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冒険の旅
勇者からのクエスト
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-MkⅢ-
ダンジョンの調査以来の報告中だ。
お梅ちゃんが聞いてくれて居たのだけど、大事だったので、現在、組合支部長のスケジュールのチェック中らしい。
で、結局、こっちの方が優先順位が上だと言う事に成ったらしい。
「お待たせしました、えっとですね、支部長が直接窺う事に成りましたので、奥へどうぞ。」
奥の部屋、会議室と呼ばれて居る所へ入ると、支部長がかなり無理した作り笑いで出迎える。
「え、エリー様、この度の調査以来、お手数をおかけしまして・・・」
「あのな、私は魔王じゃねぇっつってんだろコラ、何未だビビり倒してんのよ、いい加減慣れろやコラ。」
この態度がますます委縮させている気がするんだけどそれは気のせいと言う事にしておこう。
まぁ兎に角、ダンジョンの調査結果と、危険と判断してダンジョンコアを台座より外して持ち帰った事等を報告した。
「で、一つ提案なんですが、エリー様・・・」
「だからその呼び方止めなさいって何度も言ってるでしょう? 魔王じゃねーっつーの。」
「いや、すみません、しかしそうそうすぐにはなかなか変えられない物でして・・・」
「あぁそう、判ったわよ、話進まねぇから本題話してみ?」
「あ、そうですね、その、ダンジョンコアと言うのを見せて頂きたいのですが。」
「まぁ見せるのは良いわよ、でもさ、決して、見入ったり、台に乗せたり、掲げたりしないように。」
「それは、どう言う、いや、どうなるのです?」
「まだ私も、以前に手に居れたダンジョンコアを調べてる真っ最中だから詳しい事は言えないんだけどね、台に乗せると言う事は祀り上げる事、掲げるのも同じ、そして見入ってしげしげと眺める事で、アンタの持ってるマナをゴッソリ持って行って新たなダンジョンを構成してしまう可能性が有ると言う事。
そしてマナをゴッソリ持って行かれると、その人はすでにダンジョンの養分でしかないという事実、ここだけは解ってるのよねー。
で、そんな危ない代物だけど、見たい?」
「結構です・・・」
「えぇ~、そう言わずにぃ~。」
「勘弁して下さい・・・」
「えぇ~、大丈夫よ~?痛くしないから♡」
と、そんな冗談を言った瞬間、背後から小突かれた。
「エリー、困ってんじゃねぇか、それにその手の台詞は女の子の言うセリフじゃネェだろ?」
「あ、何だ、帰ってたのか、カイエン。」
「おお、只今。」
「で、マカンヌとの久々のデートはどうだった?」
「ははは、そんな大したもんじゃネェよ、まぁ、最近ちょっとドライになり過ぎてたかもしれないという自覚はしたけどな。」
「ふむ、やはりそうか、早急に研究する必要が有りそうだな・・・」
「ん?何の話だ?」
「あ、すまん、こっちの話だ。
カイエンも何か報告があってこの部屋へ来たんだろ?先に済ませちゃってくれ、私は少し話が長くなりそうだから。」
「そうか、すまんな、じゃあお言葉に甘えさせて貰うとしよう。」
さらっと話を逸らした私にうまく乗っかって、支部長の方へ向き直ったカイエンは、割と衝撃的な言葉を口にした、筈なんだけど、さっきまでの私の話のインパクトに比べたら大した事では無かったようで支部長はあまり驚いた様子も見せずに聞いてたのが少し印象的だった。
「しかし、困った事に成りそうですな、この街の外れのあの空き家が盗賊のアジトとなってる可能性が高いとなると、早急に建物を壊す必要がありそうですね。」
その結論に達したのなら、私が一口乗ってやろう。
「んじゃ私がそれ、何とかしようか?」
「何とかなるのですか?エリー様。」
相変わらず様付けなのはもう諦めるしかなさそうだ。
「カイエン、そこまで調べ上げたと言うなら、マカンヌと一緒に出かけて居る事だし、脱出の為の抜け穴とかも調査済みなんだろ?」
「エリーには言わずとも判るか、流石と言うか。」
「そんなもん盗賊が巣食って居るなら、隠し通路の一つや二つは、無いと思う方がどうかしてるさ。」
「まぁ確かにそうだけどな。」
「よし、タイタンズとオーブで脱出口を全て塞いでくれ、私が建物を破壊する。」
「それは良いんだが、どこぞの城みたいに木っ端微塵にするなよ?死なれたら目も当てられん。」
「あのな、流石の私もあんなのは人が居ない事を確認してるからやった迄の事でさぁ、流石に人が居る事判ってる以上手加減位するさ。」
「手加減ねぇ・・・」
「あ、信用してねぇな? じゃあどんな手加減か後で見せてやる。」
「その前にどんな手加減なのか口で説明してくれないか?」
「良いだろう、説明してやる。
私が魔法使ったり愛刀使ったりしたら酷い事に成る未来しか見えないだろ?」
「うんうん。」
そこ、速攻で頷くなよ。
でも突っ込まずに続けるとしよう。
だからな、私の、他の機体より少し大きい新8号機ならではの機能を使う。」
紙を一枚取り出した私は、サラサラっとギミックを絵に描く。
あまり上手くは無いけどな。
「こんな後付けギミックがあってな、これをクリムゾンスパイダーに取り付ける、このギミックの特徴はこの二本あるアームの先が様々に取り換える事が出来るようになっててな、このハサミ型のが掴む為のギミック、で、こっちのもっと薄いハサミっぽいのが斬るギミック、他にもこっちは穴開ける奴でこっちが振動で叩き割るギミックになる。
こいつを使って建物を壊して行くんだ、どう?」
「なるほど、これならエリーの出鱈目の能力よりマシな解体が出来そうだ。」
マシって言うな、マシって。
「で、解体現場から脱出しようとした盗賊は、組合の他のパーティーで捉えて貰うって言う寸法、どうよ?」
「それは素晴らしい、探索者達の良い小遣い稼ぎになりそうです、組合としてもお願いしたい。」
「うん、エリーは流石だな、自分が設ける事ばかり考えたりはしない所が好感を持てる、やり過ぎ感は否めないが。」
一言多いぞ~!カイエン~!
まぁそんな具合に、後日、盗賊一網打尽ミッションが発動する事に成った。
----------
<短話・魔法が使いたいにゃ>
「師匠~・・・お願いがあるのにゃ~・・・」
「ん?どした?オーブ。」
「アタイもにゃ、クリスやカレイラみたいにやってみたいのにゃ~。」
「そう言われてもねぇ、あんたにはあんたのバトルスタイルが有るんだからそんなもん自分の道極めた方が強くなるわよ、前にも言ったわよね?」
「そうにゃんだけど、そう言う意味じゃにゃいのにゃ。」
珍しく殊勝な気持ちらしい、耳を倒して尻尾も下がってる。
「割と深刻に考えてるっぽいな、言ってごらん?」
「実はぁ・・・アタイも魔法が使いたいって思ってるのにゃ!」
成程、クリスやカレイラみたいっつーのはそう言う意味だったか。
「ん~・・・魔法回路を強引に作るのは可能だけどさぁ、魔法回路だけ無理やり開通しても才能が無いから無理なんだよな、オーブじゃ、どうしても使って見たいの?」
もうそれは首よ千切れんとばかりに縦に首を振る、オーブ、そんな激しいヘッドバンキングして何処のパンクロッカーかと思う程だ。
「むぅ~、困ったねぇ、少し考えさせ・・・・いや待てよ?」
「にゃんか方法思いついたにゃ!?」
「イヤしかし、少し難しいな、ンっと、ああしてこうして、そうか、するとこうなってこう、これなら行けるかも?」
「本当にゃ?? 師匠~!流石アタイの師匠にゃぁ~!!」
「ただし、アンタの魔力回路作るのって、結構ガチでイテェから我慢しろよ?」
「痛いのにゃ??」
「そりゃね、何もネェ所にマナを外部に放出させる為の通り道作ろうってんだからイテェわな。」
「むぅ~・・・でもやっぱ魔法使いたいにゃ・・・」
「そうか、じゃあ、魔法回路強引に作るナノマシン、作っちゃったけど受け入れてくれる?」
「・・・・・・・・わ、判ったにゃ、さぁ来い!」
ナノマシンを、オーブの指先にチョンと付けてやる。
すると、ナノマシンはドンドン増殖し、指先、掌から入り込んで行き、どんどん魔力回路を作って行く。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!! いだい、いだいにゃぁぁぁ!!!!」
ナノマシンの最終目的地、それは、マナの源でもあり、気の源でもある、丹田。
10分程、痛さに泣き叫んだオーブだったが、耐えきったようだ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・し、師匠、これで、使える?」
「ダメよ、アンタには才能自体が無いからね、魔法を使う為には、別の方法を使うしか無い。」
そうなのだ、オーブには、各属性に対しての相性がどれも合わない、魔法で起こした現象を操るには、物足りないのだ。
「ちょっと待ってろよ、私の理論だと、通信機能とストレージを兼ね揃えた道具を作る事でオーブのマナとの親和性を高め、その魔道具に各属性を記憶させて置く事で全ての属性が使えるようになる・・・筈だ。
『創成』開始・・・」
オーブは、私が生み出そうとして居るそれを、固唾を飲んで見つめている。
何とか、完成した。
「出来たぞ、スーパーインテリジェンスマジックストレージホルダーユニット。」
「にゃがくて憶えられにゃい!」
「これは、オーブが唯一放出だけは出来るようになったマナを吸って稼働して、電脳通信が有るから本当は付ける意味が見いだせなかったけれどもこの機能が無いと周囲の魔素に働きかけられないので仕方なく付けた通信機能を持った、魔法由来のストレージを利用可能になる便利な魔道具で、このストレージ機能と通信機能を複合して発動する事で、この魔道具内に記憶してある第五階位くらいまでの魔法を都度周囲の魔素を頼って発現出来る魔道具、その名は”スーパーインテリジェンスマジックストレージホルダーユニット”。
長いので略して”スマホ”よ!」
「す・・・スマホ・・・」
「そう!その略名の為にあえて、2000年代以降しばらく席巻して居た通信端末に形も似せて見ました!」
「うにゃぁ、師匠に貰った電脳の中に入って居る無駄知識の中にソックリな物本当にあったにゃ、これで本当に魔法使えるのにゃ?」
「早速試験運用しに行こう。」
ちなみに、今何となぁく話をして居たのは探索者組合のロビーの食事用のテーブルについてお茶しながらだったので、近くに居た探索者がゾロゾロと着いて来るので、訓練場を使わせて貰う事にした。
「師匠、使い方電脳に入ってた、試して見るにゃ!」
「おう、頑張れ~!」
「行くにゃぁ~!ファイアボールにゃぁ!」
ゴウッと音を立てて出現した火の玉が飛んで行く、的に当たりこそしなかったが、間違いなく魔法の才能ゼロのオーブが魔法を使った事に成る、魔道具に頼っては居るが。」
周囲から大歓声が起こる!
げ、私、やらかしたよね、これ絶対に・・・
「恵里衣さん!俺に同じ魔道具作って下さい!お金は支払います!」
「あんたは戦士職だから要らないでしょ!私、私に~!!!」
殺到してしまったのだった・・・
う~ん・・・場所を弁えて創成するんだった・・・
ダンジョンの調査以来の報告中だ。
お梅ちゃんが聞いてくれて居たのだけど、大事だったので、現在、組合支部長のスケジュールのチェック中らしい。
で、結局、こっちの方が優先順位が上だと言う事に成ったらしい。
「お待たせしました、えっとですね、支部長が直接窺う事に成りましたので、奥へどうぞ。」
奥の部屋、会議室と呼ばれて居る所へ入ると、支部長がかなり無理した作り笑いで出迎える。
「え、エリー様、この度の調査以来、お手数をおかけしまして・・・」
「あのな、私は魔王じゃねぇっつってんだろコラ、何未だビビり倒してんのよ、いい加減慣れろやコラ。」
この態度がますます委縮させている気がするんだけどそれは気のせいと言う事にしておこう。
まぁ兎に角、ダンジョンの調査結果と、危険と判断してダンジョンコアを台座より外して持ち帰った事等を報告した。
「で、一つ提案なんですが、エリー様・・・」
「だからその呼び方止めなさいって何度も言ってるでしょう? 魔王じゃねーっつーの。」
「いや、すみません、しかしそうそうすぐにはなかなか変えられない物でして・・・」
「あぁそう、判ったわよ、話進まねぇから本題話してみ?」
「あ、そうですね、その、ダンジョンコアと言うのを見せて頂きたいのですが。」
「まぁ見せるのは良いわよ、でもさ、決して、見入ったり、台に乗せたり、掲げたりしないように。」
「それは、どう言う、いや、どうなるのです?」
「まだ私も、以前に手に居れたダンジョンコアを調べてる真っ最中だから詳しい事は言えないんだけどね、台に乗せると言う事は祀り上げる事、掲げるのも同じ、そして見入ってしげしげと眺める事で、アンタの持ってるマナをゴッソリ持って行って新たなダンジョンを構成してしまう可能性が有ると言う事。
そしてマナをゴッソリ持って行かれると、その人はすでにダンジョンの養分でしかないという事実、ここだけは解ってるのよねー。
で、そんな危ない代物だけど、見たい?」
「結構です・・・」
「えぇ~、そう言わずにぃ~。」
「勘弁して下さい・・・」
「えぇ~、大丈夫よ~?痛くしないから♡」
と、そんな冗談を言った瞬間、背後から小突かれた。
「エリー、困ってんじゃねぇか、それにその手の台詞は女の子の言うセリフじゃネェだろ?」
「あ、何だ、帰ってたのか、カイエン。」
「おお、只今。」
「で、マカンヌとの久々のデートはどうだった?」
「ははは、そんな大したもんじゃネェよ、まぁ、最近ちょっとドライになり過ぎてたかもしれないという自覚はしたけどな。」
「ふむ、やはりそうか、早急に研究する必要が有りそうだな・・・」
「ん?何の話だ?」
「あ、すまん、こっちの話だ。
カイエンも何か報告があってこの部屋へ来たんだろ?先に済ませちゃってくれ、私は少し話が長くなりそうだから。」
「そうか、すまんな、じゃあお言葉に甘えさせて貰うとしよう。」
さらっと話を逸らした私にうまく乗っかって、支部長の方へ向き直ったカイエンは、割と衝撃的な言葉を口にした、筈なんだけど、さっきまでの私の話のインパクトに比べたら大した事では無かったようで支部長はあまり驚いた様子も見せずに聞いてたのが少し印象的だった。
「しかし、困った事に成りそうですな、この街の外れのあの空き家が盗賊のアジトとなってる可能性が高いとなると、早急に建物を壊す必要がありそうですね。」
その結論に達したのなら、私が一口乗ってやろう。
「んじゃ私がそれ、何とかしようか?」
「何とかなるのですか?エリー様。」
相変わらず様付けなのはもう諦めるしかなさそうだ。
「カイエン、そこまで調べ上げたと言うなら、マカンヌと一緒に出かけて居る事だし、脱出の為の抜け穴とかも調査済みなんだろ?」
「エリーには言わずとも判るか、流石と言うか。」
「そんなもん盗賊が巣食って居るなら、隠し通路の一つや二つは、無いと思う方がどうかしてるさ。」
「まぁ確かにそうだけどな。」
「よし、タイタンズとオーブで脱出口を全て塞いでくれ、私が建物を破壊する。」
「それは良いんだが、どこぞの城みたいに木っ端微塵にするなよ?死なれたら目も当てられん。」
「あのな、流石の私もあんなのは人が居ない事を確認してるからやった迄の事でさぁ、流石に人が居る事判ってる以上手加減位するさ。」
「手加減ねぇ・・・」
「あ、信用してねぇな? じゃあどんな手加減か後で見せてやる。」
「その前にどんな手加減なのか口で説明してくれないか?」
「良いだろう、説明してやる。
私が魔法使ったり愛刀使ったりしたら酷い事に成る未来しか見えないだろ?」
「うんうん。」
そこ、速攻で頷くなよ。
でも突っ込まずに続けるとしよう。
だからな、私の、他の機体より少し大きい新8号機ならではの機能を使う。」
紙を一枚取り出した私は、サラサラっとギミックを絵に描く。
あまり上手くは無いけどな。
「こんな後付けギミックがあってな、これをクリムゾンスパイダーに取り付ける、このギミックの特徴はこの二本あるアームの先が様々に取り換える事が出来るようになっててな、このハサミ型のが掴む為のギミック、で、こっちのもっと薄いハサミっぽいのが斬るギミック、他にもこっちは穴開ける奴でこっちが振動で叩き割るギミックになる。
こいつを使って建物を壊して行くんだ、どう?」
「なるほど、これならエリーの出鱈目の能力よりマシな解体が出来そうだ。」
マシって言うな、マシって。
「で、解体現場から脱出しようとした盗賊は、組合の他のパーティーで捉えて貰うって言う寸法、どうよ?」
「それは素晴らしい、探索者達の良い小遣い稼ぎになりそうです、組合としてもお願いしたい。」
「うん、エリーは流石だな、自分が設ける事ばかり考えたりはしない所が好感を持てる、やり過ぎ感は否めないが。」
一言多いぞ~!カイエン~!
まぁそんな具合に、後日、盗賊一網打尽ミッションが発動する事に成った。
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<短話・魔法が使いたいにゃ>
「師匠~・・・お願いがあるのにゃ~・・・」
「ん?どした?オーブ。」
「アタイもにゃ、クリスやカレイラみたいにやってみたいのにゃ~。」
「そう言われてもねぇ、あんたにはあんたのバトルスタイルが有るんだからそんなもん自分の道極めた方が強くなるわよ、前にも言ったわよね?」
「そうにゃんだけど、そう言う意味じゃにゃいのにゃ。」
珍しく殊勝な気持ちらしい、耳を倒して尻尾も下がってる。
「割と深刻に考えてるっぽいな、言ってごらん?」
「実はぁ・・・アタイも魔法が使いたいって思ってるのにゃ!」
成程、クリスやカレイラみたいっつーのはそう言う意味だったか。
「ん~・・・魔法回路を強引に作るのは可能だけどさぁ、魔法回路だけ無理やり開通しても才能が無いから無理なんだよな、オーブじゃ、どうしても使って見たいの?」
もうそれは首よ千切れんとばかりに縦に首を振る、オーブ、そんな激しいヘッドバンキングして何処のパンクロッカーかと思う程だ。
「むぅ~、困ったねぇ、少し考えさせ・・・・いや待てよ?」
「にゃんか方法思いついたにゃ!?」
「イヤしかし、少し難しいな、ンっと、ああしてこうして、そうか、するとこうなってこう、これなら行けるかも?」
「本当にゃ?? 師匠~!流石アタイの師匠にゃぁ~!!」
「ただし、アンタの魔力回路作るのって、結構ガチでイテェから我慢しろよ?」
「痛いのにゃ??」
「そりゃね、何もネェ所にマナを外部に放出させる為の通り道作ろうってんだからイテェわな。」
「むぅ~・・・でもやっぱ魔法使いたいにゃ・・・」
「そうか、じゃあ、魔法回路強引に作るナノマシン、作っちゃったけど受け入れてくれる?」
「・・・・・・・・わ、判ったにゃ、さぁ来い!」
ナノマシンを、オーブの指先にチョンと付けてやる。
すると、ナノマシンはドンドン増殖し、指先、掌から入り込んで行き、どんどん魔力回路を作って行く。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!! いだい、いだいにゃぁぁぁ!!!!」
ナノマシンの最終目的地、それは、マナの源でもあり、気の源でもある、丹田。
10分程、痛さに泣き叫んだオーブだったが、耐えきったようだ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・し、師匠、これで、使える?」
「ダメよ、アンタには才能自体が無いからね、魔法を使う為には、別の方法を使うしか無い。」
そうなのだ、オーブには、各属性に対しての相性がどれも合わない、魔法で起こした現象を操るには、物足りないのだ。
「ちょっと待ってろよ、私の理論だと、通信機能とストレージを兼ね揃えた道具を作る事でオーブのマナとの親和性を高め、その魔道具に各属性を記憶させて置く事で全ての属性が使えるようになる・・・筈だ。
『創成』開始・・・」
オーブは、私が生み出そうとして居るそれを、固唾を飲んで見つめている。
何とか、完成した。
「出来たぞ、スーパーインテリジェンスマジックストレージホルダーユニット。」
「にゃがくて憶えられにゃい!」
「これは、オーブが唯一放出だけは出来るようになったマナを吸って稼働して、電脳通信が有るから本当は付ける意味が見いだせなかったけれどもこの機能が無いと周囲の魔素に働きかけられないので仕方なく付けた通信機能を持った、魔法由来のストレージを利用可能になる便利な魔道具で、このストレージ機能と通信機能を複合して発動する事で、この魔道具内に記憶してある第五階位くらいまでの魔法を都度周囲の魔素を頼って発現出来る魔道具、その名は”スーパーインテリジェンスマジックストレージホルダーユニット”。
長いので略して”スマホ”よ!」
「す・・・スマホ・・・」
「そう!その略名の為にあえて、2000年代以降しばらく席巻して居た通信端末に形も似せて見ました!」
「うにゃぁ、師匠に貰った電脳の中に入って居る無駄知識の中にソックリな物本当にあったにゃ、これで本当に魔法使えるのにゃ?」
「早速試験運用しに行こう。」
ちなみに、今何となぁく話をして居たのは探索者組合のロビーの食事用のテーブルについてお茶しながらだったので、近くに居た探索者がゾロゾロと着いて来るので、訓練場を使わせて貰う事にした。
「師匠、使い方電脳に入ってた、試して見るにゃ!」
「おう、頑張れ~!」
「行くにゃぁ~!ファイアボールにゃぁ!」
ゴウッと音を立てて出現した火の玉が飛んで行く、的に当たりこそしなかったが、間違いなく魔法の才能ゼロのオーブが魔法を使った事に成る、魔道具に頼っては居るが。」
周囲から大歓声が起こる!
げ、私、やらかしたよね、これ絶対に・・・
「恵里衣さん!俺に同じ魔道具作って下さい!お金は支払います!」
「あんたは戦士職だから要らないでしょ!私、私に~!!!」
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