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冒険の旅
番外編18(後編)港町の聖女2
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大満足の昼食を終えた私は、最後の往診先、冒険者ギルドへと向かいます。
「たたた、大変だ! あ!良い所に!聖女様、来て下せえ!」
「どうしました?」
「それが、輸送船を追いかけて来た海獣が暴れてるんでさぁ!
怪我人が出てて、大変な事に。」
「判りました、行きましょう。」
港へと向かうと、そこには、風魔法で、巨大な蟹と対峙する一人の船乗りの姿があった。
カニの甲羅は固い、風魔法で戦うには無理があるだろう。
急いでその場へと走る。「大丈夫ですか?」
「お、アンタがこの街の有名人の聖女さんか?
済まねぇが、俺の風魔法ではこいつに傷すらつけられねぇ、うちの船員の治療を頼んでも良いかい?」
「どうして魔法が使えるのです? エリー様にお会いしました?」
「おう! 助けられてな、その時にこの魔法が使えるようにして貰った!」
「そうですか、暫く押さえつける事は出来ますか?」
「少しくらいなら、なんとかなるぞ!」
「そうですか、時間は無さそうですね、倒すのを優先しましょう。」
「聖女に何が出来るんだ!?」
「大丈夫です、師匠にこの魔法を授かりました。
光よ集え、我が前に立ちはだかる魔を打ち滅ぼせ!
ホーリー・レイ!」
無数の光の柱が、蟹を襲う。
そして、8本の脚と、2本の爪を持つ手の役割を果たす前足を全て切り落とした。
蟹かぁ、美味しいですよね・・・じゅるり・・・
急いで全ての脚をストレージに仕舞うと、身体強化を施し、本体を逆さにして、持ち上げる。
そして、漁港とこちらの貿易港の間に有る市場に投げ込み、重症の船員から順に、治療魔法を施した。
途中、マナ切れの危険を感じで、マナポーションを飲む事にはなってしまったが、何とか全員、死者無しで助ける事が出来た。
「イヤぁ、驚いたぜ聖女様、あんな魔法を持ってるとはね。」
「あれは魔法とは言っては成らないものです、神聖術と言って下さい。
女神エリー様より授かった私の唯一の攻撃手段です。」
「あのお姉ちゃん、此処じゃ女神扱いか、驚いたぜ。
ああ、スマン、自己紹介が遅れた、俺の名前はオットー。
そこの船、バッカス・ネオの船長で、風魔法の使い手だ。 よろしく。」
「私もこんな所で師匠の息の掛かった人と出会うとは思いませんでしたよ、世間は狭いですね。
わたくしは、この先の、ああ、そこに屋根が見える教会のシスターで、アリエッタと申します、エリー師匠に、光と闇の魔法、所謂神聖術を授かり、ポーション作りや治療で生計を立てる孤児達の保護者です。」
そんな挨拶をしている時、とある冒険者パーティーが遅ればせながら駆けつける。
「あ、ほらやっぱ、終っちゃったか~。」
「この腕を試す絶好の機会だったんだけどな~。」
「他の依頼をやってたので仕方ないか。」
「「「残念だ。」」」
最後、おもいっきりハモってた、仲が良さそうだ。
「おや、貴方は。」
「ああ、聖女様、俺の腕のメンテしてもらうか、会ったついでだ。」
「良いですよ、最近は調子はどうです?」
「うん、良い感じだぜ、生まれ変わったようだ、何度でも言うけどな。」
「それは良かった、この腕、大事にしてくださいね。」
腕を外しては、テスタースカウターに掛けて数値に異変が無いかをチェックし、戻すだけ。
「はい、もう良いですよ、正常です。」
「ありがとう、じゃあ、もう行くわ。」
「あ、後で冒険者ギルドに顔を出しますから伝えて置いて下さいね、遅くなってますって。」
「判った、ンじゃ後でギルドで。」
「あの、あの方は一体?」
オットーさんが不思議そうな顔をして聞いて来た。
「あの人は、エリー師匠に両腕を作って貰った冒険者の方、あの方が義手の代金を教会に納めてくれて居るのでかなり助かってます。」
「義手?本当に義手なのか?普通に動いてたよな?」
「ええ、義手ですよ?私の先程のメンテナンスチェックで取り外して居たのを見ていたでしょう?」
「大したもんだな、あんなに普通に動かせるのなら、もう腕が千切れても安心だな、はっはっは。」
「まぁ、千切れるだなんてムッチャクチャ痛いでしょうけどね。
もしもあなたが欠損をする様な事に成った場合、私の神聖術で欠損部を継ぐ事も、欠損部を新たに生やす事も出来ますし、もしもより強い腕、脚等がお望みならば、わたくしも師匠より製法を受け継いだので、義手、義足など作って差し上げる事も出来ます。」
「それは恐れ入った、もしもの時はここに来たら良いって事か?」
「ええ、私の師匠は何処へ行くか判りませんので、ここに来るのが確実かも知れません。
ですがその内、セントエリー聖教会でならばどこでも可能に成るかも知れません。
では私は、往診に向かわねばなりませんので。」
軽く会釈をし、オットーと名乗った魔法使いと別れた私は、今度こそ冒険者ギルドへ往診に向かった。
もうすっかり顔が知れ渡って居る為、戸を開くと歓迎ムードが漂う。
「聖女様、今日もよろしくお願いします。」
「貴方は何故そう毎回毎回生傷が絶えないのですか?
いつもそんな状態では冒険者に向かないのでは?」
「「「だ~っはははは!ちげぇねー! お前、漁師に戻ったらどうだ?」」」
「へぇ、漁師だったんですか?」
「ああ、朝早いのが苦手で辞めたんだよ。」
「ある意味一番駄目じゃ無いですか?それ。」
私も他の方に乗っかって少し揶揄って見る。
「ひでぇなぁ~、それ言っちゃおしめぇよ?」
「「「「イヤ実際におしまいだっつーの!」」」」
実に愉快な人たちだ。
こんな風にお互いに悪口をつきながらも、此処の冒険者達は仲が良い。
きっと、さっきのような魔物が港へと来る度に協力し合ってやって来て居たりするのだろう、気心が知れて居るらしい。
「お、聖女様、着たね、さっきはありがとな。」
「ごきげんよう、ヴァイス殿、ジェイ殿や他の方々は?」
「リーダー達は、最近強い魔物が出るようになった、東の山岳地帯の報告をしにギルマスに呼ばれてるって訳だ。」
「ヴァイス殿は一緒に行かなかったのです?」
「俺はさっき、アンタと約束したろ、ギルドでまたなって、んで、待ってたって訳だ。」
「あら、ワザワザ待ってらしたのですか、もしかしてヴァイス殿・・・だめですよ、私は聖職者ですから。」
「べ、別に、そんなんじゃ、ねえしっ!」
そんなんだったらしいですw
この冒険者ギルドでは、魔物との戦闘で怪我をした人の治療が殆どだ。
他に、病気の治療を、ここで私が冒険者として受け入れる事で、依頼をこなすと言う形をとって冒険者としての活動とさせて貰い、私の身分証明書を発行して頂いている。
当然ながら、ポーションの納品依頼なども来るので、その都度そちらにも対応して、冒険者登録をしてから今までで既に、ランクをDにまで上げている。
たまに、他の冒険者さんと一緒に街の外へ出て、上級薬草等、ポーションの材料を採取したりもしているのだ。
教会の周囲の土地を買う事が出来れば、薬草を自分で栽培する事も視野に入れたいのだけど、今は先ず、セントエリー像を発注する資金集めが先決だから、もう少し先になる。
冒険者ギルドの往診を終えて、教会へと帰る途中、子供達のお土産にと、屋台で売って居た果物の蜂蜜漬けと、肉串を買って帰る事にした。
間も無く日も暮れるだろう。
この街は、比較的他の街と比べて遅くまで人が活動して居る方だ、何故ならば、私が齎したソーラー蓄電池と電灯で、最近では夜でも明るいのだ。
私の姿が見えると、教会の外で帰りを待って居た子供達が、駆け寄ってくる。
「アリエッタ様お帰り~!」
皆口々に、私が帰って来た事を喜ぶ。
そうなのだ、この世界、治安はかなり悪い方だと思う。
だから、帰って来る事をみんな喜んでくれるのだ。
「さぁ、皆、晩御飯の時間まで直ぐですよ、中へ戻りましょう。」
こうして私の一日の日課は終わる。
あとひと月半ほどで、銅像の頭金位の貯金は貯まる予定だ。
エリー様を信仰する為に、頑張るぞ~。
「たたた、大変だ! あ!良い所に!聖女様、来て下せえ!」
「どうしました?」
「それが、輸送船を追いかけて来た海獣が暴れてるんでさぁ!
怪我人が出てて、大変な事に。」
「判りました、行きましょう。」
港へと向かうと、そこには、風魔法で、巨大な蟹と対峙する一人の船乗りの姿があった。
カニの甲羅は固い、風魔法で戦うには無理があるだろう。
急いでその場へと走る。「大丈夫ですか?」
「お、アンタがこの街の有名人の聖女さんか?
済まねぇが、俺の風魔法ではこいつに傷すらつけられねぇ、うちの船員の治療を頼んでも良いかい?」
「どうして魔法が使えるのです? エリー様にお会いしました?」
「おう! 助けられてな、その時にこの魔法が使えるようにして貰った!」
「そうですか、暫く押さえつける事は出来ますか?」
「少しくらいなら、なんとかなるぞ!」
「そうですか、時間は無さそうですね、倒すのを優先しましょう。」
「聖女に何が出来るんだ!?」
「大丈夫です、師匠にこの魔法を授かりました。
光よ集え、我が前に立ちはだかる魔を打ち滅ぼせ!
ホーリー・レイ!」
無数の光の柱が、蟹を襲う。
そして、8本の脚と、2本の爪を持つ手の役割を果たす前足を全て切り落とした。
蟹かぁ、美味しいですよね・・・じゅるり・・・
急いで全ての脚をストレージに仕舞うと、身体強化を施し、本体を逆さにして、持ち上げる。
そして、漁港とこちらの貿易港の間に有る市場に投げ込み、重症の船員から順に、治療魔法を施した。
途中、マナ切れの危険を感じで、マナポーションを飲む事にはなってしまったが、何とか全員、死者無しで助ける事が出来た。
「イヤぁ、驚いたぜ聖女様、あんな魔法を持ってるとはね。」
「あれは魔法とは言っては成らないものです、神聖術と言って下さい。
女神エリー様より授かった私の唯一の攻撃手段です。」
「あのお姉ちゃん、此処じゃ女神扱いか、驚いたぜ。
ああ、スマン、自己紹介が遅れた、俺の名前はオットー。
そこの船、バッカス・ネオの船長で、風魔法の使い手だ。 よろしく。」
「私もこんな所で師匠の息の掛かった人と出会うとは思いませんでしたよ、世間は狭いですね。
わたくしは、この先の、ああ、そこに屋根が見える教会のシスターで、アリエッタと申します、エリー師匠に、光と闇の魔法、所謂神聖術を授かり、ポーション作りや治療で生計を立てる孤児達の保護者です。」
そんな挨拶をしている時、とある冒険者パーティーが遅ればせながら駆けつける。
「あ、ほらやっぱ、終っちゃったか~。」
「この腕を試す絶好の機会だったんだけどな~。」
「他の依頼をやってたので仕方ないか。」
「「「残念だ。」」」
最後、おもいっきりハモってた、仲が良さそうだ。
「おや、貴方は。」
「ああ、聖女様、俺の腕のメンテしてもらうか、会ったついでだ。」
「良いですよ、最近は調子はどうです?」
「うん、良い感じだぜ、生まれ変わったようだ、何度でも言うけどな。」
「それは良かった、この腕、大事にしてくださいね。」
腕を外しては、テスタースカウターに掛けて数値に異変が無いかをチェックし、戻すだけ。
「はい、もう良いですよ、正常です。」
「ありがとう、じゃあ、もう行くわ。」
「あ、後で冒険者ギルドに顔を出しますから伝えて置いて下さいね、遅くなってますって。」
「判った、ンじゃ後でギルドで。」
「あの、あの方は一体?」
オットーさんが不思議そうな顔をして聞いて来た。
「あの人は、エリー師匠に両腕を作って貰った冒険者の方、あの方が義手の代金を教会に納めてくれて居るのでかなり助かってます。」
「義手?本当に義手なのか?普通に動いてたよな?」
「ええ、義手ですよ?私の先程のメンテナンスチェックで取り外して居たのを見ていたでしょう?」
「大したもんだな、あんなに普通に動かせるのなら、もう腕が千切れても安心だな、はっはっは。」
「まぁ、千切れるだなんてムッチャクチャ痛いでしょうけどね。
もしもあなたが欠損をする様な事に成った場合、私の神聖術で欠損部を継ぐ事も、欠損部を新たに生やす事も出来ますし、もしもより強い腕、脚等がお望みならば、わたくしも師匠より製法を受け継いだので、義手、義足など作って差し上げる事も出来ます。」
「それは恐れ入った、もしもの時はここに来たら良いって事か?」
「ええ、私の師匠は何処へ行くか判りませんので、ここに来るのが確実かも知れません。
ですがその内、セントエリー聖教会でならばどこでも可能に成るかも知れません。
では私は、往診に向かわねばなりませんので。」
軽く会釈をし、オットーと名乗った魔法使いと別れた私は、今度こそ冒険者ギルドへ往診に向かった。
もうすっかり顔が知れ渡って居る為、戸を開くと歓迎ムードが漂う。
「聖女様、今日もよろしくお願いします。」
「貴方は何故そう毎回毎回生傷が絶えないのですか?
いつもそんな状態では冒険者に向かないのでは?」
「「「だ~っはははは!ちげぇねー! お前、漁師に戻ったらどうだ?」」」
「へぇ、漁師だったんですか?」
「ああ、朝早いのが苦手で辞めたんだよ。」
「ある意味一番駄目じゃ無いですか?それ。」
私も他の方に乗っかって少し揶揄って見る。
「ひでぇなぁ~、それ言っちゃおしめぇよ?」
「「「「イヤ実際におしまいだっつーの!」」」」
実に愉快な人たちだ。
こんな風にお互いに悪口をつきながらも、此処の冒険者達は仲が良い。
きっと、さっきのような魔物が港へと来る度に協力し合ってやって来て居たりするのだろう、気心が知れて居るらしい。
「お、聖女様、着たね、さっきはありがとな。」
「ごきげんよう、ヴァイス殿、ジェイ殿や他の方々は?」
「リーダー達は、最近強い魔物が出るようになった、東の山岳地帯の報告をしにギルマスに呼ばれてるって訳だ。」
「ヴァイス殿は一緒に行かなかったのです?」
「俺はさっき、アンタと約束したろ、ギルドでまたなって、んで、待ってたって訳だ。」
「あら、ワザワザ待ってらしたのですか、もしかしてヴァイス殿・・・だめですよ、私は聖職者ですから。」
「べ、別に、そんなんじゃ、ねえしっ!」
そんなんだったらしいですw
この冒険者ギルドでは、魔物との戦闘で怪我をした人の治療が殆どだ。
他に、病気の治療を、ここで私が冒険者として受け入れる事で、依頼をこなすと言う形をとって冒険者としての活動とさせて貰い、私の身分証明書を発行して頂いている。
当然ながら、ポーションの納品依頼なども来るので、その都度そちらにも対応して、冒険者登録をしてから今までで既に、ランクをDにまで上げている。
たまに、他の冒険者さんと一緒に街の外へ出て、上級薬草等、ポーションの材料を採取したりもしているのだ。
教会の周囲の土地を買う事が出来れば、薬草を自分で栽培する事も視野に入れたいのだけど、今は先ず、セントエリー像を発注する資金集めが先決だから、もう少し先になる。
冒険者ギルドの往診を終えて、教会へと帰る途中、子供達のお土産にと、屋台で売って居た果物の蜂蜜漬けと、肉串を買って帰る事にした。
間も無く日も暮れるだろう。
この街は、比較的他の街と比べて遅くまで人が活動して居る方だ、何故ならば、私が齎したソーラー蓄電池と電灯で、最近では夜でも明るいのだ。
私の姿が見えると、教会の外で帰りを待って居た子供達が、駆け寄ってくる。
「アリエッタ様お帰り~!」
皆口々に、私が帰って来た事を喜ぶ。
そうなのだ、この世界、治安はかなり悪い方だと思う。
だから、帰って来る事をみんな喜んでくれるのだ。
「さぁ、皆、晩御飯の時間まで直ぐですよ、中へ戻りましょう。」
こうして私の一日の日課は終わる。
あとひと月半ほどで、銅像の頭金位の貯金は貯まる予定だ。
エリー様を信仰する為に、頑張るぞ~。
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