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松の木の下で 4
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白い鳥が鳴いている。
やがて力尽きたかのように、地面にポトリと落ちた。
息苦しさを感じるほどの日だ。
それでも空は晴れ渡っていた。
太陽は照り付けているのに、突然何処からか黒い雲が走ってきた。黒い雲は恐怖を連れてきた。
黒い雲はある地に狙いを定めて何かを吐き出し、ソレは真っ逆さまに落ちていった。ソレは凄まじい閃光を放ち、炸裂した。
荒れ狂う紅い炎が、柱のように立ちのぼった。
太陽のように高温で、美しい大地は一瞬にして地獄と化した。
空が怒りに震えて蠢いて、紅い稲妻が何度も閃き、恐ろしい雷が何度も地面に向かって降り注いだ。巨大な火の玉が現れ、凄まじいほどの爆音と爆風が至る所で起こった。高温の熱線によって自然発火が至る所でおこり、溶岩のようにあたりを埋め尽くした。
人々の体が宙に浮き上がり、四方八方に吹き飛ばされていった。
強固な建物ですら傾きながらドロドロと崩れ落ち、生きている者は髪の毛が溶け皮膚が爛れながら逃げ惑った。目玉を失くして助けを求める声が響き、臓器が体の外にはみ出た人間が転がっている。皮膚が膨れ上がり、腕や手足が変形した人間のすぐ側には、体が炭となって男女の区別すら出来ない者が横たわっていた。
僕の心臓は止まりそうになり、涙を流すことも叫び出すこともなく、硬直したまま立っていた。
何が起こったのかも分からず、何もする事が出来ない。
それこそが、恐怖だ。
ただ立ったまま、祈るだけだった。
(どうか…誰か…嘘だと言ってほしい。
これほど惨たらしい死に方があっていいのだろうか?いいわけない。
僕達は、人間だ。
これは、人間の最期じゃない)
さらに、鐘の音が聞こえてきた。
僕は「その鐘」を知っている。紅天狗と共に何度もその鐘の前を歩いたことがあるから、見間違うはずなどない。
今は錆びついてしまっているが、儀仗兵のような鴉達が守っている鐘だ。
磨き抜かれた鐘が何度もつかれて音が響き渡ると、体が重たくなって手足を動かすことが出来なくなった。
「さぁ、行くぞ!
百鬼夜行を告げる鐘が鳴り響いたぞ!」
血に飢えた妖怪の恐ろしい声が響き渡った。
地響きのような音を立てて結界門が開かれると、雪崩のように妖怪が我先に駆け出してきた。
そこには白大蛇の姿はなかった。
結界橋には人間の死体が積み上げられ、黒い床版が見えないほどに埋まっていた。死体の上を踊るように進みながら、意地汚い妖怪は腕や足をもぎ取っては大きな口で頬張っていくのだった。
血と肉の焼ける臭いがそこら中に充満し、僕は今にも気を失いそうになったが、妖怪にとっては芳しいニオイのようだった。興奮はさらに大きくなり、まだ硬直していない新鮮な肉を求め、背筋が凍りつくほどの雄叫びを上げた。
先頭の妖怪が結界橋を渡りきると、恐ろしい紅い稲妻が閃き、紅葉の一枚一枚に火がついていき、瞬く間に山の麓まで広がっていった。
そして果てしなく続く、炎の道を作り出した。
その先頭を走るのは紅天狗だった。
腰には刀を指している。
男は、刀を握ることはない。
右手に闇から生まれ出でたような色をした影を握っていた。影が風で靡く度に、燃え盛る炎はさらに熱量を増していった。
男が手にしているもの
それは、扇であった。
男は燃え上がるような炎を全身に帯び、背には闇のような漆黒の翼を生やしていた。目の前に広がっていく荒れ狂う炎の道を見据えながら、何度も扇をかざしては稲妻をおこして大地を揺るがし、炎の勢いを強めながら歩みを進めていった。
その後ろに続くのは、百鬼夜行。
絵師が描いた絵そのものだ。子供を怖がらせるものでもなく、現実の恐怖が侵攻している。
長い長い百鬼夜行の後方には一反木綿に猫又、河童がいた。僕が震え上がった妖怪など百鬼夜行でいうところの力の弱い妖怪でしかない。
先頭を闊歩する妖怪は闇の色に包まれながら、恐ろしい叫び声を上げ、人間の肉を求めて大地を揺れ動かしていた。
どんどん息苦しくなり、体が恐怖に耐えきれなくなってビクンビクンと震えると、紅天狗は僕の瞼から手を離した。
「もういいぞ、目を開けろ」
紅天狗がそう言うと、僕はゆっくりと目を開けた。
燃え盛る炎の中にいたかのように喉はカラカラに渇き、恐ろしさで目は大きく見開き、体の震えも止まらなかった。
「これが、現実だ。
現実に起こったことだ。
騙されることなく、その瞳で、真実を見極めなければならない。
自らの意志を持ち、声を上げ、戦い続けなければならない」
と、紅天狗は言った。
だが、あまりの凄惨さに恐怖するばかりで、その言葉の意味は今の僕には届かなかった。
「人間」から何もかも奪った。
自由も尊厳も生きる希望も…大切に積み上げてきたものを一瞬にして破壊し、絶望に叩き落とした。
ソレは、瞬きをするよりも早かった。
「なんで…なんで…こんな事に…僕には…分からない」
「理解できないか?」
紅天狗が僕を見ながら静かに言うと、僕は何度も首を縦に振った。冷たい風が松の木を揺らし、僕の体が芯から冷えていった。
「何故だ?
何故、理解できない?
俺は、天狗だ。
人間を守る者ではない。
俺を怒らせるなと宗家の連中にも言われただろう?」
紅天狗の瞳が妖しく光った。
その瞳は、一欠片の慈悲など持っていない色をしていた。
その瞳に見つめられると逃げ出したい気持ちに駆られ、右腕がガクガクと動いた。
「でも…紅天狗は…結界橋と結界門を守っていて…妖怪が爪を立てれば報復するって…」
最後まで言い終わらないうちに、僕の言葉を嘲笑うかのように風の唸りがさらに烈しくなった。
「報復はするさ。
守ってやってる連中が、守る価値のある人間ならな」
紅天狗は怖い目で僕を見た。
僕がオロオロしながら目を逸らすと、紅天狗は大きな手でガタガタと震えている僕の右腕を掴んだ。
「目を逸らすな、昌景。
己で、そう決めたんだろ?」
風は唸りを上げたが、握られた手から強い力を感じると、僕は目の前の恐怖を見つめた。
「守る価値のない連中を、守ってやる必要はない。
俺に妖怪を殺させながら、俺の後ろに隠れて何をしている?自ら戦おうともせずに欲に溺れて愉しんでる連中を、何故いつまでも守ってやらねばならない?
固く閉ざされた結界門をすり抜け、俺という恐怖ですらも忘れさせるほどに腐りきった強烈なニオイを発する連中だ。
腐肉は元には戻らない。
悪臭を放つだけだ。
ならば跡形もなくなるほどに燃やさねば、全てを覆い尽くすほどに充満する。
そうなれば……もし…俺が眠っている間に結界門が開くようなことでもあれば、人間は妖怪に食われて絶滅する。
ソウはなりたくないだろう?
原因が分かれば、ソイツらに責任を取らせる。
原因を作り出している一部の人間を殺せばいいだけの話だ。
ソイツらがいなくなるまで、興奮した妖怪は鎮まらない。
言動には責任が伴う。
欲にまみれて肥太った人間は、その責任を取らねばならない。
そうだろ?昌景」
「でも…紅天狗が…姿を与えられたのは…妖怪を追い立てて…かつてのような平穏をもたらす為なのに…」
僕がそう言うと、紅天狗の顔からは表情が消えた。
「獰猛な狗であった俺が天狗の姿を与えられたのは、人間の世界に平穏をもたらす為ではない。
昔話でも、そんな事は一言も言わなかっただろう?
それに人間の世界は、もともと平穏な世界ではない。
人間と妖怪は同じ空の下で暮らしていた。
それなのに人間は「ただ」で、女神に与えられただけだ。
だがな、ただで得られるものなど何もない。
いや、ただほど高くつくものはない」
紅天狗が激しい口調で言ったので、僕はその勢いに飲まれて黙り込んでしまった。
吹き荒ぶ風に乗って、恐ろしい妖怪の叫び声が聞こえた気がした。さらに大きな雲が流れてきて満月を隠すと、辺りが闇に包まれて何も見えなくなった。
誰もいないように感じると、黒堂での恐怖を思い出して、歯がガタガタと鳴り、もぎ取られ破裂した腕の一部を思い出した。
すると僕は、僕を助けてくれる「誰か」を求めるかのように小さな声を漏らした。
「なぁ…昌景」
闇の中で紅天狗の声が僕の心をとらえた。
「俺は、ルールを守る。
ニオイの濃くない連中まで妖怪が食おうとしたら、雷を落とす。多少建物は壊れ、犠牲は出るがな。
妖怪に食われて死ぬのは…一部の人間だけだ」
紅天狗が僕の肩を抱きながら優しい声で囁いた。
僕の心は揺れ動き、震えながら声のする方を見た。
すると雲が流れて満月が顔を出した。男は満月のような麗しさで微笑みかけてきた。
僕は目の前の男が「唯一の救い」のように感じた。
「それにな、日はまた昇る。
俺の翼は白くなる。
俺の翼が黒い間だけ、百鬼夜行は続くだけだ。
扇は、11枚の羽で出来ている。
山の神様がお選びになった11人の人間を殺し終えたら、翼は白くなるんだ。
11人殺し終えるまで、祈り続ければいい」
紅天狗はさらに甘い声で囁いた。
やがて力尽きたかのように、地面にポトリと落ちた。
息苦しさを感じるほどの日だ。
それでも空は晴れ渡っていた。
太陽は照り付けているのに、突然何処からか黒い雲が走ってきた。黒い雲は恐怖を連れてきた。
黒い雲はある地に狙いを定めて何かを吐き出し、ソレは真っ逆さまに落ちていった。ソレは凄まじい閃光を放ち、炸裂した。
荒れ狂う紅い炎が、柱のように立ちのぼった。
太陽のように高温で、美しい大地は一瞬にして地獄と化した。
空が怒りに震えて蠢いて、紅い稲妻が何度も閃き、恐ろしい雷が何度も地面に向かって降り注いだ。巨大な火の玉が現れ、凄まじいほどの爆音と爆風が至る所で起こった。高温の熱線によって自然発火が至る所でおこり、溶岩のようにあたりを埋め尽くした。
人々の体が宙に浮き上がり、四方八方に吹き飛ばされていった。
強固な建物ですら傾きながらドロドロと崩れ落ち、生きている者は髪の毛が溶け皮膚が爛れながら逃げ惑った。目玉を失くして助けを求める声が響き、臓器が体の外にはみ出た人間が転がっている。皮膚が膨れ上がり、腕や手足が変形した人間のすぐ側には、体が炭となって男女の区別すら出来ない者が横たわっていた。
僕の心臓は止まりそうになり、涙を流すことも叫び出すこともなく、硬直したまま立っていた。
何が起こったのかも分からず、何もする事が出来ない。
それこそが、恐怖だ。
ただ立ったまま、祈るだけだった。
(どうか…誰か…嘘だと言ってほしい。
これほど惨たらしい死に方があっていいのだろうか?いいわけない。
僕達は、人間だ。
これは、人間の最期じゃない)
さらに、鐘の音が聞こえてきた。
僕は「その鐘」を知っている。紅天狗と共に何度もその鐘の前を歩いたことがあるから、見間違うはずなどない。
今は錆びついてしまっているが、儀仗兵のような鴉達が守っている鐘だ。
磨き抜かれた鐘が何度もつかれて音が響き渡ると、体が重たくなって手足を動かすことが出来なくなった。
「さぁ、行くぞ!
百鬼夜行を告げる鐘が鳴り響いたぞ!」
血に飢えた妖怪の恐ろしい声が響き渡った。
地響きのような音を立てて結界門が開かれると、雪崩のように妖怪が我先に駆け出してきた。
そこには白大蛇の姿はなかった。
結界橋には人間の死体が積み上げられ、黒い床版が見えないほどに埋まっていた。死体の上を踊るように進みながら、意地汚い妖怪は腕や足をもぎ取っては大きな口で頬張っていくのだった。
血と肉の焼ける臭いがそこら中に充満し、僕は今にも気を失いそうになったが、妖怪にとっては芳しいニオイのようだった。興奮はさらに大きくなり、まだ硬直していない新鮮な肉を求め、背筋が凍りつくほどの雄叫びを上げた。
先頭の妖怪が結界橋を渡りきると、恐ろしい紅い稲妻が閃き、紅葉の一枚一枚に火がついていき、瞬く間に山の麓まで広がっていった。
そして果てしなく続く、炎の道を作り出した。
その先頭を走るのは紅天狗だった。
腰には刀を指している。
男は、刀を握ることはない。
右手に闇から生まれ出でたような色をした影を握っていた。影が風で靡く度に、燃え盛る炎はさらに熱量を増していった。
男が手にしているもの
それは、扇であった。
男は燃え上がるような炎を全身に帯び、背には闇のような漆黒の翼を生やしていた。目の前に広がっていく荒れ狂う炎の道を見据えながら、何度も扇をかざしては稲妻をおこして大地を揺るがし、炎の勢いを強めながら歩みを進めていった。
その後ろに続くのは、百鬼夜行。
絵師が描いた絵そのものだ。子供を怖がらせるものでもなく、現実の恐怖が侵攻している。
長い長い百鬼夜行の後方には一反木綿に猫又、河童がいた。僕が震え上がった妖怪など百鬼夜行でいうところの力の弱い妖怪でしかない。
先頭を闊歩する妖怪は闇の色に包まれながら、恐ろしい叫び声を上げ、人間の肉を求めて大地を揺れ動かしていた。
どんどん息苦しくなり、体が恐怖に耐えきれなくなってビクンビクンと震えると、紅天狗は僕の瞼から手を離した。
「もういいぞ、目を開けろ」
紅天狗がそう言うと、僕はゆっくりと目を開けた。
燃え盛る炎の中にいたかのように喉はカラカラに渇き、恐ろしさで目は大きく見開き、体の震えも止まらなかった。
「これが、現実だ。
現実に起こったことだ。
騙されることなく、その瞳で、真実を見極めなければならない。
自らの意志を持ち、声を上げ、戦い続けなければならない」
と、紅天狗は言った。
だが、あまりの凄惨さに恐怖するばかりで、その言葉の意味は今の僕には届かなかった。
「人間」から何もかも奪った。
自由も尊厳も生きる希望も…大切に積み上げてきたものを一瞬にして破壊し、絶望に叩き落とした。
ソレは、瞬きをするよりも早かった。
「なんで…なんで…こんな事に…僕には…分からない」
「理解できないか?」
紅天狗が僕を見ながら静かに言うと、僕は何度も首を縦に振った。冷たい風が松の木を揺らし、僕の体が芯から冷えていった。
「何故だ?
何故、理解できない?
俺は、天狗だ。
人間を守る者ではない。
俺を怒らせるなと宗家の連中にも言われただろう?」
紅天狗の瞳が妖しく光った。
その瞳は、一欠片の慈悲など持っていない色をしていた。
その瞳に見つめられると逃げ出したい気持ちに駆られ、右腕がガクガクと動いた。
「でも…紅天狗は…結界橋と結界門を守っていて…妖怪が爪を立てれば報復するって…」
最後まで言い終わらないうちに、僕の言葉を嘲笑うかのように風の唸りがさらに烈しくなった。
「報復はするさ。
守ってやってる連中が、守る価値のある人間ならな」
紅天狗は怖い目で僕を見た。
僕がオロオロしながら目を逸らすと、紅天狗は大きな手でガタガタと震えている僕の右腕を掴んだ。
「目を逸らすな、昌景。
己で、そう決めたんだろ?」
風は唸りを上げたが、握られた手から強い力を感じると、僕は目の前の恐怖を見つめた。
「守る価値のない連中を、守ってやる必要はない。
俺に妖怪を殺させながら、俺の後ろに隠れて何をしている?自ら戦おうともせずに欲に溺れて愉しんでる連中を、何故いつまでも守ってやらねばならない?
固く閉ざされた結界門をすり抜け、俺という恐怖ですらも忘れさせるほどに腐りきった強烈なニオイを発する連中だ。
腐肉は元には戻らない。
悪臭を放つだけだ。
ならば跡形もなくなるほどに燃やさねば、全てを覆い尽くすほどに充満する。
そうなれば……もし…俺が眠っている間に結界門が開くようなことでもあれば、人間は妖怪に食われて絶滅する。
ソウはなりたくないだろう?
原因が分かれば、ソイツらに責任を取らせる。
原因を作り出している一部の人間を殺せばいいだけの話だ。
ソイツらがいなくなるまで、興奮した妖怪は鎮まらない。
言動には責任が伴う。
欲にまみれて肥太った人間は、その責任を取らねばならない。
そうだろ?昌景」
「でも…紅天狗が…姿を与えられたのは…妖怪を追い立てて…かつてのような平穏をもたらす為なのに…」
僕がそう言うと、紅天狗の顔からは表情が消えた。
「獰猛な狗であった俺が天狗の姿を与えられたのは、人間の世界に平穏をもたらす為ではない。
昔話でも、そんな事は一言も言わなかっただろう?
それに人間の世界は、もともと平穏な世界ではない。
人間と妖怪は同じ空の下で暮らしていた。
それなのに人間は「ただ」で、女神に与えられただけだ。
だがな、ただで得られるものなど何もない。
いや、ただほど高くつくものはない」
紅天狗が激しい口調で言ったので、僕はその勢いに飲まれて黙り込んでしまった。
吹き荒ぶ風に乗って、恐ろしい妖怪の叫び声が聞こえた気がした。さらに大きな雲が流れてきて満月を隠すと、辺りが闇に包まれて何も見えなくなった。
誰もいないように感じると、黒堂での恐怖を思い出して、歯がガタガタと鳴り、もぎ取られ破裂した腕の一部を思い出した。
すると僕は、僕を助けてくれる「誰か」を求めるかのように小さな声を漏らした。
「なぁ…昌景」
闇の中で紅天狗の声が僕の心をとらえた。
「俺は、ルールを守る。
ニオイの濃くない連中まで妖怪が食おうとしたら、雷を落とす。多少建物は壊れ、犠牲は出るがな。
妖怪に食われて死ぬのは…一部の人間だけだ」
紅天狗が僕の肩を抱きながら優しい声で囁いた。
僕の心は揺れ動き、震えながら声のする方を見た。
すると雲が流れて満月が顔を出した。男は満月のような麗しさで微笑みかけてきた。
僕は目の前の男が「唯一の救い」のように感じた。
「それにな、日はまた昇る。
俺の翼は白くなる。
俺の翼が黒い間だけ、百鬼夜行は続くだけだ。
扇は、11枚の羽で出来ている。
山の神様がお選びになった11人の人間を殺し終えたら、翼は白くなるんだ。
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