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冒険の旅

ぶらり食材探しの旅2

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 外部スピーカーをオンにして、警告をする事にした。
「警告します、盗賊の方々は、今すぐそこの幼女を開放しなさい、さもないと自慢の135㎜榴弾が炸裂いたします。」
 でもそうなると犯られちゃいそうになってる豪奢なドレスの幼女も死ぬけどな。
 っつーかこの世界ロリコン多くねぇか?
 あんな幼女犯しても詰まんねーだろ?
 むしろその隣で押さえつけられてるボンキュッボンなメイドちゃんのが楽しそうなんですけど?
 っつーか女の私が言うなっつー意見ではある、うん、そこは自覚。
 あ、でもあのメイドちゃんも少し変な性癖な気がするぞ、「お嬢様ぁっ! 止めなさい、お嬢様に手を出すなら私を犯ってからにしなさい!」っとか口では言ってるけど、何故か顔は高揚してるは息は荒くなってるわ、ナノマシンが送って来た情報では何だか股間グッショリらしいしなァ・・・
 そんな情報要らなかったよねぇ。
 少しドン引きしつつもとりあえず現場に到着しました。
 んで、降りて行こうとしたんだけど、先にカイエンとキースが飛び込んで行った、あらら流石に優秀だわこいつ等。
 そこに参戦して行ったのが意外な人物だったけどな、カレイラちゃんアンタ、そんなロリコン盗賊の中に飛び込んでったらアンタが危ない。
「しゃぁねぇな~。」
 と言いながらクリムゾンスパイダーから降りた私が真っ先に取った行動は、カレイラちゃんへの身体強化。
 私のハーレm・・・もとい自分から弟子にしたい第一号だからここで処女喪失とか死亡とか在っては成らないのです。
 勝手に弟子名乗ってる奴らは居るけどね。
 そうこうしてる間にも、クリスが掛けて来て倒れて虫の息のへなちょこ騎士達に治療始めている。
 ザインだけは何故か横に来て私の左腕にしがみついている。
「あー、ザインは何してるのかな?」
「ん、ハイエルフ様、守る。」
「あのね、むしろ腕掴まれたら邪魔よ?」
「むぅ・・・」
 名残惜しそうに離れたザインは、早速プラトを召喚して、カイエンやキースが戦意喪失させた盗賊達を捕縛し始めた。
 とそこでふと気が付いた、猫は何してんのアイツ。
 ナノマシン由来の気配察知を感度上昇させてみると、未だ王都から10分程度しか経ってねぇのに寝てるし。
 しかも爆睡。
 まぁ猫だからしゃぁねぇか・・・
 それにしても盗賊40人も居るってどうなんだ?
 騎士を治療してるクリスにちょっかい出そうとして裏拳で顔面潰されて吹っ飛んでる奴いるしよ・・・痛そうだ、うん。
 ちなみに私の所には誰も来ない、何故ならザインがプラトだけでなくレジーナにウンディーネにフリージア迄召喚して周囲にはべらしてくれてるので折角暴れたかったのに何も出来ない、っつーか誰もたどり着けない。
「みんなあまりやり過ぎないでよ~、盗賊の被害デカく成り過ぎたらどっちが盗賊か分かったもんじゃない状況に成るからね~。」
 って手ぇ抜けよな、私の獲物が居なくなるじゃんか、マジで。
 マカンヌなんか気配完全に消して背後から峰打ちだよ、こいつら全員もうⅭ級どころかA級でいいんじゃねぇか?
 と、思ってる矢先に、頭目と思しき盗賊がお嬢様っぽい幼女を人質に取った。
 ので、私の逆鱗に自動的に触れた。
 一瞬で目の前に移動し、風魔法で浮いた状態で盗賊の顔面を思いっきり掴む、所謂アイアンクローだ。
 お嬢を掴みかけて居た腕は既に切り落としている。
「こらテメェ、今何しようとした?あぁ?
 この子を人質にしようとしたろ?このカス野郎。」
 盗賊の顔面を掴む右手に益々力が掛かる。
 頭目と思しき盗賊の頭蓋がミシミシと音を立て始める。
「あ、が・・・やめ・・・。」
 既に戦意は喪失しているであろう盗賊が何か言って居るが、怒りに任せたエリーの耳には届いて居ない。
「それしきの腐った根性なんかで馬車とか襲ってんじゃねぇぞ?あぁぁ??!!」
「ちょ!エリー!? ダメだってば死んじゃうよ?」
 クリスがエリーを地面に降ろそうと足を引っ張りながら諭す。
「私はなぁ、自分が腹痛めた子を最後まで守ってやれなかったから、子供を害するような輩は皆殺しにするって決めてんだよ、許しなんか乞おうとも聞く耳持たん。
 死ねよお前。」
 さらに力を籠める。
「ぐあぁぁ、やめろ・・・」
 盗賊は藻掻いて居たが、死の恐怖のあまり、失禁をした。
「エリー!!! ダメぇっ!!!」
 ジャンプして飛びついて来たクリスに頬を叩かれて、私は我に返った。
「あれ?クリス、どうしたの?」
「馬鹿! あんた本当に魔王になるつもり?
 素手で頭握り潰すとかダメすぎるでしょ!
 殺しちゃダメ!」
 何か、クリス泣いてる。
「ああ、なんかごめん、クリス。」
 カイエンはシールドバッシュで、キースは大剣の腹で打ち付けるソードスタンと言う技で誰一人殺さずに気絶させて居たらしい。
 馬車は壊れてしまって居たが、御者をしていた執事、お世話役のメイド、お嬢様の全員は無傷。
 瀕死だった3名の護衛騎士はクリスの治療魔法で事無きを得た。
 馬車の修理は私の錬金術ですぐさま終わらせた。
 そのまま盗賊達は縛り上げたまま7号機の砲塔の周囲に、タンク・デサントみたいに並べてロープで固定して動けなくして状況終了。
「じゃ!私達はこの辺で!」
 そのままこの場を立ち去ろうとすると。
「お待ちください!せめて何方かお一人代表者のお名前を!」
「あ、そう言うの間に合ってるんでそれじゃ!」
 と言ってさっさと搭乗し、走り出した。
 なんか背後で騒いで居たが気にしない。
 時速60km/hで走り続けられるクリムゾンスパイダーに追い付ける筈も無いので後は知らん、せめて私の目の届かなくなった後にもう一度襲撃される程に運の悪い人達で無い事を祈るばかりである。
 しかし今回の旅は、スタート直後にこんなテンプレ発生するって、未だこの先が思いやられる。
 ちなみに、結局カレイラちゃんは割と優秀で、私の身体強化魔法を付与したとは言え、華麗に踊って居るかのように盗賊と立ち回っていた。
 そう言えば、辺境伯領に残して来たカレイラの弟で双子のボクス君とタイカン君、末っ子のパメラちゃんは三人だけでちゃんと生活出来るのだろうか、まぁ一応ボクスとタイカンは冒険者登録もして自力で稼げるみたいだけど、私はそっちの方が気になってしまう。
 子供は世界の宝なのだよ。
 まぁでも、カイエンとマカンヌが大丈夫と太鼓判を押して居るので思ったよりもシッカリした子たちなのだろう。
 でも私としては、特にパメラちゃんは未だ親が必要な年齢だと思うのでそのうちこっそり連れて来たいなぁ。
 っつーかタイカン君達もジャ〇ーズジュニア系と言うか、可愛い美少年なので連れて来ちゃいたい・・・個人的に。
 今晩はこの先の男爵領の小さな街に一泊だろうから、こっそり戻って連れて来ようかな。
 私用にヘリ一機作ってあって私のストレージに丸ごと入ってる事だし、今の内に寝て置けば夜中に行って帰って来るのは大した手間でも無いもんな。
 そんなこんなで大森林を抜ける途中、見つけてしまった!
 チョット止まって回収だね、これは。
 野生の胡椒の木、これは見逃す手は無い。
 これは絶対必要だ、食材探しの旅としては順調と言えるだろう。
 胡椒を回収して居る最中に、もう一つ素敵な木を見つける。
 ライムの木だった、しかも良い具合に大量の実が生って居た。
 これも回収し、ストレージに仕舞い込みつつ、他にも何か無いか探している。
 こういう大きな森林には居そうなんだけどな、トレント・・・
 ナノマシンを使ったサーチを実行しているのだが、見つけた。
 200mほど奥の林の合間の少し開けた所に居る様だ。
 早速トレントにご対面と行く事にした。
「ちょっと行って来るね、すぐ戻るからこの辺で待ってて。」
「あ、ちょっ!・・・行っちゃった。」
 ライムを収穫してたクリスが何か言いかけていたけど、時間を掛ける積りは無いのでそのまま奥へと走って行く。
 居た! こんな深い密林の中だと言うのにそこだけ少し開けた草原のような空間が広がって居て、そこに一体のトレント、それも只のトレントではなく、中堅クラスかそれ以上の、エルダートレントと言う奴だった。こいつはそのまま成長させて進化させてやれば、エンシェントトレントに成って、やがてはドライアドに至る存在だ、ラノベの知識だけどな。
 ドライアドは、私が勝手に作っちゃった上位精霊にして魔人的と言うか、むしろ土地神的な存在なんだけど、本来はトレントが成長して進化した姿なんじゃ無いかと思って居る。
 なのでこのトレントは保護して観察する方向で考えているんだけど、なんかこの空間て、聖域みたいな妙な雰囲気が有る。
 その中心に威風堂々と立つ一体のエルダートレント。
 これは放って置いても間もなくエンシェントトレントへと至るんじゃ無いだろうか。
 でも保護はしてあげたいかな。
 息を飲み込んで、一歩踏み出す、凄い、私やザイン達以外に魔法的な力を感じたのは、初めてだ。
 やはりこの空間はエルダートレントが作り出した結界のようだ。
 魔素を大量に取り込んで植物から生物へと変貌した存在、そして多分だが、私が生み出した結界魔法と同じ反応が有ると言う事は、私が放ったナノマシンの、魔素の多い物が魔法を使えるようになるように少しだけお手伝いをする、つまり魔力回路を構築するナノマシンを取り込んだと思われる。
 ここにはこの付近に生息する魔物は踏み込む事も出来ないのでは無いだろうか。
 エルダーも私に気が付いたようだ。
 侵入者を排除しようと動き出したエルダー、でも私も只やられてやる訳にも行かないので、トリーシアを召喚する事にした。
 トリーシアを介して接触を試みる為だ。
 トリーシアに任せてしばらく様子をうかがって居ると、どうにか意思の疎通に成功したようだ。
 そこに、トリーシアが何故か私の設定した覚えのない詠唱を始めたのだった・・・何、それ、私の知らない成長してるし!
 詠唱が終わると、エルダートレントに明らかな変化が訪れた。
 進化だった。
 幹がぐっと太くなり、伸びていく。
 エンシェントトレントへとその姿を変えた。
 トレントの最上位、ここまで来ればこのトレントを害する事が出来る魔物は存在し無いだろう、ドラゴンでも飛来しない限りは。
 すると、エンシェントトレントから、私の意識に直接、その意識が流れ込んできた。
 自分の進化の採集過程であるドライアドと言う目標に会わせてくれた事への感謝、進化をもたらしてくれた事への感謝の気持ちのようだ。
 言葉こそ無いものの気持ちを伝える事が出来るなんてやはり最上位種に成った魔物は一味違うね。
 そしてエンシェントトレントは、全身を震わせると、房咲きの花を咲かせた、その花は、白くシュッとした細長い花弁の、可愛らしい花だった。
 更にその花は散り、あっと言う間に実が付いた。
 房咲きだったのでブドウかなにかだと思って居たのだが、それはグレープフルーツだった、成程、ブドウのように実るからこの名前が付いたのかと何となく納得した。
 そしてエンシェントトレントは、私にその実を差し出した。
 お礼のつもりらしいので、有り難く頂く事にした。
 エンシェントトレントまで上り詰めたトレントは、どんな実でも任意に成る事が可能な上に、今見せて貰ったように短期間で実を成す事が出来るらしい。
 その上、食べて見たら絶品だった。
 こんなおいしいグレープフルーツは、前世でも食べた事は無かった、それ程に味のバランスに長けて、ジューシーで、味も濃く、素晴らしい物だった。
 欲しい果実が有ったらいつでも来いと言われた気がしたので、精いっぱい気持ちを込めてお礼を言うと、枝を揺らして答えてくれた。
「お待たせ~、ちょっとそこでエンシェントトレントと友達になって来た。」
「「「「はぁ???」」」
「流石、ハイエルフ様。」
「ハイエルフ言うな!」
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