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74.プリンカフェに行きました
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カフェの中は女の子がいっぱい。貴族のご令嬢より、商人の娘さんが多い気がする。みんな、楽しそうに賑やかに食べているわ。こういうお店もあるのね。それにしても、ルーサ様は大丈夫かしら?
「ルーサお姉ちゃん大丈夫?」
「何がだい?」
「さっきから話しかけても上の空だから。」
「ごめんよ。千年分も話したからね。少し疲れたのかもしれないね。」
「そうよね、千年分だものね。疲れそうね。」
「ちょっと、二人とも話の内容には十分気をつけて下さい。」
「みんなわいわいやっているし、小さな声で話しているんだから大丈夫だろう。」
「気を付けるに越したことはありません。」
「マリー、シルバーはちょっと細かすぎないかい?」
「そんなことないですよ。サリーの方が細かいです。」
「ああ、あの侍女さんかい?分かる気がするよ。」
それからも、ルーサ様は終始ぼーっとしていて、でも幸せそうで、
「ねぇシルバー、ルーサお姉ちゃん大丈夫かな?」
「幸せそうだから、大丈夫だよ。」
「そうね、幸せそうね。それならいいのかな?」
「いいにに決まっているよ。ほら、プリンパフェがきたよ。」
「まあ、本当に大きいのね。たしかに、三人で一つで十分ね。」
前世の二リットルのペットボトルを思い出しちゃったわ。でも、想像とは違ったわ。
「シルバー、私の想像と全然違ったからびっくりしちゃった。」
「どんなのを想像していたの?」
「ええっと、縦に長い入れ物にプリンや生クリームやアイス、フルーツなんかも少しずつ入ってる感じかな。」
「ふふふ、それは欲張りパフェだね。」
「えっ、そうなのかしら?たしかにこれこそプリンパフェよね。」
二リットルのペットボトルを横にしたような大きさの入れ物に、四層の味の違うプリンが入っている。とっても美味しそうなんだけど、どうにも見た目が地味なのよね。この気持ち、日本人なら絶対分かってくれるはずなのに。でもみんなで食べるにはこちらの方が食べやすそうね。あとは味ね。さぁ食べるわよ。
「美味しい。すごくクリーミーだわ。この少しほろ苦いカラメルがすごく合う。」
しまった、ルーサ様より先に食べちゃったわ。
「ルーサお姉ちゃん一緒に食べよう。」
「ああ、そうだね。これは滑らかなプリンだね。美味しいね。」
あれ?怒られなかったわ。一口食べたらルーサ様の表情も戻ってきたわね、安心したわ。
「ルーサお姉ちゃんが普通に戻って良かった。」
「そうかい、さぁ、シルバーも食べよう。」
「ええ、いただきます。これはストローで吸えそうですね。カラメルの苦さも気にならないですね。」
プリンパフェの器には仲良く食べてねって書いてあり、器の横に線があるんだけど、
「シルバーこの線から出たら反則だからね。ルーサお姉ちゃんもそこだけは守ってね。」
「ぷ、反則って、マリー、食べたかったら僕の方に入って来てもいいよ。」
「本当に?シルバー大好き、お兄様みたいでも許すわ。お兄様枠に入れてあげる。」
「えっ、お兄様枠?大好き?」
なんかシルバーがぶつぶつ言っているけど、こんなに優しいシルバーはお兄様枠決定です。私の中であなたはもう、お兄様と同じ天使です。二層目のプリンはなんとほうじ茶味?
「ほうじ茶プリンも美味しいね。香ばしいって言うのかしら。甘いキャラメルソースが合うわ。」
「これは有りだね。ほうじ茶プリンか、気に入ったよ。長生きするもんだね。」
「お姉さん、これは完全にアウトですよ。声が大きすぎです。長生きって、隣のテーブルの人に笑われたじゃないですか。」
「それは失礼、気をつけよう。今日は少し浮かれていたね。」
三層目は、普通のプリンってメニュー表には書いてあるけど、
「さっぱりしていて、口の中がリセットされちゃう。また最初から食べたくなる感じだわ。もう美味しい以外の言葉が見つからないわ。」
「僕はこの普通のプリンが一番好きかな。」
「シルバーらしいわね。」
「とうとう、四層目ね、硬めのプリンですって、懐かしい感じのするプリンね。私はこれが好きかも。」
前世でおじいちゃんが作ってくれたプリンに似てる。硬いけど、優しい味。
「どれも、美味しかったわ。シルバー連れて来てくれてありがとう。」
「私も感謝しているよ。シルバーにお願いして良かったよ。ところで明日はどうやって学園に行く予定なんだい?」
「そのことなんですけど、二人には今日のように変装してもらって見学生として参加してもらいます。」
「えっ、私も?私は普通に行っちゃだめなの?」
「うーん、ちょっと学園で不思議な事件があってね。見学生ってことで行った方が良いと思うんだよ。アンナとルナにはマリーのことは伝えておくからね。」
「そうなのね。不思議な事件?ラムルのことで大変な時に心配ね。」
「明日はお姉さんもいるし、マリーがお姉さんのそばにいてくれれば安心して、フルーツを楽しめるよ。」
「失礼ね、私がなにか、仕出かすみたいじゃない。」
「マリーは死にかけたんだろう?シルバーが心配するのも無理はないよ。」
「そうでした…。その節は失礼しました。」
「ぷっ、とにかく、明日はフルーツで楽しんでね。」
もちろん、楽しむわ。そして、アーサーに楽しかったことを沢山お話するんだもの。
「ルーサお姉ちゃん大丈夫?」
「何がだい?」
「さっきから話しかけても上の空だから。」
「ごめんよ。千年分も話したからね。少し疲れたのかもしれないね。」
「そうよね、千年分だものね。疲れそうね。」
「ちょっと、二人とも話の内容には十分気をつけて下さい。」
「みんなわいわいやっているし、小さな声で話しているんだから大丈夫だろう。」
「気を付けるに越したことはありません。」
「マリー、シルバーはちょっと細かすぎないかい?」
「そんなことないですよ。サリーの方が細かいです。」
「ああ、あの侍女さんかい?分かる気がするよ。」
それからも、ルーサ様は終始ぼーっとしていて、でも幸せそうで、
「ねぇシルバー、ルーサお姉ちゃん大丈夫かな?」
「幸せそうだから、大丈夫だよ。」
「そうね、幸せそうね。それならいいのかな?」
「いいにに決まっているよ。ほら、プリンパフェがきたよ。」
「まあ、本当に大きいのね。たしかに、三人で一つで十分ね。」
前世の二リットルのペットボトルを思い出しちゃったわ。でも、想像とは違ったわ。
「シルバー、私の想像と全然違ったからびっくりしちゃった。」
「どんなのを想像していたの?」
「ええっと、縦に長い入れ物にプリンや生クリームやアイス、フルーツなんかも少しずつ入ってる感じかな。」
「ふふふ、それは欲張りパフェだね。」
「えっ、そうなのかしら?たしかにこれこそプリンパフェよね。」
二リットルのペットボトルを横にしたような大きさの入れ物に、四層の味の違うプリンが入っている。とっても美味しそうなんだけど、どうにも見た目が地味なのよね。この気持ち、日本人なら絶対分かってくれるはずなのに。でもみんなで食べるにはこちらの方が食べやすそうね。あとは味ね。さぁ食べるわよ。
「美味しい。すごくクリーミーだわ。この少しほろ苦いカラメルがすごく合う。」
しまった、ルーサ様より先に食べちゃったわ。
「ルーサお姉ちゃん一緒に食べよう。」
「ああ、そうだね。これは滑らかなプリンだね。美味しいね。」
あれ?怒られなかったわ。一口食べたらルーサ様の表情も戻ってきたわね、安心したわ。
「ルーサお姉ちゃんが普通に戻って良かった。」
「そうかい、さぁ、シルバーも食べよう。」
「ええ、いただきます。これはストローで吸えそうですね。カラメルの苦さも気にならないですね。」
プリンパフェの器には仲良く食べてねって書いてあり、器の横に線があるんだけど、
「シルバーこの線から出たら反則だからね。ルーサお姉ちゃんもそこだけは守ってね。」
「ぷ、反則って、マリー、食べたかったら僕の方に入って来てもいいよ。」
「本当に?シルバー大好き、お兄様みたいでも許すわ。お兄様枠に入れてあげる。」
「えっ、お兄様枠?大好き?」
なんかシルバーがぶつぶつ言っているけど、こんなに優しいシルバーはお兄様枠決定です。私の中であなたはもう、お兄様と同じ天使です。二層目のプリンはなんとほうじ茶味?
「ほうじ茶プリンも美味しいね。香ばしいって言うのかしら。甘いキャラメルソースが合うわ。」
「これは有りだね。ほうじ茶プリンか、気に入ったよ。長生きするもんだね。」
「お姉さん、これは完全にアウトですよ。声が大きすぎです。長生きって、隣のテーブルの人に笑われたじゃないですか。」
「それは失礼、気をつけよう。今日は少し浮かれていたね。」
三層目は、普通のプリンってメニュー表には書いてあるけど、
「さっぱりしていて、口の中がリセットされちゃう。また最初から食べたくなる感じだわ。もう美味しい以外の言葉が見つからないわ。」
「僕はこの普通のプリンが一番好きかな。」
「シルバーらしいわね。」
「とうとう、四層目ね、硬めのプリンですって、懐かしい感じのするプリンね。私はこれが好きかも。」
前世でおじいちゃんが作ってくれたプリンに似てる。硬いけど、優しい味。
「どれも、美味しかったわ。シルバー連れて来てくれてありがとう。」
「私も感謝しているよ。シルバーにお願いして良かったよ。ところで明日はどうやって学園に行く予定なんだい?」
「そのことなんですけど、二人には今日のように変装してもらって見学生として参加してもらいます。」
「えっ、私も?私は普通に行っちゃだめなの?」
「うーん、ちょっと学園で不思議な事件があってね。見学生ってことで行った方が良いと思うんだよ。アンナとルナにはマリーのことは伝えておくからね。」
「そうなのね。不思議な事件?ラムルのことで大変な時に心配ね。」
「明日はお姉さんもいるし、マリーがお姉さんのそばにいてくれれば安心して、フルーツを楽しめるよ。」
「失礼ね、私がなにか、仕出かすみたいじゃない。」
「マリーは死にかけたんだろう?シルバーが心配するのも無理はないよ。」
「そうでした…。その節は失礼しました。」
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もちろん、楽しむわ。そして、アーサーに楽しかったことを沢山お話するんだもの。
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