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2.はじめてのクリフェラは中庭で・1

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「僕を、詩菜しいなの専属クリフェラ係にしてほしい」

 わたしは何を言われているかわからず固まった。夕謡ゆうたは顔を上げ、困ったように笑う。そして、もう一回言った。

「詩菜。僕を詩菜の専属クリフェラ係にしてくれないか。今まではアイドルの仕事でそれが叶わなかったけれど、僕が真に笑顔にしたいのは、詩菜、きみひとりだと気づいたんだ」
「夕謡、お従兄にいちゃん……?」

 呆然とするわたしの肩に手をかけ、依里子よりこが言う。

「やっぱり、夕謡さんは詩菜を想っていたのね。詩菜、良かったわね」
「え……?」
「これで、お昼も辛い思いをせずに済むわよ? ほら、そろそろクリフェラ奉仕が始まるころね。私も蓮路れんじさんを呼ぶわ」

 そう言うと依里子がSNSメッセージで鷹司たかつかさ蓮路――依里子のクリフェラ係にして恋人である――を呼び出す。

「返答がないけど、いいんだよね、詩菜?」

 夕謡がわたしに訊ねてくる。

「いいっていうか……、夕謡お従兄ちゃん、あんなにアイドルの仕事を大事にしてたよね。それがどうして?」

 わたしはしどろもどろになりつつ、質問で返した。

「さっき言ったよね。僕が真に笑顔に、そして幸せにしたいのは、詩菜、きみひとりだって気づいたんだ」
「だからって……」

 アイドルを辞めてまで専属クリフェラ係だなんて。

「決まりね、詩菜。初めてのクリフェラを受けるのが好きな人で良かったわね」

 依里子がわたしの背中を軽く叩いて言った。

「え! 好きな人?」
「あら、違うのかしら? 私にはそう見えてたけど」
「……!」

「おーい、依里子」

 そこへ、鷹司先輩――依里子の恋人、蓮路がやってきた。

「依里子、詩菜ちゃん……! 良かったなぁ詩菜ちゃん。これで俺も遠慮ぜず、依里子に昼のクリフェラ奉仕ができるぜ」
「そうね、蓮路さん。……ねぇ、九重くしげくん? 今日は私たちと一緒にクリフェラをしない? 詩菜も私が一緒なら、安心すると思うの」
「そうだね。行こう、詩菜」
「え、ちょ……待って……っ」

 なし崩しに決まってしまいそうだったので、わたしは思わずのように言った。

「僕じゃ、嫌?」
「…………」

 わたしは、嫌なのだろうか。夕謡にクリフェラを受ける自分を想像してみる。
 カッと顔が熱くなったが、そこに嫌な感じはない。むしろ、夕謡以外でそれを想像することのほうが難しいのだ。

「い、嫌じゃ……ないよ……」

 そうして、わたしと夕謡――九重財閥の御曹司にして、元アイドルのわたしの従兄とのクリフェラ係契約が決まったのだった。



 わたしたち四人は、中庭へやって来ていた。そこでは何組かの男女がすでにクリフェラ奉仕を始めている。

「ね、ねぇ依里子、みんな見てるよ……」

 クリフェラ奉仕を受けている女子たちもなんとなくこちらを気にしているし、校門からわたしたちに付いてきた女子たちもいる。彼女たちにだって、自分のクリフェラ係がいるだろうに……。

「仕方がないわ。夕謡さんはアイドルだもの。何日かすれば落ち着くでしょう」
「俺もそう思うぜ。子猫ちゃんたちだって、自分のクリフェラ係を無碍にはできない筈だ」
「で、でもこんなに見られながらだなんて……」

 怖気づくわたしに、夕謡がやさしく言った。

「僕が、もう詩菜しか見ていないってことを、みんなにも知ってもらいたい。詩菜、お願いだからここで奉仕をさせて?」

 そんな目でお願いされたら、断りづらい。それに。

「あ……ァ、蓮路さん……」

 隣では依里子への蓮路の奉仕が始まっていた。依里子を後ろから抱きしめ、耳に舌を這わせている。耳の穴をねっちょりと舐められ、依里子は喘いでいた。

「耳、弱いのぉ……蓮路さぁん……」
「知ってるぜ。それに依里子はこっちも弱いよな」

 蓮路が依里子のセーラー服に手を差し入れ、胸のあたりを愛撫し始める。

「蓮路、さぁん……っ、私、もう……っ」

 依里子頬を染め、わずかに涙を浮かべながら内腿を擦り合わせる。
 わたしは親友の初めて見る姿に、心臓がどっどっとリズムを刻むの感じた。今まで依里子はわたしを慮って、ランチ後のクリフェラ奉仕を受けず、わたしとともに過ごしてくれていたのが――
 日本人形のような美少女の依里子が発情するさまは、なんとも色っぽい。

「こっち向いて、詩菜。僕も詩菜を気持ちよくしてあげる」

 夕謡がわたしの肩に手をかけて言った。

「あ……お従兄、ちゃ……」
「……夕謡。夕謡って呼んで」
「ゆう……た……」

 夕謡がわたしを正面から抱きしめ、耳に、首筋にキスを落としてゆく。そのとき、ぴちょ、ぴちょといういやらしい音が間近から聞こえてきて、思わずそちらを見てしまった。

「蓮路、さん……気持ちいい……っ」

 ベンチに腰かけた依里子が、脚を広げて――その下にはタオルハンカチが敷かれている――クリフェラ奉仕を受けていたのだ。

「気持ちよさそうだよね、詩菜。詩菜もあんなふうに気持ちよくなれるよ」

 夕謡がわたしの胸を制服越しに愛撫する。きっと、その頂点は尖ってしまっている――恥ずかしくて堪らない。

「詩菜、ここも……」
「……!」

 脚を割られ、下着の上から触れられた。

「濡れてるね、詩菜」
「――っ」

 恥ずかしくて顔が真っ赤になる。

「詩菜、かわいい。うぶなんだね。……大丈夫、詩菜をちゃんと気持ちよくしてあげるから」

 そう言うと、夕謡は指先をつ、と上へ移動させた。そこを爪でカリカリと擦られて、わたしは腰がビクンと跳ねさせる。

「ここが……クリ。オナニーの時触るから、わかるよね?」
「わか、な……、あんま、したことな……っ」
「詩菜、オナニーしないの?」
「だって、こわく、て……っ」

 試してみたことはある。だけど未知の感覚が怖くて、ついやめてしまったのだ。

「じゃあ、イったこともないのかな」
「わかん……な……っ」

 わたしは息を荒げながら答えた。きっと、顔が真っ赤になっていると思う。

「嬉しいな。僕が詩菜を初めてイかせてあげられるんだね」

 夕謡はさらにわたしのそこを下着越しに刺激してくる。じわじわと、自分が濡れていくのがわかった。

「気持ちいいよね、詩菜。女の子はみんなえっちだから、ここが大好きだよね」

 夕謡がなおも下着越しにそこを責め立ててきて、わたしは身をくねらせて喘いだ。

「ゆ……うた、なんか、来る……っ」
「イっちゃいそうかな、詩菜。じゃあ、このままイっちゃおうね」
「あぁっ、ゆうた、夕謡ぁ……っっ」

 指の速度が速くなる。下着が擦り切れてしまうのではないかと思うほど、カリカリと何度も擦られて、わたしは確実に高められていった。
 そして。

「ふぁ……っ、あ、あ……、アァ――――――ッッ」

 膝から力が抜ける。夕謡が支えてくれていなければ、わたしは地面へとへたり込んでいただろう。
 それくらい、夕謡によってもたらされた刺激は強烈だった。
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