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「何で消えちゃうのよ…。」
「ブローサ様はすでに限界だったんだ。私とも、最後の力を使って、精霊の姿で魔の森で暮らすおつもりだったんだ。その力さえも使ってしまわれたからね。よっぽど、ブロッサのことが心配だったんだろうね。ブロッサに協力してくれるように、どうしても自分の口からみんなに言いたかったんだろうよ。」
「何カッコつけてるのよ。ありがとうも言えないじゃない。残される方の気持ちにもなりなさいよ。」
「そうだね。初めて、ブロッサと意見があったよ。残される方はたまったもんじゃないね。淋しいよ。でもあんなに嬉しそうなブローサ様を最後に見れてほっとしたよ。千年前のこともサーシャだったなんて、サーシャだけは絶対に許さないよ。」
ルーサ様の言葉に素直じゃない返事をしていたブロッサ嬢だけど目には涙が浮かんでいるわ。やっぱり、ブロッサ嬢は優しい子なんだわ。
それよりもおばあちゃんが消えちゃう前に頑張ってまたねって口が動いた気がするんだけど、気のせいかしら?夢でまた会えるのかしら。そんなことを考えていると、お父様とお兄様とアーサーが同時に私のそばまで駆け寄って来て、私はお父様に抱きしめられた。
「マリーの瞳の色が水色に戻っている。本当に良かった、あんな不吉な色、二度とごめんだ…。」
って、いまそこですか?それにお父様不敬ですよ。ほらご覧なさい。微妙な空気になってしまったわ。
あら、ブロッサ嬢がぶつぶつとなにか話しているわ。ブロッサ嬢の独り言は少し大きいわね。あれでは隠し事は無理ね。
「あら?あの時のめちゃくちゃカッコいい人の隣にドストライクのイケメンがいるわ。さっきまでは後ろ姿しか見えなかったけど、話しかけようかしら。だめだめ、いまはやらなきゃいけないことがあるんだった。サーシャとかいう魔女をこてんぱんにやっつけるんだったわ。」
こてんぱん…。そんな計画はなかったと思いますが、気になることが沢山あったわね。最初はお父様を見ていたから、お父様がブロッサ嬢が言っていた、あの時のカッコいい人よね。ブロッサ嬢の好みはお父様ってことよね?それはいいご趣味だと思いますけど、問題はその後よ。お兄様を見ていたのかしら?それともアーサーだったらどうすればいいの…。ルドとお父様に隠れてはっきり見えなかったじゃない。ブロッサ嬢お願いですから、お兄様はお好きにしていただいて結構ですので、アーサーだけはやめてください。あれ、ルドがものすごく不安そうな顔でブロッサ嬢を見ているわ。ルドはブロッサ嬢のことが好きなのね。ルド、私の為にもブロッサ嬢の心を射止めてちょうだい。
だけど、色々と気になることはたしかにあるけどブロッサ嬢が言う通り、いまはそれどころではないわ。国王陛下が、
「初代予言の女神様が命懸けで守ってくださったこの国だ。必ず作戦をやり遂げようじゃないか。」
みんな、力強く頷いているわ。
「まずは結界からだが、魔獣のことを考えなければ何日くらいで張れそうだ?」
「半日もあれば十分かと。アーサーどう?」
「それで大丈夫。」
「白パンはどうだ。」
「それこそ、数時間でできますが、隣国への報告がいるため、国王陛下、明日の十時開始としてください。今から丁度二十四時間後です。これが最短です。」
「承知した。それでは、マルクとアーサーを皆で必ず守って結界を張り、ルドとブロッサ嬢とレッドでラムルを小さくし、結界を解いたらマリー嬢はラムルの魔力を必ずサーシャよりも早く吸収してくれ。」
たしかに結界を張る間は無防備になるから、みんなで守らないとね。みんな頷いているわ。レッドが手を上げて、
「俺が守ります。」
「「ありがとう。レッド殿。」」
お兄様とアーサーが素敵な笑顔で答えて、レッドも嬉しそうに頷いている。
「私も全力で守るわ。力が溢れてきて大変なくらいだもの。」
「「「「マリーは無理しないで。」」」」
失礼しちゃうわ。私がなにかしでかすみたいじゃない。今の私は完璧よ。
「マルク殿、アーサー殿、私たちも守ります。」
ルドが言うとブロッサ嬢も頷いている。可愛いわ。
「王太子殿下、ブロッサ嬢ありがとうございます。」
「ウォーミングアップに丁度いいから気にしないで。」
ウォーミングアップですってカッコ良すぎでしょ!私は思わず、
「ブロッサ嬢素敵です。」
と叫んでいた。
「えっ?ありがとう。えーとマリーだっけ?ブロッサでいいわよ。お互い頑張りましょうね。」
「はい、よろしくお願いします。ブロッサ。」
それからブロッサが、やっぱりゲームの世界とは違うのねとか、あの方はマリーのお兄様よね?髪が水色だし…とかまたぶつぶつ言っているのが聞こえてきた。もしかしてブロッサも日本人?すごく嬉しいわ。すべてが終わったら絶対に確認しなくっちゃ。だけど水色ってことは、うふふふふ。お兄様狙いね!でも攻略対象じゃないのに。そうか、もともとゲームにはいなかったものね。もしかしてお兄様は裏設定の攻略対象者だったりするのかしら?
私としてはルドとくっついて欲しいんだけど。だってルドの切なそうな顔とか見たくないし、あの傲慢なルドと対等にやれるのはブロッサくらいじゃないかしら?そうは言っても、こういうのは第三者がどうこうできるものじゃないから、ルド頑張ってね!
「ブローサ様はすでに限界だったんだ。私とも、最後の力を使って、精霊の姿で魔の森で暮らすおつもりだったんだ。その力さえも使ってしまわれたからね。よっぽど、ブロッサのことが心配だったんだろうね。ブロッサに協力してくれるように、どうしても自分の口からみんなに言いたかったんだろうよ。」
「何カッコつけてるのよ。ありがとうも言えないじゃない。残される方の気持ちにもなりなさいよ。」
「そうだね。初めて、ブロッサと意見があったよ。残される方はたまったもんじゃないね。淋しいよ。でもあんなに嬉しそうなブローサ様を最後に見れてほっとしたよ。千年前のこともサーシャだったなんて、サーシャだけは絶対に許さないよ。」
ルーサ様の言葉に素直じゃない返事をしていたブロッサ嬢だけど目には涙が浮かんでいるわ。やっぱり、ブロッサ嬢は優しい子なんだわ。
それよりもおばあちゃんが消えちゃう前に頑張ってまたねって口が動いた気がするんだけど、気のせいかしら?夢でまた会えるのかしら。そんなことを考えていると、お父様とお兄様とアーサーが同時に私のそばまで駆け寄って来て、私はお父様に抱きしめられた。
「マリーの瞳の色が水色に戻っている。本当に良かった、あんな不吉な色、二度とごめんだ…。」
って、いまそこですか?それにお父様不敬ですよ。ほらご覧なさい。微妙な空気になってしまったわ。
あら、ブロッサ嬢がぶつぶつとなにか話しているわ。ブロッサ嬢の独り言は少し大きいわね。あれでは隠し事は無理ね。
「あら?あの時のめちゃくちゃカッコいい人の隣にドストライクのイケメンがいるわ。さっきまでは後ろ姿しか見えなかったけど、話しかけようかしら。だめだめ、いまはやらなきゃいけないことがあるんだった。サーシャとかいう魔女をこてんぱんにやっつけるんだったわ。」
こてんぱん…。そんな計画はなかったと思いますが、気になることが沢山あったわね。最初はお父様を見ていたから、お父様がブロッサ嬢が言っていた、あの時のカッコいい人よね。ブロッサ嬢の好みはお父様ってことよね?それはいいご趣味だと思いますけど、問題はその後よ。お兄様を見ていたのかしら?それともアーサーだったらどうすればいいの…。ルドとお父様に隠れてはっきり見えなかったじゃない。ブロッサ嬢お願いですから、お兄様はお好きにしていただいて結構ですので、アーサーだけはやめてください。あれ、ルドがものすごく不安そうな顔でブロッサ嬢を見ているわ。ルドはブロッサ嬢のことが好きなのね。ルド、私の為にもブロッサ嬢の心を射止めてちょうだい。
だけど、色々と気になることはたしかにあるけどブロッサ嬢が言う通り、いまはそれどころではないわ。国王陛下が、
「初代予言の女神様が命懸けで守ってくださったこの国だ。必ず作戦をやり遂げようじゃないか。」
みんな、力強く頷いているわ。
「まずは結界からだが、魔獣のことを考えなければ何日くらいで張れそうだ?」
「半日もあれば十分かと。アーサーどう?」
「それで大丈夫。」
「白パンはどうだ。」
「それこそ、数時間でできますが、隣国への報告がいるため、国王陛下、明日の十時開始としてください。今から丁度二十四時間後です。これが最短です。」
「承知した。それでは、マルクとアーサーを皆で必ず守って結界を張り、ルドとブロッサ嬢とレッドでラムルを小さくし、結界を解いたらマリー嬢はラムルの魔力を必ずサーシャよりも早く吸収してくれ。」
たしかに結界を張る間は無防備になるから、みんなで守らないとね。みんな頷いているわ。レッドが手を上げて、
「俺が守ります。」
「「ありがとう。レッド殿。」」
お兄様とアーサーが素敵な笑顔で答えて、レッドも嬉しそうに頷いている。
「私も全力で守るわ。力が溢れてきて大変なくらいだもの。」
「「「「マリーは無理しないで。」」」」
失礼しちゃうわ。私がなにかしでかすみたいじゃない。今の私は完璧よ。
「マルク殿、アーサー殿、私たちも守ります。」
ルドが言うとブロッサ嬢も頷いている。可愛いわ。
「王太子殿下、ブロッサ嬢ありがとうございます。」
「ウォーミングアップに丁度いいから気にしないで。」
ウォーミングアップですってカッコ良すぎでしょ!私は思わず、
「ブロッサ嬢素敵です。」
と叫んでいた。
「えっ?ありがとう。えーとマリーだっけ?ブロッサでいいわよ。お互い頑張りましょうね。」
「はい、よろしくお願いします。ブロッサ。」
それからブロッサが、やっぱりゲームの世界とは違うのねとか、あの方はマリーのお兄様よね?髪が水色だし…とかまたぶつぶつ言っているのが聞こえてきた。もしかしてブロッサも日本人?すごく嬉しいわ。すべてが終わったら絶対に確認しなくっちゃ。だけど水色ってことは、うふふふふ。お兄様狙いね!でも攻略対象じゃないのに。そうか、もともとゲームにはいなかったものね。もしかしてお兄様は裏設定の攻略対象者だったりするのかしら?
私としてはルドとくっついて欲しいんだけど。だってルドの切なそうな顔とか見たくないし、あの傲慢なルドと対等にやれるのはブロッサくらいじゃないかしら?そうは言っても、こういうのは第三者がどうこうできるものじゃないから、ルド頑張ってね!
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