ある時、ある場所で

もこ

文字の大きさ
上 下
110 / 118
エピローグ(真人)

2

しおりを挟む
「母さんが父さんのところに泊まるって…。」
俺の言葉に、隣で皿洗いをしてくれていた悠の顔がぱっと輝いた。
「やったっ!真人、今日も泊まっていい?」
泊まるって…顔が熱くなる…。でも、悠が泊まることに何も異論はなかった。むしろ嬉しい…。母さん、気を利かしてくれた?

「うん。」
やっとのことで悠の顔を見ると、少し不安そうな表情をしてた悠が、ニヤッと笑って耳元でささやいた。
「待ってて。お泊まりの準備してくるから。30分…いや、1時間以内には戻る。」
そういうと悠は俺の返事も待たずに、母さんのエプロンを外し、そのまま飛び出して行った。





「真人…ここ?」
「ん…ふうっ…うン。」
なぜか俺たちは8時には2人で浴室にいた。お互いにつけていたネックレスを確認し合って長い口づけを交わした。それから、俺の体全体をボディソープをつけた悠の長い指が這い回り、今は洗われているのか性感帯を確認されているのか判らない状態だった。

「ここ良さそう…。」
悠の舌が首筋に降りてくる。舌が上下すると、全身に震えが走った。
「…んああっ…!」
「そしてここも…。硬くなってる…。」
耳朶を甘噛みされながら、初めて悠の指が分身を捕まえてきた。もう、少しの刺激でもイキそうだ。

「濡れてる…。どうして欲しい?扱く?それとも…後ろから…?」
先端を撫でるように刺激され、限界が近くなる…。
「……んん…。」
本当は後ろに悠のペニスを挿れて欲しい…でも口にするのはまだ恥ずかしかった。

「そんな目で見ちゃダメだ。我慢できなくなるだろ。」
悠が首筋に吸い付くと同時に俺の左足を上げた。すぐに後ろに指が入る。
「昨日…挿れた?」
やわやわと指を動かされ、耳元で囁かれた言葉に羞恥で顔を上げられない…。昨夜、我慢出来なかった…。隣の部屋に悠が寝ていると思うと尚更…。

「ごめんな。これからはずっと俺が満足させてあげる…。我慢出来なかったら呼んで。あっという間に来るから。」
そう言うと、シャワーを止めてシャンプーの隣に置いたローションを取り上げた。

「後ろ向いて…そう…真人綺麗だ…。」
背中のどこが綺麗なんだ?と思う間もなく、左の脇腹をペロンと舐められて吸いつかれた。
「……んああああン…。」

「ふふっ…やっぱり…。ここに可愛いホクロある。もう覚えた。」
また同じところに何度も何度もキスをされた。と同時に、悠の長い指が入り込む。久しぶりのはずなのに、悠の指は俺のイイ所を的確に探し当てていた。
「…んあっ…あっ…ああっ…ゆ、ゆうっ!」

「何?」
耳を舐められて囁かれる。ローションを纏った指は絶え間なく出入りを繰り返していた。背中に悠の熱い体が覆い被さり、太腿に悠の分身が触れた。熱くなったソレはもう硬い…欲しい…悠のモノでいかせて欲しい…。
「ゆ…う…ゆう…。」

「ん?何?…言って?」
分かってるくせに…!ちょっとだけ怒りを込めて後ろを向く。悠は微笑んでいた。
「可愛い…真人。その真っ赤な顔で睨まれるの…堪らない…。」
ちゅっと唇にキスを落とされて、悠の指は俺のイイ所をグニグニと刺激し始めた。

「…んああああん…あっ!ゆうっ!!」
「どうして欲しいの?言って?」
指が止まらない。出したい気持ちは高まるけど、嫌だ…悠が欲しいっ!

「…い、挿れてっ!ゆ、ゆうのでイかせてっ!」
「最高っに可愛いっ!お待ちどうさまっ!…俺も…限界っ!」
ぐーっと後ろが広げられる感覚とともに、悠の分身が入ってきた。と同時に、頭が真っ白になった。
「……んあああああっん……。」




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

ハイスペックストーカーに追われています

たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!! と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。 完結しました。

【完】BLゲームに転生したオレは鬼畜王子から逃げだしたい

たれぽんた
BL
高熱でうなされている王子殿下が、一瞬目を開いた。 オレを見るその顔を見て、この世界は前世で妹にやらされたBLゲームの世界だと気が付いてしまった。 初投稿です。 設定ゆるゆるです。 拙い作品ですが、楽しんでいただければ幸いです。 アルフォンスのスピンオフ『攻略対象から悪役令息にジョブチェンジしちゃう?』始めました。 殿下視点の『鬼畜・・・かもしれない王子の話』始めました。 恐ろしいことに! 第8回BL小説大賞の! 奨励賞をいただいてしまいました((((;゚Д゚))))))) 皆様への感謝といたしまして、 番外編を追加させていただきました。 ありがとうございましたm(_ _)m あれ? 完結しなかったっけ? 急に思いついたのでまた番外編をあげてみました(;^_^A

身の程なら死ぬ程弁えてますのでどうぞご心配なく

かかし
BL
イジメが原因で卑屈になり過ぎて逆に失礼な平凡顔男子が、そんな平凡顔男子を好き過ぎて溺愛している美形とイチャイチャしたり、幼馴染の執着美形にストーカー(見守り)されたりしながら前向きになっていく話 ※イジメや暴力の描写があります ※主人公の性格が、人によっては不快に思われるかもしれません ※少しでも嫌だなと思われましたら直ぐに画面をもどり見なかったことにしてください pixivにて連載し完結した作品です 2022/08/20よりBOOTHにて加筆修正したものをDL販売行います。 お気に入りや感想、本当にありがとうございます! 感謝してもし尽くせません………!

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

当たって砕けていたら彼氏ができました

ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。 学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。 教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。 諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。 寺田絋 自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子 × 三倉莉緒 クールイケメン男子と思われているただの陰キャ そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。 お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。 お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。

少年ペット契約

眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。 ↑上記作品を知らなくても読めます。  小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。  趣味は布団でゴロゴロする事。  ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。  文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。  文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。  文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。  三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。  文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。 ※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。 ※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。

処理中です...