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13.背徳の法悦に乱されて

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「お従兄にいちゃ……どうして」
「母さんには承諾をとったよ。今夜からおれも、しーちゃんのクリフェラ係だ」
夕謡ゆうた、は……」

 燈多とうたはそれには答えず、薄く微笑んでわたしの頬に手を添えた。

「かわいそうに……こんなに発情して。おれが慰めてあげるからね」

 そのまま首筋を撫でられると、背筋がきゅうんと切なくなった。
 燈多の手が少しずつ下へ降りてきて、やがて胸の頂点の近くを掠める。

「お従兄ちゃん、やめて……」
「どうして? こんなに苦しそうなのに」
「お願……、ふぁ……っ」

 ネグリジェを押し上げる胸の尖りを、指先で押される。

「ん……っ、んふ、んぁん……っ」

 指先をくるくると回されると、そこから甘い痺れが広がってゆく。

「いや……あ……っ」
「こんなに欲しがって……大丈夫、ちゃんと気持ち良くしてあげる」

 燈多の手がネグリジェをたくしあげ、わたしの胸が露わになった。身をよじって逃げようとするけれど、その瞬間胸に走った快感に捉われてしまう。
 燈多が、わたしの左の胸にくちづけていた。
 胸の先端を舌先でれろれろと舐めまわされ、軽く歯を立て甘噛みされる。さらにはもう片方の胸を指先でくにくにと愛撫されて、わたしは声を我慢できない。

「あ……ああ、あはぁ……んっ」

(どうしよう――夕謡じゃないのに、気持ちいい――)

「おに、ちゃ……、や……ぁ……」

 胸への刺激で、腰の奥がずんと甘い痺れを持ち始める。夕謡にいつも奉仕されているクリトリスが、かぁっと熱くなるのがわかった。

(これじゃ、止められない……)

 女の子というのはえっちな生き物だから、一度発情してしまった自分を自制するのはとても難しい。それは、ついこの間までクリフェラの快感を知らなかったわたしも同様なのだった。
 ずくずくと痺れる秘所から、とろりと蜜が溢れだす――止まらない。

「はぁん……っ、おにちゃ、も……っ」
「下をいじってほしいんだね。おれが、しーちゃんをくしてあげる……」

 燈多が胸にくちづけたままわたしを押し倒して、彼の体が脚のあいだを押し開く。そのまま、右手が秘所に滑り込んできた。

「ふぁんん……っ」

 つぷ、と指をかるく差し入れ動かされると、ちゅくちゅくといやらしい水音が聞こえた。

「びしょびしょだね、しーちゃん。とてもエッチだよ」

 耳元で囁かれると、体がさらに反応してしまう。
 燈多はそんなわたしを満足げに眺め、耳をぺろりと舐めあげてきた。

「ひゃ、んっ」
「しーちゃん、ほんとに感じやすいんだ。とても可愛いよ……」

 燈多の指が、ついにわたしの硬く充血したそこを捉えた。そのまま二本の指で挟まれ、小刻みに揺らされる。脳天まで突き抜けそうな快感が走って、わたしは体をくねらせた。

「まずはクリシコでイかせてあげる。しーちゃんの女の子のおちんちん、シコシコしてあげようね」
「あっあん……っ」

 指で両側から挟まれて肉粒に振動を与えられる。さらには天辺にもう一本指を充てがわれ、タップするようにぴとぴとと触れては離しを繰り返された。
 あまりの快感に、腰を浮かせて燈多の指に押し付けてしまう。気持ちがよくて堪らない。

「ふぁ、はっ、い、いくっ、いっちゃ……」
「いいよ、イって。気持ちよくなろうね、しーちゃん」

 わたしはぎゅっと目を瞑った。もう快楽以外のことを感じ、思考することは不可能だった。
 燈多がさらに指で責め立ててきて、わたしは。

「は、あっ、あ、アァアア…………ッッ!!」

 首をのけぞらせ、脚をあがくように痙攣させた。この極みの感覚は、何度味わっても鮮烈にわたしを翻弄する。

「……ふ、ぁは……、はぁ……」

 絶頂がゆるやかにひいてゆき、わたしはゆっくりと目を開けた。そこにあるのはやはり燈多の顔で――快楽の余韻に震えながらも、わたしは心が黒く塗りつぶされてゆくのを感じた。

(夕謡じゃないのに、わたし――こんな)

「可愛かったよ、しーちゃん」

 おでこにチュッとキスをされる。わたしの体は、たとえそれが夕謡でなくとも貪欲に感じてしまうのだ。

(夕、謡……、ごめん……)

 わたしは燈多に上体を抱き起こされ、やさしく背を撫でられながら心の中で謝り続けたのだった。
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