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5.いよいよデビュタントの日になりました① 朝から恋のキューピット?
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あんなことがあったのに、侍女のサリーが起こしに来るまでぐっすり寝れたわ。おかげで気分爽快、頭もすっきりね。
いまは食堂にむかっているところ。十五年も生活してきたのに、なんだかすべてが豪華に感じるわ。
食堂につくと、すでにお父様とお母様が座っていたけど、相変わらず会話はゼロね。両片思いなのにもったいない。
ここは私が二人の為に一肌脱ぐわ。ただ前世も含めて恋愛経験はゼロなので、気の利いた方法は無理。お互いの気持ちを私の口から伝えて差し上げますわ。あら?!なんだか悪役令嬢っぽいかしら?
要するに公開告げ口?みたいなものね。
「お父様、お母様、おはようございます。」
「「おはよう。」」
綺麗にハモってるわね。
「お父様、お母様、私、とても不思議に思っていることがありますの。一つ質問させてもらってもよろしいですか?」
「「・・・・・・・・・。」」
二人とも頷くのみだけど、頷くタイミングまで一緒だわ。
さぁ、言うわよ!
「お父様はなぜお母様のいないところで、僕の可愛いメリーとおっしゃり、お母様はなぜ、お父様のいないところでクライムはカッコよくて、くらくらしちゃうとおっしゃるのですか?直接言われた方が嬉しいと思うのですが。」
なんとか言い切ったぁー。すごく疲れたわ。これでお互いの気持ちに気付いてくれたわよね?そう思っていると丁度お兄様が入って来て、勢いよくしゃべり始めたの。
「マリーもそう思うでしょ。僕が何回言っても信じてくれないんだよ。そんなこと、本人以外みんな知っているのに。お互いに嫌われていると思っているんだよ。でもその顔はやっとわかったのかな?マリーはやっぱりすごいね。僕の天使!」
えっ?!なんでっすって!みんな知っていた?アーサーまで頷いている。
私のドキドキを返してください。つ、疲れたぁ~。
先程からお母様が半分放心状態で呟いている。
「マルクは優しいから私に気を使って言ってくれていると思っていたんだけど。マリーまで言うということは…。」
お母様、実の娘に対して失礼すぎませんか?それに何度も言いますけど、私、目と耳はものすごーくいいんですからね。私の前ではどんなに小さな声でも、話したらすべて聞こえてますからね。もう本当に失礼しちゃうわ。
こうなったら、お父様だけでも、直接言わせないと、気が済まないわね。
「お父様?お母様に直接おっしゃらないんですか?」
これでも言わなきゃお父様は、もうヘタレ確定よ!
お父様は何度も深呼吸をして、なぜかお母様の方ではなく、私の方を向いて、
「こんなにも、心も容姿も美しい女性は、他には知らん!」
と叫んだ。
もぉ~!だ・か・ら、私は耳がいいんですってば!鼓膜が破れたらどうするんですか!耳がじんじんしているでしょ。
でも、お母様が喜んでいるならまぁいいかと思って振り向くと、お母様がお父様の言葉で腰を抜かしていたの。
あらら、やりすぎちゃったかしら。お母様が腰を抜かしてしまったことで、しばらく朝食どころではなくなってしまったけど、真っ赤になって腰を抜かしているお母様を、それはそれは嬉しそうにお父様がお姫様抱っこして連れて行ったから、たぶんハッピーエンドでしょ。
さてと、そろそろ朝食を始めますか。そう思っていたら、サリーが、
「お嬢様、デビュタントの準備が間に合わなくなりますので、もう朝食の時間は終わりです。さぁ準備に行きますよ。」
「えっ、サリー、少しだけ、少しだけお願いします。」
「だめです。」
結局私は、サリーに無理やり湯あみに連れて行かれて、朝食を食べ損ねたの。絶対に少しくらい食べる時間あったわよね。
サリーったら絶対に昨日のカエルのことを、まだ怒っているわね。
むすっとしながらも仕事はきっちりこなすサリーに、体をピカピカに磨かれながら、私は朝食は諦めて、ゲームの中の登場人物を頭の中で整理してみることにしたの。
このゲームの名前
【ラブリー魔法学園のハッピーマジック】
この国の名前 【フラワー王国】
ラブリー魔法学園は三年間
【攻略対象者三人】
王太子殿下ルド・フラワー王太子殿下 十五歳 髪(金色)瞳(金色)
宰相の息子シルバー・カサブランカ公爵令息 十五歳 髪(銀色)瞳(茶色)
騎士団長の息子 レッド・アップル男爵令息 十五歳 髪(赤色)瞳(赤色)
【ヒロイン】
最初は平民→ブロッサ・チェリー男爵令嬢十五歳 髪(ピンク)瞳(ピンク)
【王太子殿下の婚約者候補になる令嬢】
ルル・サンドリー伯爵令嬢とララ・ランドリー伯爵令嬢どちらも十五歳
私も選ばれる………
【ブラックリリー公爵家】
父 クライム 髪(黒色)瞳(黒色)
母 メリー 髪(水色)瞳(水色)
兄 マルク 髪(水色)瞳(水色)
私 マリー 髪(水色)瞳(水色)
【ブルサンダー公爵家】
三男 アーサー髪(黒色)瞳(黒色)
とりあえず、人物はこんなものかしら?今度はゲームのプロローグでも思い出そうかしら。
だけどその前に、さっきから私のお腹の虫が鳴きっぱなしよ。
「サリー、何か食べさせて、倒れそうよ。」
サリーに睨まれたけど限界なんだもの。なんだかサリーが悪役令嬢みたい。
しばらくして、サリーがサンドウィッチをくれたわ。おかげで私は集中してゲームのプロローグを思い出すことができたの。やっぱり、食事は大事よね。
いまは食堂にむかっているところ。十五年も生活してきたのに、なんだかすべてが豪華に感じるわ。
食堂につくと、すでにお父様とお母様が座っていたけど、相変わらず会話はゼロね。両片思いなのにもったいない。
ここは私が二人の為に一肌脱ぐわ。ただ前世も含めて恋愛経験はゼロなので、気の利いた方法は無理。お互いの気持ちを私の口から伝えて差し上げますわ。あら?!なんだか悪役令嬢っぽいかしら?
要するに公開告げ口?みたいなものね。
「お父様、お母様、おはようございます。」
「「おはよう。」」
綺麗にハモってるわね。
「お父様、お母様、私、とても不思議に思っていることがありますの。一つ質問させてもらってもよろしいですか?」
「「・・・・・・・・・。」」
二人とも頷くのみだけど、頷くタイミングまで一緒だわ。
さぁ、言うわよ!
「お父様はなぜお母様のいないところで、僕の可愛いメリーとおっしゃり、お母様はなぜ、お父様のいないところでクライムはカッコよくて、くらくらしちゃうとおっしゃるのですか?直接言われた方が嬉しいと思うのですが。」
なんとか言い切ったぁー。すごく疲れたわ。これでお互いの気持ちに気付いてくれたわよね?そう思っていると丁度お兄様が入って来て、勢いよくしゃべり始めたの。
「マリーもそう思うでしょ。僕が何回言っても信じてくれないんだよ。そんなこと、本人以外みんな知っているのに。お互いに嫌われていると思っているんだよ。でもその顔はやっとわかったのかな?マリーはやっぱりすごいね。僕の天使!」
えっ?!なんでっすって!みんな知っていた?アーサーまで頷いている。
私のドキドキを返してください。つ、疲れたぁ~。
先程からお母様が半分放心状態で呟いている。
「マルクは優しいから私に気を使って言ってくれていると思っていたんだけど。マリーまで言うということは…。」
お母様、実の娘に対して失礼すぎませんか?それに何度も言いますけど、私、目と耳はものすごーくいいんですからね。私の前ではどんなに小さな声でも、話したらすべて聞こえてますからね。もう本当に失礼しちゃうわ。
こうなったら、お父様だけでも、直接言わせないと、気が済まないわね。
「お父様?お母様に直接おっしゃらないんですか?」
これでも言わなきゃお父様は、もうヘタレ確定よ!
お父様は何度も深呼吸をして、なぜかお母様の方ではなく、私の方を向いて、
「こんなにも、心も容姿も美しい女性は、他には知らん!」
と叫んだ。
もぉ~!だ・か・ら、私は耳がいいんですってば!鼓膜が破れたらどうするんですか!耳がじんじんしているでしょ。
でも、お母様が喜んでいるならまぁいいかと思って振り向くと、お母様がお父様の言葉で腰を抜かしていたの。
あらら、やりすぎちゃったかしら。お母様が腰を抜かしてしまったことで、しばらく朝食どころではなくなってしまったけど、真っ赤になって腰を抜かしているお母様を、それはそれは嬉しそうにお父様がお姫様抱っこして連れて行ったから、たぶんハッピーエンドでしょ。
さてと、そろそろ朝食を始めますか。そう思っていたら、サリーが、
「お嬢様、デビュタントの準備が間に合わなくなりますので、もう朝食の時間は終わりです。さぁ準備に行きますよ。」
「えっ、サリー、少しだけ、少しだけお願いします。」
「だめです。」
結局私は、サリーに無理やり湯あみに連れて行かれて、朝食を食べ損ねたの。絶対に少しくらい食べる時間あったわよね。
サリーったら絶対に昨日のカエルのことを、まだ怒っているわね。
むすっとしながらも仕事はきっちりこなすサリーに、体をピカピカに磨かれながら、私は朝食は諦めて、ゲームの中の登場人物を頭の中で整理してみることにしたの。
このゲームの名前
【ラブリー魔法学園のハッピーマジック】
この国の名前 【フラワー王国】
ラブリー魔法学園は三年間
【攻略対象者三人】
王太子殿下ルド・フラワー王太子殿下 十五歳 髪(金色)瞳(金色)
宰相の息子シルバー・カサブランカ公爵令息 十五歳 髪(銀色)瞳(茶色)
騎士団長の息子 レッド・アップル男爵令息 十五歳 髪(赤色)瞳(赤色)
【ヒロイン】
最初は平民→ブロッサ・チェリー男爵令嬢十五歳 髪(ピンク)瞳(ピンク)
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私も選ばれる………
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母 メリー 髪(水色)瞳(水色)
兄 マルク 髪(水色)瞳(水色)
私 マリー 髪(水色)瞳(水色)
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三男 アーサー髪(黒色)瞳(黒色)
とりあえず、人物はこんなものかしら?今度はゲームのプロローグでも思い出そうかしら。
だけどその前に、さっきから私のお腹の虫が鳴きっぱなしよ。
「サリー、何か食べさせて、倒れそうよ。」
サリーに睨まれたけど限界なんだもの。なんだかサリーが悪役令嬢みたい。
しばらくして、サリーがサンドウィッチをくれたわ。おかげで私は集中してゲームのプロローグを思い出すことができたの。やっぱり、食事は大事よね。
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