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第2章 学園祭編。
エスコートについて 2。
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大学部へ行く為昇降口を出たところでばったり龍と会った。
「フィー、さっき教室に来ていただろう?二時間くらい前。」
「あ、うんでも達也君に聞いたから大丈夫だよ?それに今からお願いしに行くところだし」
「・・・誰にするんだ?」
少し困った表情をした龍に首をかしげる。
「え?ギルバートだよ?」
「ギル・・・って誰だ?」
「お仕事仲間」
お仕事仲間といえばあぁと納得する。
そういえば大学部の方にゲストで来ていたなと。
「時間ないから今から「フィー!!!!」」
言葉をつなげる前に龍に力いっぱい引き寄せられ庇う様に抱きしめられた。と同時に
ガシャン!!!
と陶器の割る音がした。
隙間から音のする方を見れば割れた鉢植えが1つあった。
内心舌打ちをしながらも校舎を見上げる。
三階部分に鉢植えがいくつか置いてあるが落ちそうな雰囲気ではない。
左右の廊下を見るも、下から見える範囲で不審な動きをするような人物はいない。
もちろん龍のファンも。
龍の声に何人か何があったんだと見ている。
あの警告の手紙をもらっているからこれは、人為的なものだろう。
「大丈夫か?」
「あ?うん。ちょっとびっくりしたけど怪我もしてないし大丈夫。ありがとう」
離れようと思ったとき明るい声が龍の後ろから聞こえてきた。
『あら~。ソフィすみに置けないわね。私というものがありながら』
その声に龍の腕から離れて声の主ギルの元へと走っていった。
『ちょっと、助けてもらっただけだよ~。それよりギルにお願いがあるんだけれど?』
『あらお姫様のお願いならなんだって聞いてあげちゃうわ』
『私とミスコンに出てくれない?条件にあてはまるのギルしかいなくて。』
『エスコートね。任せて!張り切ってしちゃうから』
両手をぎゅっと握ると笑顔で了承を得ることができた。
『あの、フィー?この人がギルバートさん??』
『そうだよ。ギル幼馴染の龍也。この高等部の現生徒会長だよ』
『はじめまして。私のお姫様がお世話になっているみたいで』
『いえ、こちらこそフィーとは仲良くさせてもらってます』
表面上はにこやかな笑みを浮かべているんだけど握手を交わす二人のあいだにはピリピリとした空気が流れる。
それより私はいつギルのものになったのだろうか?
些細な事を気にしつつも一度ロッカーに荷物を取りに行く。
正確には手紙だ。
あんな事があったあとだ必ず何かしら手紙が入っているはず。
ロッカーを開くと案の定大量の手紙が入っていた。
暇人どもめ!!
内心悪態を付きながらも手紙を回収する。
からかってくるかと思ったギルの反応はなく、見上げると眉間にしわを寄せ何かを考えている表情をしていた。
『どうかした?』
『いいえ?これ仕分けするんでしょう?手伝うわ。』
そう言ってロッカーに入っていた手紙の半分を持ってくれた。
ペーパーナイフを持ち出すとそのまま会場へと一先ず向かうことにした。
早く行かないとディが心配するに決まっている。
会場につき、ステージ衣装を選ぶことにした。テーマが“デート”なら普段しているカップルコーデで十分だ。
シンプルなデザインを選ぶと手紙の開封作業を開始した。
『多少の嫉妬は可愛いと思うわ。むしろして欲しいくらい。だけどここまで来ると正直男としては引くわ~』
会場の一角に設けられた個人の控え室でギルと開封した手紙を仕分けしていく
全て開いたあとその中で特に気になるものが2つ入っていた。
封筒には入っていない。
新聞の切り抜きを使った手紙。
『“コンテストに出場するな”と“16時に体育館裏に来い”か、典型的というかなんというか』
『どちらもとりあえずスルーかしら?コンテストには出るし、呼び出しには応じない。』
不必要な手紙はゴミ箱に捨てる。
勿論中身がわからない様に袋に入れてだ。
コンテストが始まるまで、少し考えることにした。
あのこだと確信が欲しい。
ゆっくりと私は目をとじた。
「フィー、さっき教室に来ていただろう?二時間くらい前。」
「あ、うんでも達也君に聞いたから大丈夫だよ?それに今からお願いしに行くところだし」
「・・・誰にするんだ?」
少し困った表情をした龍に首をかしげる。
「え?ギルバートだよ?」
「ギル・・・って誰だ?」
「お仕事仲間」
お仕事仲間といえばあぁと納得する。
そういえば大学部の方にゲストで来ていたなと。
「時間ないから今から「フィー!!!!」」
言葉をつなげる前に龍に力いっぱい引き寄せられ庇う様に抱きしめられた。と同時に
ガシャン!!!
と陶器の割る音がした。
隙間から音のする方を見れば割れた鉢植えが1つあった。
内心舌打ちをしながらも校舎を見上げる。
三階部分に鉢植えがいくつか置いてあるが落ちそうな雰囲気ではない。
左右の廊下を見るも、下から見える範囲で不審な動きをするような人物はいない。
もちろん龍のファンも。
龍の声に何人か何があったんだと見ている。
あの警告の手紙をもらっているからこれは、人為的なものだろう。
「大丈夫か?」
「あ?うん。ちょっとびっくりしたけど怪我もしてないし大丈夫。ありがとう」
離れようと思ったとき明るい声が龍の後ろから聞こえてきた。
『あら~。ソフィすみに置けないわね。私というものがありながら』
その声に龍の腕から離れて声の主ギルの元へと走っていった。
『ちょっと、助けてもらっただけだよ~。それよりギルにお願いがあるんだけれど?』
『あらお姫様のお願いならなんだって聞いてあげちゃうわ』
『私とミスコンに出てくれない?条件にあてはまるのギルしかいなくて。』
『エスコートね。任せて!張り切ってしちゃうから』
両手をぎゅっと握ると笑顔で了承を得ることができた。
『あの、フィー?この人がギルバートさん??』
『そうだよ。ギル幼馴染の龍也。この高等部の現生徒会長だよ』
『はじめまして。私のお姫様がお世話になっているみたいで』
『いえ、こちらこそフィーとは仲良くさせてもらってます』
表面上はにこやかな笑みを浮かべているんだけど握手を交わす二人のあいだにはピリピリとした空気が流れる。
それより私はいつギルのものになったのだろうか?
些細な事を気にしつつも一度ロッカーに荷物を取りに行く。
正確には手紙だ。
あんな事があったあとだ必ず何かしら手紙が入っているはず。
ロッカーを開くと案の定大量の手紙が入っていた。
暇人どもめ!!
内心悪態を付きながらも手紙を回収する。
からかってくるかと思ったギルの反応はなく、見上げると眉間にしわを寄せ何かを考えている表情をしていた。
『どうかした?』
『いいえ?これ仕分けするんでしょう?手伝うわ。』
そう言ってロッカーに入っていた手紙の半分を持ってくれた。
ペーパーナイフを持ち出すとそのまま会場へと一先ず向かうことにした。
早く行かないとディが心配するに決まっている。
会場につき、ステージ衣装を選ぶことにした。テーマが“デート”なら普段しているカップルコーデで十分だ。
シンプルなデザインを選ぶと手紙の開封作業を開始した。
『多少の嫉妬は可愛いと思うわ。むしろして欲しいくらい。だけどここまで来ると正直男としては引くわ~』
会場の一角に設けられた個人の控え室でギルと開封した手紙を仕分けしていく
全て開いたあとその中で特に気になるものが2つ入っていた。
封筒には入っていない。
新聞の切り抜きを使った手紙。
『“コンテストに出場するな”と“16時に体育館裏に来い”か、典型的というかなんというか』
『どちらもとりあえずスルーかしら?コンテストには出るし、呼び出しには応じない。』
不必要な手紙はゴミ箱に捨てる。
勿論中身がわからない様に袋に入れてだ。
コンテストが始まるまで、少し考えることにした。
あのこだと確信が欲しい。
ゆっくりと私は目をとじた。
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