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『ご主人様に専属執事を辞める、異動届けを見られちゃいました。』
罪と罰(清都side) (拘束、おもちゃ) ※
しおりを挟む「おやすみ。ハル。」
ソファに力なく凭れ掛かって眠っているハルを、横抱きにしてベッドルームへ運ぶ。
ベッドへハルを寝かせると手早く執事服の上着を脱がせる。
上着でいつも隠れている細いウエストが露わになり、俺の欲情が静かに灯った。
上半身がベストとワイシャツの薄着になったハルの両手をとり、頭上へと上げさせる。
睡眠が深い様で、起きる様子はない。
ベッドの脇にあるサイドチェストから、この日のために用意しておいた手枷を取り出した。
金属の鎖の両端に、革製の腕輪が取り付けられたものだ。
ハルには怪我なんてさせられないから、腕輪部分は柔らかい素材にしている。
ハルに真実を引き出す方法として、思いついたのは『快楽責め』だった。
自分でも、酷い方法だなとは思う。
でも、ハルの好意が俺に向いていないのなら、身体から堕としていくしかない。
俺以外の身体では、満足に達せないようにしてしまおう。
もし、ハルがおかしくなっても、俺が一生世話をするから大丈夫だ。
ハルの両手に革製の腕輪を取り付け、鎖はハルの頭上にあるベッドヘッドの支柱に括りつけた。手を拘束されて、薄暗い室内で照明に照らされた姿はなんとも美しく妖艶だ。
清い天使を捕らえて、これから快楽に落としていくような背徳感。
俺のベッドにハルが抵抗できない恰好でいるというのも、興奮する。
ベッドルームから出て、他の使用人に部屋に近づかないよう指示をした。また、ハルには特別な業務を与えるため、しばらく借りることも伝える。
ベッドルームに戻ると、ちょうどハルが起きた様子だった。
「清都様…。」
ハルは俺の姿を上から下まで入念に目線で確認すると、安心したような表情をする。
本当に、私のことばかりなのだから。
少しは、自分の今の状況に危機感を持つべきだ。
ベッドに腰かけて、ハルの頬をそっと右手の指先で撫でる。滑らかでずっと触っていたい。
すこし、頬が赤く上気し、頬も火照って少し熱い。
「……この状況で、まだ俺の心配をしてるなんて…。ハルは本当にお人好しだ。」
頬を撫でながらそう告げると、ハルははっとした後に、俺を見つめ返した。
「……清都様…、これは、一体…。」
不安と困惑の入り交じった顔をしたハルが、こちらの顔色を窺うように見上げてきた。
俺は、1枚の書類をサイドチェストの引き出しから取り出した。そう、笹部に入手させた、ハルの『異動届』である。
仰向けになっているハルによく見えるように、上から掲げてみせた。
「……ねえ、ハル…。これが何か分かる?」
分からないはずがないだろう。
これは、ハルが執事長に提出したものだ。
内容を確認したハルは、目を見開き驚いている。
どうして俺の手元にこの書類があるのか、と言った様子だな。
「それは…。」
いつになく、歯切れの悪い返事をするハル。
大方、俺に黙っていたことを後悔しているのだろう。
「俺の見間違えでなければ、『異動届』だ。しかも、ハルの名前が書いてある。ハル…。なぜ、俺から離れようとする?」
心に燻ったドロリとした感情が、低くて冷徹な声音でハルを追いつめようと切っ先を向ける。
ハルは、俺の目から視線を反らして俯いてしまった。
「…蒼紫(そうし)様のところで、建築や経営について学ぼうと考えております……。」
兄貴の名前が出たときに、俺はピクリと片眉が動いたのが自分でも分かった。
ハルは、異動について黙っていたことを謝罪してきだが、そんなことはどうでもいい。
そうか。ハルは_____。
「_____兄貴を選ぶのか…。」
その呟きは、怒りと嫉妬、独占欲、全ての暗い感情がない混ぜになって、呪いのように紡がれた言葉だった。
ハルの気持ちが、兄貴にあるのだとたら、
このままハルを閉じ込めて
誰の目にも触れさせない様に囲って。
俺だけしか視界に入れない様にすれば、
俺のモノになるだろうか。
仰向けになっているハルに、覆い被さって馬乗りになる。ハルの顎をグッと持ち上げて視線を無理矢理合わせさせる。
不安に満ちた瞳は、少し潤んでいた。
「ハルは俺のものだ。」
そういうと、俺は貪るようにハルの唇を奪った。
驚きで薄く開いた唇の隙間から、舌を性急に入れて、口腔内を犯していく。
くぐもった甘い声がハルの喉から聞こえて、背中からぞくりと欲情が昇ってきた。混ざり合う唾液に、淫らな水音。
制止の声が聞こえたが、「うるさい。」と低い声で窘める。
「ひぁっ!」
悲鳴を上げたハルを労わるように、噛み痕を舐めあげる。ハルが痛みで身体を捩ったため、ハルがキスに気を取られているうちに、上半身の服を脱がせにかかった。
ハルが寝ている間に脱がせることも考えたが、ハルの羞恥心を煽るためにも意識があるときにした。
キスをしていた唇を離し、ハルの口から零れて伝っていた蜜を舐めとっていく。
開けた襟から、色白な首筋が露わになる。いつもきっちりと上まで隠されている場所が、今は無防備に晒された。
引き寄せられるように、俺はハルの首元に顔を寄せる。
本能が、獲物を逃がさないように動いた。
急所でもある首元に、俺は牙を立てて嚙みついた。
痛みに身体を捩ったハルだったが、何も抵抗はできず、無情に頭上の鎖がガシャン、と冷たい金属音を鳴らすだけだった。
「…これは罰だ、ハル。____お前が誰のものなのか、今一度分からせてやる。」
これは罰だと、ハルに言い聞かせる。
ハルが、受け入れなければいけない罰なのだ。
罪は俺以外に好意を向けたこと。
ワイシャツとベストのボタンを全て外し、ズボンも下着ごと脱がせると、ハルの裸体が露わになる。
陶器のように透き通る色白の肌
薄桃色の小さな果実は、みずみずしく、芯を持っていた。
肉の薄い均整の取れた腹部。すらりと伸びた足。
拘束された状況だというのに、熱を持って健気に勃ち上がっている淫靡なハルのモノ。
照明に照らされたハルの裸体は、壮絶な色気で俺を惑わせる。
美しく儚げな天使を、汚したくて、乱したくて、たまらない嗜虐心が湧き出てきた。
「っあ!」
美味しそうに熟れた果実をペロリと舐めてやると、とたんにハルの甘い声が聞こえた。
やはり、小さな突起でも敏感に快感を拾っている。
誰かに、そこが性感帯だと教え込まれたのだろうか……。他人の影がハルから見えると、またドロリとした淀みが胸の底に広がっていった。
苛立った俺は、サイドチェストの引き出しから振動する卵型の機械を2つ取り出し、ハルの左右の乳首にテープで取り付けた。
ヴィヴヴヴヴー
振動とともに、ハルの身体もピクピクと小刻みに跳ねる。
誰かに躾けられた淫乱な乳首に優しくする必要はない。無慈悲な機械の振動でよがっていればいい。
振動する機械を取り付けたまま、俺は可愛いハルのモノを口に含んだ。
僅かに勃ち上がっていたモノは、先端から透明な蜜が漏れ出していた。
舌で舐めと取ってやり、カリ全体を吸い取るように顔を上下に動かしてやる。竿の部分は右手で扱いてやる。
ちょうど、敏感な裏筋に舌が這うようにしてやると、ビクッ、ビクッと太腿が痙攣した。
「ぁあ…、もっ、…はずしぃ、んあっあ!…」
制止の言葉を紡ぐハルだが、俺の頭を太ももで挟んで、腰を口に押し付けるように動いているのに気が付いているのだろうか?
確実に、身体は快感を享受しようと甘えてきている。
「乳首にこんなのを着けられて悶えるなんて…。随分と淫乱だな、ハル。」
ワザと卑猥な言葉を使って、ハルの耳元で囁く。
乳首だけじゃない。
随分と快感に弱い身体だ。
敏感な身体が、こういった行為が初めてではないことを、物語っている。
きしっ、と氷が少しの衝撃でひび割れたような、胸に僅かなヒビがはいった。
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