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番外編 特別な聖夜を貴方に③*【2023クリスマス】
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※このお話は本編の時系列とは関係なくお楽しみ下さい。
※このお話には玩具責めが含まれます。苦手な方はご注意ください。
キッチンから戻ってきた理玖は、ぴくぴくと体を震わせる俺を見てふわりと笑い、「いい子だね」と頭を撫でた。そのまま俺の頭を包み込むように抱き締めた後、もう少しだけ我慢ねと彼は言う。驚いて思わず理玖の顔を見ると、口元に人差し指を当てて悪戯っ子のように笑っていた。
「その格好の千草があまりにも可愛いから脱がせるのが勿体無いからさ、もう少しだけそのままでいてくれないかな?」
「え……?」
「……だめ?」
「うっ……」
今になって友人たちが言っていた事は正しかったのだと理解した。これはとてつもない破壊力だ。少し潤んだ瞳で上目遣いをされ、俺の心臓は煩いくらいにどきどきしている。あの時は何がいいのかわからないと言ってごめん、友人たちよ。俺もこの破壊力には抗うことが出来そうにない。
俺が内心で懺悔していると、理玖が小首を傾げながら「だめかな?」とダメ押しの一言を付け加えてきた。動きに合わせて肩までの長さの黒髪がさらりと揺れるのがとてもいい。正直言って身体はそれどころではないのに、あまりの可愛さに反射的に頷いてしまった自分が憎い。
ありがとうと天使のような笑顔を浮かべた理玖はすごく可愛くて愛おしいのに、胸がきゅんとした瞬間に後孔が締まって上擦った喘ぎが漏れた。
「千草、こっちにおいで。僕の上に跨って、うん、それでこっちを向いて。……千草はキス好き?」
「んっ……え、あ……」
「照れてる千草、すっごく可愛い。じゃあいっぱいキスしてあげるね。舌出して」
言われた通りに理玖の足に跨って座り、舌を出す。すると理玖の顔が近づき、ぱくりと彼の小さな口に舌が食べられた。ちゅぷ、ちゅぱといやらしい水音を立てながら食んだり、舐めたり、吸ったりを繰り返す理玖。彼の口内はとても温かくて、舌が絡み合う度に感じるざらざらとした感触に身を震わせた。
宣言通り沢山舌や口内を愛された俺の身体は益々熱を帯び、肌に空気や服が触れるだけでも感じてしまう程敏感になっていた。後孔に埋め込まれた尻尾もただ入っているだけのはずなのに、快感に慣らされたこの体は内壁が擦れるだけの小さな刺激であってもイってしまいそうになる。
「あっ、ふ……んぁっ」
「蕩けた顔してる、可愛いね。でもこれじゃあ折角のトナカイさんの格好を堪能できないから、このまま四つん這いになれる?」
「ん、あうッ!んっ、く……はぁ、ん……」
理玖の足を挟むように両手と両膝を床につき、お尻を少し上に上げると尻尾が揺れて中のものが柔らかな内壁を擦った。思わず締め付けると同時に全身がびくびくと痙攣する。そして悲鳴のような上擦った声が上がった。慌てて口を閉じて必死に唇を噛み締めて耐えるが、全てを押さえ込むことはできない。
徐々に荒くなっていく呼吸に理玖が気がついていないはずはないのに、彼は何も言ってこない。ただ愛おしそうな表情で俺を見ている。
意地と気力でなんとかお尻を持ち上げて四つん這いの格好になると、理玖はよく出来ましたと俺の頭を撫でた。それがとても気持ちよくて幸せで、俺はついその手に擦り寄った。
「僕の恋人が……すごく可愛い」
「りく……おれ、もう……っ」
全身が蕩けてしまいそうな程の熱と快感に、堪らず理玖を呼ぶ。大凡自分の声とは思えないような甘ったるい声が出たが、もうそんな事を気にしている余裕は俺にはなかった。
身体が快感に震える度に尻尾が揺れ、中のものも一緒に動く。お願い、理玖が欲しいと訴えると、理玖がふわりと優しく微笑んだ。それに胸がとくんと高鳴る。
「そんなに欲しいの?」
「んっ、あ、ほしい……りくの、ちょうだ、んんッ」
「……っ、そんなに煽らないで。また歯止めが効かなくなる」
「ふぁ、ああッ」
噛み付くようなキスの後、理玖は俺の頭を撫でてそのまま背中へと指先を滑らせていく。たったそれだけのことで俺はがくがくと体を震わせながらイってしまった。強張りが解け、腕から力が抜けた身体はかくんと傾ぐ。
「……っぶねぇ」
「はぁっ……は、ぅん、っ」
床にぶつかる既の所で理玖の腕が俺を抱き止めた。俺は洗い呼吸を繰り返しながら、余韻でひくつく後孔が中のものを締め付ける刺激に喘ぎが止まらない。熱った身体は少し汗ばんでいるのか、支える理玖の腕にぴとりと張り付いていた。
「もしかして、イっちゃった?」
「んぁ、ごめ……イった……んっ」
「……もう、なんで千草はそんなに可愛いの……」
可愛いのはサンタの格好をしたお前の方だと言いたいのに、口から溢れるのは僅かな喘ぎのみ。俺は顔を赤くした理玖の頬に手を伸ばし、頭をどうにか持ち上げて噛み付くように理玖の唇に自分のそれを合わせた。
掠めるだけだった俺のキスは、理玖によって深いものへと変わっていく。理玖の口内に舌を滑り込ませて必死に絡めようとしていふと、逆に熱い舌に絡め取られてしまった。腰を引き寄せられ、頬に片手を添えられて口づけを交わす。何度も何度も角度を変え、深さを増していく。このまま一つに溶け合えればいいのになんて思っていると、理玖が唇を離した。
「このまま一つになれたらいいのに……あ、でもひとつになったらこんな可愛い姿も見れなくなるのか……うん、やっぱりこのままがいいな」
楽しそうにくすくすと笑う理玖のなめらかな手が俺の腰をなぞる。茶色のパーカーの中に滑り込んできた手が、すす…と背骨に沿うように撫で、俺の身体はぴくぴくと小さく震えた。理玖のもう一方の手は俺の腰から臀部へと移動し、尻尾の付け根をするりと撫でる。尻尾の先端をしっかりと咥え込んだそこに触れられ、ぞわぞわとした感覚が背筋を襲った。
「んんッ……あ、や……ぁっ」
「千草のここから尻尾が生えてるよ。ほら、ここが付け根でここからこのふさふさが……ふふ、腰が揺れて本当に尻尾を振ってるみたい」
「あン、ッ……もっ、おね、がい……っ!」
ぴくぴくと全身を小刻みに震わせながら必死に言葉を紡いでいくが、喘ぎに邪魔されて上手く紡ぐことができない。それでもなんとか理玖が欲しいのだと懇願すると、彼はその黒曜石のような瞳に獰猛な光を宿し、わかったと笑った。
「折角サンタコスしてるんだから、僕から千草にプレゼントをあげないとね」
桜色の唇の隙間から赤い舌がちろりと覗き、妖艶に唇をなぞっていく。その仕草に、ずくんと下腹部が疼いた。
理玖が俺の後ろへと周り、尻尾をぐっと引っ張る。しかし俺の後孔はしっかりと咥え込んでおり、中々抜くことができない。
「ん……もうちょっと緩められる?」
「ひあ、っ、ん……むり、だっ……や、あぁんッ!」
「ふぅ……抜けたよ。ここ、物欲しそうにヒクヒクしてる」
「んあ……っ、や……ごめ、よごしちゃ、んっ」
ちゅぽんっと音を立てて尻尾が後孔から抜けると同時に俺は果てた。ショートパンツの中は二度の射精ですでにぐちょぐちょだ。理玖はショートパンツをお尻の下辺りまでずらし、具合を確認するようにひくつく俺の後孔をくちゅくちゅと指で弄った後、ミニスカートの下から取り出した自分のものを俺の後孔へとあてがった。
ちゅぷ、と先端が押し込まれ、ゆるゆると浅く抽挿される。ある程度滑りが良くなるとずぷぷ…と先端から亀頭までがゆっくりと入っていく。言葉にならない声と共に口端からは唾液が溢れ、軌跡を描きながら床に落ちていった。腰を掴まれ、ゆっくりとゆっくりと胎を押し広げながら進んでいく陰茎に、がくがくと体が快感に震える。
「く、あ……ッ、ん」
いつもとは違いスローペースで入ってくる熱に、脳が溶けてしまいそうなほどの快感が襲う。震えが止まらない。気持ちがいい。先端が前立腺を優しく抉り、大きく体が跳ねた。少しの刺激でさえ絶頂を迎えそうになって思わず下唇を噛んで耐える。だめだ、まだイキたくない。
半分ほど入った辺りで、不意に理玖の動きが止まった。どうしたのだろうと後ろを振り返ると、フーフーと息を荒くした理玖と目が合い、俺はごくりと息を飲んだ。獰猛な獣のような目が俺を捉えて離さない。ぞくりと背筋が泡立ち、無意識に理玖のものを締め付ける。それが合図だったのか、理玖は止めていた腰をグッと押し込んだ。
先端がとん、と奥を突く。瞬間、あれだけ必死に我慢していたのに呆気なく絶頂を迎えてしまい、俺の身体は大きく痙攣した。
「うあっ、ま、んッ、イってる、からぁっ……!」
ショートパンツの中ではまだ射精が続いているにも関わらず、理玖は抽挿を続けている。過ぎた快感に頭がくらくらとする。気持ちが良すぎておかしくなりそうだった。
徐々に速くなるピストンに全身がびくびくと痙攣し続けている。腕に力が入らず、上半身が床にぺたりとくっついたような体勢になってもなお理玖の動きは止まらない。与えられる快感に翻弄されてもはや喘ぐしかできない俺の体を、理玖は揺さぶり続けた。
パンパンと弾けるような音を立てながら打ち付けられ、俺の身体は床を擦るように前後に動く。あ、とか、ん、という意味のない音が絶え間なく半開きの口から溢れ続ける。理玖の固くて大きい陰茎が俺の腹の内側を容赦なく抉り、俺はまた体を震わせながら絶頂を迎えた。それでも理玖は動きを止めない。
イったはずなのに陰茎からは何も出ず、胎内に熱が籠っていく。熱い、気持ち良い、出したい。声にならない声をあげながらガクガクと全身を震わせる。収縮を繰り返す内壁、射精を促すようなその動きに、理玖のものは俺の中で大きさを増し弾けた。
勢いよく精が奥へと吐き出され、それと同時に俺のものからはさらさらとしたものが噴出した。ショートパンツから温かい液体がぽとぽとと流れ出し、俺はその感覚を最後に意識を飛ばしたのだった。
目が覚めてすぐに思ったことは、やってしまった…だった。絶望か羞恥か、俺の顔色は青くなったり赤くなったりととても忙しい事になっているだろう。
隣に横たわる理玖を見れば、彼はまだサンタの衣装を着たままだった。ということは、だ。俺もまだトナカイの衣装のままなのだろうかと腕を持ち上げてみると、案の定茶色の袖が見えた。流石にショートパンツは脱がせてもらったようで履いていなかったが、上はしっかりと衣装のままである。
「んっ……ちぐさ、おはよ……」
寝起き特有のふにゃりとした笑顔に、俺の心臓はとくんと高鳴る。可愛い。サンタの赤い衣装のせいで白い肌がより際立ち、少しエロく感じてしまう。スカートが捲れ、露わになった白い大腿部が目に入り、俺は咄嗟に視線を逸らした。しかしもう遅い。あれだけイったにも関わらず、俺の股間は僅かに固さを持ち始めていた。
「千草……?ふふ、もしかして僕の格好に欲情しちゃった?」
「ちがっ……わない、けど……!」
「抜いてあげようか?それとも、もう一回する?」
見た目は完全に可愛らしい美少女サンタなのに、ふとした瞬間に見える雄を感じさせる表情にどきっとする。いつもならここで流されてもう一回する流れになるのだが、今日は駄目だ。クリスマスで彩られた街中を二人でデートするという予定があるのだから、と理玖を促すと、彼は少し拗ねたように唇を尖らせた。
「でもこれ辛くない?大丈夫なの?」
「っ、深呼吸すれば落ち着くから!」
勃ち上がりつつある俺のモノを指し示され、慌てて大丈夫だと言うと彼ははあと息を吐き出し、ふっと眉尻を下げながらしょうがないなと笑った。
「じゃあまた夜にいっぱいしようね」
「……っ!」
耳元でそう囁かれ、顔が一気に熱くなる。
沢山愛された身体はたったそれだけのことで期待に熱を持ち、俺は思わず頭を抱える。そんな俺を見てくすくすと笑う理玖は、先に行ってるねと風呂場へと向かって行った。
後に残された俺は、この燻った熱をどうしようかと頭を抱えた。
クリスマスムード一色の街中を、二人で手を繋ぎながら歩いていく。外は痛い程の寒さだが、繋がれた右手は幸せを感じる程に温かい。こんな風に理玖と二人きりでデートが出来るなんて、男同士だとわかった瞬間から思いもしなかった。
今日も理玖はいつものように女装姿である。黒のふわりとしたワンピースにベージュの丈の長いコート、そして黒のブーツという少し大人っぽい雰囲気の格好だ。対して俺はと言えば、中に着た白のニット以外全て黒という服装だ。理玖からはフード付きのジャケットが可愛いと言われたが、自分ではあまりわからない。
街中を歩きながら気になったお店に入る、たったそれだけのことなのにどうしてこんなにも幸せだと感じるのだろうか。繋いだ手は温かく、このまま時が止まれば良いのにと思う。
花びらのように舞う雪が、ひらりひらりと眼前を通り過ぎていく。そのうちの一つが繋いだ手に降り、そうして数秒も経たずに溶けて消えていった。後に残ったのは僅かな冷たさと一雫だけ。俺は、繋いだ手に力を込めた。
「好きだよ、千草」
理玖がそう口にした。
俺も好だと答えると、彼はとても幸せそうに顔を綻ばせる。
「イルミネーション、綺麗だね」
「ああ」
俺の手首では理玖からのクリスマスプレゼントであるシルバーのブレスレットが、理玖の耳では俺が送ったピアスが街の光を反射してきらきらと輝いていた。
■あとがき■
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
三話目もクリスマス中に投稿したかったのですが、遅筆すぎて間に合いませんでした!!(土下座)
今回も例に漏れず、この二人にはいちゃいちゃとエロをしてもらいました。
数年前、友人から「こんなのあるんだってよ」と教えてもらったことを突如思い出し、折角なのでネタにしようと思い至ったのがこちらになります。画像しか見たことがないので、もし間違っている部分があったらすみません(´-ω-`)
書き終えてみて読み返した結果、女装を活かしきれてないなと反省しております……(血涙)もっと、女装が効果的になるように勉強してきます……!!
因みに、ブレスレットをプレゼントする意味は「永遠」と「束縛」との意味があるそうです。
※このお話には玩具責めが含まれます。苦手な方はご注意ください。
キッチンから戻ってきた理玖は、ぴくぴくと体を震わせる俺を見てふわりと笑い、「いい子だね」と頭を撫でた。そのまま俺の頭を包み込むように抱き締めた後、もう少しだけ我慢ねと彼は言う。驚いて思わず理玖の顔を見ると、口元に人差し指を当てて悪戯っ子のように笑っていた。
「その格好の千草があまりにも可愛いから脱がせるのが勿体無いからさ、もう少しだけそのままでいてくれないかな?」
「え……?」
「……だめ?」
「うっ……」
今になって友人たちが言っていた事は正しかったのだと理解した。これはとてつもない破壊力だ。少し潤んだ瞳で上目遣いをされ、俺の心臓は煩いくらいにどきどきしている。あの時は何がいいのかわからないと言ってごめん、友人たちよ。俺もこの破壊力には抗うことが出来そうにない。
俺が内心で懺悔していると、理玖が小首を傾げながら「だめかな?」とダメ押しの一言を付け加えてきた。動きに合わせて肩までの長さの黒髪がさらりと揺れるのがとてもいい。正直言って身体はそれどころではないのに、あまりの可愛さに反射的に頷いてしまった自分が憎い。
ありがとうと天使のような笑顔を浮かべた理玖はすごく可愛くて愛おしいのに、胸がきゅんとした瞬間に後孔が締まって上擦った喘ぎが漏れた。
「千草、こっちにおいで。僕の上に跨って、うん、それでこっちを向いて。……千草はキス好き?」
「んっ……え、あ……」
「照れてる千草、すっごく可愛い。じゃあいっぱいキスしてあげるね。舌出して」
言われた通りに理玖の足に跨って座り、舌を出す。すると理玖の顔が近づき、ぱくりと彼の小さな口に舌が食べられた。ちゅぷ、ちゅぱといやらしい水音を立てながら食んだり、舐めたり、吸ったりを繰り返す理玖。彼の口内はとても温かくて、舌が絡み合う度に感じるざらざらとした感触に身を震わせた。
宣言通り沢山舌や口内を愛された俺の身体は益々熱を帯び、肌に空気や服が触れるだけでも感じてしまう程敏感になっていた。後孔に埋め込まれた尻尾もただ入っているだけのはずなのに、快感に慣らされたこの体は内壁が擦れるだけの小さな刺激であってもイってしまいそうになる。
「あっ、ふ……んぁっ」
「蕩けた顔してる、可愛いね。でもこれじゃあ折角のトナカイさんの格好を堪能できないから、このまま四つん這いになれる?」
「ん、あうッ!んっ、く……はぁ、ん……」
理玖の足を挟むように両手と両膝を床につき、お尻を少し上に上げると尻尾が揺れて中のものが柔らかな内壁を擦った。思わず締め付けると同時に全身がびくびくと痙攣する。そして悲鳴のような上擦った声が上がった。慌てて口を閉じて必死に唇を噛み締めて耐えるが、全てを押さえ込むことはできない。
徐々に荒くなっていく呼吸に理玖が気がついていないはずはないのに、彼は何も言ってこない。ただ愛おしそうな表情で俺を見ている。
意地と気力でなんとかお尻を持ち上げて四つん這いの格好になると、理玖はよく出来ましたと俺の頭を撫でた。それがとても気持ちよくて幸せで、俺はついその手に擦り寄った。
「僕の恋人が……すごく可愛い」
「りく……おれ、もう……っ」
全身が蕩けてしまいそうな程の熱と快感に、堪らず理玖を呼ぶ。大凡自分の声とは思えないような甘ったるい声が出たが、もうそんな事を気にしている余裕は俺にはなかった。
身体が快感に震える度に尻尾が揺れ、中のものも一緒に動く。お願い、理玖が欲しいと訴えると、理玖がふわりと優しく微笑んだ。それに胸がとくんと高鳴る。
「そんなに欲しいの?」
「んっ、あ、ほしい……りくの、ちょうだ、んんッ」
「……っ、そんなに煽らないで。また歯止めが効かなくなる」
「ふぁ、ああッ」
噛み付くようなキスの後、理玖は俺の頭を撫でてそのまま背中へと指先を滑らせていく。たったそれだけのことで俺はがくがくと体を震わせながらイってしまった。強張りが解け、腕から力が抜けた身体はかくんと傾ぐ。
「……っぶねぇ」
「はぁっ……は、ぅん、っ」
床にぶつかる既の所で理玖の腕が俺を抱き止めた。俺は洗い呼吸を繰り返しながら、余韻でひくつく後孔が中のものを締め付ける刺激に喘ぎが止まらない。熱った身体は少し汗ばんでいるのか、支える理玖の腕にぴとりと張り付いていた。
「もしかして、イっちゃった?」
「んぁ、ごめ……イった……んっ」
「……もう、なんで千草はそんなに可愛いの……」
可愛いのはサンタの格好をしたお前の方だと言いたいのに、口から溢れるのは僅かな喘ぎのみ。俺は顔を赤くした理玖の頬に手を伸ばし、頭をどうにか持ち上げて噛み付くように理玖の唇に自分のそれを合わせた。
掠めるだけだった俺のキスは、理玖によって深いものへと変わっていく。理玖の口内に舌を滑り込ませて必死に絡めようとしていふと、逆に熱い舌に絡め取られてしまった。腰を引き寄せられ、頬に片手を添えられて口づけを交わす。何度も何度も角度を変え、深さを増していく。このまま一つに溶け合えればいいのになんて思っていると、理玖が唇を離した。
「このまま一つになれたらいいのに……あ、でもひとつになったらこんな可愛い姿も見れなくなるのか……うん、やっぱりこのままがいいな」
楽しそうにくすくすと笑う理玖のなめらかな手が俺の腰をなぞる。茶色のパーカーの中に滑り込んできた手が、すす…と背骨に沿うように撫で、俺の身体はぴくぴくと小さく震えた。理玖のもう一方の手は俺の腰から臀部へと移動し、尻尾の付け根をするりと撫でる。尻尾の先端をしっかりと咥え込んだそこに触れられ、ぞわぞわとした感覚が背筋を襲った。
「んんッ……あ、や……ぁっ」
「千草のここから尻尾が生えてるよ。ほら、ここが付け根でここからこのふさふさが……ふふ、腰が揺れて本当に尻尾を振ってるみたい」
「あン、ッ……もっ、おね、がい……っ!」
ぴくぴくと全身を小刻みに震わせながら必死に言葉を紡いでいくが、喘ぎに邪魔されて上手く紡ぐことができない。それでもなんとか理玖が欲しいのだと懇願すると、彼はその黒曜石のような瞳に獰猛な光を宿し、わかったと笑った。
「折角サンタコスしてるんだから、僕から千草にプレゼントをあげないとね」
桜色の唇の隙間から赤い舌がちろりと覗き、妖艶に唇をなぞっていく。その仕草に、ずくんと下腹部が疼いた。
理玖が俺の後ろへと周り、尻尾をぐっと引っ張る。しかし俺の後孔はしっかりと咥え込んでおり、中々抜くことができない。
「ん……もうちょっと緩められる?」
「ひあ、っ、ん……むり、だっ……や、あぁんッ!」
「ふぅ……抜けたよ。ここ、物欲しそうにヒクヒクしてる」
「んあ……っ、や……ごめ、よごしちゃ、んっ」
ちゅぽんっと音を立てて尻尾が後孔から抜けると同時に俺は果てた。ショートパンツの中は二度の射精ですでにぐちょぐちょだ。理玖はショートパンツをお尻の下辺りまでずらし、具合を確認するようにひくつく俺の後孔をくちゅくちゅと指で弄った後、ミニスカートの下から取り出した自分のものを俺の後孔へとあてがった。
ちゅぷ、と先端が押し込まれ、ゆるゆると浅く抽挿される。ある程度滑りが良くなるとずぷぷ…と先端から亀頭までがゆっくりと入っていく。言葉にならない声と共に口端からは唾液が溢れ、軌跡を描きながら床に落ちていった。腰を掴まれ、ゆっくりとゆっくりと胎を押し広げながら進んでいく陰茎に、がくがくと体が快感に震える。
「く、あ……ッ、ん」
いつもとは違いスローペースで入ってくる熱に、脳が溶けてしまいそうなほどの快感が襲う。震えが止まらない。気持ちがいい。先端が前立腺を優しく抉り、大きく体が跳ねた。少しの刺激でさえ絶頂を迎えそうになって思わず下唇を噛んで耐える。だめだ、まだイキたくない。
半分ほど入った辺りで、不意に理玖の動きが止まった。どうしたのだろうと後ろを振り返ると、フーフーと息を荒くした理玖と目が合い、俺はごくりと息を飲んだ。獰猛な獣のような目が俺を捉えて離さない。ぞくりと背筋が泡立ち、無意識に理玖のものを締め付ける。それが合図だったのか、理玖は止めていた腰をグッと押し込んだ。
先端がとん、と奥を突く。瞬間、あれだけ必死に我慢していたのに呆気なく絶頂を迎えてしまい、俺の身体は大きく痙攣した。
「うあっ、ま、んッ、イってる、からぁっ……!」
ショートパンツの中ではまだ射精が続いているにも関わらず、理玖は抽挿を続けている。過ぎた快感に頭がくらくらとする。気持ちが良すぎておかしくなりそうだった。
徐々に速くなるピストンに全身がびくびくと痙攣し続けている。腕に力が入らず、上半身が床にぺたりとくっついたような体勢になってもなお理玖の動きは止まらない。与えられる快感に翻弄されてもはや喘ぐしかできない俺の体を、理玖は揺さぶり続けた。
パンパンと弾けるような音を立てながら打ち付けられ、俺の身体は床を擦るように前後に動く。あ、とか、ん、という意味のない音が絶え間なく半開きの口から溢れ続ける。理玖の固くて大きい陰茎が俺の腹の内側を容赦なく抉り、俺はまた体を震わせながら絶頂を迎えた。それでも理玖は動きを止めない。
イったはずなのに陰茎からは何も出ず、胎内に熱が籠っていく。熱い、気持ち良い、出したい。声にならない声をあげながらガクガクと全身を震わせる。収縮を繰り返す内壁、射精を促すようなその動きに、理玖のものは俺の中で大きさを増し弾けた。
勢いよく精が奥へと吐き出され、それと同時に俺のものからはさらさらとしたものが噴出した。ショートパンツから温かい液体がぽとぽとと流れ出し、俺はその感覚を最後に意識を飛ばしたのだった。
目が覚めてすぐに思ったことは、やってしまった…だった。絶望か羞恥か、俺の顔色は青くなったり赤くなったりととても忙しい事になっているだろう。
隣に横たわる理玖を見れば、彼はまだサンタの衣装を着たままだった。ということは、だ。俺もまだトナカイの衣装のままなのだろうかと腕を持ち上げてみると、案の定茶色の袖が見えた。流石にショートパンツは脱がせてもらったようで履いていなかったが、上はしっかりと衣装のままである。
「んっ……ちぐさ、おはよ……」
寝起き特有のふにゃりとした笑顔に、俺の心臓はとくんと高鳴る。可愛い。サンタの赤い衣装のせいで白い肌がより際立ち、少しエロく感じてしまう。スカートが捲れ、露わになった白い大腿部が目に入り、俺は咄嗟に視線を逸らした。しかしもう遅い。あれだけイったにも関わらず、俺の股間は僅かに固さを持ち始めていた。
「千草……?ふふ、もしかして僕の格好に欲情しちゃった?」
「ちがっ……わない、けど……!」
「抜いてあげようか?それとも、もう一回する?」
見た目は完全に可愛らしい美少女サンタなのに、ふとした瞬間に見える雄を感じさせる表情にどきっとする。いつもならここで流されてもう一回する流れになるのだが、今日は駄目だ。クリスマスで彩られた街中を二人でデートするという予定があるのだから、と理玖を促すと、彼は少し拗ねたように唇を尖らせた。
「でもこれ辛くない?大丈夫なの?」
「っ、深呼吸すれば落ち着くから!」
勃ち上がりつつある俺のモノを指し示され、慌てて大丈夫だと言うと彼ははあと息を吐き出し、ふっと眉尻を下げながらしょうがないなと笑った。
「じゃあまた夜にいっぱいしようね」
「……っ!」
耳元でそう囁かれ、顔が一気に熱くなる。
沢山愛された身体はたったそれだけのことで期待に熱を持ち、俺は思わず頭を抱える。そんな俺を見てくすくすと笑う理玖は、先に行ってるねと風呂場へと向かって行った。
後に残された俺は、この燻った熱をどうしようかと頭を抱えた。
クリスマスムード一色の街中を、二人で手を繋ぎながら歩いていく。外は痛い程の寒さだが、繋がれた右手は幸せを感じる程に温かい。こんな風に理玖と二人きりでデートが出来るなんて、男同士だとわかった瞬間から思いもしなかった。
今日も理玖はいつものように女装姿である。黒のふわりとしたワンピースにベージュの丈の長いコート、そして黒のブーツという少し大人っぽい雰囲気の格好だ。対して俺はと言えば、中に着た白のニット以外全て黒という服装だ。理玖からはフード付きのジャケットが可愛いと言われたが、自分ではあまりわからない。
街中を歩きながら気になったお店に入る、たったそれだけのことなのにどうしてこんなにも幸せだと感じるのだろうか。繋いだ手は温かく、このまま時が止まれば良いのにと思う。
花びらのように舞う雪が、ひらりひらりと眼前を通り過ぎていく。そのうちの一つが繋いだ手に降り、そうして数秒も経たずに溶けて消えていった。後に残ったのは僅かな冷たさと一雫だけ。俺は、繋いだ手に力を込めた。
「好きだよ、千草」
理玖がそう口にした。
俺も好だと答えると、彼はとても幸せそうに顔を綻ばせる。
「イルミネーション、綺麗だね」
「ああ」
俺の手首では理玖からのクリスマスプレゼントであるシルバーのブレスレットが、理玖の耳では俺が送ったピアスが街の光を反射してきらきらと輝いていた。
■あとがき■
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
三話目もクリスマス中に投稿したかったのですが、遅筆すぎて間に合いませんでした!!(土下座)
今回も例に漏れず、この二人にはいちゃいちゃとエロをしてもらいました。
数年前、友人から「こんなのあるんだってよ」と教えてもらったことを突如思い出し、折角なのでネタにしようと思い至ったのがこちらになります。画像しか見たことがないので、もし間違っている部分があったらすみません(´-ω-`)
書き終えてみて読み返した結果、女装を活かしきれてないなと反省しております……(血涙)もっと、女装が効果的になるように勉強してきます……!!
因みに、ブレスレットをプレゼントする意味は「永遠」と「束縛」との意味があるそうです。
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