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109.ずっと楽しみにしていた学園生活再開です
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いよいよ最終学年の学園生活が始まったわ。馬車を降りると、すでに待ち構えていたマキム様とココ様をお兄様とアーサーが頑張って交わしてくれて、なんとか教室へ来たわ。クラスのみんなからは優しく声を沢山掛けてもらってちょっとうるうるしちゃったわ。授業は問題なく過ぎていったけど…やっぱりあの二人は侮れないわ。授業が終わった途端、私とアーサーの目の前にマキム様が現れたわ。びっくりし過ぎて目が点よ、どういうこと?
「マリー嬢、せっかく、馬車の前で待っていたのに話もできなくて淋しかったよ。」
「あの、マキム様どうやってここへいらっしゃったのですか?」
「それはね、君のお兄様が前に作ったおもちゃのような転移魔法の魔道具を使ったんだよ。半径五十メートルしか無理なんだけど面白いから買っておいたんだ。こんなところで役に立つなんて運命かな。」
マキム様ったら、ウインクしてきたわ。上手ね…。今度やり方教えてもらおうかしら…。
「マリー、ウインクの仕方教えてもらおうとか思っていないよね?」
「ひっ。」
「思っていたんだね…。僕がおうちで教えてあげるから聞いちゃだめだよ。」
アーサーって本当に私の考えていることがなんでも分かるのね。私はアーサーの言葉に何度も頷いておいたわ。アーサーのウインクが見られるなんて幸せだもの。
「ねぇ、マリー僕のこと無視しないでくれる?アーサー僕とマリーの時間を奪わないでよ。」
そこへ息を切らしてルドが走ってきたわ。
「いい加減にしてくれよマキム。学園内では転移は禁止!分かっていてやっているだろう。こんな事ばかりするなら父上に言って、ケブリックに帰ってもらうよ。」
「ごめんごめん、軽い遊び心だよ。もうしないから、ルドそんなに怒るなよ。」
「それから、病み上がりのマリーに関わるなと言っただろう。やっと調子が良くなってきたところだって。」
「分かったよ。一目惚れだったんだよ。ココより綺麗な令嬢なんて初めて見たんだよ。」
「いい加減にしろよ。アーサー殿に殺されたいのか。マリーはアーサー殿の婚約者だって言っているだろうが。アーサー殿はこの国で一番の魔法使いだぞ。」
「へー、今度お手合わせしてもらおうかな。」
「マキム様、随分と好き勝手おしゃっていますが、アーサーに何かしたら私はマキム様のことを大っ嫌いになりますからね。」
「えっ、僕のことを嫌いになれるの?僕の魅了が効かないなんて…。」
「魅了?そんなの使えていませんよ。」
「後ろの女の子たちには効いているみたいだよ。僕のウインク…。」
ばかばかしい…。もう無視しましょう。今度は何かしら?廊下が騒がしいわ。ココ様ね…。
「ピゴくん可愛い。ねぇ、私にちょうだい。」
「あげるわけないでしょ。もうなんなのよ。しつこいわね。」
ブロッサ様も大変そうね。
「ルド、送り返すなら、この子も一緒に早く送り返してよ。」
「送り返してくれてもいいわよ。でもその時はアーサーくんだけはもらっていくけどね。」
「ふざけるな!人を物のように扱うな。」
ルドが怒ってくれたおかげで私は冷静でいれたわ。
「ココ様、アーサーの気持ちは考えないんですか?」
「考える必要なんてないでしょ。王妃殿下と結婚できるのよ。どう考えたって幸せでしょ。」
「僕はマリーとじゃなきゃ幸せになんてなれません。好きな人といることの方がずっと幸せですよ。」
恥ずかしいけど、すごく嬉しいわ。アーサーありがとう。
「なにそれ、ばかばかしい。本当にそう思っているの?贅沢もできるし、地位も名誉も手にはいるのよ。」
「なんのためにそんなものがいるんですか?誰かに自慢するためですか?自分の欲を満たすためですか?僕からしたらそっちの方がばかばかしいですよ。」
「・・・なんだか、がっかりだわ。こんな子もういらない。マキム行きましょう。」
本当に諦めてくれたのかしら?最後に心の底から驚いた顔をしていたけど…。やっと自分のクラスに帰ってくれたわね。そんなことを考えていると、ブロッサが、
「マリー元気になって良かったわ。今日のランチのあと、ちょっとお話ししない。」
「私もお話ししたかったの。嬉しいわ。」
「それは良かったわ。それから、あの二人は私が止めておいてあげるわ。」
「ありがとう。あの、お兄様はどうしていますか?」
「ああ、モテすぎてマルク様はお気の毒ね…。マリーを守らなきゃとか言っていたけど自分のことも守れていないわ。」
「そうですか…。教えてくれてありがとう。」
「私でもカッコいいと思うんですもの。無理ないわよ。」
「ブロッサ、そろそろ教室に戻るぞ。」
「そうね、ルド、いま行くわ。じゃあマリーお昼ね。」
ブロッサと話をする約束もできて、私は前世のことや日本のことなんかを聞きたくてうずうずしていたからとても楽しみだわ。
※いつも読んで下さりありがとうございますm(_ _)m123話が最終回になります。長いお話になりましたが、呼んで下さる皆さんのおかげでここまでこれました!あと少し、マリーちゃんとアーサーくんをよろしくお願いします。
「マリー嬢、せっかく、馬車の前で待っていたのに話もできなくて淋しかったよ。」
「あの、マキム様どうやってここへいらっしゃったのですか?」
「それはね、君のお兄様が前に作ったおもちゃのような転移魔法の魔道具を使ったんだよ。半径五十メートルしか無理なんだけど面白いから買っておいたんだ。こんなところで役に立つなんて運命かな。」
マキム様ったら、ウインクしてきたわ。上手ね…。今度やり方教えてもらおうかしら…。
「マリー、ウインクの仕方教えてもらおうとか思っていないよね?」
「ひっ。」
「思っていたんだね…。僕がおうちで教えてあげるから聞いちゃだめだよ。」
アーサーって本当に私の考えていることがなんでも分かるのね。私はアーサーの言葉に何度も頷いておいたわ。アーサーのウインクが見られるなんて幸せだもの。
「ねぇ、マリー僕のこと無視しないでくれる?アーサー僕とマリーの時間を奪わないでよ。」
そこへ息を切らしてルドが走ってきたわ。
「いい加減にしてくれよマキム。学園内では転移は禁止!分かっていてやっているだろう。こんな事ばかりするなら父上に言って、ケブリックに帰ってもらうよ。」
「ごめんごめん、軽い遊び心だよ。もうしないから、ルドそんなに怒るなよ。」
「それから、病み上がりのマリーに関わるなと言っただろう。やっと調子が良くなってきたところだって。」
「分かったよ。一目惚れだったんだよ。ココより綺麗な令嬢なんて初めて見たんだよ。」
「いい加減にしろよ。アーサー殿に殺されたいのか。マリーはアーサー殿の婚約者だって言っているだろうが。アーサー殿はこの国で一番の魔法使いだぞ。」
「へー、今度お手合わせしてもらおうかな。」
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「えっ、僕のことを嫌いになれるの?僕の魅了が効かないなんて…。」
「魅了?そんなの使えていませんよ。」
「後ろの女の子たちには効いているみたいだよ。僕のウインク…。」
ばかばかしい…。もう無視しましょう。今度は何かしら?廊下が騒がしいわ。ココ様ね…。
「ピゴくん可愛い。ねぇ、私にちょうだい。」
「あげるわけないでしょ。もうなんなのよ。しつこいわね。」
ブロッサ様も大変そうね。
「ルド、送り返すなら、この子も一緒に早く送り返してよ。」
「送り返してくれてもいいわよ。でもその時はアーサーくんだけはもらっていくけどね。」
「ふざけるな!人を物のように扱うな。」
ルドが怒ってくれたおかげで私は冷静でいれたわ。
「ココ様、アーサーの気持ちは考えないんですか?」
「考える必要なんてないでしょ。王妃殿下と結婚できるのよ。どう考えたって幸せでしょ。」
「僕はマリーとじゃなきゃ幸せになんてなれません。好きな人といることの方がずっと幸せですよ。」
恥ずかしいけど、すごく嬉しいわ。アーサーありがとう。
「なにそれ、ばかばかしい。本当にそう思っているの?贅沢もできるし、地位も名誉も手にはいるのよ。」
「なんのためにそんなものがいるんですか?誰かに自慢するためですか?自分の欲を満たすためですか?僕からしたらそっちの方がばかばかしいですよ。」
「・・・なんだか、がっかりだわ。こんな子もういらない。マキム行きましょう。」
本当に諦めてくれたのかしら?最後に心の底から驚いた顔をしていたけど…。やっと自分のクラスに帰ってくれたわね。そんなことを考えていると、ブロッサが、
「マリー元気になって良かったわ。今日のランチのあと、ちょっとお話ししない。」
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「ありがとう。あの、お兄様はどうしていますか?」
「ああ、モテすぎてマルク様はお気の毒ね…。マリーを守らなきゃとか言っていたけど自分のことも守れていないわ。」
「そうですか…。教えてくれてありがとう。」
「私でもカッコいいと思うんですもの。無理ないわよ。」
「ブロッサ、そろそろ教室に戻るぞ。」
「そうね、ルド、いま行くわ。じゃあマリーお昼ね。」
ブロッサと話をする約束もできて、私は前世のことや日本のことなんかを聞きたくてうずうずしていたからとても楽しみだわ。
※いつも読んで下さりありがとうございますm(_ _)m123話が最終回になります。長いお話になりましたが、呼んで下さる皆さんのおかげでここまでこれました!あと少し、マリーちゃんとアーサーくんをよろしくお願いします。
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