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76.デザートの日がきました②
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一限目は歴史でした。時々ルーサ様がちょっと違うわねぇ~とか、ぶつぶつ言うのでみんなに聞こえないか、はらはらして変な汗がでちゃったわ。シルバーも胃が痛いって言っていたわ。二限目は数学でとにかく楽しそうなルーサ様が見れて嬉しかったわ。三限目は古語で古語とは失礼ねとかまた言い出してちょっとはらはらしたわね。でも、みんなにすごいって褒められて、照れているルーサ様も可愛らしかったわ。
そして本日のメインイベントのランチのデザートを食べに食堂に入ると、おばさまたちの隣で、三角巾にエプロンもつけて、次から次へとフルーツを一口大にカットしているレッドがいた。意外と似合ってるわ。
「すごい早さね。流石レッドだわ。」
思わず私が呟くと、
「こっちがマリーね。」
っていきなり後ろからアンナに声を掛けられた。
「びっくりした。うん、名前のままよ。」
「びっくりさせて、ごめんね。声が違うから自信がなくて。マリー私の怪我を治してくれてありがとう。」
「元気になってくれて嬉しいわ。それより、今日のお手伝いができなくてごめんなさい。」
「マリーは気にしなくていいのよ。レッドにやらせておきましょう。ところで、レッドって、カッコいいでしょ。」
「ええ、そうね。ところでルナはどこにいるの?」
「ルナは体調を崩して三日も休んでいるのよ。」
「えっ、アンナ、お願いがあるんだけど、今日のクッキーには元気になる魔法がかかっているの。ルナにも食べさせてあげて。」
「やっぱりそうだったのね。分かったわ。必ず、他の子の分も配るわ。」
「ありがとうアンナ。」
「今日はいっぱい食べて、マリーも早く元気になってね。マリーがいなくて淋しいんだから。」
「ええ、ありがとう。私も早く学園でみんなと一緒に過ごしたいわ。」
それからはランチメニューもそこそこに、フルーツをこれでもかってくらい食べました。だって、フルーツってこの世界でも割と高いのよ。ララ嬢に感謝しないと。そのまま食べたり、ヨーグルトを掛けたり、ソフトクリームや、他のトッピングもすべて制覇したから満足です。
四限目の授業は魔法学だったので、私が魔法を使ってばれてもまずいので帰ることになりいまは馬車の中。ルーサ様が、
「シルバー、体調が悪いのは、あのクラスだけだね。」
「そうなんです。それが不思議で僕も調べてみました。基本教師は教科ごとにすべてのクラスを回りますが、一人だけ、最近入ってきたばかりで、あのクラスの魔法学だけを担当している教師がいました。」
「では、また体調が悪くなるんですか。」
「マリー大丈夫だよ。私がマリーの魔法の威力を上げておいたから、まぁ一か月は余裕だね。」
「ルーサ様、ありがとうございます。」
「いいんだよ。本当にこの二日間は楽しかったよ。シルバーもマリーもありがとうね。」
「私もとても楽しかったです。また一緒に行ってください。」
「そうだね。また行こう。その前に黒魔法を出している厄介者をなんとかしようかね。」
「それが…。」
「どうしたの?シルバー」
「マリーびっくりしないでね。実はアーサー殿のお兄様なんだ。」
「えっ、アーサーの?」
「ブルサンダー公爵の息子かい。なんだかちょっと面倒なことになりそうだね。長男は魔法省にいるから、次男だね。」
「その通りです。次男のリック殿です。」
「たしか母親は後妻だったね。リックとアーサーは実子か。」
「そうですね。」
知らなかったわ。嫡子のアーク様とはかなり年が離れていると思っていたけど、お母様が違ったのね。
「会ったことはないが、あの母親は好きになれないね。」
「アーサーを魔獣の子と言っていたくせに、最近では自慢の子と言っているそうじゃないか。さて、どうするかね。どこかでリックに話を聞いて治療をしたいけどね。公爵家も学園もまずいねぇ。怪しまれずにできるところとなると。」
「王宮にしましょうか。リック殿は明日は学園の仕事はありませんし、王宮で教師の資格証を渡すのは通例なので、そう伝えれば怪しまれないかと。」
「そうかい、王宮ならありがたいけどね。それじゃあ、頼むよ。」
流石だわ、シルバー。本物の宰相様みたい。
「それからマリー。明日もマリーの力を借りたいからちょっとだけよろしく頼むよ。」
「えっ、明日ですか?」
「そうか、明日はクライム殿と礼拝堂に朝から行く約束をしていたね。まぁ、一日くらい遅れても問題ないだろう。」
「分かりました。お父様には先にお一人で行ってもらいますね。」
「そうなると、たぶんクライム殿も一日遅らせるんじゃないかね。」
「そうですか?でも、お兄様とアーサーの迎えも兼ねているんですよ?」
「それなら、その二人がこっちに来るんじゃないかねぇ。」
「僕もそう思います。」
「そうでしょうか…。」
ルーサ様の言った通り、お父様は一人なら行かないと言い出し、結局明日、お兄様たちがこちらに帰って来ることになった。ルーサ様もシルバーも予知能力でもあるのかしら?どちらにしても、早く、アーサーに会いたいわ。
そして本日のメインイベントのランチのデザートを食べに食堂に入ると、おばさまたちの隣で、三角巾にエプロンもつけて、次から次へとフルーツを一口大にカットしているレッドがいた。意外と似合ってるわ。
「すごい早さね。流石レッドだわ。」
思わず私が呟くと、
「こっちがマリーね。」
っていきなり後ろからアンナに声を掛けられた。
「びっくりした。うん、名前のままよ。」
「びっくりさせて、ごめんね。声が違うから自信がなくて。マリー私の怪我を治してくれてありがとう。」
「元気になってくれて嬉しいわ。それより、今日のお手伝いができなくてごめんなさい。」
「マリーは気にしなくていいのよ。レッドにやらせておきましょう。ところで、レッドって、カッコいいでしょ。」
「ええ、そうね。ところでルナはどこにいるの?」
「ルナは体調を崩して三日も休んでいるのよ。」
「えっ、アンナ、お願いがあるんだけど、今日のクッキーには元気になる魔法がかかっているの。ルナにも食べさせてあげて。」
「やっぱりそうだったのね。分かったわ。必ず、他の子の分も配るわ。」
「ありがとうアンナ。」
「今日はいっぱい食べて、マリーも早く元気になってね。マリーがいなくて淋しいんだから。」
「ええ、ありがとう。私も早く学園でみんなと一緒に過ごしたいわ。」
それからはランチメニューもそこそこに、フルーツをこれでもかってくらい食べました。だって、フルーツってこの世界でも割と高いのよ。ララ嬢に感謝しないと。そのまま食べたり、ヨーグルトを掛けたり、ソフトクリームや、他のトッピングもすべて制覇したから満足です。
四限目の授業は魔法学だったので、私が魔法を使ってばれてもまずいので帰ることになりいまは馬車の中。ルーサ様が、
「シルバー、体調が悪いのは、あのクラスだけだね。」
「そうなんです。それが不思議で僕も調べてみました。基本教師は教科ごとにすべてのクラスを回りますが、一人だけ、最近入ってきたばかりで、あのクラスの魔法学だけを担当している教師がいました。」
「では、また体調が悪くなるんですか。」
「マリー大丈夫だよ。私がマリーの魔法の威力を上げておいたから、まぁ一か月は余裕だね。」
「ルーサ様、ありがとうございます。」
「いいんだよ。本当にこの二日間は楽しかったよ。シルバーもマリーもありがとうね。」
「私もとても楽しかったです。また一緒に行ってください。」
「そうだね。また行こう。その前に黒魔法を出している厄介者をなんとかしようかね。」
「それが…。」
「どうしたの?シルバー」
「マリーびっくりしないでね。実はアーサー殿のお兄様なんだ。」
「えっ、アーサーの?」
「ブルサンダー公爵の息子かい。なんだかちょっと面倒なことになりそうだね。長男は魔法省にいるから、次男だね。」
「その通りです。次男のリック殿です。」
「たしか母親は後妻だったね。リックとアーサーは実子か。」
「そうですね。」
知らなかったわ。嫡子のアーク様とはかなり年が離れていると思っていたけど、お母様が違ったのね。
「会ったことはないが、あの母親は好きになれないね。」
「アーサーを魔獣の子と言っていたくせに、最近では自慢の子と言っているそうじゃないか。さて、どうするかね。どこかでリックに話を聞いて治療をしたいけどね。公爵家も学園もまずいねぇ。怪しまれずにできるところとなると。」
「王宮にしましょうか。リック殿は明日は学園の仕事はありませんし、王宮で教師の資格証を渡すのは通例なので、そう伝えれば怪しまれないかと。」
「そうかい、王宮ならありがたいけどね。それじゃあ、頼むよ。」
流石だわ、シルバー。本物の宰相様みたい。
「それからマリー。明日もマリーの力を借りたいからちょっとだけよろしく頼むよ。」
「えっ、明日ですか?」
「そうか、明日はクライム殿と礼拝堂に朝から行く約束をしていたね。まぁ、一日くらい遅れても問題ないだろう。」
「分かりました。お父様には先にお一人で行ってもらいますね。」
「そうなると、たぶんクライム殿も一日遅らせるんじゃないかね。」
「そうですか?でも、お兄様とアーサーの迎えも兼ねているんですよ?」
「それなら、その二人がこっちに来るんじゃないかねぇ。」
「僕もそう思います。」
「そうでしょうか…。」
ルーサ様の言った通り、お父様は一人なら行かないと言い出し、結局明日、お兄様たちがこちらに帰って来ることになった。ルーサ様もシルバーも予知能力でもあるのかしら?どちらにしても、早く、アーサーに会いたいわ。
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