無添加ラブ

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「はぁっ、はあっ、なあっ、顔見せて。」
簡単に体をひっくり返されて、裕一郎がひじをつき、僕の前髪をかき上げた。すぐに唇が塞がれる。舌が入り込み、僕の口内を探った。

「……んんんんっ!」
ダメだ。イッたばかりだと言うのに、また僕の分身が反応し出した。

「凄く良かった。アキラは?」
「……。」
チュッとリップ音を響かせた裕一郎が僕に聞く。良かったけど……これまでにないぐらい気持ちがよかったけど、それを言うつもりは無かった。

「んもう、強情だなっ!」
裕一郎が僕の足を大きく開いて、指を後ろに挿れてきた。僕のいい所……。何でそんなに一発で分かるんだ?

「んあああっ!」
裕一郎の分身もいつの間にか大きく起ち上がっていた。自分のモノを掴んでまた挿れようとしていた。

「ゆ、ゆうっ、裕一郎っ! ゴムっ! ゴムっ!」
「そんな余裕……そうだな。ちょっと待ってて。」
チュッと瞼にキスをされたかと思うと、体が離れて、僕の分身がパクッと咥えられた。

「んんんんっ!」
丁寧に愛撫される。舌を駆使して僕の分身の先まで丁寧に……フェラがこんなに気持ちいいなんて思わなかった。けれど、もうイクっというところで唇が離れていった。
「飲むのもいいけど、俺も欲しい。いくよ。」

足を抱え上げられ裕一郎の分身が…………アレっ? 入ってこない。その瞬間、裕一郎の分身が凄い勢いで挿れられた。
「うあっ、あああっ!」
一瞬見えた裕一郎の顔は、凄く真剣な表情をしているように……見えた。



「なぁ、アキラって本名?」
気怠さが残る中、裕一郎の声を聞いていた。僕たちの周りには服や使い終わったゴムがクシャクシャになったシーツとともに散らばっていた。
「……ああ。」
「ふーん。」

僕はベッドから体を起こした。「シャワー、先に借りるね。」と言いかけて我に返る。
『髪っ!』
結構僕の髪は乱れていた。慌てて後ろに撫で付け、服を探した。

「お、俺、帰るから。」
身体中に裕一郎の香りが染みついたような気がするがしょうがない。僕の髪は整髪料で固めないとサラサラのストレートだ。

「シャワーは?」
「いい。」
どんなに変に思われようと、ここでシャワーを浴びるつもりは無かった。僕の髪を固めてくれる整髪料など置いてあるはずがない。

「じゃ。」
裕一郎を見ないようにして着替えを終えると、僕は止められないうちにと急いで部屋を後にした。



自分のマンションに帰ってシャワーを浴びる。熱いお湯が全身の裕一郎の痕跡を流してくれる。
『俺は今この瞬間、アキラが好き。』
耳に残る裕一郎の声……。

『バカだな。あれは単なるリップサービス。真に受けるな。』
何度かある経験の中で一番良かった。……でも、裕一郎はきっとバイだ。それに一人っ子。僕とは違う……いつか両親の期待を受けて、可愛い女の子と結婚して……。

「かっこいいオジサンいないかな。」
いつもの言葉を呟いてみる。あの時のおじさんに会いたい。会って「あの時のボウズかっ! 大きくなったなあ。」って言って欲しい。それだけでいい。それだけで僕は満足できるから……。

シャワーを頭から被る。何故か涙が溢れてきた。



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