未来も過去も ーコウイチー

再会

再会 1

大学を卒業して２年が経った。俺は表向きはFO企画株式会社へ就職し、地下にある研究室に籠もっていた。

いつかあの人に会える。…いつなんだ？その気持ちだけで、いつも神経を張り詰めていた。

俺の所属する部署は開発部。一人一人が小さな部屋を持ち、研究と実験を続けていた。

狭い空間に閉じ込められていると、妙に体を伸ばしたくなる。特に制限はないので、気が向くと、ショッピングモールの三階にあるフードコートで昼食を摂ったり、バックヤードにある自動販売機で買った缶コーヒーを飲んだりするのが日課だった。

「はあ…疲れた。」

パソコンの画面から目を離し、眉間を押さえる。もう今日は充分働いた。退勤時刻にはまだ早いが、別にいい。ゆっくりコーヒーでも飲んで帰ろう…。

パソコンの画面で退勤メールを送り、電源を落として席を立った。

『二階に新しくできたカフェに行ってみるか…。』