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想いが溢れた
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脱衣所で目が覚めた。いつの間にか紺色のバスローブを着せられて座り込み、壁に寄りかかっていた。
「目が覚めたか?…ごめん。抑えられなかった…。」
腰にバスタオルを巻いただけのコウイチが、しゃがみ込んで俺の唇にチュッとキスをした。
「ま、ま、待って…。」
顔が熱い…。コウイチの甘い雰囲気についていけなかった。しかし、コウイチは気にする様子もなく、俺の膝裏に手を入れると軽々と持ち上げた。慌ててコウイチの首に手を回す。コウイチはまた頬にキスをすると、
「何か食べよう。」
と言って脱衣所を後にした。
「過去の部屋」を横切り、もう少しで管理人室という時、パソコンの画面に白い紙が貼ってあるのに気づいた。電源が3台とも落とされていたのでことさら目立っていた。
「コウイチ、あれ、なに?」
指を差すとコウイチが俺を椅子に座らせた。画面に顔を近づける。何だろう?…メモみたいだ…。コウイチも俺に顔を近づけるように前かがみになった。
『Wow!
コウイチが引っ掛けたかったのは、小野寺くんかー!
メガネを外すタイミングおそっ!
バッチリ画像撮れたけど、、、、
どうするよ!?』
「…」
「…」
ハートマークに「ご馳走さん」と書かれた新田さんのメモに俺は言葉が出なかった。一瞬で顔から火を噴いた。コウイチも真っ赤になりながら、メモを外してクシャクシャにすると、
「大丈夫、大丈夫だ…。」
と呟いた。
何が大丈夫なのか分からなかったが、俺は管理人室に入っていったコウイチに手を引かれて歩いていった。後ろの違和感が半端ない。けど、歩けない程ではなく、ゆっくりとカウンター前の椅子に腰を下ろした。
黒のスウェットを身につけたコウイチがあっという間に作ったチャーハンとスープで俺たちは夕飯を食べた。おばあさんが持たせてくれたたくあんも出してくれた。よく味わうと、前に小学生だったこう君と食べた「たくあん納豆」のそれと同じ味だった。
俺とコウイチはたくさん話をした。コウイチが誤解していたこと、俺が気がつかなかったことが沢山あった。
「美咲…という女とは?」
その言葉にびっくりした。どうして俺の昔の彼女知ってる…?
「就職する前に別れた…。」
唖然としながらとっさに答えてた。
「そっか…。」
コウイチはしばらく何か考えていたが、ニッコリ笑うと耳元にチュッとキスをして囁いた。
「じゃあ、これからはずっと奏は俺のものだな。」
そう言うとまだ耳元を押さえて悶えていた俺の体を抱え上げ、キスをしながら後ろのベッドに降ろした。
「目が覚めたか?…ごめん。抑えられなかった…。」
腰にバスタオルを巻いただけのコウイチが、しゃがみ込んで俺の唇にチュッとキスをした。
「ま、ま、待って…。」
顔が熱い…。コウイチの甘い雰囲気についていけなかった。しかし、コウイチは気にする様子もなく、俺の膝裏に手を入れると軽々と持ち上げた。慌ててコウイチの首に手を回す。コウイチはまた頬にキスをすると、
「何か食べよう。」
と言って脱衣所を後にした。
「過去の部屋」を横切り、もう少しで管理人室という時、パソコンの画面に白い紙が貼ってあるのに気づいた。電源が3台とも落とされていたのでことさら目立っていた。
「コウイチ、あれ、なに?」
指を差すとコウイチが俺を椅子に座らせた。画面に顔を近づける。何だろう?…メモみたいだ…。コウイチも俺に顔を近づけるように前かがみになった。
『Wow!
コウイチが引っ掛けたかったのは、小野寺くんかー!
メガネを外すタイミングおそっ!
バッチリ画像撮れたけど、、、、
どうするよ!?』
「…」
「…」
ハートマークに「ご馳走さん」と書かれた新田さんのメモに俺は言葉が出なかった。一瞬で顔から火を噴いた。コウイチも真っ赤になりながら、メモを外してクシャクシャにすると、
「大丈夫、大丈夫だ…。」
と呟いた。
何が大丈夫なのか分からなかったが、俺は管理人室に入っていったコウイチに手を引かれて歩いていった。後ろの違和感が半端ない。けど、歩けない程ではなく、ゆっくりとカウンター前の椅子に腰を下ろした。
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そう言うとまだ耳元を押さえて悶えていた俺の体を抱え上げ、キスをしながら後ろのベッドに降ろした。
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