214 / 246
冒険の旅
新米
しおりを挟む
-エリー本体-
今日も、一緒に寝ているマリイにホッペペチペチされて目が覚める。
幸せだ・・・
先ず、朝の御勤めで最寄りの神社まで出向く為に、アインにマリイを預けて巫女服に着替えた私は、急ぎ家を出て、イオンクラフトで飛び上がると、そのまま方向を変えて神社へとあっと言う間に到着してしまう。
そして本殿へと向かうと、神主さんがようやく起きたらしく、寝間着の浴衣のままでやって来た。
「おお、恵里衣ちゃんおはよう。」
お前は私がやってくれると思って寝坊しすぎだよ。
まぁ仕方ねぇので、取り敢えずは、祝詞を唱えてですな。
その後に御神楽を舞う、これだけは神主居なくてもやるっきゃねぇのでやりますよ。
----------------
祝詞を終えて、御神楽を始めると、誰も入れて居なかった筈の神楽殿に人が居た。
何者だ?
御神楽を舞い終わるとほぼ同時に、その人物は、拍手をしてくれる、あんまりそう言う踊りじゃ無いんだけどなァ・・・
「これは見事な舞でした、恵里衣殿とお見受けいたします。」
「貴方は?」
「これは失礼、私は、鎌倉より参りました、源九朗判官義経と申します。」
うわ、何かとんでもねぇ奴来た。
「へぇ、随分と立派な名前の人が来たものね。」
「おや、拙者の事をご存じか?」
「ご存じも何も、時系列がこんがらがってるみたいだし何とも言えないけどさ、あんたは少なくとも有名人だ。
兄ちゃんの旗揚げに逸早くはせ参じて自ら捨て駒になってまでお兄ちゃんを支えた猛将だよね。
此処に居るのならお手合わせ願いたい所だわね。」
「ははは、腕に覚えがあるようで。
ですが今日はそのような用件で参った訳では御座りませぬので。」
「そう、残念。
で、その要件と言うのは?」
「恵里衣殿は様々な料理に精通して居られると伺って参った次第です。」
へぇ、意外だ、義経公がお料理に興味が有るとはね。
「私がお料理を貴方に教えたら良いのかしら?」
「いや、流石に拙者にお教え頂いても無理が御座います、鎌倉より3名の料理人を連れて参ったので、この者達を半年間で構いませんので弟子として住み込みで料理を教えて頂きたいのです。」
「ん~、私としては構わないのだけど、三人も住み込めるほどの屋敷も無いし、私と娘位しか住んで居ないので料理人に作らせる程の量は作る必要性も無いんだよね。」
「では、一名だけでも如何でしょうか。」
「まぁ一人位ならねぇ、なんとか。」
「誠で御座るか!?
それでは、此方からは、今年の収穫が終わったばかりの新米を200俵、贈らせます。」
200俵ってあんた・・・桁が、違い過ぎねぇか?新米は有り難いけどさ。
私にどっかと戦でもしろってか?
っつーか私を敵に回したら数時間で落城だと思うけどな。
そんな兵糧要らねぇw
まぁでも、貰えるなら貰っといて孤児院にでも寄付するべ?
ストレージに仕舞っといたら何年経っても新米だしなw
そんでもって、ガチで連れて来ていた料理人を一人選んで連れてってくれってんで、選ぶ事にした。
見た目とかそう言うのはどうでも良いからさ、腕の良い奴が良いって事で鑑定しとく。
そしたら皆どっこいだったんだけど、1人だけ、絶対味覚のスキルが有ったので、こいつにした。
これがね、驚くなかれ、将来有望な若者だったので尚更良し!
「ぼ、僕で宜しいのですか?」
「うん、決して容姿とかで選んだ訳じゃ無いからね?」
「はい、鑑定スキルを持って居ると伺って居ますので、判ってます。」
そんな事まで調べてたんかい、源家侮るなかれ、だな。
「あ、それとね、うちで修行中はちゃんとお給料出すし、うちのメイド達が運転出来るから最寄りの宿場町に遊びに行けるくらいは出来るからね。
ちなみに私やメイドに手を出そうとすると多分死ぬわよ。
皆桁違いに強いから。」
「強いって、どの位です?」
「そうね、一番弱い・・・と言うか一番おっちょこちょいなトライでさえもイセエビと戦って左手のアクチュエーター以外故障が無い程には・・・」
「えっと、何の事か判らないんですけど。」
「ようは巨大イセエビと戦って左手骨折程度で済んじゃうって事よ。」
「それで一番弱いんです?」
「まぁ、多分ね?」
「一番強い方だと?」
「そうねぇ、5分でお城を粉々に粉砕出来る。
かな?」
「・・・・・・」
青くなってる、うん、こいつ割と可愛いぞ?
母性本能擽られるタイプ、虐め甲斐は有りそうだ。
良い拾い物かもしれん。
その晩。
「ただいまー。」
MkⅣが帰って来た。
「え?え?ええ??」
「ああ、紹介するよ、もう一人の私。」
「よっ! よろしくねっ♡」
「もう一人って・・・」
「こう見えて双子じゃ無くて同じ一人の人間だからね~。
ハイエルフだけど。」
大混乱の料理人君、あ、この子、名前がひろし君て言うのよ。
で、この子連れ帰って来て今日で二日目。
深夜の内に運び込まれたらしき米俵200俵が玄関前に鎮座してたのでそのままストレージに吸い込むように仕舞って、キッチンの脇に作られた食品庫に1俵だけ置かれる事に成った。
「あの、恵里衣師匠、一俵だけ?」
「ああ、後は劣化しちゃう前に時間の止まったストレージに保管したから。」
「意味が解らない・・・」
兎に角混乱の毎日らしい。
そのうち、「ひろしです・・・」とかネタ始めるんじゃ無いかと少し心配・・・
今日も、一緒に寝ているマリイにホッペペチペチされて目が覚める。
幸せだ・・・
先ず、朝の御勤めで最寄りの神社まで出向く為に、アインにマリイを預けて巫女服に着替えた私は、急ぎ家を出て、イオンクラフトで飛び上がると、そのまま方向を変えて神社へとあっと言う間に到着してしまう。
そして本殿へと向かうと、神主さんがようやく起きたらしく、寝間着の浴衣のままでやって来た。
「おお、恵里衣ちゃんおはよう。」
お前は私がやってくれると思って寝坊しすぎだよ。
まぁ仕方ねぇので、取り敢えずは、祝詞を唱えてですな。
その後に御神楽を舞う、これだけは神主居なくてもやるっきゃねぇのでやりますよ。
----------------
祝詞を終えて、御神楽を始めると、誰も入れて居なかった筈の神楽殿に人が居た。
何者だ?
御神楽を舞い終わるとほぼ同時に、その人物は、拍手をしてくれる、あんまりそう言う踊りじゃ無いんだけどなァ・・・
「これは見事な舞でした、恵里衣殿とお見受けいたします。」
「貴方は?」
「これは失礼、私は、鎌倉より参りました、源九朗判官義経と申します。」
うわ、何かとんでもねぇ奴来た。
「へぇ、随分と立派な名前の人が来たものね。」
「おや、拙者の事をご存じか?」
「ご存じも何も、時系列がこんがらがってるみたいだし何とも言えないけどさ、あんたは少なくとも有名人だ。
兄ちゃんの旗揚げに逸早くはせ参じて自ら捨て駒になってまでお兄ちゃんを支えた猛将だよね。
此処に居るのならお手合わせ願いたい所だわね。」
「ははは、腕に覚えがあるようで。
ですが今日はそのような用件で参った訳では御座りませぬので。」
「そう、残念。
で、その要件と言うのは?」
「恵里衣殿は様々な料理に精通して居られると伺って参った次第です。」
へぇ、意外だ、義経公がお料理に興味が有るとはね。
「私がお料理を貴方に教えたら良いのかしら?」
「いや、流石に拙者にお教え頂いても無理が御座います、鎌倉より3名の料理人を連れて参ったので、この者達を半年間で構いませんので弟子として住み込みで料理を教えて頂きたいのです。」
「ん~、私としては構わないのだけど、三人も住み込めるほどの屋敷も無いし、私と娘位しか住んで居ないので料理人に作らせる程の量は作る必要性も無いんだよね。」
「では、一名だけでも如何でしょうか。」
「まぁ一人位ならねぇ、なんとか。」
「誠で御座るか!?
それでは、此方からは、今年の収穫が終わったばかりの新米を200俵、贈らせます。」
200俵ってあんた・・・桁が、違い過ぎねぇか?新米は有り難いけどさ。
私にどっかと戦でもしろってか?
っつーか私を敵に回したら数時間で落城だと思うけどな。
そんな兵糧要らねぇw
まぁでも、貰えるなら貰っといて孤児院にでも寄付するべ?
ストレージに仕舞っといたら何年経っても新米だしなw
そんでもって、ガチで連れて来ていた料理人を一人選んで連れてってくれってんで、選ぶ事にした。
見た目とかそう言うのはどうでも良いからさ、腕の良い奴が良いって事で鑑定しとく。
そしたら皆どっこいだったんだけど、1人だけ、絶対味覚のスキルが有ったので、こいつにした。
これがね、驚くなかれ、将来有望な若者だったので尚更良し!
「ぼ、僕で宜しいのですか?」
「うん、決して容姿とかで選んだ訳じゃ無いからね?」
「はい、鑑定スキルを持って居ると伺って居ますので、判ってます。」
そんな事まで調べてたんかい、源家侮るなかれ、だな。
「あ、それとね、うちで修行中はちゃんとお給料出すし、うちのメイド達が運転出来るから最寄りの宿場町に遊びに行けるくらいは出来るからね。
ちなみに私やメイドに手を出そうとすると多分死ぬわよ。
皆桁違いに強いから。」
「強いって、どの位です?」
「そうね、一番弱い・・・と言うか一番おっちょこちょいなトライでさえもイセエビと戦って左手のアクチュエーター以外故障が無い程には・・・」
「えっと、何の事か判らないんですけど。」
「ようは巨大イセエビと戦って左手骨折程度で済んじゃうって事よ。」
「それで一番弱いんです?」
「まぁ、多分ね?」
「一番強い方だと?」
「そうねぇ、5分でお城を粉々に粉砕出来る。
かな?」
「・・・・・・」
青くなってる、うん、こいつ割と可愛いぞ?
母性本能擽られるタイプ、虐め甲斐は有りそうだ。
良い拾い物かもしれん。
その晩。
「ただいまー。」
MkⅣが帰って来た。
「え?え?ええ??」
「ああ、紹介するよ、もう一人の私。」
「よっ! よろしくねっ♡」
「もう一人って・・・」
「こう見えて双子じゃ無くて同じ一人の人間だからね~。
ハイエルフだけど。」
大混乱の料理人君、あ、この子、名前がひろし君て言うのよ。
で、この子連れ帰って来て今日で二日目。
深夜の内に運び込まれたらしき米俵200俵が玄関前に鎮座してたのでそのままストレージに吸い込むように仕舞って、キッチンの脇に作られた食品庫に1俵だけ置かれる事に成った。
「あの、恵里衣師匠、一俵だけ?」
「ああ、後は劣化しちゃう前に時間の止まったストレージに保管したから。」
「意味が解らない・・・」
兎に角混乱の毎日らしい。
そのうち、「ひろしです・・・」とかネタ始めるんじゃ無いかと少し心配・・・
10
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎
って、何故こんなにハイテンションかと言うとただ今絶賛大パニック中だからです!
何故こうなった…
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
そして死亡する原因には不可解な点が…
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのかのんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦
未羊
ファンタジー
気が付くとまん丸と太った少女だった?!
痩せたいのに食事を制限しても運動をしても太っていってしまう。
一体私が何をしたというのよーっ!
驚愕の異世界転生、始まり始まり。
前世で家族に恵まれなかった俺、今世では優しい家族に囲まれる 俺だけが使える氷魔法で異世界無双
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
家族や恋人もいなく、孤独に過ごしていた俺は、ある日自宅で倒れ、気がつくと異世界転生をしていた。
神からの定番の啓示などもなく、戸惑いながらも優しい家族の元で過ごせたのは良かったが……。
どうやら、食料事情がよくないらしい。
俺自身が美味しいものを食べたいし、大事な家族のために何とかしないと!
そう思ったアレスは、あの手この手を使って行動を開始するのだった。
これは孤独だった者が家族のために奮闘したり、時に冒険に出たり、飯テロしたり、もふもふしたりと……ある意味で好き勝手に生きる物語。
しかし、それが意味するところは……。
領地育成ゲームの弱小貴族 ~底辺から前世の知識で国強くしてたらハーレムできてた~
黒おーじ
ファンタジー
16歳で弱小領地を継いだ俺には前世の記憶があった。ここは剣と魔法の領地育成系シュミレーションゲームに似た世界。700人の領民へ『ジョブ』を与え、掘削や建設の指令を出し、魔境や隣の領土を攻めたり、王都警護の女騎士やエルフの長を妻にしたりと領地繁栄に努めた。成長していく産業、兵力、魔法、資源……やがて弱小とバカにされていた辺境ダダリは王国の一大勢力へと上り詰めていく。
※ハーレム要素は無自覚とかヌルいことせずにガチ。
私を追い出すのはいいですけど、この家の薬作ったの全部私ですよ?
火野村志紀
恋愛
【現在書籍板1~3巻発売中】
貧乏男爵家の娘に生まれたレイフェルは、自作の薬を売ることでどうにか家計を支えていた。
妹を溺愛してばかりの両親と、我慢や勉強が嫌いな妹のために苦労を重ねていた彼女にも春かやって来る。
薬師としての腕を認められ、レオル伯アーロンの婚約者になったのだ。
アーロンのため、幸せな将来のため彼が経営する薬屋の仕事を毎日頑張っていたレイフェルだったが、「仕事ばかりの冷たい女」と屋敷の使用人からは冷遇されていた。
さらにアーロンからも一方的に婚約破棄を言い渡され、なんと妹が新しい婚約者になった。
実家からも逃げ出し、孤独の身となったレイフェルだったが……
クラスで馬鹿にされてた俺、実は最強の暗殺者、異世界で見事に無双してしまう~今更命乞いしても遅い、虐められてたのはただのフリだったんだからな~
空地大乃
ファンタジー
「殺すと決めたら殺す。容赦なく殺す」
クラスで酷いいじめを受けていた猟牙はある日クラスメート共々異世界に召喚されてしまう。異世界の姫に助けを求められクラスメート達に特別なスキルが与えられる中、猟牙にはスキルが一切なく、無能として召喚した姫や王からも蔑まされクラスメートから馬鹿にされる。
しかし実は猟牙には暗殺者としての力が隠されており次々とクラスメートをその手にかけていく。猟牙の強さを知り命乞いすらしてくる生徒にも一切耳を傾けることなく首を刎ね、心臓を握り潰し、頭を砕きついには召喚した姫や王も含め殺し尽くし全てが終わり血の海が広がる中で猟牙は考える。
「そうだ普通に生きていこう」と――だが猟牙がやってきた異世界は過酷な世界でもあった。Fランク冒険者が行う薬草採取ですら命がけな程であり冒険者として10年生きられる物が一割もいないほど、な筈なのだが猟牙の暗殺者の力は凄まじく周りと驚かせることになり猟牙の望む普通の暮らしは別な意味で輝かしいものになっていく――
転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!
ももがぶ
ファンタジー
猫たちと布団に入ったはずが、気がつけば異世界転生!
せっかくの異世界。好き放題に思いつくままモノ作りを極めたい!
魔法アリなら色んなことが出来るよね。
無自覚に好き勝手にモノを作り続けるお話です。
第一巻 2022年9月発売
第二巻 2023年4月下旬発売
第三巻 2023年9月下旬発売
※※※スピンオフ作品始めました※※※
おもちゃ作りが楽しすぎて!!! ~転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい! 外伝~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる