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『ルームメイトの服を着てナニしているのを見られちゃいました。』

脱ぎ捨てられたジャージ

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俺は早川有紀。

田舎の男子高校に通う、ごく普通の高校生だ。
俺の通っている高校は全寮制で、寮室は1室を2人で使用する。


ルームメイトは同級生の藤原涼介。
1年のころから一緒に生活している。
クラスもずっと同じで人見知りな俺にも話しかけてくれる、気のいいやつだ。


涼介に初めて会ったのは、高校の入学式の日。

俺が入学式を行う講堂の場所が分からず迷子になっていたところを、涼介が助けてくれた。

涼介はバスケ部に所属していて、2年でレギュラーになり全国大会にも出場している。


少し茶色の短髪と切れ長な目をしたイケメン。でも冷たい感じではなく、どこか人が懐っこい印象がある。180センチメートル以上ある高身長で一見するとモデルのよう。

性格は明るくて陽気。面倒見も良いためクラスでも人気だ。

大会に出ると他校の女子生徒から、黄色い声援が上がる。


そして、男子からも恋愛対象として見られることが多い。
田舎の男子高という狭い世界では、同性間でも恋人同士は珍しくない。実際に寮内でも恋人つなぎで歩いている生徒をよく見かける。


俺も涼介が告白されている場面を度々目撃していた。スポーツ万能で、あんなにカッコよくて、性格も良いのだから好きになる人がいて当然だ。


まあ、俺もそのうちの一人なのだけど。


あまり話すのが得意ではない自分に、涼介は嫌な顔を一つせず何度も話しかけてくれた。

そのおかげで学校生活にも馴染めた。寮ではお互いに助け合い、相談しあってきたから、今では親友だと思っている。
 

いつから涼介を好きなったのか、自分でも分からない。

男を好きになったのも初めてだった。最初はただの勘違いだろうと、自分自身に思い聞かせていた。


でも、気が付いたときには涼介のことが好きで、自覚してからは気持ちが止まらなかった。
最近は一緒の部屋にいるのもドキドキする。


挙動不審にならないように、気持ちを隠して毎日過ごすのが大変だった。

今日も俺は、この恋心を隠して過ごす。



普段、俺は図書委員で夕方の貸し出しを担当している。ちょうど涼介の部活が終わる頃に、委員会活動を上がることが多く、夕食を食堂で一緒に食べていた。


今日は朝の貸し出し担当の子と交代したため、珍しく夕方に時間の余裕ができた。


(……土日ゆっくりしたいし、掃除しておくかな…。)

洗濯も生徒が自分で行う。部屋には1台洗濯機が設置されていた。

寮室には、小さいミニキッチン、シャワー、トイレ、全自動洗濯機があり、さらに奥へ扉が続いている。


扉を開けると左右の壁際にベッドと机が1つずつ置かれていた。ベッドの下がちょっとした収納になっていて、衣類はそこに仕舞ってある。
他にもクローゼットがあって快適だ。


1Kの部屋みたいな感じ。ちなみに扉を開けて左側が俺のベッド、右側が涼介のベッドだ。


部屋に帰り、制服から部屋着に着替える。
制服をハンガーにかけて、ふと涼介のベッドの上に目がいった。


涼介は片付けが苦手で、服も脱ぎ捨てていることが多い。今も、部屋着替わりに着ていたジャージが、ベッドの上に脱ぎ捨てられたままだ。

時間もあるし、今から洗濯すれば夜までには乾燥まで終わる。自分の洗濯ものの量が少ないから、ついでに涼介の分も一緒に洗ってしまおう。


そう思って涼介のベッドに置いてあるジャージの上着を手に取った。


高校名とバスケ部との記載が背中にあるジャージ。
運動部に所属したことのない自分にとって、部活ジャージはちょっとした憧れだ。


(ちょっとだけ。すぐに洗濯するから、ちょっとくらい着てもいいよね……。)

つい出来心で、俺はTシャツの上からすっとジャージに腕を通し羽織った。


(大きい。袖が長くて手が隠れるし。ブカブカ…。)

俺は身長が165センチメートルくらいしかない。
服も涼介のほうが一まわり大きい。
自分と同じ柔軟剤の匂い以外に、ほのかに涼介の匂いがする。


(なんか涼介に包まれている感じ……。)

自分でも自身の考えに「変態か!」と突っこみを入れつつ、勝手に服を着ている背徳感が妙に心臓をドキドキさせた。


イケないことだと考えるほど、ぞくりと肌が粟立つような感覚が上ってきた。
自然と下半身に熱が集まり始める。


(どうしよう…。勃ってきちゃった……)

体温が徐々に高くなっていくのが自分で分かる。
高ぶる熱で自分の身体が火照り出して、どうしようもなく興奮してきてしまった。


悩まし気に熱い吐息がはぁと出てくる。


好きな人の匂いがする。


涼介がこのジャージを着て、自分にイヤラシイことをする姿を想像する。妄想は勝手にどんどん膨れ上がり、思考を止めれなかった。


(…涼介はこの時間は部活だし、まだ帰ってこない……。このままじゃ辛いし……。)


悪いことだと分かっている。

でも、イケナイことをする緊張感とお腹の辺りからじりじりと漂ってくる熱が、抑えられそうにない。


俺は自分のベッドに上がると、背中を壁に預けて座った。両ひざを立て、ズボンを脱いでいき下肢を裸の状態にした。


涼介が帰ってくる前に、さっさと熱を出してしまおう。


体育座りのように両ひざを立てて座り、少しだけ左右に足を開く。右手を陰茎に伸ばして、陰茎を包むように握る。

ジャージの袖口で隠れた左手は、口元あたりに近づけ、涼介の匂いを吸い込む。そのまま右手を上下に動かした。


「はぁっ……ん。」

呼吸が少しずつ荒くなっていき、吐く息にも喘ぎ声が混じる。
すでに反応していた陰茎が、扱くたびに芯をもって固くなっていく。


先走りの透明な液体が、パクパクとした穴から出てくる。


俺はその液体を陰茎全体に塗り広げた。手を動かすと、くちゅっ、ぬちゅっと濡れた水音が聞こえてくる。


「はぁ…、はぁ…ぁあ……。んン…。」

先走りで滑りが良くなると、上下に陰茎を扱く手の動きを速めていく。気持ちよさが広がっていき、腰がかくかくと揺れた。


腰を動かすなんて卑猥な動きだと分かっているけれど、自分の意志では止められなかった。
 

「…りょう…すけ……。」


目を閉じて好きな人の姿を思い浮かべる。

涼介に甘くキスをされて、身体を優しく触られて焦らされる。少し意地悪に、感じる場所を刺激される。


涼介に追いつめられて快感に身を捩る自分。


陰茎を擦る右手の動きが、高みに昇ろうと自然と忙しない動きに変わった。


「っ……んっ!…んんっ!」

あともう少しで昇りつめようと、ぐちゅ、ぐちゅと手を一層早く動かしていた。

そのときだった。


静かな部屋に、ドアがギィっと開く音が響いた。


「………なに、してんの…?」
 

制服姿の涼介が、部屋に入ってきた。

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