infinite love

第１章 学園編入編。

交換留学生。

九月某日
私立カリストゥス学院高等部
高等部校長室前
黒に近いブロンドの髪をひとつに纏め、レースをあしらったリボンで結んでいてパンフレットを読んでいる少女とその少女より頭一つ分大きいハニーブラウンのふわふわした髪の少年が立っていた。

『日本で一位二位を争う超有名な進学校で、幼稚舎から大学院まである超マンモス校
国立桜ヶ丘学院と同等レベルの学院都市である。なお、アメリカの聖パウロ学園とは姉妹校でもあり、交換留学に力を入れている・・・・・と。』
『そんなのパンフレット見なくてもアメリカ発つ前にルイスやイブに説明してもらってとっくに記憶しているのに、どうしたの？フィー？』
『うん、いや大学まで卒業して再び高校生って何かの嫌がらせ？』
『それを言うなら僕は成人しているのだけど。』
『うん、それに関してはドンマイ』

フィーと呼ばれた少女は手に持っていたパンフレットで隣にいた少年の肩を軽く叩く。

『・・・職権乱用という名の上官命令恐怖政治・・・。とりあえず中入ろうか。』
『そうだね。』

苦笑しながらも扉をノックし返事を待ってから中へと入る。
中に入れば、優しそうだけど少し厳しそうな雰囲気をまとった中年の男性が座っていた。

「はじめまして。聖パウロ学院より、交換留学で半年間お世話になります。ソフィア・ジュディ・スチュアートです。」
「ダニエル・ディ・ウィリアムです。よろしくお願いします。」
「二人とも日本語が上手ですね。短い期間ではありますが、しっかりとここで学べることを学んで帰国してください。」

校長室で簡単な挨拶と転入手続きをして、迎えにきたクラス担任と共に教室へと案内された。
担任に呼ばれ教室に入れば、ざわつきは一層大きくなった。
ある程度は予想していた。
この外見だ。注目されるのは理解していたのだが、そんなにざわつくようなことだろうか？
疑問符を浮かべながらクラスメイトを観察していると担任から紹介をされた。

「紹介するぞ、今回の交換留学生の二人だ。手前がソフィア・ジュディ・スチュアート。隣がダニエル・ディ・ウィリアムだ。半年だが仲良くするように。」

ただそれだけで、特に自己紹介はしなくていいみたいだ。
だが、自己紹介をしなかったということは、このあとは質問攻めだろうなと思った。