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第三章 メスに染められて

最終話 ラストオーダー(2)

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 ――絶滅危惧種。

 ご主人様たちは、自分たちのことをそう呼んでいた。
 今のあたしには難しすぎる言葉だけど、意味は命を繋ぐのが危ぶまれる人たちという意味だったと思う。


 男と女。
 オスとメス。

 対極な二つがいて、はじめて命は紡がれる。

 その深く、愛情と快楽に満ちた交じり合いは、いつも甘美な悦びに満ちている。

 女になったあたしだから、よく分かる。
 これは、命の奇跡なんだと。
 性が異なる者同士が交わることで、体を重ねることで、親から子へと受け継がれてきた、命の道しるべなんだと。

 あたしの骨盤が大きくなったのは、お腹にいる赤ちゃんをしっかり支えるため。
 おっぱいが大きいのは、赤ちゃんに栄養を吸ってもらうため。
 体が柔らかいのは、赤ちゃんを優しく包み込むため。

 男性とのエッチがこんなに気持ちいいのは、妊娠したい、身ごもりたいという本能が求めるものだから。
 あたしは、だってもう、孕む側、産む側の性だから。

 お腹を中から蹴りあげる、この世に産声すらあげてないあたしの赤ちゃんは、どんな姿をしているのかな。
 きっと少年だったときのご主人様に似て、可愛らしいに決まっている。


「アカネ。実は話していないことがある」

 木々が雪化粧に身を染めたある冬の日に、ご主人様がお腹が大きくなったあたしに向かって、真剣そうな顔でお声をかけてきた。

 一体あらたまって、何かしら。

「このお屋敷は、虚構の世界と現実の世界を繋ぐ扉。何重にも重ねられた、世界と世界の敷居なんだ」

 あたしには、ご主人様のお話が難しすぎて半分も分からない。
 ここは現実? 虚構? それともその間?
 どういうことだろう。
 ご主人様は続ける。

「このお屋敷から一歩出れば、元通り。妖術から解けて、魔法は消えて、元の人間のオスに戻る。それをアカネがなら」

 あたしが望むなら、昔の男のあたしに戻れるの?

 今までがなかったことに出来るの?
 
「あたしが、望むなら?」

「そう。妖術の力は、願望が現実に作用する力だからね」

「あたし、妖術を使えるの?」

「今だけだよ。妊娠している今だけは、お腹の子供の代わりに使うことができるんだ」

「ということは……」

「そう。妖術を解くことができるのは妖術だけ。だから、アカネに選ばせてあげる。男に戻るか、女としてここで一生暮らすかを。自分の道は自分で選んでいい。これが、ラストオーダーだよ」

 ご主人様の目は真剣だ。嘘は一切含まれていないのだろう。
 あたしに選ばせてくれるということは、よく分からないけれど、それが妖術の仕組みなのだろう。

 そっか。あたし、今だったらこのお屋敷を抜けて、元通りの生活を送ることができるんだ。
 もう、メイドとして暮らす必要なんてないんだ。
 もう怒られなくていいし、お尻をぶたれることもなくなる。
 だけど……。

 ご主人様と猫姫様にペットとして扱われる日々、メスとしてご奉仕する日々、女の悦びを与えられる日々。

 あらためて猫姫様とご主人様を思い浮かべる。
 本当にいいのだろうか。
 ここから出ても、いいのだろうか。

「ご主人様。アカネはご主人様のメス奴隷になって幸せです」

 潤んだ瞳でご主人様を見る。

 首輪の魔力のせいじゃない。
 今のあたしは、こんなものがなくても、完全にご主人様に隷属している。

 それは、ご主人様が望まれたから。
 いいえ、あたしが望んだから。

「いっぱい犯していただいて、メスとしてこれ以上ない悦びを感じています。だから――」

 頬を涙が伝う。

「だから、あたしはずっとここにいたいです。お腹にご主人様の子供を宿しているのに、元に戻るなんて酷すぎます。悲しすぎます。アカネはもう、ご主人様のアカネです。マゾメスのエッチなメイドのアカネです。こんなあたしでよかったら、お願いです。あたしをこのままいさせてください」

 あたしは嗚咽しながら、本心からお願いする。

 料理店に入ってからが、本当のあたし。
 それまでのあたしは偽物よ。

「いいよ。アカネはメス奴隷だけど、僕の子供のママでもあるからね。願いをかなえてあげる。このままでいさせてあげる。ほら、おいで」

 ご主人様はあたしのネコミミを甘噛みする。
 メスネコの性感帯を。

「はぁあん……今はダメです。こんなところで……外から見えちゃう。あぁん」

 ネコミミは弱いの。すぐ感じちゃうの。

「誰も見てないさ。それにアカネはマゾだから、こっちのほうが興奮するんだろ?」

 グジュグジュとあそこが濡れてくる。
 ご主人様は、あたしの全てをお見通しだ。

「あぁん。でも、まだやることが……」

 あたしはそう言いながら、自然とお尻を突き出してしまう。
 安定期の今は、エッチしても大丈夫だけど……。

「本当にエッチな娘だよね、アカネは。まだ触っていないのに、あそこがこんなにぐちょぐちょだよ」

 ご主人様は、ペティコートをめくって、あたしのあそこに指を這わせる。

「ぁん。……だって、それはご主人様が上手いから……あぁ」

 性懲りもなく、秘裂おまんこはおちんちんを求めていやらしく蠢いている。
 ご主人様専用のおまんこは、今日もエッチに開発されてしまう。


 窓の外には、あの時の猟銃が見える。
 主を亡くしてさび付いた鉄の筒が、雪をかぶって寂しげに佇んでいる。
 もう、あんなものに興味はない。
 だって、今のあたしは……。

「あぁん……奥まで……きもちいい……もっと奥まで」

 もう完全に女なのだから。

 媚びたメスの喘ぎ声が、冬の晴れ空に鳴り響く。

 甘い吐息が漏れて、窓ガラスが白く濁っていく。

 白いガラス窓に浮かぶ女の影あたしのすがたを見て、あらためて思う。

 あたしは満たされてる。

 一人の女として。

 一匹のメスとして。

 体が心が、犯されることでメスの悦びに満ちていく。

「あぁん……もっと、もっと犯して。ご主人様のおちんちんで、あたしのおまんこをジュボジュボして」

 きもちいい。きもちいい。あたしの目はとっくに快楽で蕩けている。

 もっと、あたしを満たして。メスの悦びで狂わせて。

 あたしの欲望を、ご主人様は叶えてくれる。

 あたしはこれでいい。これがいい。

 恍惚感に体が震える。

 もう、考えることは何一つない。
 女の体が、すべきことを教えてくれる。

 もう、何も迷わない。
 
 あたしは逞しい男体でギュッと抱き締められながら、湧き上がる女の深い快楽に身をゆだねた。

ーーーー
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

ご感想いただけると、喜びます。


続きは不定期でこっそり書くかもしれません。


もう一つ拙作、【R18】美少女専門学園 強制"性転換"部 特別洗脳コース【TS】もぜひよろしくお願いいたします。こちらは長編ですので、より濃厚でゆっくりした展開になっています。
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