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後悔
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「座りなさい。」
ここ最近の俺の素行を咎められると思っていた。もう二十歳になって半年以上経ってる。バイトもしてるし、自分が稼いだ金で酒を飲んでも何ら責められる謂れはない。そんな気持ちで父親を睨む。しかし、父親の口から出てきたのは、予想をはるかに超えるものだった。
「昨日小野寺さんが来た。…最後の配達だ。」
肩がびくっと揺れる。もう会えないと思ってたはずなのに、会いたかったという感情が溢れ出す。
「…何で…!」
連絡くれなかったんだ、と言おうとして口を噤む。会えるわけない。床に視線を下ろした。
「『こう君は元気にしてますか?』って言ってたぞ。」
ハッとして顔を上げる。父親の目は、俺を正面から捉えていた。
「『元気です。大学生になってバイトと遊びで滅多に家に寄りつきません。』って言ったら、『大学生ですか…』と遠い目をしていた。」
何も言えなかった。やはり会いたかった。いくら嫌がられても、いくら罵られても。
「洸、お前、小野寺さんが好きなんだろ?」
ここ最近の俺の素行を咎められると思っていた。もう二十歳になって半年以上経ってる。バイトもしてるし、自分が稼いだ金で酒を飲んでも何ら責められる謂れはない。そんな気持ちで父親を睨む。しかし、父親の口から出てきたのは、予想をはるかに超えるものだった。
「昨日小野寺さんが来た。…最後の配達だ。」
肩がびくっと揺れる。もう会えないと思ってたはずなのに、会いたかったという感情が溢れ出す。
「…何で…!」
連絡くれなかったんだ、と言おうとして口を噤む。会えるわけない。床に視線を下ろした。
「『こう君は元気にしてますか?』って言ってたぞ。」
ハッとして顔を上げる。父親の目は、俺を正面から捉えていた。
「『元気です。大学生になってバイトと遊びで滅多に家に寄りつきません。』って言ったら、『大学生ですか…』と遠い目をしていた。」
何も言えなかった。やはり会いたかった。いくら嫌がられても、いくら罵られても。
「洸、お前、小野寺さんが好きなんだろ?」
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