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番外編:幽霊よりも怖いもの 1
しおりを挟む「しばらく夜勤はできない……?」
「……はい。ちょっと……都合がつかなくて……」
地下の研究室で、エリオットはミルトンという名の団員と面談していた。
「通常の日勤なら入れるんだよね」
「はい」
エリオットは手元の団員たちのシフト表に目を落とす。
ここ数日「夜勤はできない」「夜勤を入れないでほしい」という団員が増えてきている。ミルトンで五人目だ。
「都合っていうのは、家の都合? 家族の誰かの具合が悪いとか?」
「え? いえ、そ、そういうわけじゃ、ないんですけど……」
ミルトンはそこで口ごもってしまう。
おかしい。これまで「夜勤を入れないでほしい」と訴えてきた者たちも、理由を訊ねると言葉を濁してしまったのだ。
これは裏に何かありそうだな、と思う。
自分は団長として無理なシフトは組んでいないはずだ。
第七騎士団の夜勤は基本的に四人で入る。この場合の夜勤は、宿舎に戻らず詰所に泊まり込む状態のことを言う。
そして二人組で夜中の巡回を行い、詰所には二人が残る。留守番組は仮眠をとっておき、巡回組が戻ってきたら、少し間をおいて留守番していた者たちが巡回に出かけるやり方だ。
忙しい時期──夜のイベントが多い期間や祝祭日の前夜など──は、もっと大勢で夜勤をこなすが、最近の夜勤は四人体制が続いている。
巡回の時間やルートはランダムである。闇に乗じて悪さをする者に「いつ、どの辺を騎士が巡回する」と把握されるのはまずいからだ。
しかし善良な一般市民は騎士の巡回時間とルートは把握しておきたいだろう。何かあったときにすぐに助けを求められるように。そのため、第六騎士団と第八騎士団が定時巡回をおこなっていた。
「もしかして夜勤に入ったせいで、自分の体調が悪くなったりしてる?」
ほかの可能性を潰すために、エリオットはミルトンに一応訊ねる。
夜勤明けはなるべく非番になるようにシフトを組んでいるが、一度睡眠のリズムが崩れると、それを引きずって体調が悪くなる者もいるからだ。
そういうタイプは騎士としての資質には欠けるが、体調不良が続いて日勤すらまともにこなせなくなっても困る。だからエリオットはなるべく団員の希望に沿ってシフトを組んでいた。
「いえ、そういうことでもなくてですね……あ、いえ……そうかも……」
ミルトンの返事は相変わらず曖昧だが、これは肯定と受け止めるべきだろうか。
エリオットは首を傾げる。
夜勤に入ると手当てがつく。ミルトンはその手当てが欲しいと言って、これまで積極的に夜勤に入っていたのだ。夜勤が原因で体調を崩しているようには窺えないのだが……これはやはり、夜勤をやりたくない理由が別にあるのだろう。
エリオットはミルトンとシフト表を見比べた。
「実は君以外にも『夜勤を入れないでほしい』と言っている団員がいるんだよね」
「えっ……そ、そうなんですか?」
「うん。君で五人目。しかも皆、理由と態度が曖昧なんだ」
そう言ってミルトンをじっと見つめると、彼は唇を引き結んで俯いてしまった。
エリオットは続ける。
「夜間の巡回は第七騎士団の義務だ。もちろん夜勤に入りたい希望者メインでシフトを組んでいくけど……このペースで夜勤を拒否する団員が出てくると、人手が足りなくなってしまう」
「で、ですよね……」
「僕としては、ほんとうの理由が知りたいんだ。夜勤のとき、何かあったのかい?」
「え、そ、それは……別に……」
何かあるに違いなさそうだが、ミルトンは喋りたくないようだ。ではほかの四人ともう一度面談して、理由を探ってみよう。そう考えたとき、地下への階段を下りてくる足音が聞こえた。
その足音はだんだん大きくなってきて、エリオットの研究室の前で止まる。
「団長。あの、ちょっといいですか?」
廊下側からスコットの声がした。エリオットが「どうぞ」と答えると、扉が開いてスコットが入ってくる。
彼はミルトンの姿が目に入っていないようだ。エリオットの顔を見るなり情けない声を出した。
「団長! ぼく、もう夜勤に入るの嫌なんです……次から外してください!」
「スコット……君で六人目だ」
「え?」
スコットはそう言われてようやくミルトンがいることに気がついたようだ。ミルトンは気まずそうに視線を泳がせたが、スコットはそれでもエリオットをまっすぐに見た。
「お願いします。ぼくを夜勤から外してください」
「ええと……理由を聞いてもいい?」
「だって、夜中に……幽霊が出るんです!!」
「……は?」
思いもよらない答えが返ってきて、声が裏返ってしまった。
エリオットは咳払いして、スコットにゆっくりと訊ねる。
「スコット。もう一度、言ってくれるかい」
「夜中、詰所に幽霊が出るんです」
詰所に幽霊が出る?
もしかして夜勤を拒否した者たちは、それを恐れているのだろうか。
エリオットはシフト表を確認する。六人とも、ここ十日ほどの間に夜勤に入った者たちだ。
そこでミルトンに視線をやった。
「ミルトン。もしかして君も……?」
するとミルトンは顔を赤らめて俯き、肩をすぼめてしまった。彼からの返事はなかったが、これは図星と見ていいだろう。
ほかの団員たちも「幽霊を怖がっていることを知られるのが恥ずかしい」と思っているから、きっと曖昧な態度をとっていたのだ。
エリオットは幽霊などいるわけがないと考えている。存在しないものを恐れるなんてばかばかしいと思う。皆「幽霊ではない何か」を幽霊だと思い込んでいるだけではないのだろうか。それに夜勤を拒否する団員が続出するのは困る。
「これは調べる必要があるな……ほかの団員たちを一階に集めてくれる?」
エリオットはミルトンとスコットに団員の招集を頼み、研究室を出た。
エリオットの聞き取りの結果、夜勤の拒否を申し出た六人のほかにも「物音を聞いた」「建物の中に誰かいたような気がした」という団員たちが複数いた。
幽霊を怖がっているのは自分だけではなかったと判明したせいか、夜勤を拒んだ団員たちは色々と喋りはじめた。
「二人が巡回に出ている間、詰所に二人残るじゃないですか」
「うん、そうなるね」
「オレ、二階の仮眠室に行こうとして廊下に出たんです。そしたら、廊下の奥のほうを黒っぽい何かが横切ったんですよ……!」
「……その『黒っぽい何か』を確認しに行かなかったの?」
「え!? い、嫌ですよ……怖いじゃないですか……!」
騎士としては確認しに行ってもらわなくては困るのだが……エリオットはそう思ったが、そこは「なるほど」と答えておいた。
彼は仮眠室に行くことができず、詰所一階の床で外套に包まって眠ったという。
次に彼と一緒に詰所に残っていた団員に、その夜のことを訊ねる。
「巡回組が出発してすぐ、俺は便所に行って……それから仮眠室で休みましたね」
「君は何も見なかったの?」
「ええと、仮眠室で横になったときに、なんか足音みたいなのが聞こえたんですけど。ヒタヒタヒタ……って」
すると幽霊を信じている団員たちが「ヒイイ」と叫んで身体を縮こまらせた。
エリオットは彼らを横目に、会話を続ける。
「その足音の出所は確認しに行った?」
「え? いえ。誰か忘れ物でも取りに来たんだと思って気にしませんでした!」
「そうなんだ……」
そこは騎士として気にしてほしいところである。
エリオットは皆にわからぬよう、窓際にいるテレサにちらりと視線をやった。
彼女は興味深そうに耳を傾けているが、怖がっているそぶりはない。
部屋の隅では大の男たちが震えて肩を寄せ合っていたから、騎士団唯一の女性であるテレサが動じていないのは頼もしい。
「じゃあ、皆の話を統合すると……」
聞き取りでわかったことを黒板に纏めようとして、エリオットがチョークを手に取ったそのとき。
バタンッと大きな音を立てて部屋の扉が開き、
「お疲れちゃーーーん!!!」
そう言いながらマルコムが姿を現した。
「うわあああ!」
「ギャアアアア!!」
驚いた者たちが叫びながら、部屋のさらなる隅に逃げ込んでいく。
「え? 何!? 団長、なんかあったんすか?」
原因が自分だとわかっていないマルコムは部屋の様子を観察し、慌てたようにエリオットを振り返った。彼は馬の世話をしていて招集に気づかなかったようだ。
「……この建物の中で、幽霊騒ぎが起こっているんだ」
このような説明は幽霊を認めているようで癪だったが、これが一番手っ取り早いだろう。
「いま、その話をしていたから……君の登場に驚いたんだろう」
「え!? 幽霊っすか!?」
「うん。ここ十日くらいの出来事なんだけど、夜勤の団員が詰所の中で『何か』を見たり聞いたりしていてね。それが幽霊だって話になっているんだ」
「へえ。おもしれえ」
面白くはないと思うが、マルコムが幽霊を恐れていないようでホッとした。
「僕としては『幽霊のような何かの存在』を突き止めたいと思ってる」
エリオットはわかったことを黒板に書いていった。
「幽霊」は、詰所内の団員が二人だけになったときに現れること。
音や気配を感じたといっても、その正体をはっきり目にした者はいないこと。
またここ十日間で──つまり幽霊騒ぎがはじまってから──夜中に忘れ物を取りに戻った団員はいないこと。
「三つ目に関しては、今日非番の団員にも聞き取りを行ってみないとわからないけど」
エリオットはチョークを置いて手についた粉を払い、続けた。
「僕が思うに、これって野良ネコとかの動物なんじゃないの?」
野良ネコは警戒心が強いから、人数が少なくなったタイミングを見計らって忍び込んでくるのではないか。そして警戒心の強さや素早さのせいで、人間がその姿を確認するのが難しいのではないか。エリオットはそういった説明をした。
「けど、ネコって足音ほとんど立てないんじゃないですか?」
団員の一人がそう発言した。
確かに、人間の耳に「ヒタヒタ」という音が聞こえるような歩き方はしないかもしれない。
エリオットは少し考えて答える。
「じゃあ、大きなネズミとか、アライグマとか……それを追ってきた野良イヌとか。だって、詰所内にお菓子を置いてる人、結構いるよね? そういった食べ物を狙って動物が入ってきてるんだと僕は思うけど」
しかし幽霊肯定派の団員たちは首を振る。
「いえ、あれは動物じゃないと思います! オレが見た黒い影みたいなものは……もっと、高さがありました」
「高さって……人間くらいの身長ってこと?」
「はい。マルコムほどじゃないけど……でもスコットよりは大きかったかな……?」
そこまで目にしているなら、どうして正体をしっかり確認しにいってくれないのだろう。そう文句を言いたくなったが、残念なことに幽霊肯定派はエリオットが考えるよりも多い。「幽霊なんかいるわけがない」と言って彼らの恐怖心を強く否定するのは逆効果だと思った。
しかし成人男性ほどの身長がある野良の動物とはいったいなんだろう? 大きなサルやクマの可能性もあるが、そんな動物がこの辺に生息していたらもっと騒ぎになっているはずだ。
もうエリオット自身が詰所に泊まり込んで、その正体を確かめたほうが話は早いかもしれない。そう考えたとき、マルコムが大きな声で提案した。
「じゃあさ、幽霊捕まえようぜ! 団長! 俺、今夜の夜勤入っていいっすか?」
「え? う、うん……」
幽霊を捕まえる……?
エリオットは眉を顰めた。
マルコムは幽霊肯定派であったのだ。それを恐れいていないというだけで。
ほんとうに幽霊が存在しているとしても、実体がないと言われているものをどうやって捕まえるつもりなのだろう。
すると、今度はテレサが挙手した。
「面白そう! 私も夜勤入りたい!」
「おっ。じゃあ、テリーも一緒に罠作ろうぜ!」
なんと、テレサとマルコムは幽霊を捕まえるための罠作りについて相談しはじめている。
彼らは盥と木の棒、ロープを使って幽霊を捕まえるつもりらしい。それはどう見ても警戒心のない鳥を捕まえるときの雑な罠だった。
「そうだ。罠に仕込む幽霊のエサどうする?」
「あ、そっか。幽霊って普段何食べてるのかしら? んー……私が幽霊だったら、食堂のハンバーグにつられちゃうかなあ」
幽霊のエサ……?
エリオットは首を傾げる。
彼らは幽霊をなんだと思っているのだろう。
「ハンバーグかあ。けど、団長が言ってたじゃん。幽霊は菓子を盗み食いしに来てるって。菓子でよくないか?」
「じゃあ、クッキーとか?」
「ちょっと待ってちょっと待って」
エリオットは思わず二人の会話に突っ込んでいた。
自分は野良の動物がそうなんじゃないかと言っただけで、幽霊がお菓子を食べに来ているなんて一言も言っていない。話を勝手に混ぜないでほしい。
とにかく、この二人に任せていても何も解決しそうにないと思った。
「僕が捕まえる」
「えっ? 団長が? 幽霊を取り押さえるんですか?」
「そうじゃなくて」
マルコムの問いにエリオットは首を振り、咳払いして続けた。
「皆が幽霊だと考えているものの正体を僕があばく。魔法の罠を張って」
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