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それからの遭遇 また! 〜侑〜
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「杏さんは幸せそうだったな?」
「うん、入籍や4月からの予定が決まるまでは大変だったみたいだけどね。」
杏を送った帰り道、もう乗り慣れた純の車の中で話をしていた。純は茶色のミリタリージャケットの中にVネックのニット。もうすっかり春の装い。自分はまだダウンから離れられないでいた。寒いし、薄着で歩ける男って絶対に無理して格好つけているような気がする。
「それで? 何で今日はハイネック? お揃いにしようと思ってこのニット着てきたのに。この前買ってやったろ? 気に入らなかった? イテッ!」
純の左肩を叩く。運転中だから軽めにね? 「イテッ。」なんて大袈裟なんだから。
「着れるわけないでしょ? 胸元のま、マーク見えちゃうじゃん。着たかったのに……。」
純はよく何かをプレゼントしてくる。サプライズが好きなのかお金を使うのが好きなのか。ブランド物なんかじゃないから、気軽に受け取って愛用してる。純の好みって結構自分にも合うし。
今回は、カーキ色の渋いVネックのニットを買ってきた。似たようなものを持ってたけど、模様編みが可愛くて即座に気に入った。今日も着ようと思って準備までしてたのに、夕べつけられた胸元のキスマークが丸見えで諦めちゃった。
「それだけ、俺が侑に夢中だってことで。」
自分のアパート近くの駅前の交差点で止まった途端に、純がこちらに乗りかかってキスをしてきた。純の首に腕を回す。もう慣れた純とのキス。優しく深く……純、大好きだよ? 心を込めて受け止める。
プッ!
後ろの車のクラクションで我に返る。純も前を向いて車を発進させた。ここを左に曲がってもうすぐ自分のアパート。
「あれ? どうしたの?」
「ん? ちょっと。」
左に曲がるだろうと思った交差点を直線上に進み、駅のロータリーに入る。そして奥にある駐車場へ。
『えっ? 純も今日は家に泊まるってこと?』
壁が薄いから、という理由で自分の家に泊まることはあまり無くなった。たまに「隣のやつを刺激してやろうぜ?」なんて言ってエッチをしちゃうこともあるけど……。最近お隣さんと顔を合わせるのが恥ずかしい。
「オマエって本当に鈍感だよな。」
駐車場に車を停めると、純が左耳を触りながらこちらを見てきた。
「あっ!」
ピアス! いつもの銀色が少しだけ細くなって……細かな模様がついてる。
「気がついた?」
「ピアス新しく買ったの?」
「そう。そしてコレ。」
純が、車のドアポケットから何かを取り出して手渡してきた。掌サイズの小さくて硬いお洒落な紙袋。黒いリボンがつけてある。受け取って中を開くと……。
「あ、可愛い。」
ビニール袋に包まれて、純が今しているピアスと同じ模様のチャームが入っていた。銀の輪。ちゃんとネックレスにつけられるように金具が付いてる。
「お揃い。どう? 気に入った? 今日は注文してたこれを取りにモールに行ったんだ。」
いつも貰ってばかりで申し訳ないけど、小さな輪がとても可愛くて瞬時に気に入った。首元からネックレスを取り出し、それまでのチャームと付け替える。
「侑はシンプルなのがすきだからな。でも、俺も新しいの欲しかったから、模様のあるのを選んだんだ。」
純はよく分かってる。スカートを履いたら? とかこっちの服の方が俺好み、なんてことは一切口にしない。自分のありのままを見て受け入れてくれる。それがとても心地いい。
「ありがと。」
純の方に体を寄せて、心を込めてキスを送る。胸元にあるチャーム。お揃いでしたいという純の気持ちが素直に嬉しい。
「じゃあ、俺のお持ち帰りということで。」
唇を離した途端に、純がニヤッと笑った。エンジンがかかる。たった10分ぐらいのために駐車料金を払い、自分のアパートへは行かずに純のマンションへと向かって車が走り出していった。
「うん、入籍や4月からの予定が決まるまでは大変だったみたいだけどね。」
杏を送った帰り道、もう乗り慣れた純の車の中で話をしていた。純は茶色のミリタリージャケットの中にVネックのニット。もうすっかり春の装い。自分はまだダウンから離れられないでいた。寒いし、薄着で歩ける男って絶対に無理して格好つけているような気がする。
「それで? 何で今日はハイネック? お揃いにしようと思ってこのニット着てきたのに。この前買ってやったろ? 気に入らなかった? イテッ!」
純の左肩を叩く。運転中だから軽めにね? 「イテッ。」なんて大袈裟なんだから。
「着れるわけないでしょ? 胸元のま、マーク見えちゃうじゃん。着たかったのに……。」
純はよく何かをプレゼントしてくる。サプライズが好きなのかお金を使うのが好きなのか。ブランド物なんかじゃないから、気軽に受け取って愛用してる。純の好みって結構自分にも合うし。
今回は、カーキ色の渋いVネックのニットを買ってきた。似たようなものを持ってたけど、模様編みが可愛くて即座に気に入った。今日も着ようと思って準備までしてたのに、夕べつけられた胸元のキスマークが丸見えで諦めちゃった。
「それだけ、俺が侑に夢中だってことで。」
自分のアパート近くの駅前の交差点で止まった途端に、純がこちらに乗りかかってキスをしてきた。純の首に腕を回す。もう慣れた純とのキス。優しく深く……純、大好きだよ? 心を込めて受け止める。
プッ!
後ろの車のクラクションで我に返る。純も前を向いて車を発進させた。ここを左に曲がってもうすぐ自分のアパート。
「あれ? どうしたの?」
「ん? ちょっと。」
左に曲がるだろうと思った交差点を直線上に進み、駅のロータリーに入る。そして奥にある駐車場へ。
『えっ? 純も今日は家に泊まるってこと?』
壁が薄いから、という理由で自分の家に泊まることはあまり無くなった。たまに「隣のやつを刺激してやろうぜ?」なんて言ってエッチをしちゃうこともあるけど……。最近お隣さんと顔を合わせるのが恥ずかしい。
「オマエって本当に鈍感だよな。」
駐車場に車を停めると、純が左耳を触りながらこちらを見てきた。
「あっ!」
ピアス! いつもの銀色が少しだけ細くなって……細かな模様がついてる。
「気がついた?」
「ピアス新しく買ったの?」
「そう。そしてコレ。」
純が、車のドアポケットから何かを取り出して手渡してきた。掌サイズの小さくて硬いお洒落な紙袋。黒いリボンがつけてある。受け取って中を開くと……。
「あ、可愛い。」
ビニール袋に包まれて、純が今しているピアスと同じ模様のチャームが入っていた。銀の輪。ちゃんとネックレスにつけられるように金具が付いてる。
「お揃い。どう? 気に入った? 今日は注文してたこれを取りにモールに行ったんだ。」
いつも貰ってばかりで申し訳ないけど、小さな輪がとても可愛くて瞬時に気に入った。首元からネックレスを取り出し、それまでのチャームと付け替える。
「侑はシンプルなのがすきだからな。でも、俺も新しいの欲しかったから、模様のあるのを選んだんだ。」
純はよく分かってる。スカートを履いたら? とかこっちの服の方が俺好み、なんてことは一切口にしない。自分のありのままを見て受け入れてくれる。それがとても心地いい。
「ありがと。」
純の方に体を寄せて、心を込めてキスを送る。胸元にあるチャーム。お揃いでしたいという純の気持ちが素直に嬉しい。
「じゃあ、俺のお持ち帰りということで。」
唇を離した途端に、純がニヤッと笑った。エンジンがかかる。たった10分ぐらいのために駐車料金を払い、自分のアパートへは行かずに純のマンションへと向かって車が走り出していった。
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