40 / 104
教育実習三週目
5
しおりを挟む
「今日はキムチありますか?」
隣のトモに話しかける。けれど、トモが口を開く前に前から声が聞こえた。
「あるよーー。トモが一生懸命に包んでた。リョウも今日はたくさん食べれるよ。」
「「やった!」」
僕とリョウの声が重なる。キムチとチーズ、とっても相性がいいんだ。ホットプレートの温度を下げて、焼き上がったものを丁寧にひっくり返していたトモが口を開いた。
「キムチはこちら側だ。いくつ食べる?」
「僕は初め2つで。」
「僕は3つ!」
「俺は自分で取るからいいよ。」
トモは本当にうちらの母さんみたいだ。よく気がつくし、面倒を見てくれる。
「トモさん、僕、夕飯が終わったら先にお風呂貰いますね?」
2つのキムチを乗せた皿を受け取りながら、トモに声をかける。
「ああ。」
トモはリョウに3つのキムチを乗せながら、どことなく上の空で返事をしていた。
「ごちそうさまでした。一度2階に行ってきますね。皆さんごゆっくり。食器洗いは後でやりますから。」
途中からビールを飲み出した3人をおいて、自分の使った食器だけシンクに運ぶ。僕はあまりお酒が得意じゃないからあまり付き合った事がない。一度だけコップに半分くらい飲んだけど、2回目は強くないからと言って断り、それからは、3人とも無理に勧めなくなった。今のうちに風呂に入ってしまおう。
自室から下着とパジャマを取ってきて洗面所に入る。今日はバラの香りが漂っている。リョウも本当に好きだな、とニヤッとしながら洗面台の下から、自分で使っているシャンプーとコンディショナーを取り出した。僕は市販の安い物だけど、他の3人はこだわりがあるようで、何となく高級感が漂っている。僕も働き出したら、自分で働いたお金でいいシャンプーを探してみてもいいかもしれない。
「ふぁーー、生き返るぅ!。」
さっさと頭と体を洗って、少しだけ温めの風呂に浸かる。リョウが長湯なのもわかる気がする。1日の疲れがお湯とバラの香りに溶けていくようだ。30個近く食べた餃子とお代わりしたご飯でパンパンのお腹をさすりながら、ゆっくりと寛いでいた。
ポチャン
『うおっ! 寝てた?』
体が滑り、顔までお湯に浸かってハッとする。いつの間にかウトウトしていたらしい。もう上がろう。浴槽の蓋を閉めてタオルを取り上げる。浴室から出て体を拭いた。
『……喉が渇いた。』
どのくらい寝ていたのか時間がわからない。バスタオルは持ってきてなかったから、少しだけ怠くなった体をフェイスタオルでゆっくりと拭き上げていた。
ガラガラッ
ちょうどボクサーを履こうとしたところで、いきなり洗面所のドアが開いた。真っ裸でボクサーに足を入れようとした状態で顔を上げる。そこには、上半身裸で着替えを持ったトモが立っていた。しばらく、その状態でお互いに固まって……見つめ合っていた。
隣のトモに話しかける。けれど、トモが口を開く前に前から声が聞こえた。
「あるよーー。トモが一生懸命に包んでた。リョウも今日はたくさん食べれるよ。」
「「やった!」」
僕とリョウの声が重なる。キムチとチーズ、とっても相性がいいんだ。ホットプレートの温度を下げて、焼き上がったものを丁寧にひっくり返していたトモが口を開いた。
「キムチはこちら側だ。いくつ食べる?」
「僕は初め2つで。」
「僕は3つ!」
「俺は自分で取るからいいよ。」
トモは本当にうちらの母さんみたいだ。よく気がつくし、面倒を見てくれる。
「トモさん、僕、夕飯が終わったら先にお風呂貰いますね?」
2つのキムチを乗せた皿を受け取りながら、トモに声をかける。
「ああ。」
トモはリョウに3つのキムチを乗せながら、どことなく上の空で返事をしていた。
「ごちそうさまでした。一度2階に行ってきますね。皆さんごゆっくり。食器洗いは後でやりますから。」
途中からビールを飲み出した3人をおいて、自分の使った食器だけシンクに運ぶ。僕はあまりお酒が得意じゃないからあまり付き合った事がない。一度だけコップに半分くらい飲んだけど、2回目は強くないからと言って断り、それからは、3人とも無理に勧めなくなった。今のうちに風呂に入ってしまおう。
自室から下着とパジャマを取ってきて洗面所に入る。今日はバラの香りが漂っている。リョウも本当に好きだな、とニヤッとしながら洗面台の下から、自分で使っているシャンプーとコンディショナーを取り出した。僕は市販の安い物だけど、他の3人はこだわりがあるようで、何となく高級感が漂っている。僕も働き出したら、自分で働いたお金でいいシャンプーを探してみてもいいかもしれない。
「ふぁーー、生き返るぅ!。」
さっさと頭と体を洗って、少しだけ温めの風呂に浸かる。リョウが長湯なのもわかる気がする。1日の疲れがお湯とバラの香りに溶けていくようだ。30個近く食べた餃子とお代わりしたご飯でパンパンのお腹をさすりながら、ゆっくりと寛いでいた。
ポチャン
『うおっ! 寝てた?』
体が滑り、顔までお湯に浸かってハッとする。いつの間にかウトウトしていたらしい。もう上がろう。浴槽の蓋を閉めてタオルを取り上げる。浴室から出て体を拭いた。
『……喉が渇いた。』
どのくらい寝ていたのか時間がわからない。バスタオルは持ってきてなかったから、少しだけ怠くなった体をフェイスタオルでゆっくりと拭き上げていた。
ガラガラッ
ちょうどボクサーを履こうとしたところで、いきなり洗面所のドアが開いた。真っ裸でボクサーに足を入れようとした状態で顔を上げる。そこには、上半身裸で着替えを持ったトモが立っていた。しばらく、その状態でお互いに固まって……見つめ合っていた。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
幼馴染から離れたい。
じゅーん
BL
アルファの朔に俺はとってただの幼馴染であって、それ以上もそれ以下でもない。
だけどベータの俺にとって朔は幼馴染で、それ以上に大切な存在だと、そう気づいてしまったんだ。
βの谷口優希がある日Ωになってしまった。幼馴染でいられないとそう思った優希は幼馴染のα、伊賀崎朔から離れようとする。
誤字脱字あるかも。
最後らへんグダグダ。下手だ。
ちんぷんかんぷんかも。
パッと思いつき設定でさっと書いたから・・・
すいません。
発情期がはじまったらαの兄に子作りセッされた話
よしゆき
BL
αの兄と二人で生活を送っているΩの弟。密かに兄に恋心を抱く弟が兄の留守中に発情期を迎え、一人で乗り切ろうとしていたら兄が帰ってきてめちゃくちゃにされる話。
童貞処女が闇オークションで公開絶頂したあと石油王に買われて初ハメ☆
はに丸
BL
闇の人身売買オークションで、ノゾムくんは競りにかけられることになった。
ノゾムくん18才は家族と海外旅行中にテロにあい、そのまま誘拐されて離れ離れ。転売の末子供を性商品として売る奴隷商人に買われ、あげくにオークション出品される。
そんなノゾムくんを買ったのは、イケメン石油王だった。
エネマグラ+尿道プラグの強制絶頂
ところてん
挿入中出し
ていどです。
闇BL企画さん参加作品。私の闇は、ぬるい。オークションと石油王、初めて書きました。
超絶美形だらけの異世界に普通な俺が送り込まれた訳だが。
篠崎笙
BL
斎藤一は平均的日本人顔、ごく普通の高校生だったが、神の戯れで超絶美形だらけの異世界に送られてしまった。その世界でイチは「カワイイ」存在として扱われてしまう。”夏の国”で保護され、国王から寵愛を受け、想いを通じ合ったが、春、冬、秋の国へと飛ばされ、それぞれの王から寵愛を受けることに……。
※子供は出来ますが、妊娠・出産シーンはありません。自然発生。
※複数の攻めと関係あります。(3Pとかはなく、個別イベント)
※「黒の王とスキーに行く」は最後まではしませんが、ザラーム×アブヤドな話になります。
俺の番が変態で狂愛過ぎる
moca
BL
御曹司鬼畜ドSなα × 容姿平凡なツンデレ無意識ドMΩの鬼畜狂愛甘々調教オメガバースストーリー!!
ほぼエロです!!気をつけてください!!
※鬼畜・お漏らし・SM・首絞め・緊縛・拘束・寸止め・尿道責め・あなる責め・玩具・浣腸・スカ表現…等有かも!!
※オメガバース作品です!苦手な方ご注意下さい⚠️
初執筆なので、誤字脱字が多々だったり、色々話がおかしかったりと変かもしれません(><)温かい目で見守ってください◀
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる