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第四話
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拝啓お祖父様、僕はもう帰りたいです。
そんな手紙を送りつけたい思いを抑え、メルヴィンは毎日、リュカの口説き文句に耐えていた。
メルヴィンは初日にハドリアーナ国王と王妃に面会したのだが、形式的な挨拶が終わったあと、二人はメルヴィンにこう告げた。
「リュカは自由気ままなところがある。苦労するだろうが、しっかり捕まえておいてほしい」
「そうなのですよ。まあ、立場のせいで色々と縛られてきただけに、私たちは強く言えないの。甘やかしすぎたかしら」
国王と王妃は気のいい人たちだっただけに、メルヴィンは二人を騙すことになる罪悪感が湧いてきてどうしようもない。そしてリュカは両親に叱られないのをいいことに、宮殿では本当に自由にしている。
たとえば、海の見えるバルコニーへメルヴィンを招待すると言って無理矢理連れ出し、さらには街に繰り出そうとした。慌ててメルヴィンは日傘や帽子がないから、と引き留め、すると今度は踊らないかと誘ってきた。舞踏会でエスコートして踊るのかと思いきや、手本として見せられたのは庶民的なフォークダンスやタンゴだった。メルヴィンが正直に踊れません、と言うと逆に喜ばれた。
「これから覚えればいいんだよ。教え甲斐があるってものだ」
またある雨の日はメルヴィンの部屋に押しかけてきて、コーヒー片手に読書をしはじめた。何を読んでいるのかとメルヴィンが背表紙を覗くと、古代の舞台劇の解説書だった。それも悲恋ものだ。
「興味があるかい? 私は恋愛に関しては何でも好きでね、宮殿の図書室にある本はあらかた読んでしまった。新しい本が欲しいんだが、君のおすすめは?」
「そ、そうですね、北方のエッダなどいかがでしょう。帝国のように翻訳本があればいいのですけれど」
「へえ、それは知らなかった。そう言われてみれば神話にも恋愛はいくらでもある、北の異民族の、口伝の伝承も馬鹿にはできないか」
と、感心されてしまった。結局リュカはしばらく居座って、業を煮やしたメルヴィンが晩餐会の支度があるからとやんわり追い出した。
他にもまだある。どれもメラニーと思われているメルヴィンの関心を引こうとしているのだろう、何かと関わろうとしてくる。ただ、一線を越えることはなかった。そこは軽薄そうな雰囲気に反して律儀なもので、メルヴィンは安心したものだ。
しかし、そこまでされると、メルヴィンは申し訳ない気持ちになってきた。メラニーは決してリュカと結ばれることはない。いくら気を引こうとしてもだめなのだ、無益だ、無駄だ。そしてここにいるのはメラニーではなくメルヴィンだ。
だからどうか、これ以上口説こうとするのはやめてほしい。それがどうしても言えなくて、メルヴィンは次第に口数を減らしていった。
それをリュカはどう思ったのか、ある晴れた日の朝、メルヴィンの手を引いて、馬車へと乗り込んだ。行き先も告げられず、日傘と帽子と手袋を装備して、メルヴィンは黙ってついていく。リュカは何も言わず、馬車の窓から外を眺めていた。
まだ何かをするつもりなのだろうか。ここまで来ると、メルヴィンもうんざりしてきた。どうにか今から婚約を破棄できないだろうか、メルヴィンは色々と考えを巡らせてみるが、その間に目的地に着いてしまったようで、馬車が止まった。
リュカがメルヴィンの手を取って、馬車から降りる。
そこは、見渡すかぎりの丘陵地帯だった。青い草原が広がり、新芽の麦畑や糸杉の並ぶ街道が下に見える。牧歌的な風景に、海洋国家だと思っていたハドリアーナ王国の意外な一面を見たようで、メルヴィンは息を呑む。
すると、リュカは笑った。
「どうだい、気が晴れるだろう。君が思い悩んでいるようだから、遠出してみたんだ。何を悩んでいるんだい? 私にも言えないことかな」
心配そうな表情でそう気遣われてしまっては、メルヴィンもリュカをぞんざいに扱うわけにはいかない。
こんな一面もあるのか、とメルヴィンはリュカに対する評価を改める。ただの軽薄な男であれば、この風景の価値を見いだせはしない。そして口説きのバリエーションを増やしただけなら——この話にもついてはこれまい。
「殿下は、私が馬に乗れると、お嫌ですか?」
メルヴィンの突然の質問に、リュカは反応する。
「どういうことだい?」
「女性が乗馬を嗜むことははしたない、と前の婚約者に怒られましたの。乗馬のために女性が男性の服を着るなんて、性倒錯者だ、と」
それはとても保守的な考え方で、公爵家という高位貴族の家に生まれたドミニクは本当にそう思っていたのだろう。メルヴィンとて名家タランティオン侯爵家の生まれだ、そういう貴族の思想があることは承知の上だし、女装を強いられていることに抵抗がないわけではない。
だから、リュカがどう思うのだろう、もし嫌なら婚約破棄を考えてくれるのではないか。そんなことをメルヴィンは考えていた。
だが、驚くことにリュカはその話を聞いて、激しく憤っていた。
「そいつは馬鹿か? 男が女の格好をしようが、女が男の格好をしようが、個人の勝手じゃないか。ましてや乗馬だろう? 誰が男しか馬に乗ってはいけないなんて言った? どこの宗教にもそんな教義はないぞ」
——ああ、この人はきっと、女装しなければならない僕も男勝りなメラニーも馬鹿にすることはないに違いない。
それだけに、リュカと離れなければならなくなる未来が、とても悔しい。もし性別が逆なら、きっといい人だと思っていただろうから。
その思いは、メルヴィンの顔に出ていたらしく、リュカが戸惑っていた。
「どうしてそんな寂しそうな顔をするんだ?」
メルヴィンは頭を横に振る。
「殿下がそうおっしゃってくださって、少しは気が晴れました。戻りましょうか」
メルヴィンが踵を返す。
しかし、ヒールが地面から頭を出していた石の表面に蹴つまずいた。予想外のことに体勢を崩すメルヴィンへ、リュカが反射的に駆け出して支えようとする。
「危ない、メラニー!」
差し出されたリュカの腕が、メルヴィンの背中へ回される。間近に迫ったリュカの体に、メルヴィンは思わず抱きついた。どちらも体勢が悪かった、そのまま地面に倒れ込む。メルヴィンは庇ってくれたリュカのおかげで地面とのキスは免れたが——。
何だかおかしい。咄嗟にリュカの胸板に手が当たった。そのはずなのだが、妙に柔らかかった。男性の肉体とは思えない、その感触にメルヴィンは混乱して慌てて手を離し、地面に手をついて、体を起こす。真下にいるリュカが、目を逸らした。その恥じらう様子に、まさか、ととんでもない考えがメルヴィンの頭を過ぎる。
「ん? え? 殿下……あの、今の感触は」
起き上がったリュカは、目も合わせずに、馬車を指差した。
「メラニー、馬車の中で話そうか」
深刻な声色に、メルヴィンはこくこく頷くことしかできない。
そんな手紙を送りつけたい思いを抑え、メルヴィンは毎日、リュカの口説き文句に耐えていた。
メルヴィンは初日にハドリアーナ国王と王妃に面会したのだが、形式的な挨拶が終わったあと、二人はメルヴィンにこう告げた。
「リュカは自由気ままなところがある。苦労するだろうが、しっかり捕まえておいてほしい」
「そうなのですよ。まあ、立場のせいで色々と縛られてきただけに、私たちは強く言えないの。甘やかしすぎたかしら」
国王と王妃は気のいい人たちだっただけに、メルヴィンは二人を騙すことになる罪悪感が湧いてきてどうしようもない。そしてリュカは両親に叱られないのをいいことに、宮殿では本当に自由にしている。
たとえば、海の見えるバルコニーへメルヴィンを招待すると言って無理矢理連れ出し、さらには街に繰り出そうとした。慌ててメルヴィンは日傘や帽子がないから、と引き留め、すると今度は踊らないかと誘ってきた。舞踏会でエスコートして踊るのかと思いきや、手本として見せられたのは庶民的なフォークダンスやタンゴだった。メルヴィンが正直に踊れません、と言うと逆に喜ばれた。
「これから覚えればいいんだよ。教え甲斐があるってものだ」
またある雨の日はメルヴィンの部屋に押しかけてきて、コーヒー片手に読書をしはじめた。何を読んでいるのかとメルヴィンが背表紙を覗くと、古代の舞台劇の解説書だった。それも悲恋ものだ。
「興味があるかい? 私は恋愛に関しては何でも好きでね、宮殿の図書室にある本はあらかた読んでしまった。新しい本が欲しいんだが、君のおすすめは?」
「そ、そうですね、北方のエッダなどいかがでしょう。帝国のように翻訳本があればいいのですけれど」
「へえ、それは知らなかった。そう言われてみれば神話にも恋愛はいくらでもある、北の異民族の、口伝の伝承も馬鹿にはできないか」
と、感心されてしまった。結局リュカはしばらく居座って、業を煮やしたメルヴィンが晩餐会の支度があるからとやんわり追い出した。
他にもまだある。どれもメラニーと思われているメルヴィンの関心を引こうとしているのだろう、何かと関わろうとしてくる。ただ、一線を越えることはなかった。そこは軽薄そうな雰囲気に反して律儀なもので、メルヴィンは安心したものだ。
しかし、そこまでされると、メルヴィンは申し訳ない気持ちになってきた。メラニーは決してリュカと結ばれることはない。いくら気を引こうとしてもだめなのだ、無益だ、無駄だ。そしてここにいるのはメラニーではなくメルヴィンだ。
だからどうか、これ以上口説こうとするのはやめてほしい。それがどうしても言えなくて、メルヴィンは次第に口数を減らしていった。
それをリュカはどう思ったのか、ある晴れた日の朝、メルヴィンの手を引いて、馬車へと乗り込んだ。行き先も告げられず、日傘と帽子と手袋を装備して、メルヴィンは黙ってついていく。リュカは何も言わず、馬車の窓から外を眺めていた。
まだ何かをするつもりなのだろうか。ここまで来ると、メルヴィンもうんざりしてきた。どうにか今から婚約を破棄できないだろうか、メルヴィンは色々と考えを巡らせてみるが、その間に目的地に着いてしまったようで、馬車が止まった。
リュカがメルヴィンの手を取って、馬車から降りる。
そこは、見渡すかぎりの丘陵地帯だった。青い草原が広がり、新芽の麦畑や糸杉の並ぶ街道が下に見える。牧歌的な風景に、海洋国家だと思っていたハドリアーナ王国の意外な一面を見たようで、メルヴィンは息を呑む。
すると、リュカは笑った。
「どうだい、気が晴れるだろう。君が思い悩んでいるようだから、遠出してみたんだ。何を悩んでいるんだい? 私にも言えないことかな」
心配そうな表情でそう気遣われてしまっては、メルヴィンもリュカをぞんざいに扱うわけにはいかない。
こんな一面もあるのか、とメルヴィンはリュカに対する評価を改める。ただの軽薄な男であれば、この風景の価値を見いだせはしない。そして口説きのバリエーションを増やしただけなら——この話にもついてはこれまい。
「殿下は、私が馬に乗れると、お嫌ですか?」
メルヴィンの突然の質問に、リュカは反応する。
「どういうことだい?」
「女性が乗馬を嗜むことははしたない、と前の婚約者に怒られましたの。乗馬のために女性が男性の服を着るなんて、性倒錯者だ、と」
それはとても保守的な考え方で、公爵家という高位貴族の家に生まれたドミニクは本当にそう思っていたのだろう。メルヴィンとて名家タランティオン侯爵家の生まれだ、そういう貴族の思想があることは承知の上だし、女装を強いられていることに抵抗がないわけではない。
だから、リュカがどう思うのだろう、もし嫌なら婚約破棄を考えてくれるのではないか。そんなことをメルヴィンは考えていた。
だが、驚くことにリュカはその話を聞いて、激しく憤っていた。
「そいつは馬鹿か? 男が女の格好をしようが、女が男の格好をしようが、個人の勝手じゃないか。ましてや乗馬だろう? 誰が男しか馬に乗ってはいけないなんて言った? どこの宗教にもそんな教義はないぞ」
——ああ、この人はきっと、女装しなければならない僕も男勝りなメラニーも馬鹿にすることはないに違いない。
それだけに、リュカと離れなければならなくなる未来が、とても悔しい。もし性別が逆なら、きっといい人だと思っていただろうから。
その思いは、メルヴィンの顔に出ていたらしく、リュカが戸惑っていた。
「どうしてそんな寂しそうな顔をするんだ?」
メルヴィンは頭を横に振る。
「殿下がそうおっしゃってくださって、少しは気が晴れました。戻りましょうか」
メルヴィンが踵を返す。
しかし、ヒールが地面から頭を出していた石の表面に蹴つまずいた。予想外のことに体勢を崩すメルヴィンへ、リュカが反射的に駆け出して支えようとする。
「危ない、メラニー!」
差し出されたリュカの腕が、メルヴィンの背中へ回される。間近に迫ったリュカの体に、メルヴィンは思わず抱きついた。どちらも体勢が悪かった、そのまま地面に倒れ込む。メルヴィンは庇ってくれたリュカのおかげで地面とのキスは免れたが——。
何だかおかしい。咄嗟にリュカの胸板に手が当たった。そのはずなのだが、妙に柔らかかった。男性の肉体とは思えない、その感触にメルヴィンは混乱して慌てて手を離し、地面に手をついて、体を起こす。真下にいるリュカが、目を逸らした。その恥じらう様子に、まさか、ととんでもない考えがメルヴィンの頭を過ぎる。
「ん? え? 殿下……あの、今の感触は」
起き上がったリュカは、目も合わせずに、馬車を指差した。
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