。いまもネクス様の顔を踏もうとしている…酷い…。
ブロッサがサーシャの足を魔法で止めてくれた瞬間、
「きゃー。」
思わず声が出てしまったわ。ブロッサがものすごい勢いで吹き飛ばされたんですもの、なんて強い魔力なの。ルドが魔法でブロッサを包んでくれたから怪我は大した事ないと思うけど、お兄様の水晶は私にも分かるように魔法に色がついているから本当に状況が分かりやすいわ。あら、ラムルまで真剣に見ているわ。ラムルにもきっと感情があるんだわ。つらいわよね。大好きなブロッサがやられているんですもの。
ルーサ様がサーシャに近づいていく、だめよ行ったら、魔力を奪われてしまうわ。やだ、ラムルの頭から湯気が出ている。
「アーサー大変、ラムルの頭から湯気が出ているわ。ラムル落ち着いて。」
私はラムルに落ち着いて欲しくてラムルを抱きしめようとしたのだけど、ラムルが燃えるように熱くてびっくりしたわ。今度はラムルがとても苦しそうな表情をしだしたから私はラムルが熱いのも忘れて必死でラムルの背中を擦っていたら、ラムルのお腹の辺りが光り始めて、真っ白な綺麗な氷の玉?がふわーっと出てきたの。これは何かしら?
とても冷たくて気持ちがいいけど…。あれ、私知っているかも…。私が小学一年生の夏、四十度の熱を出して、苦しかった時に、おじいちゃんが丸い氷を作ってくれて、
「ラムルが真理ちゃんの病気をもらってくれるよ。変わりに真理ちゃんにこの氷をくれるんだって。」
と言って私にくれた氷だわ。それで本当に治っちゃったのよね。でもどうしていまなの?そのあとおじいちゃんは、
「真理ちゃんラムルは実は沢山白パンを食べると正義の味方に変身するんだよ。」
って言ってたわよね…。ラムルが変身してくれるのかしら?変身してくれそうもないけど、ラムルは楽になったのかまたお腹を掻いてるし、どういうことかしら?私が首を傾げていると、アーサーが、
「マリーの魔力の道が広がった…。」
「「えっ。」」
思わずお兄様と一緒に大きな声を出してしまったわ。私の病気を治す氷の玉…。
「ブローサ様に広げてもらった時の二倍はあるよ…。ちょっと怖いレベルだよ、マリー簡単な魔法でも気をつけてね。」
「アーサー、分かったわ。」
「マリー大変だ、すでにルーサ様の魔力まで奪われつつある。行くんだろう?」
「ええ、お兄様。アーサーと行ってきます。いまの私ならこの結界を解除しないでもアーサーと転移できる自信があります。」
「分かったよ。ラムルと待っているからね。アーサー絶対にマリーを守ってね。」
「約束する。マリーは僕が守る。」
アーサーがそばにいてくれたら私は何倍もの力が出せるわ。何も怖くないもの。
「ではお兄様行ってきます。」
私はアーサーと、サーシャの目の前に、転移したわ。
「サーシャ、ルーサ様から離れなさい!」
「なんだい、鬱陶しい小娘が、また現れたね!お前の魔力は、魔力の道が広がったらもらってやるよ。」
「あら、そうなの?では魔力の道がたったいま、広がったからもらってもらおうかしら?」
私はそう言ってルーサ様の頭を掴んでいるサーシャの手を無理矢理掴んだの。
「痛、たたた。馬鹿力だね。」
やっとルーサ様から、離れてくれたわ。
「アーサー、私の手を握っていてね。」
「うん、絶対に離さないよ、愛してるよマリー。」
「サーシャ、約束通り魔力をもらってもらうわよ。」
私は遠慮なく魔力を流してあげたわ。
「これはいいね。体全体に力が漲るよ。千年前のブローサに魔力を取られる前に戻れそうだ。」
「それは良かったわね。でもまだまだよ。サーシャの大好きな魔力、もっともっとあげるわ。」
「それは楽しみだね。ああ、この感じだ。完全に昔の自分に戻れたね。とうとう私が一番強い魔女になれたんだ。」
「まだ一番じゃないわ、ブローサ様はこんなもんじゃなかったわ。」
「たしかに一番じゃないね…。私はあの時ブローサに魔力を奪われたんだから…。」
「そうでしょう。さぁもっとあげるわ。」
「怖いくらいの魔力だね、これで本当にこの世で私が一番強い魔女だ、ブローサにだって負けないよ。はははは、ははははは。」
「何を言っているの?まだまだよ、これではまだ私が一番だわ。だからもっとあげるわ。」
「く、苦しい化け物だね。」
「一番になりたいんでしょう?そのくだらない願望のためにいままでどれだけの人を苦しめてきたの?許さないわ!希望通り本当の一番になるといいわ。」
「やめておくれ体が壊れそうだ…。」
「サーシャに命乞いした人がどれだけいたと思う?どれだけ苦しかったと思う?」
「やめてくれ、許してくれ、体が燃えてしまう……」
サーシャは幼児化し、気絶してしまったわ。
ブロッサがサーシャの足を魔法で止めてくれた瞬間、
「きゃー。」
思わず声が出てしまったわ。ブロッサがものすごい勢いで吹き飛ばされたんですもの、なんて強い魔力なの。ルドが魔法でブロッサを包んでくれたから怪我は大した事ないと思うけど、お兄様の水晶は私にも分かるように魔法に色がついているから本当に状況が分かりやすいわ。あら、ラムルまで真剣に見ているわ。ラムルにもきっと感情があるんだわ。つらいわよね。大好きなブロッサがやられているんですもの。
ルーサ様がサーシャに近づいていく、だめよ行ったら、魔力を奪われてしまうわ。やだ、ラムルの頭から湯気が出ている。
「アーサー大変、ラムルの頭から湯気が出ているわ。ラムル落ち着いて。」
私はラムルに落ち着いて欲しくてラムルを抱きしめようとしたのだけど、ラムルが燃えるように熱くてびっくりしたわ。今度はラムルがとても苦しそうな表情をしだしたから私はラムルが熱いのも忘れて必死でラムルの背中を擦っていたら、ラムルのお腹の辺りが光り始めて、真っ白な綺麗な氷の玉?がふわーっと出てきたの。これは何かしら?
とても冷たくて気持ちがいいけど…。あれ、私知っているかも…。私が小学一年生の夏、四十度の熱を出して、苦しかった時に、おじいちゃんが丸い氷を作ってくれて、
「ラムルが真理ちゃんの病気をもらってくれるよ。変わりに真理ちゃんにこの氷をくれるんだって。」
と言って私にくれた氷だわ。それで本当に治っちゃったのよね。でもどうしていまなの?そのあとおじいちゃんは、
「真理ちゃんラムルは実は沢山白パンを食べると正義の味方に変身するんだよ。」
って言ってたわよね…。ラムルが変身してくれるのかしら?変身してくれそうもないけど、ラムルは楽になったのかまたお腹を掻いてるし、どういうことかしら?私が首を傾げていると、アーサーが、
「マリーの魔力の道が広がった…。」
「「えっ。」」
思わずお兄様と一緒に大きな声を出してしまったわ。私の病気を治す氷の玉…。
「ブローサ様に広げてもらった時の二倍はあるよ…。ちょっと怖いレベルだよ、マリー簡単な魔法でも気をつけてね。」
「アーサー、分かったわ。」
「マリー大変だ、すでにルーサ様の魔力まで奪われつつある。行くんだろう?」
「ええ、お兄様。アーサーと行ってきます。いまの私ならこの結界を解除しないでもアーサーと転移できる自信があります。」
「分かったよ。ラムルと待っているからね。アーサー絶対にマリーを守ってね。」
「約束する。マリーは僕が守る。」
アーサーがそばにいてくれたら私は何倍もの力が出せるわ。何も怖くないもの。
「ではお兄様行ってきます。」
私はアーサーと、サーシャの目の前に、転移したわ。
「サーシャ、ルーサ様から離れなさい!」
「なんだい、鬱陶しい小娘が、また現れたね!お前の魔力は、魔力の道が広がったらもらってやるよ。」
「あら、そうなの?では魔力の道がたったいま、広がったからもらってもらおうかしら?」
私はそう言ってルーサ様の頭を掴んでいるサーシャの手を無理矢理掴んだの。
「痛、たたた。馬鹿力だね。」
やっとルーサ様から、離れてくれたわ。
「アーサー、私の手を握っていてね。」
「うん、絶対に離さないよ、愛してるよマリー。」
「サーシャ、約束通り魔力をもらってもらうわよ。」
私は遠慮なく魔力を流してあげたわ。
「これはいいね。体全体に力が漲るよ。千年前のブローサに魔力を取られる前に戻れそうだ。」
「それは良かったわね。でもまだまだよ。サーシャの大好きな魔力、もっともっとあげるわ。」
「それは楽しみだね。ああ、この感じだ。完全に昔の自分に戻れたね。とうとう私が一番強い魔女になれたんだ。」
「まだ一番じゃないわ、ブローサ様はこんなもんじゃなかったわ。」
「たしかに一番じゃないね…。私はあの時ブローサに魔力を奪われたんだから…。」
「そうでしょう。さぁもっとあげるわ。」
「怖いくらいの魔力だね、これで本当にこの世で私が一番強い魔女だ、ブローサにだって負けないよ。はははは、ははははは。」
「何を言っているの?まだまだよ、これではまだ私が一番だわ。だからもっとあげるわ。」
「く、苦しい化け物だね。」
「一番になりたいんでしょう?そのくだらない願望のためにいままでどれだけの人を苦しめてきたの?許さないわ!希望通り本当の一番になるといいわ。」
「やめておくれ体が壊れそうだ…。」
「サーシャに命乞いした人がどれだけいたと思う?どれだけ苦しかったと思う?」
「やめてくれ、許してくれ、体が燃えてしまう……」
サーシャは幼児化し、気絶してしまったわ。
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