56 / 123
56.攻略対象者side【レッドside】~マリーを守る~
しおりを挟む
【レッドside】~マリーを守る~
最初は尊敬するアーサー殿に命令しちゃうなんてすごい子だなって思ったんだけど、学園に入ったら、魔力がちょろちょろとしか出ないって言うし、正直残念なご令嬢だなって思っていた。その後は熱を出したとかでしばらく休んでいて、今日久しぶりに出てきたからカエルの捕まえ方を聞いて、また尊敬した。これってすごいことなのに本人は気付いてないんだな…。俺は更に、マリーに興味を持った。そうは言っても好きとかとは違う。好きと言えば…。
俺は最近、同じクラスのアンナのことばかり考えている。アンナのことが気になって仕方がない。そのアンナが薬草学の授業で俺を庇って噛みつき草に噛まれてしまった。どうやっても噛みつき草の歯だけアンナの手からとれてくれない。頼む頼むから神様アンナを助けてくれ、助けてくれたら、俺なんだってするから。アン先生がブロッサ嬢を呼びに行ってくれたけど、どんどんアンナの手の色が紫色に変わっていく。その時、マリーが何かを決意したようにアンナの手をそっと、包み込んだ。
すると、マリーの手から淡い淡い光が出始めた。それは本当に少しずつだったけど、どんなに頑張っても取れなかった噛みつき草のぎざぎざの歯が落ちた。マリーの魔力はちょろちょろとしか出せない。その証拠にマリーの額からは大粒の汗が出ている。かなり無理をしているのが分かる。大丈夫だろうか。アンナの手はすでに血は止まり、もう少しで完全に治りそうだ。しかし、マリーの顔色は青白くなっている。そこで、シルバーがマリーに何か飲ませた。マリーの顔色が少し良くなった。マリーすまない。アンナの為にもう少しだけ頑張ってくれ。俺は祈ることしかできなかった。ついにアンナの手が治った。
俺はシルバーにマリーのことは任せて、アンナに告白した。俺はアンナのことが好きだと、アンナも俺のことが好きだろうと。ばちんと、アンナに思いっきり叩かれた。でもそのビンタのおかげで、マリーの状態に気付いた。マリーはほっとしたような優しい表情のまま倒れていた。まずいな…。魔力の流れがほとんどない。マリーが危ない。俺は最低だな。シルバーがまた、マリーに何かを飲ませた。あの薬は何だ?さっきまで消えかかっていた魔力が今はほぼ正常に流れている。騎士になるためには必ず魔力の流れを正確に読み取れないといけない。
だから間違うわけがない。俺は、マリーに謝った。マリーは怒ることもなく、俺の頬が赤いことを気にしてくれた。だから素直にあったことを話したんだ。すると、馬鹿って言いながらも、アドバイスしてくれたから、マリーがいってくれた通りに言ってみたんだけど、アンナにまた叩かれた。なんでだ?そう思っていると、アンナが、耳元で、
「私も大好き、でもみんなの前では恥ずかしいから言っちゃだめ。」
って、真っ赤になりながら言ってくれた。嬉しかった。
マリーありがとうな。俺、どんなことがあってもマリーがピンチになったら助けに行くからな。俺が心に誓っていると、ルドが、
「お前も王宮に行くぞ。」
って言ってきた。理由は分かっているつもりだった。魔力の流れが戻った時、ルドが来て、マリーの手を握りながら声をかけた。その途端、マリーの瞳が水色から金色に変わってブレスレットまで現れたから。でもそれだけじゃなかった。王宮で聞いた話はびっくりすることばかりだった。マリーが熱を出して休んでいることになっていた間。実はまぼろしの薬⁈を作っていたとか。マリーがその薬で今回のはやり病をほとんど終息させたとか。
流石、アーサー殿が信頼している令嬢の訳だ。俺は絶対にこの国の為にも騎士としても、友としても、マリーを守ると改めて誓った。
最初は尊敬するアーサー殿に命令しちゃうなんてすごい子だなって思ったんだけど、学園に入ったら、魔力がちょろちょろとしか出ないって言うし、正直残念なご令嬢だなって思っていた。その後は熱を出したとかでしばらく休んでいて、今日久しぶりに出てきたからカエルの捕まえ方を聞いて、また尊敬した。これってすごいことなのに本人は気付いてないんだな…。俺は更に、マリーに興味を持った。そうは言っても好きとかとは違う。好きと言えば…。
俺は最近、同じクラスのアンナのことばかり考えている。アンナのことが気になって仕方がない。そのアンナが薬草学の授業で俺を庇って噛みつき草に噛まれてしまった。どうやっても噛みつき草の歯だけアンナの手からとれてくれない。頼む頼むから神様アンナを助けてくれ、助けてくれたら、俺なんだってするから。アン先生がブロッサ嬢を呼びに行ってくれたけど、どんどんアンナの手の色が紫色に変わっていく。その時、マリーが何かを決意したようにアンナの手をそっと、包み込んだ。
すると、マリーの手から淡い淡い光が出始めた。それは本当に少しずつだったけど、どんなに頑張っても取れなかった噛みつき草のぎざぎざの歯が落ちた。マリーの魔力はちょろちょろとしか出せない。その証拠にマリーの額からは大粒の汗が出ている。かなり無理をしているのが分かる。大丈夫だろうか。アンナの手はすでに血は止まり、もう少しで完全に治りそうだ。しかし、マリーの顔色は青白くなっている。そこで、シルバーがマリーに何か飲ませた。マリーの顔色が少し良くなった。マリーすまない。アンナの為にもう少しだけ頑張ってくれ。俺は祈ることしかできなかった。ついにアンナの手が治った。
俺はシルバーにマリーのことは任せて、アンナに告白した。俺はアンナのことが好きだと、アンナも俺のことが好きだろうと。ばちんと、アンナに思いっきり叩かれた。でもそのビンタのおかげで、マリーの状態に気付いた。マリーはほっとしたような優しい表情のまま倒れていた。まずいな…。魔力の流れがほとんどない。マリーが危ない。俺は最低だな。シルバーがまた、マリーに何かを飲ませた。あの薬は何だ?さっきまで消えかかっていた魔力が今はほぼ正常に流れている。騎士になるためには必ず魔力の流れを正確に読み取れないといけない。
だから間違うわけがない。俺は、マリーに謝った。マリーは怒ることもなく、俺の頬が赤いことを気にしてくれた。だから素直にあったことを話したんだ。すると、馬鹿って言いながらも、アドバイスしてくれたから、マリーがいってくれた通りに言ってみたんだけど、アンナにまた叩かれた。なんでだ?そう思っていると、アンナが、耳元で、
「私も大好き、でもみんなの前では恥ずかしいから言っちゃだめ。」
って、真っ赤になりながら言ってくれた。嬉しかった。
マリーありがとうな。俺、どんなことがあってもマリーがピンチになったら助けに行くからな。俺が心に誓っていると、ルドが、
「お前も王宮に行くぞ。」
って言ってきた。理由は分かっているつもりだった。魔力の流れが戻った時、ルドが来て、マリーの手を握りながら声をかけた。その途端、マリーの瞳が水色から金色に変わってブレスレットまで現れたから。でもそれだけじゃなかった。王宮で聞いた話はびっくりすることばかりだった。マリーが熱を出して休んでいることになっていた間。実はまぼろしの薬⁈を作っていたとか。マリーがその薬で今回のはやり病をほとんど終息させたとか。
流石、アーサー殿が信頼している令嬢の訳だ。俺は絶対にこの国の為にも騎士としても、友としても、マリーを守ると改めて誓った。
0
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
闇黒の悪役令嬢は溺愛される
葵川真衣
恋愛
公爵令嬢リアは十歳のときに、転生していることを知る。
今は二度目の人生だ。
十六歳の舞踏会、皇太子ジークハルトから、婚約破棄を突き付けられる。
記憶を得たリアは前世同様、世界を旅する決意をする。
前世の仲間と、冒険の日々を送ろう!
婚約破棄された後、すぐ帝都を出られるように、リアは旅の支度をし、舞踏会に向かった。
だが、その夜、前世と異なる出来事が起きて──!?
悪役令嬢、溺愛物語。
☆本編完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
いつかの空を見る日まで
たつみ
恋愛
皇命により皇太子の婚約者となったカサンドラ。皇太子は彼女に無関心だったが、彼女も皇太子には無関心。婚姻する気なんてさらさらなく、逃げることだけ考えている。忠実な従僕と逃げる準備を進めていたのだが、不用意にも、皇太子の彼女に対する好感度を上げてしまい、執着されるはめに。複雑な事情がある彼女に、逃亡中止は有り得ない。生きるも死ぬもどうでもいいが、皇宮にだけはいたくないと、従僕と2人、ついに逃亡を決行するのだが。
------------
復讐、逆転ものではありませんので、それをご期待のかたはご注意ください。
悲しい内容が苦手というかたは、特にご注意ください。
中世・近世の欧風な雰囲気ですが、それっぽいだけです。
どんな展開でも、どんと来いなかた向けかもしれません。
(うわあ…ぇう~…がはっ…ぇえぇ~…となるところもあります)
他サイトでも掲載しています。
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる