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42.色々ありましたが、平民街で最後の日になりました
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今はお父様と、ルドとシルバーと私で朝食中。昨日すごく沢山のまぼろしの薬を作ったことを報告し、みんなに無理をしたのではないかと心配されているところ。でも、実際はなぜかぽんぽん出来ただけなのよね。
アーサーと通信機で話した後、サリーが持ってきてくれたサンドウィッチをぺろりと食べ、体中にアーサーパワーがみなぎるようなこの前と同じ不思議な気持ちを感じながら、いつものようにカサブランカの花びらに手をかざして、ちょろちょろとしか出ない魔力で魔法の涙を作っていただけなのよ。それだけなのに魔法の涙がどんどんできて、一瞬にして魔法の涙がまぼろしの薬に変わったの。
「早い、すごく早いわ。」
一度に出せる魔力量は同じなのに不思議だわ。魔力って恋のパワーで、濃くなったり薄くなったりするのかしら?恥ずかしくて誰にも聞けないわ…。結局ぽんぽん作れて、シルバーに準備してもらった分はすぐになくなったってわけ。
それだけなんだけど。恥ずかしくて説明しづらいわね。恋のパワーとか。無理ね。
結局コツが掴めたのだと思うと言い切ったため、シルバーが心配そうに、
「それならいいけど、無理しないでね。材料はまた僕の部屋から持っていくね。」
と言ってくれた。なんだかちょっと心が痛いわ。心配かけてごめんなさい。
お父様もたぶん私の体調を心配して、
「今日はお父様が一人で救護院には行ってくるからマリーは薬を作るだけでいいからね。」
と言ってくれた。ルドとシルバーもお父様の手伝いをするって言ってたけど、たぶんやることないわよ。一瞬だから。
私はずっと昨日から気になっていた。ブロッサ嬢が作った薬のプラスアルファーの魔法の気配について聞いてみた。
「お父様、ところで、プラスアルファーの気配は何だったんですか?」
「ああ、すまないね。まだよく分からないんだよ。あの蛇の様子から仲良くなれる効力か、黄金色が強くなる効力かもしれないね。」
「たしかに。ぴかーって光ってましたものね。」
私が納得して頷いているとお父様が隣でこんなに素直で悪い奴に騙されないか心配だとか、恥ずかしいことを、ぶつぶつ言い出したけど、こういうのをたしか、親馬鹿っていうのよね。こういうのはさらっと無視するに限るわね。あれ、なんで、ルドと、シルバーまで頷いているの?親馬鹿以外にも友馬鹿とかあるのかしら?
そんなことを考えていると、ルドが真剣な顔で、
「マリー嬢、はっきり、解明されていない薬を人に使うわけにはいかないから、申し訳ないが今日も一人で薬を作って欲しい。本当に申し訳ない。」
「もちろん、そのつもりでしたから、気にしないでください。病気は治ったけど金ぴかになったとか嫌ですものね。」
と言ってルドに微笑んだ。あら、ルドったら俯いちゃった。ルドって意外とまじめね。そんなに気にしなくていいのに。それに、この微妙な空気は何?お父様とシルバーが何とも言えない顔しているわ。私なんか間違えた?
よく分からないけど、気にするのはやめましょう。気にしない、気にしない、今は食事に集中よ。
食事を終えて、お父様たちは薬を持って、救護院に行った。そしてあの神業をお父様がまた披露して、一瞬で終わらせたらしい。シルバーが興奮して話してくれた。私はというと礼拝堂の自分の部屋でひたすら薬を作り続けて、シルバーが持ってきた分はすべて作り終えた。
そして今はサリーが帰る仕度をしてくれているので、邪魔にならないように、みんなで実験室で待機中。ルドが、
「マリー嬢、クライム殿、それにシルバー、国民を代表して感謝申し上げる。」
急に改まってお礼を言い出した。
「貴族として当然のことをしたまでですよ。」
お父様の言葉に私もシルバーも頷いた。
「マリー嬢、今後の王妃教育だが、すでにマリー嬢は完璧なため、三年生の秋まで中止とするそうだ。秋以降復習を兼ねて来てくれれば十分だと、すべての家庭教師から聞いている。」
「本当ですか。ありがとうございます。」
「それから、今回ここで見聞きしたことは、他言無用でお願いしたい。」
「「「承知しました。」」」
ルドの話に納得していると、サリーが準備ができたと呼びに来た。
それから私たちは礼拝堂の方や、救護院の方々に、はやり病のことで沢山お礼を言われた。また、蛇様のお世話係だった人にも、ものすごく感謝された。蛇様はやはり、人の言葉はもちろん、しゃべること以外はほとんど何でもできるし、理解できるため、日々緊張してお世話していたとか。仕事上の書類のミスでさえも、しゃーと言って指摘されるとか。ちょっと怖いわね。それはもう、職場の上司様でしょ。やっと、救護院の普通の仕事に戻れると、涙を流していたし、本当にお疲れさまでした。
沢山お礼を言われて、私たちは無事に転移陣の部屋に来た。流石にここにはチャングさんだけ、チャングさんも蛇様がいなくなって嬉しそうだったわ。来た時と同じように転移陣の上に乗った時、シルバーが小さなため息をついた。あれ、シルバーの元気がないわね。私にはどんなに小さなため息でも聞こえちゃうのよね。
「どうかしましたか?」
「いいえ、申し訳ない。この数日がとても充実していたもので、家に帰ると父上が色々と詮索してくるでしょうし、我が家はマリー嬢の家のように両親の仲はそれ程よくないので、思わずため息がでてしまったようです。」
「シルバー何を言っている?カサブランカ公爵はそなたの母にべた惚れだぞ。」
「えっ?!そのようなことは…」
このタイミングで転移するなんて…。続きは王宮で聞きましょう。
アーサーと通信機で話した後、サリーが持ってきてくれたサンドウィッチをぺろりと食べ、体中にアーサーパワーがみなぎるようなこの前と同じ不思議な気持ちを感じながら、いつものようにカサブランカの花びらに手をかざして、ちょろちょろとしか出ない魔力で魔法の涙を作っていただけなのよ。それだけなのに魔法の涙がどんどんできて、一瞬にして魔法の涙がまぼろしの薬に変わったの。
「早い、すごく早いわ。」
一度に出せる魔力量は同じなのに不思議だわ。魔力って恋のパワーで、濃くなったり薄くなったりするのかしら?恥ずかしくて誰にも聞けないわ…。結局ぽんぽん作れて、シルバーに準備してもらった分はすぐになくなったってわけ。
それだけなんだけど。恥ずかしくて説明しづらいわね。恋のパワーとか。無理ね。
結局コツが掴めたのだと思うと言い切ったため、シルバーが心配そうに、
「それならいいけど、無理しないでね。材料はまた僕の部屋から持っていくね。」
と言ってくれた。なんだかちょっと心が痛いわ。心配かけてごめんなさい。
お父様もたぶん私の体調を心配して、
「今日はお父様が一人で救護院には行ってくるからマリーは薬を作るだけでいいからね。」
と言ってくれた。ルドとシルバーもお父様の手伝いをするって言ってたけど、たぶんやることないわよ。一瞬だから。
私はずっと昨日から気になっていた。ブロッサ嬢が作った薬のプラスアルファーの魔法の気配について聞いてみた。
「お父様、ところで、プラスアルファーの気配は何だったんですか?」
「ああ、すまないね。まだよく分からないんだよ。あの蛇の様子から仲良くなれる効力か、黄金色が強くなる効力かもしれないね。」
「たしかに。ぴかーって光ってましたものね。」
私が納得して頷いているとお父様が隣でこんなに素直で悪い奴に騙されないか心配だとか、恥ずかしいことを、ぶつぶつ言い出したけど、こういうのをたしか、親馬鹿っていうのよね。こういうのはさらっと無視するに限るわね。あれ、なんで、ルドと、シルバーまで頷いているの?親馬鹿以外にも友馬鹿とかあるのかしら?
そんなことを考えていると、ルドが真剣な顔で、
「マリー嬢、はっきり、解明されていない薬を人に使うわけにはいかないから、申し訳ないが今日も一人で薬を作って欲しい。本当に申し訳ない。」
「もちろん、そのつもりでしたから、気にしないでください。病気は治ったけど金ぴかになったとか嫌ですものね。」
と言ってルドに微笑んだ。あら、ルドったら俯いちゃった。ルドって意外とまじめね。そんなに気にしなくていいのに。それに、この微妙な空気は何?お父様とシルバーが何とも言えない顔しているわ。私なんか間違えた?
よく分からないけど、気にするのはやめましょう。気にしない、気にしない、今は食事に集中よ。
食事を終えて、お父様たちは薬を持って、救護院に行った。そしてあの神業をお父様がまた披露して、一瞬で終わらせたらしい。シルバーが興奮して話してくれた。私はというと礼拝堂の自分の部屋でひたすら薬を作り続けて、シルバーが持ってきた分はすべて作り終えた。
そして今はサリーが帰る仕度をしてくれているので、邪魔にならないように、みんなで実験室で待機中。ルドが、
「マリー嬢、クライム殿、それにシルバー、国民を代表して感謝申し上げる。」
急に改まってお礼を言い出した。
「貴族として当然のことをしたまでですよ。」
お父様の言葉に私もシルバーも頷いた。
「マリー嬢、今後の王妃教育だが、すでにマリー嬢は完璧なため、三年生の秋まで中止とするそうだ。秋以降復習を兼ねて来てくれれば十分だと、すべての家庭教師から聞いている。」
「本当ですか。ありがとうございます。」
「それから、今回ここで見聞きしたことは、他言無用でお願いしたい。」
「「「承知しました。」」」
ルドの話に納得していると、サリーが準備ができたと呼びに来た。
それから私たちは礼拝堂の方や、救護院の方々に、はやり病のことで沢山お礼を言われた。また、蛇様のお世話係だった人にも、ものすごく感謝された。蛇様はやはり、人の言葉はもちろん、しゃべること以外はほとんど何でもできるし、理解できるため、日々緊張してお世話していたとか。仕事上の書類のミスでさえも、しゃーと言って指摘されるとか。ちょっと怖いわね。それはもう、職場の上司様でしょ。やっと、救護院の普通の仕事に戻れると、涙を流していたし、本当にお疲れさまでした。
沢山お礼を言われて、私たちは無事に転移陣の部屋に来た。流石にここにはチャングさんだけ、チャングさんも蛇様がいなくなって嬉しそうだったわ。来た時と同じように転移陣の上に乗った時、シルバーが小さなため息をついた。あれ、シルバーの元気がないわね。私にはどんなに小さなため息でも聞こえちゃうのよね。
「どうかしましたか?」
「いいえ、申し訳ない。この数日がとても充実していたもので、家に帰ると父上が色々と詮索してくるでしょうし、我が家はマリー嬢の家のように両親の仲はそれ程よくないので、思わずため息がでてしまったようです。」
「シルバー何を言っている?カサブランカ公爵はそなたの母にべた惚れだぞ。」
「えっ?!そのようなことは…」
このタイミングで転移するなんて…。続きは王宮で聞きましょう。
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