22 / 84
第1章 はじめまして平安京編
梨壷。
しおりを挟む
梅壷へ戻ると春宮様の説明は終っており、何故か私は好奇の目に晒された。何故??
皆が移動してもしなくてもどちらでも構わないので、舞えるスペースを確保すると、簡易の祓いの舞を舞い始める。
1度全体を完全に浄化した後なのでいとも簡単に浄化は完了する。
琥珀に鈴を出してもらうと軽やかに舞浄化を終わらせれば、拍車喝采だった。
うん、皆いい顔。大丈夫そうだね。
にっこり笑えば、頬を染められた。今のどこにトキメキポイントあるの?
首をかしげながらも、春宮様のもとへ行き報告をすれば、ありがとう。と言われ頭を撫でられた。
周りがざわついたのは言うまでもない。
春宮様付きの陰陽師になって早1ヶ月。
梨壷の春宮様のお住いにて強制的に寝食を共にする様になった。
この時代の皇太子としては、かなりフランクな気がする。
お陰で色々と話す機会があり、非常に助かっている。
今も、お仕事をされている隣で待機中です。
何故か春宮様は、私がひとり歩きする事を非常に嫌がるのだ。
帝に何か言われたとは、思えない。
女だと知れれば、違った形ではあれ1度安倍邸へ戻されるだろう。
その後は安易に想像ができる。
パタパタと鳥の羽音が聞こえそちらへ向けると、1羽の鳥が室内へ入ってきた。
もちろん、これは晴明様からの式だ。
「晴明からか?」
「はい。今朝私が飛ばした文の返事でしょう。」
私の手が触れれば文となる。
あれから変なことも起こらず平穏な日々を送っている。
そろそろ安倍邸に戻っていい気もするがそれを許さないのが春宮様で、今もまだ梨壷に住んでいる。
そして、あの事件以降梅壷の方々には良くしてもらっている。
ありがたい。
「春宮様、私1人でそろそろ動きたいのですが。」
「あれ程方向を間違うのにか?」
「ぐっ、それは、大丈夫です。ちょっと確認したいこともございますし。春宮様が一緒だと確認できませんし。」
「ダメだ。」
「何でですか?知ってます?最近春宮様は私と恋仲だとか言われているんですよ?つまりは男色かと疑われて居るのですが!この1ヶ月で!」
「好きに言わせておればいいだろう?」
「良くないです!!」
全力でキッパリ言えば、春宮様は少し驚いた表情をした。
声を荒らげたのは事実だし、それに驚いたとしても驚きすぎだ。
「時平、ちょっといいか?」
「あ、えっ?えっ?見えてる?!」
「力を強めたからな。」
「時平、そこの方はどなたかな?」
春宮様の言葉を無視した、朱桜は私をヒョイっと抱き上げた。
「ちょっと!えと、春宮様一刻程下がらせて頂いても?」
「その人が誰か答えたらと、何処に行くかを伝えてくれれば。」
「私が使役している者です。普通は見えません。局に1度下がります。」
「一刻したら、迎えに行く。」
その言葉を聞くや否や朱桜は今私が寝泊まりしている局へと向かってくれた。
皆が移動してもしなくてもどちらでも構わないので、舞えるスペースを確保すると、簡易の祓いの舞を舞い始める。
1度全体を完全に浄化した後なのでいとも簡単に浄化は完了する。
琥珀に鈴を出してもらうと軽やかに舞浄化を終わらせれば、拍車喝采だった。
うん、皆いい顔。大丈夫そうだね。
にっこり笑えば、頬を染められた。今のどこにトキメキポイントあるの?
首をかしげながらも、春宮様のもとへ行き報告をすれば、ありがとう。と言われ頭を撫でられた。
周りがざわついたのは言うまでもない。
春宮様付きの陰陽師になって早1ヶ月。
梨壷の春宮様のお住いにて強制的に寝食を共にする様になった。
この時代の皇太子としては、かなりフランクな気がする。
お陰で色々と話す機会があり、非常に助かっている。
今も、お仕事をされている隣で待機中です。
何故か春宮様は、私がひとり歩きする事を非常に嫌がるのだ。
帝に何か言われたとは、思えない。
女だと知れれば、違った形ではあれ1度安倍邸へ戻されるだろう。
その後は安易に想像ができる。
パタパタと鳥の羽音が聞こえそちらへ向けると、1羽の鳥が室内へ入ってきた。
もちろん、これは晴明様からの式だ。
「晴明からか?」
「はい。今朝私が飛ばした文の返事でしょう。」
私の手が触れれば文となる。
あれから変なことも起こらず平穏な日々を送っている。
そろそろ安倍邸に戻っていい気もするがそれを許さないのが春宮様で、今もまだ梨壷に住んでいる。
そして、あの事件以降梅壷の方々には良くしてもらっている。
ありがたい。
「春宮様、私1人でそろそろ動きたいのですが。」
「あれ程方向を間違うのにか?」
「ぐっ、それは、大丈夫です。ちょっと確認したいこともございますし。春宮様が一緒だと確認できませんし。」
「ダメだ。」
「何でですか?知ってます?最近春宮様は私と恋仲だとか言われているんですよ?つまりは男色かと疑われて居るのですが!この1ヶ月で!」
「好きに言わせておればいいだろう?」
「良くないです!!」
全力でキッパリ言えば、春宮様は少し驚いた表情をした。
声を荒らげたのは事実だし、それに驚いたとしても驚きすぎだ。
「時平、ちょっといいか?」
「あ、えっ?えっ?見えてる?!」
「力を強めたからな。」
「時平、そこの方はどなたかな?」
春宮様の言葉を無視した、朱桜は私をヒョイっと抱き上げた。
「ちょっと!えと、春宮様一刻程下がらせて頂いても?」
「その人が誰か答えたらと、何処に行くかを伝えてくれれば。」
「私が使役している者です。普通は見えません。局に1度下がります。」
「一刻したら、迎えに行く。」
その言葉を聞くや否や朱桜は今私が寝泊まりしている局へと向かってくれた。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
秋津皇国興亡記
三笠 陣
ファンタジー
東洋の端に浮かぶ島国「秋津皇国」。
戦国時代の末期から海洋進出を進めてきたこの国はその後の約二〇〇年間で、北は大陸の凍土から、南は泰平洋の島々を植民地とする広大な領土を持つに至っていた。
だが、国内では産業革命が進み近代化を成し遂げる一方、その支配体制は六大将家「六家」を中心とする諸侯が領国を支配する封建体制が敷かれ続けているという歪な形のままであった。
一方、国外では西洋列強による東洋進出が進み、皇国を取り巻く国際環境は徐々に緊張感を孕むものとなっていく。
六家の一つ、結城家の十七歳となる嫡男・景紀は、父である当主・景忠が病に倒れたため、国論が攘夷と経済振興に割れる中、結城家の政務全般を引き継ぐこととなった。
そして、彼に付き従うシキガミの少女・冬花と彼へと嫁いだ少女・宵姫。
やがて彼らは激動の時代へと呑み込まれていくこととなる。
※表紙画像・キャラクターデザインはイラストレーターのSioN先生にお願いいたしました。
イラストの著作権はSioN先生に、独占的ライセンス権は筆者にありますので無断での転載・利用はご遠慮下さい。
(本作は、「小説家になろう」様にて連載中の作品を転載したものです。)
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
未来人が未開惑星に行ったら無敵だった件
藤岡 フジオ
ファンタジー
四十一世紀の地球。殆どの地球人が遺伝子操作で超人的な能力を有する。
日本地区で科学者として生きるヒジリ(19)は転送装置の事故でアンドロイドのウメボシと共にとある未開惑星に飛ばされてしまった。
そこはファンタジー世界そのままの星で、魔法が存在していた。
魔法の存在を感知できず見ることも出来ないヒジリではあったが、パワードスーツやアンドロイドの力のお陰で圧倒的な力を惑星の住人に見せつける!
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる