59 / 101
本編
59
しおりを挟む
そしていよいよ狩猟大会の日がやってきた。
俺はこの日のためにザックに渡すハンカチに刺繍を施していた。テーマは公爵家の象徴である赤い目の鷲だ。それなりのものをプレゼントしなければと思ってこれを選んだが、少し難しすぎてあまり良い出来にはならなかった。
だけど作り直す時間もなかったので仕方なくこれを渡すことにする。
(ザック、こんなので喜んでくれるかな・・・)
いや、本当はザックなら必ず喜んでくれると分かっている。それでも、自信のないものを渡すのには勇気が必要だった。
ザックは肩慣らしも踏まえて先に会場へ向かったので俺はカインと共に後からやってきている。
「どう?ハンカチはできた?」
「ああ、一応は・・・」
そう言ってそっと刺繍したハンカチを見せる。
「ふ、ふふっ・・・かわいい刺繍だね。」
笑いを噛み殺したような声を漏らすカインにしかめ面で返す。
「笑うなら笑えよ。」
「ごめんごめん。でも一生懸命縫ったんだなっていうのは伝わるよ。」
「はぁ、やっぱり下手くそか・・・」
「いいじゃない。彼ならテイトからのプレゼントならゴミでも喜ぶさ。」
「ゴミって・・・」
「あ、このハンカチがゴミって訳じゃないよ?ちょっと歪なところも愛嬌があっていいじゃない。」
カインからのフォローが虚しい。出来が良くないのは分かっていたが笑われるほどとは・・・ザックには一人でいるときにコソッと渡そう。
そう思っていたのだが・・・
今大人気の公爵が一人になるタイミングなど当然なかった。そんなわけで、俺は大勢に囲まれているザックを木陰から見つめることしかできずにいる。
(どうしたもんかな・・・)
このハンカチは相手の無事を祈っての物なので、本来は狩猟が始まる前に渡すべき物だ。だが途切れそうにもない人混みに、あの中に入ってこの出来の悪いハンカチを渡すのは躊躇われた。
「ねえ、そこで何してんの?」
「っ!レイ?」
そこには少し表情が暗いレイが立っていた。そしてレイは俺が覗いていた先を見て鼻で笑った。
「まだ公爵に付き纏っているわけ?」
「付き纏ってるって・・・別に俺は・・・」
「ふーん、こんなものまで作っちゃってさ。」
「あっ!」
手に持ってたハンカチを取り上げられる。それをふぁさっと広げたレイが笑い出した。
「ぷっ、何これ?ブッサイクな鳥。」
「うるさいな、返せよ。」
俺は取り返そうと手を伸ばすがヒョイっとかわされる。
「こんなの渡されたら公爵が迷惑する。」
そして、レイはそのハンカチを地面に落とし踏みつけた。
「おっと、ごめん。手が滑って落としちゃった。」
「あ・・・・・・」
踏まれたハンカチを慌てて拾って土を払う。でも当然綺麗にはならない。泥だらけのハンカチを手に気分が沈む。
今日に間に合わせようと片手で必死に縫ったのに、結局渡せないものになってしまった。
「なんでこんな事・・・」
「ふん、自分だけ幸せになろうなんて根性が気に食わないからさ。」
「自分だけ幸せに?」
「カインからは婚約者を奪って、僕からはカインを奪ったじゃないか。」
「別に俺は奪ってなんか・・・」
そんなことを話していると、隣で歓声が上がった。俺もレイも何事かとそちらを見ると、リリアンナ王女がザックの元へやってきていた。先程までは我こそはとザックに自分やその娘を売り込んでいた貴族たちも、王族の登場に道を空けている。
そしてリリアンナ王女が何やらザックに差し出した。恐らくハンカチだろう。周りの貴族たちがほめそやす。
「まあ、なんて繊細な刺繍なのかしら。」
「王女様と公爵様が並ぶと絵になりますね。」
「ええ、とってもお似合いだわ。」
その言葉のどれもが肯定的だった。自分がザックの隣に並んだ時とは違って。
王女から差し出されたハンカチを恭しく受けとろうとするザックに、俺は気付けば目を逸らしていた。
(これ以上見ていたくない。)
何だかそう思ってその場を離れようとした。だが突然レイに腕を掴まれて、それは叶わなかった。
「ほら、見てみなよ。公爵に王女がハンカチを渡してる。」
「そうだな・・・」
「今渡さないとチャンスはないよ?」
「は?」
お前がぐちゃぐちゃにしたくせに何を言ってるんだと言おうとしたら、レイは勢いよく俺の腕を掴んで人混みへと入っていく。
「公爵様!」
「え、ちょっと待てっ・・・」
制止も虚しく急に引っ張られて体制を崩した俺は、倒れ込むようにザックを囲う貴族たちの中央へと放り出された。
俺はこの日のためにザックに渡すハンカチに刺繍を施していた。テーマは公爵家の象徴である赤い目の鷲だ。それなりのものをプレゼントしなければと思ってこれを選んだが、少し難しすぎてあまり良い出来にはならなかった。
だけど作り直す時間もなかったので仕方なくこれを渡すことにする。
(ザック、こんなので喜んでくれるかな・・・)
いや、本当はザックなら必ず喜んでくれると分かっている。それでも、自信のないものを渡すのには勇気が必要だった。
ザックは肩慣らしも踏まえて先に会場へ向かったので俺はカインと共に後からやってきている。
「どう?ハンカチはできた?」
「ああ、一応は・・・」
そう言ってそっと刺繍したハンカチを見せる。
「ふ、ふふっ・・・かわいい刺繍だね。」
笑いを噛み殺したような声を漏らすカインにしかめ面で返す。
「笑うなら笑えよ。」
「ごめんごめん。でも一生懸命縫ったんだなっていうのは伝わるよ。」
「はぁ、やっぱり下手くそか・・・」
「いいじゃない。彼ならテイトからのプレゼントならゴミでも喜ぶさ。」
「ゴミって・・・」
「あ、このハンカチがゴミって訳じゃないよ?ちょっと歪なところも愛嬌があっていいじゃない。」
カインからのフォローが虚しい。出来が良くないのは分かっていたが笑われるほどとは・・・ザックには一人でいるときにコソッと渡そう。
そう思っていたのだが・・・
今大人気の公爵が一人になるタイミングなど当然なかった。そんなわけで、俺は大勢に囲まれているザックを木陰から見つめることしかできずにいる。
(どうしたもんかな・・・)
このハンカチは相手の無事を祈っての物なので、本来は狩猟が始まる前に渡すべき物だ。だが途切れそうにもない人混みに、あの中に入ってこの出来の悪いハンカチを渡すのは躊躇われた。
「ねえ、そこで何してんの?」
「っ!レイ?」
そこには少し表情が暗いレイが立っていた。そしてレイは俺が覗いていた先を見て鼻で笑った。
「まだ公爵に付き纏っているわけ?」
「付き纏ってるって・・・別に俺は・・・」
「ふーん、こんなものまで作っちゃってさ。」
「あっ!」
手に持ってたハンカチを取り上げられる。それをふぁさっと広げたレイが笑い出した。
「ぷっ、何これ?ブッサイクな鳥。」
「うるさいな、返せよ。」
俺は取り返そうと手を伸ばすがヒョイっとかわされる。
「こんなの渡されたら公爵が迷惑する。」
そして、レイはそのハンカチを地面に落とし踏みつけた。
「おっと、ごめん。手が滑って落としちゃった。」
「あ・・・・・・」
踏まれたハンカチを慌てて拾って土を払う。でも当然綺麗にはならない。泥だらけのハンカチを手に気分が沈む。
今日に間に合わせようと片手で必死に縫ったのに、結局渡せないものになってしまった。
「なんでこんな事・・・」
「ふん、自分だけ幸せになろうなんて根性が気に食わないからさ。」
「自分だけ幸せに?」
「カインからは婚約者を奪って、僕からはカインを奪ったじゃないか。」
「別に俺は奪ってなんか・・・」
そんなことを話していると、隣で歓声が上がった。俺もレイも何事かとそちらを見ると、リリアンナ王女がザックの元へやってきていた。先程までは我こそはとザックに自分やその娘を売り込んでいた貴族たちも、王族の登場に道を空けている。
そしてリリアンナ王女が何やらザックに差し出した。恐らくハンカチだろう。周りの貴族たちがほめそやす。
「まあ、なんて繊細な刺繍なのかしら。」
「王女様と公爵様が並ぶと絵になりますね。」
「ええ、とってもお似合いだわ。」
その言葉のどれもが肯定的だった。自分がザックの隣に並んだ時とは違って。
王女から差し出されたハンカチを恭しく受けとろうとするザックに、俺は気付けば目を逸らしていた。
(これ以上見ていたくない。)
何だかそう思ってその場を離れようとした。だが突然レイに腕を掴まれて、それは叶わなかった。
「ほら、見てみなよ。公爵に王女がハンカチを渡してる。」
「そうだな・・・」
「今渡さないとチャンスはないよ?」
「は?」
お前がぐちゃぐちゃにしたくせに何を言ってるんだと言おうとしたら、レイは勢いよく俺の腕を掴んで人混みへと入っていく。
「公爵様!」
「え、ちょっと待てっ・・・」
制止も虚しく急に引っ張られて体制を崩した俺は、倒れ込むようにザックを囲う貴族たちの中央へと放り出された。
50
お気に入りに追加
3,122
あなたにおすすめの小説
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
【完結】身売りした妖精姫は氷血公爵に溺愛される
鈴木かなえ
恋愛
第17回恋愛小説大賞にエントリーしています。
レティシア・マークスは、『妖精姫』と呼ばれる社交界随一の美少女だが、実際は亡くなった前妻の子として家族からは虐げられていて、過去に起きたある出来事により男嫌いになってしまっていた。
社交界デビューしたレティシアは、家族から逃げるために条件にあう男を必死で探していた。
そんな時に目についたのが、女嫌いで有名な『氷血公爵』ことテオドール・エデルマン公爵だった。
レティシアは、自分自身と生まれた時から一緒にいるメイドと護衛を救うため、テオドールに決死の覚悟で取引をもちかける。
R18シーンがある場合、サブタイトルに※がつけてあります。
ムーンライトで公開してあるものを、少しずつ改稿しながら投稿していきます。
ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました
中七七三
恋愛
わたしっておかしいの?
小さいころからエッチなことが大好きだった。
そして、小学校のときに起こしてしまった事件。
「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」
その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。
エッチじゃいけないの?
でも、エッチは大好きなのに。
それでも……
わたしは、男の人と付き合えない――
だって、男の人がドン引きするぐらい
エッチだったから。
嫌われるのが怖いから。
我が家に子犬がやって来た!
ハチ助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※①9/1時点では80話ちょっとで完結予定。
(話数増える可能性あり)
※②アルファポリスさんでは7時半頃と12時半頃に一日二話ずつ更新予定。
(↑9/12~15間は諸事情で20時半に毎日一話ずつ更新)
★『小説家になろう』では大分前から連載しており、こちらは週2話ずつで現在も連載中★
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
【本編完結】死んだはずのお師匠様は、総愛に啼く ~死んだと思われていた最強の男が、可愛くなって別の意味で無双するお話~
墨尽(ぼくじん)
BL
無自覚天然主人公の総愛され、総受けストーリーです
ファンタジー要素の濃いBLです
※コメディ要素、シリアス要素も含まれます
途中、BLか?と思うくらいファンタジー要素が濃くなる時があります。ご注意ください。
かなりR18要素が少ない作品です→続編にはR18も盛り込んでいます。苦手な方はご注意を。
ラブラブ要素より、ワチャワチャ要素が濃い目です
◎ストーリー概要
規格外に強い男、戦司帝は国の為に身を捧げ死んだ。そう思われていた
しかし彼は力の殆どを失って、青年の姿になって帰ってきた
実は昔から総愛されていた彼が、可愛くなって帰ってきて現場は大混乱
しかし彼は戦司帝に戻らず、身分を隠しながら荒んだ自国を立て直す事を決意
弱った身体ながら以前のように奮闘する彼に、王や弟子たちは翻弄されながらも手を貸すことに
そして最強だった彼にも、暗い過去が隠されていて、徐々に国の狂った部分が明らかになっていく
総愛です
注意点
〇主人公は美青年ですが、中身はおじさんです
〇ファンタジー要素多め(中華風です。和風も混じってます。あくまで風味です)
〇イチャラブを求めている人には物足りないかもです
◆後日談書き始めました!◆
※注意※
後日談には、R18要素が多めに含まれます。
性描写が含まれるシーンは話を分け、※印を付けます。苦手な方は※がついた話を読まないようにしていただければと思います。(お話の内容に支障はありません)
サブタイルに、攻めの名前を書きます。その話を読むか読まないか、ご自分で判断をお願いします。
例)「後日談 黒王 ※」←黒王が攻めで性描写あり
後日談ですので、お話に山場はありません。
気軽に読んで頂ければ、幸いです。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
【完結】婚約破棄ですか?妹は精霊の愛し子らしいですが、私は女神ですよ?
かずき りり
恋愛
神に愛された国、ミシェル王国。
女神の血筋が残る故に、女神に守られている国。
九死に一生を得た事で、人々に精霊の愛し子として慕われる傲慢な義妹、そして私を虐める義母。
挙句に婚約者まで、義妹を選び、私に婚約破棄を突きつけて来た。
ー家族だからー
そう思っていたけれど……。
祝福で愛し子とは、まだ確定していませんよね?
殿下も婚約者が愛し子でなければ王太子の座は確定しませんよね?
私は……
私の『想い』は……
そして祝福の日、全てが動く。
◇◆◇◆
息抜きのように、正体が最後バレる系のものを書いてみたかったのです……
生暖かい目でごゆるりと読んでいただけたら幸いです
---------------------
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる