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4回目〜2年前〜(悠)
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「真人…今夜、泊まってもいい?」
せっかくの時間を真人と離れて過ごすつもりはなかった。ても、真人の反応は薄い。
「やっぱりいいや。駅前でまた泊まる。…一緒に来てくれる?」
ここには真人の家族がいる。戸惑うのは当たり前。真人は…何人家族なんだろう?…兄弟は?
「待って。…どちらにしても、母さんに連絡しないと…。」
俺から離れて、スマホを操作していた真人がしばらくしてから顔を上げた。にっこり笑って…。
「今日、誰も帰ってこない…泊まっていって。」
真人の言葉に、思わず抱きついた。良かった!
気がつくと、あたりにカレーの香りが立ち込めていた。
「カレーの香りするな。店で出してるの?」
「まさか!夕飯用に作っていたんだ。今日はお客さんが少なかったから。温め直している間にお風呂に入って。」
カウンターの後ろの扉から、住居部分に案内される。ここで靴は脱ぐらしい。初めての真人の家は、小さいながらも綺麗に片づいた居心地の良い空間だった。今日は寒かったのにどこもほんのり暖かい。暖房はどこだ?廊下を挟んで左右にキッチンと洗面所があるらしい。まずはお風呂、と荷物を奪われて洗面所に押し込められた。
風呂から上がって真人と夕飯をとる。こうやっていると本当にずっとここで過ごしているようだ。風呂上りに借りたTシャツは真人のもの。洗面所でも思ったが、他の男の影がない。父親は…?兄弟は…?
「裕次郎さん、苗字を聞いてもいいですか?」
真人に訊ねられて、俺は話せるだけのことを全部話した。本名は「伊那村悠」だと言いたい。けれども、出がけに洸一さんに言われた言葉が頭の中をグルグル巡る…。
『じゃあ、行くな。もし偶然出会ったとしても無視しろ。過去に接点があったとしたら尚更だ。少なくとも『伊那村悠』である事は隠し通せ。』
大丈夫だろうか…。しかしもう既に会ってしまった。このまま、突き進むしかないよな…?
「真人、俺やるからお風呂に入ってきなよ。」
食事のお礼に食器を洗っていると、真人が洗濯物を持ってきた。アイロンを準備している。真人はよく気がつく…でもそこまでやってもらうのは申し訳ない。
「準備…してきて…。それとも一緒に…する?」
俺の言葉に真っ赤になった真人がかわいい。慌てて行こうとする真人に部屋の位置を教えてもらった。階段を登ってすぐ右側。よし、覚えた。
キッチンのテーブルの上でアイロンをかけ終わり、喉が渇いて水を飲んだ。真人の部屋はどんなだろう?家主がいないうちに部屋に入るのは気が引けるが、真人も同意の上だ。階段を登って1番手前のドアを開けて中に入った。
モノトーンで統一された部屋。机も黒。なかなかオシャレだ。机に置かれた真っ赤なCDラジカセがワンポイントで目立っている。白の本棚にはたくさんのCDが並べられている。何があるかな?本棚に近づいていってポツンと机に置かれたタオルに気づいた。…何だ?…白いタオルに何かが包まれている…。
せっかくの時間を真人と離れて過ごすつもりはなかった。ても、真人の反応は薄い。
「やっぱりいいや。駅前でまた泊まる。…一緒に来てくれる?」
ここには真人の家族がいる。戸惑うのは当たり前。真人は…何人家族なんだろう?…兄弟は?
「待って。…どちらにしても、母さんに連絡しないと…。」
俺から離れて、スマホを操作していた真人がしばらくしてから顔を上げた。にっこり笑って…。
「今日、誰も帰ってこない…泊まっていって。」
真人の言葉に、思わず抱きついた。良かった!
気がつくと、あたりにカレーの香りが立ち込めていた。
「カレーの香りするな。店で出してるの?」
「まさか!夕飯用に作っていたんだ。今日はお客さんが少なかったから。温め直している間にお風呂に入って。」
カウンターの後ろの扉から、住居部分に案内される。ここで靴は脱ぐらしい。初めての真人の家は、小さいながらも綺麗に片づいた居心地の良い空間だった。今日は寒かったのにどこもほんのり暖かい。暖房はどこだ?廊下を挟んで左右にキッチンと洗面所があるらしい。まずはお風呂、と荷物を奪われて洗面所に押し込められた。
風呂から上がって真人と夕飯をとる。こうやっていると本当にずっとここで過ごしているようだ。風呂上りに借りたTシャツは真人のもの。洗面所でも思ったが、他の男の影がない。父親は…?兄弟は…?
「裕次郎さん、苗字を聞いてもいいですか?」
真人に訊ねられて、俺は話せるだけのことを全部話した。本名は「伊那村悠」だと言いたい。けれども、出がけに洸一さんに言われた言葉が頭の中をグルグル巡る…。
『じゃあ、行くな。もし偶然出会ったとしても無視しろ。過去に接点があったとしたら尚更だ。少なくとも『伊那村悠』である事は隠し通せ。』
大丈夫だろうか…。しかしもう既に会ってしまった。このまま、突き進むしかないよな…?
「真人、俺やるからお風呂に入ってきなよ。」
食事のお礼に食器を洗っていると、真人が洗濯物を持ってきた。アイロンを準備している。真人はよく気がつく…でもそこまでやってもらうのは申し訳ない。
「準備…してきて…。それとも一緒に…する?」
俺の言葉に真っ赤になった真人がかわいい。慌てて行こうとする真人に部屋の位置を教えてもらった。階段を登ってすぐ右側。よし、覚えた。
キッチンのテーブルの上でアイロンをかけ終わり、喉が渇いて水を飲んだ。真人の部屋はどんなだろう?家主がいないうちに部屋に入るのは気が引けるが、真人も同意の上だ。階段を登って1番手前のドアを開けて中に入った。
モノトーンで統一された部屋。机も黒。なかなかオシャレだ。机に置かれた真っ赤なCDラジカセがワンポイントで目立っている。白の本棚にはたくさんのCDが並べられている。何があるかな?本棚に近づいていってポツンと机に置かれたタオルに気づいた。…何だ?…白いタオルに何かが包まれている…。
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