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第3章 絡まった糸をたぐり寄せれば編
溢れ出した感情は君のもの〜春宮side 2〜
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北舎に戻るかと思えば、宣言通り塗篭の私の褥の横に、自身の褥を準備させ同じ室で眠る事にしていて、菊華を迎えるに辺り少し寝不足だということも見抜かれてしまった。
五節舞の時同様、目元を小さな手で覆われて、そのまま眠りについた。
明方、少しだけ意識が浮上した私は傍らにある温もりに驚きはしたものの、そのまま抱き寄せ再びまぶたを閉じた。
しっかりと目を覚ましたときには、隣に菊華の姿は無く、自身の希望による夢でも見ていたのかと一瞬頭を過ぎるが、隣にきちんと畳まれた褥と、外から聞こえる何かがぶつかる高い音が聞こえ、肩から少し羽織ると、簀子へと出た。
庭では、朱色の髪の男、朱雀殿と同じく高い位置で高く髪を結った菊華が、剣の稽古をしていた。
互いに発せられる圧は右近衛の武官達よりも鋭く、一瞬も気が抜けない状況だ。
「朱桜!!」と菊華が叫び声に高欄に付いていた肘を起こした。
すると地面に、晴明がよく使う絵柄が現れ光を放った。
そして、「疲れたー。」というように菊華は地面へ大きく寝転がるような体制で後方に倒れた。
そこでようやく気がついたのか、菊華は身体を起こし、朱雀殿に抱きとめられ少し何かを話している封ではあるが、首を捻っていた。
湯殿へ行った菊華を余所に、朱雀殿と白虎殿が口を開いた。
「主が望むことだからいいけれど、泣かしたら容赦しない。」
「彼女が笑っているのであれば、どこに嫁ごうと問題は無い。それより今日、春宮との力の混ざり具合で少し酔っている状況だから、外に出すなよ?出せば確実に、変な男が寄ってくる。」
二人は私にそう忠告をして、梨壺から外へ出かけていった。
力が混ざるということが分からないが、菊華の具合がよろしくないのであれば、今日はゆっくりこの殿舎で過ごそう。
敦平が置いていった書簡に目を通し、朝餉を食べ終えたあと、菊華から抱きしめられた。
先日から思っていたのだが、菊華は私によく触れてくる。
それに対して嫌悪は無いし、むしろ心が嬉しすぎてざわつく。
何より接吻を良く好んでしてくるのはいいのだが、正直こちらの理性を試されているようで、ただ単に触れたいだけなのか、菊華の真意はよくわからない。
誰とでもするのか?と尋ねれば、神将たちとしかしない。とのこと。
そして、理由として自身の力の暴走や、溜め込みすぎて命に関わるくらい体調を崩す体ということを言っていた。
霊力も神力もかなり強いと晴明が言っていたので、そのあたりが関わっているのだろうと、納得すると
満足気に胸元に擦り寄られ、そして猫のように眠りに着いた。
「私の思いを知っていて、このようなことを試しているのか?それとも自覚は無いが菊華自身同じ想いだとうぬぼれていいのだろうか・・・?」
穏やかに眠る菊華の額に唇を寄せ、しっかりと抱きしめ、起こさぬようにと抱きよせた。
五節舞の時同様、目元を小さな手で覆われて、そのまま眠りについた。
明方、少しだけ意識が浮上した私は傍らにある温もりに驚きはしたものの、そのまま抱き寄せ再びまぶたを閉じた。
しっかりと目を覚ましたときには、隣に菊華の姿は無く、自身の希望による夢でも見ていたのかと一瞬頭を過ぎるが、隣にきちんと畳まれた褥と、外から聞こえる何かがぶつかる高い音が聞こえ、肩から少し羽織ると、簀子へと出た。
庭では、朱色の髪の男、朱雀殿と同じく高い位置で高く髪を結った菊華が、剣の稽古をしていた。
互いに発せられる圧は右近衛の武官達よりも鋭く、一瞬も気が抜けない状況だ。
「朱桜!!」と菊華が叫び声に高欄に付いていた肘を起こした。
すると地面に、晴明がよく使う絵柄が現れ光を放った。
そして、「疲れたー。」というように菊華は地面へ大きく寝転がるような体制で後方に倒れた。
そこでようやく気がついたのか、菊華は身体を起こし、朱雀殿に抱きとめられ少し何かを話している封ではあるが、首を捻っていた。
湯殿へ行った菊華を余所に、朱雀殿と白虎殿が口を開いた。
「主が望むことだからいいけれど、泣かしたら容赦しない。」
「彼女が笑っているのであれば、どこに嫁ごうと問題は無い。それより今日、春宮との力の混ざり具合で少し酔っている状況だから、外に出すなよ?出せば確実に、変な男が寄ってくる。」
二人は私にそう忠告をして、梨壺から外へ出かけていった。
力が混ざるということが分からないが、菊華の具合がよろしくないのであれば、今日はゆっくりこの殿舎で過ごそう。
敦平が置いていった書簡に目を通し、朝餉を食べ終えたあと、菊華から抱きしめられた。
先日から思っていたのだが、菊華は私によく触れてくる。
それに対して嫌悪は無いし、むしろ心が嬉しすぎてざわつく。
何より接吻を良く好んでしてくるのはいいのだが、正直こちらの理性を試されているようで、ただ単に触れたいだけなのか、菊華の真意はよくわからない。
誰とでもするのか?と尋ねれば、神将たちとしかしない。とのこと。
そして、理由として自身の力の暴走や、溜め込みすぎて命に関わるくらい体調を崩す体ということを言っていた。
霊力も神力もかなり強いと晴明が言っていたので、そのあたりが関わっているのだろうと、納得すると
満足気に胸元に擦り寄られ、そして猫のように眠りに着いた。
「私の思いを知っていて、このようなことを試しているのか?それとも自覚は無いが菊華自身同じ想いだとうぬぼれていいのだろうか・・・?」
穏やかに眠る菊華の額に唇を寄せ、しっかりと抱きしめ、起こさぬようにと抱きよせた。
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