infinite love

谷山佳与

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第3章 恋人たちの休息日。編

ダンスタイム2。

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ディとのダンスは慣れたもので、軽やかに気軽に踊る事ができる。

「相変わらずリードうまいね」
「フィーに関しては踊りなれていますから。」
「それもそうね」

くすくす笑いながら、軽やかにステップを踏みくるくる回る。
途中何度かリフトアップされ頬を寄せ、それでも互いに笑みを浮かべながら踊る。その光景を見ていた他の生徒たちは、ディが見せた笑みにも見惚れていた。

先ほど龍と踊ったときも思ったのだけれど、普段笑わない人間が笑うと破壊力ってあるのね。って思う。
龍は私の前以外だと、氷の皇帝陛下で笑わないらしいし、ディは、愛想笑いが得意でリラックスした笑みなど、クラスメイトや生徒達は見ることはできないのだろうと思う。
見慣れている私ですらときめくのだから、他の女子生徒たちには特に効果は抜群だろう。
これ以上ディに惚れる人間が出ませんようにと願ってしまう。

恋心を自覚してからは、ちょっぴり心が狭くなったようで、独占欲も出てきた。
だけど、束縛とかはしたくないし、ディが私をちゃんと見てくれているのはわかっているので、落ち込まなくて済んでいる。

最後に後ろからきゅっと抱きしめられ、見上げればそのままキスをされた。
会場が大きくざわついたのはわかったが、特に気にした風もなく、離れてお辞儀をすると私は龍のところへ行くことにした。

「フィー、龍の傍から離れないでよ?」
「大丈夫。楽しんできて。」

ひらひらと手を振り、龍が待つば所へ向かうとディは次にダンスの約束をしている生徒のところへと向かっていった。

「おつかれ、なにか食べるか?」
「んー、とりあえずお水でいいかな。後で一緒にとりに行ってくれるとうれしい。」
「了解。それにしてもディは生き生きしてるな」
「大好きだかね、ダンス。どこにあんな体力あるのかしら?」
「いやぁ、フィーもバスケしている時あんな感じだぞ?」
「なら、やっぱりそういうものね」

と解決をさせると、ディが戻ってくるまでの二時間私は、龍と二人で会場の食事を少しずつ食べていった。
最後に食べていたのはケーキで、食べ終わった後珈琲を龍と二人でまったりとして飲みながら、ディの帰りを待っていた。

「お腹いっぱい」
「そりゃああれだけ食べればな。さて、そろそろ終わる時間だけれど、ディは相変わらず人気だな。途中何度か休憩入れていたけど、何人踊る気なんだろうな?」
「さぁ?でも、そろそろ眠たくなってきたから、終わらせてくれると助かるわ。」

ふわぁとあくびをかみ殺しながら、返事をすれば龍に頭をなでられた。

「特に閉会宣言とかしないから、帰るなら先に帰るか?」
「それしたら、拗ねるから、帰りたいとだけ伝えに行くわ。」
「あーそれがいいかもな。」

と、苦笑した龍に同意され、曲が切れた所でディの元へ行けば案の定ナチュラルハイの状態のディがいた。
眠たいから帰りたいといえば、わかったと二つ返事をし、とりあえず最後の子だけ踊ったら帰ろうという事だったので、再び龍のところへ戻りいすに座れば、襲い来る睡魔には勝てず
そのまま目を閉じた。
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