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第一部 クリスマスlive編
アイドルと私。
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私岡崎千春17歳
聖ルチア女学院高等部に通う三年生だ。
先生の用事を済ませ教室へ戻ってきたらクラスメイトが浮き足立っていた。
「どうしたの?」
「明日の祝会に外部からゲストを呼ぶでしょう?」
「あぁ、あのシークレットゲスト?」
「今年は姉妹校の縁で”FRONTIER”がライブするって情報が回ってきた見たいよ?」
「へ、へぇ〜、信憑性は?」
「理事長先生達が話しているのを聞いたらしいよ?」
そう。
と曖昧な返事をした。
”FRONTIER”は今一番人気のアイドルグループだ。
KANA、HINA、HARUの三人組で、私が通う聖ルチア女学院の姉妹校である桜ケ丘学院に通っている生徒でもある。
そのおかげで明日の祝会・・・、クリスマス祝会に呼べたらしいのだが正直私にとっては迷惑以外のなにものでもない。
FRONTIERのメンバーの二人は私の血のつながった兄弟だったりする。
小学校までは同じ桜ケ丘学院に通っていたのだが、小さい頃からかっこよかった二人は女子にとてもモテた。
兄弟にも関わらず、気に入らないと思う理不尽な女子はいるわけで、女子特有の嫉妬とか色々あり、それが嫌になって中等部から聖ルチア女学院に編入したのだ。
しかも転校するまで二人にも話してなかったら、そりゃあ怒られたけど私の気持ちも尊重して欲しいのと、兄弟離れして欲しくて黙っていた。
兄弟のなかで唯一の紅一点である私は両親からも、兄弟からも溺愛されて育った。
それは別に嬉しいのだが、常にベッタリと傍にいられると、さすがの私も嫌になる。
両親は年頃の女の子特有のものだろうということで、許可はもぎ取っている。
が、それが今になってこんな形で学校に関わってくるとは思わなかった。
バレたら平和な女子校ライフが全て終わりだ。
そのためには、絶対見つからないようにすることと、関わらない事。
明日一日逃げ切れば大丈夫だと決心する。
「千春、今日最終の衣装合せでしょう?私もだから一緒に行こう?」
「そうだ、それもあったんだ。やっぱりウィッグ着用しなきゃいけないのかな?」
「一応男性役だし?皆の目の保養になるんじゃないかな?」
「ならなくていい・・・・。」
力なく机につっぷせば、隣の席で中等部一年から寮でも同室の愛美が頭を撫でてくれた。
とりあえず祝会の三年生の出し物は二手に分かれる。
降誕劇のページェントかミュージカルか。
そして私と愛美はミュージカルの主役二人に選ばれた。
演目は眠れる森の美女。
そう、王子役をやるのだ。必然的に男装。
正直投げ出したいけど投げ出せないそんな状況だ。
「もういい!さっさと終わらせよう愛美!」
「うん。」
勢い良く立ち上がると愛美と共に教室を後にした。
聖ルチア女学院高等部に通う三年生だ。
先生の用事を済ませ教室へ戻ってきたらクラスメイトが浮き足立っていた。
「どうしたの?」
「明日の祝会に外部からゲストを呼ぶでしょう?」
「あぁ、あのシークレットゲスト?」
「今年は姉妹校の縁で”FRONTIER”がライブするって情報が回ってきた見たいよ?」
「へ、へぇ〜、信憑性は?」
「理事長先生達が話しているのを聞いたらしいよ?」
そう。
と曖昧な返事をした。
”FRONTIER”は今一番人気のアイドルグループだ。
KANA、HINA、HARUの三人組で、私が通う聖ルチア女学院の姉妹校である桜ケ丘学院に通っている生徒でもある。
そのおかげで明日の祝会・・・、クリスマス祝会に呼べたらしいのだが正直私にとっては迷惑以外のなにものでもない。
FRONTIERのメンバーの二人は私の血のつながった兄弟だったりする。
小学校までは同じ桜ケ丘学院に通っていたのだが、小さい頃からかっこよかった二人は女子にとてもモテた。
兄弟にも関わらず、気に入らないと思う理不尽な女子はいるわけで、女子特有の嫉妬とか色々あり、それが嫌になって中等部から聖ルチア女学院に編入したのだ。
しかも転校するまで二人にも話してなかったら、そりゃあ怒られたけど私の気持ちも尊重して欲しいのと、兄弟離れして欲しくて黙っていた。
兄弟のなかで唯一の紅一点である私は両親からも、兄弟からも溺愛されて育った。
それは別に嬉しいのだが、常にベッタリと傍にいられると、さすがの私も嫌になる。
両親は年頃の女の子特有のものだろうということで、許可はもぎ取っている。
が、それが今になってこんな形で学校に関わってくるとは思わなかった。
バレたら平和な女子校ライフが全て終わりだ。
そのためには、絶対見つからないようにすることと、関わらない事。
明日一日逃げ切れば大丈夫だと決心する。
「千春、今日最終の衣装合せでしょう?私もだから一緒に行こう?」
「そうだ、それもあったんだ。やっぱりウィッグ着用しなきゃいけないのかな?」
「一応男性役だし?皆の目の保養になるんじゃないかな?」
「ならなくていい・・・・。」
力なく机につっぷせば、隣の席で中等部一年から寮でも同室の愛美が頭を撫でてくれた。
とりあえず祝会の三年生の出し物は二手に分かれる。
降誕劇のページェントかミュージカルか。
そして私と愛美はミュージカルの主役二人に選ばれた。
演目は眠れる森の美女。
そう、王子役をやるのだ。必然的に男装。
正直投げ出したいけど投げ出せないそんな状況だ。
「もういい!さっさと終わらせよう愛美!」
「うん。」
勢い良く立ち上がると愛美と共に教室を後にした。
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