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97.レッドはやっぱり別格です
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「シルバー、俺たちマリーが眠りについたあと、ショックで第一騎士団の寮でしばらく俺たちだけお世話になっただろう。その時俺たちお化けを見たよな。」
「だから、お化けなんていないって言ってるだろう。」
「ああ、あれお化けじゃなかったんだな。たぶん、操られていた魔族の人だよな。」
「たしかに歩き方はおかしかったけど、暗かったし、遠くてよく見えなかったのにどうしてレッドはそう思ったんだよ?」
「だって、魔力の流れがある一点に集中していてそこ以外はほとんど流れていないんだよ。そんな人間いるわけないだろう。ふわって温かいはずの場所もあんまり感じられなかったから怖かったんだ。」
「そういうことか…。それなら、場所は分かる。国王陛下、レッドがあんまりにも心配するもので、距離を取りながらついて行ったんです。すると立ち入り禁止に指定されている洞窟の中に入って行きました。このことは騎士団の方にはもちろん報告してあります。でも後日何もなかったと報告を受けましたが、相手がサーシャでは見つけられなかっただけかもしれませんね。」
「立ち入り禁止区域か…。あそこは魔の森の瘴気が充満している洞窟なんだ。奥に行けば行くほど瘴気は強くなる。しかし、長く入っていれば魔族でも魔力は回復しても、酩酊状態に陥るはずだ。だから、放置していたが、まさか自分は入らずに仲間の魔族を道具として使うとは恐ろしい考えだな。レッド、ありがとう。レッドのおかげで色々と策ができそうだ。」
「良かったです。」
レッドってやっぱり別格だわ。みんなと視点が違うのよね。きっと、本当の天才ってこういう人のこと言うのよね。
「姉…サーシャはとても用心深いんです。たぶんそこにチェリー男爵が捕まる寸前にその方々をその場所に移しておいたのでしょう。魔力が無くなってもしばらくは困らないように色々な魔道具も用意していたと思います。私に呪いをかけれたということはすでに魔力の道はたしかに元に戻っているという事です。レッド様が見た光景はたぶん、サーシャがその方々から魔力を吸収するために魔法で誘導し、その後また、瘴気の洞窟に帰るところだったのでしょう。ただ、サーシャは私に呪いをかける時に少しつらそうだったのです。もしかしたら魔力が思うほど回復していないのかもしれません。先程リック先生がおっしゃっていたように用心深いサーシャにしてはこの呪いの蛇は弱すぎます。私の知っているサーシャなら、私が裏切ろうと考えただけで発動するようなものを付けたはずなんです。でもそれにはかなりの魔力がいるので出来なかったのかもしれません。」
それから私はブローサ様に教えてもらった他のこともみんなに話したわ。ルナの前で話しづらかったけど、情報を共有することは大切だものね。
「サーシャの目的ですが、魔女が世界で一番強いと知らしめることだそうです。それはサーシャの両親の願いでもあったそうです。千年以上前、サーシャの両親が、人間に戦争をさせて、その隙にブローサ様の魔力を奪おうとしたことがあったそうなんですが、それにルーサ様の御両親が気付き、止めに入られて、激しい魔力闘争の末、魔力爆発がおきて四人ともそこから魔力が感じられなかったので遺体は見つからなかったけどたぶん亡くなったのだろうとのことでした。だからサーシャは自分と両親の願いを叶えるためにも、サーシャ自身が世界で一番強い魔女になろうとしているらしいのです。その為に莫大な魔力が必要なようです。」
ずっと、ルナが目に涙をためて聞いているわ。ごめんね。ルナ…。
「それで、千年前もサーシャはラムルの魔力を奪おうとして逆にブローサ様に魔力をほとんど取られてしまったそうです。サーシャの魔力も使って千年ラムルを閉じ込めておくことができたのだから私はサーシャに感謝しているけど、サーシャは相当私のことを恨んでいたでしょうね。なんて言ってみえました。その時にブローサ様がどうやって千年の間に魔力をこんなに貯めたのかと不思議がって見えたのです。」
「よく分かった。話してくれてありがとう。それから、今回の件はルドやブロッサ嬢が言う通りこちらでなんとかする。だから、マリー嬢はゆっくりと療養しておくれ。本当にマリー嬢には感謝している。半年後、学園の最終学年に戻れるように手続きはしておく。学力は問題ないと王宮の家庭教師から承認は得ているから安心しなさい。それから、アーサーとマルク、君たちにも非常に感謝している。約束通り結界を張ってもらったおかげで、私は国王になってから、初めて結界を解いている。こんなにも心が穏やかな日は初めてだ。そして、君たちもマリー嬢とともに、来年必ず学園に通っておくれ。国のためにも、王宮で君たちを待っている。」
「分かりました。必ずマリーとともに通います。国王陛下ありがとうございました。」
お兄様が答えて、私とアーサーも頷いた。
「マリー、学園で会えるのを楽しみにしているわ。あなたと話したいことが沢山あるのよ。」
「本当ですか?私もです。ブロッサとお話ができるなんて、私の手を握ってください。」
「それはちょっと、恥ずかしいわね。でも頑張って学園に来たらしてあげるわ。」
「本当ですか?私リハビリ頑張ります。」
「リハビリ…。」
「マリー、私も待っているからね。しばらくは魔道具作りで忙しいと思うけど、落ち着いたらマリーに会いに行ってもいいかしら?」
「もちろんよ。楽しみにしているわ。ルナもつらいと思うけど魔道具作り頑張ってね。」
ルナが少しずつ元気になれますように。
「だから、お化けなんていないって言ってるだろう。」
「ああ、あれお化けじゃなかったんだな。たぶん、操られていた魔族の人だよな。」
「たしかに歩き方はおかしかったけど、暗かったし、遠くてよく見えなかったのにどうしてレッドはそう思ったんだよ?」
「だって、魔力の流れがある一点に集中していてそこ以外はほとんど流れていないんだよ。そんな人間いるわけないだろう。ふわって温かいはずの場所もあんまり感じられなかったから怖かったんだ。」
「そういうことか…。それなら、場所は分かる。国王陛下、レッドがあんまりにも心配するもので、距離を取りながらついて行ったんです。すると立ち入り禁止に指定されている洞窟の中に入って行きました。このことは騎士団の方にはもちろん報告してあります。でも後日何もなかったと報告を受けましたが、相手がサーシャでは見つけられなかっただけかもしれませんね。」
「立ち入り禁止区域か…。あそこは魔の森の瘴気が充満している洞窟なんだ。奥に行けば行くほど瘴気は強くなる。しかし、長く入っていれば魔族でも魔力は回復しても、酩酊状態に陥るはずだ。だから、放置していたが、まさか自分は入らずに仲間の魔族を道具として使うとは恐ろしい考えだな。レッド、ありがとう。レッドのおかげで色々と策ができそうだ。」
「良かったです。」
レッドってやっぱり別格だわ。みんなと視点が違うのよね。きっと、本当の天才ってこういう人のこと言うのよね。
「姉…サーシャはとても用心深いんです。たぶんそこにチェリー男爵が捕まる寸前にその方々をその場所に移しておいたのでしょう。魔力が無くなってもしばらくは困らないように色々な魔道具も用意していたと思います。私に呪いをかけれたということはすでに魔力の道はたしかに元に戻っているという事です。レッド様が見た光景はたぶん、サーシャがその方々から魔力を吸収するために魔法で誘導し、その後また、瘴気の洞窟に帰るところだったのでしょう。ただ、サーシャは私に呪いをかける時に少しつらそうだったのです。もしかしたら魔力が思うほど回復していないのかもしれません。先程リック先生がおっしゃっていたように用心深いサーシャにしてはこの呪いの蛇は弱すぎます。私の知っているサーシャなら、私が裏切ろうと考えただけで発動するようなものを付けたはずなんです。でもそれにはかなりの魔力がいるので出来なかったのかもしれません。」
それから私はブローサ様に教えてもらった他のこともみんなに話したわ。ルナの前で話しづらかったけど、情報を共有することは大切だものね。
「サーシャの目的ですが、魔女が世界で一番強いと知らしめることだそうです。それはサーシャの両親の願いでもあったそうです。千年以上前、サーシャの両親が、人間に戦争をさせて、その隙にブローサ様の魔力を奪おうとしたことがあったそうなんですが、それにルーサ様の御両親が気付き、止めに入られて、激しい魔力闘争の末、魔力爆発がおきて四人ともそこから魔力が感じられなかったので遺体は見つからなかったけどたぶん亡くなったのだろうとのことでした。だからサーシャは自分と両親の願いを叶えるためにも、サーシャ自身が世界で一番強い魔女になろうとしているらしいのです。その為に莫大な魔力が必要なようです。」
ずっと、ルナが目に涙をためて聞いているわ。ごめんね。ルナ…。
「それで、千年前もサーシャはラムルの魔力を奪おうとして逆にブローサ様に魔力をほとんど取られてしまったそうです。サーシャの魔力も使って千年ラムルを閉じ込めておくことができたのだから私はサーシャに感謝しているけど、サーシャは相当私のことを恨んでいたでしょうね。なんて言ってみえました。その時にブローサ様がどうやって千年の間に魔力をこんなに貯めたのかと不思議がって見えたのです。」
「よく分かった。話してくれてありがとう。それから、今回の件はルドやブロッサ嬢が言う通りこちらでなんとかする。だから、マリー嬢はゆっくりと療養しておくれ。本当にマリー嬢には感謝している。半年後、学園の最終学年に戻れるように手続きはしておく。学力は問題ないと王宮の家庭教師から承認は得ているから安心しなさい。それから、アーサーとマルク、君たちにも非常に感謝している。約束通り結界を張ってもらったおかげで、私は国王になってから、初めて結界を解いている。こんなにも心が穏やかな日は初めてだ。そして、君たちもマリー嬢とともに、来年必ず学園に通っておくれ。国のためにも、王宮で君たちを待っている。」
「分かりました。必ずマリーとともに通います。国王陛下ありがとうございました。」
お兄様が答えて、私とアーサーも頷いた。
「マリー、学園で会えるのを楽しみにしているわ。あなたと話したいことが沢山あるのよ。」
「本当ですか?私もです。ブロッサとお話ができるなんて、私の手を握ってください。」
「それはちょっと、恥ずかしいわね。でも頑張って学園に来たらしてあげるわ。」
「本当ですか?私リハビリ頑張ります。」
「リハビリ…。」
「マリー、私も待っているからね。しばらくは魔道具作りで忙しいと思うけど、落ち着いたらマリーに会いに行ってもいいかしら?」
「もちろんよ。楽しみにしているわ。ルナもつらいと思うけど魔道具作り頑張ってね。」
ルナが少しずつ元気になれますように。
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