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第一章 開かれる女の子への道(葵編)
【第34話】 アリスとの約束
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葵は行為後も明人の大きな体でギュッと優しく抱き締められた。
女の悦びの嵐はじりじりと続いている。
脳をメス化する媚薬は、今も体の中を充満している。
お風呂に一緒に浸かりながら、頭を何度も撫でられる。
その心地よさで、葵はうっとりとした顔を浮かべている。
「あおい。君は本当に可愛い。とっても魅力的な女の子だ」
褒められて葵は胸が暖かくなる。それは本人は気付かないものの、女としての小さな慕情の芽生えだった。
明人に手を引かれて脱衣所へと向かう。ピンク色のタオルで、体を拭くのを手伝われる。
髪を乾かした後ショーツを穿いた葵を、明人は後ろから抱き締める。その手にはピンクのブラジャーが握られていた。
「ほら、あおい。着けてごらん」
戸惑う葵の手を胸に導きながら、Aカップをブラを彼女の胸に当てる。そして、背中のフックをとめる。
葵は胸を包まれる感覚に戸惑いながらも、不思議な安心感を覚えた。
敏感な乳首が服によって擦れることは、もうない。
だが、それ以上にブラをするということ自体が「女である」ということを、より強く意識させられる。
「思った通り、君の胸にぴったりだ。これからは、毎日ちゃんと着けるんだよ」
明人は葵を優しく撫でながら、語り掛ける。
女の悦びを与えてくれた男性に諭されて、葵は思わずコクリと頷いた。
まだ頭が回っていないこともあるが、男の手で胸を包まれる心地よさを感じさせられたことで、ブラに対する抵抗感がかき消されてしまった故でもあった。
葵は用意されていたノンスリーブの黒いワンピースに脚を通した。
選択肢がなかったためとはいえ、女性の服を着るのもだいぶ板についてきた。
フレアのスカートが、葵の可愛らしさをより引き立てる。
葵は明人に手を引かれて、脱衣所を出る。
そして廊下で再び唇を奪われる。葵は今度は抵抗せずに、背伸びをしながら明人の首に腕を伸ばして、キスを受け入れる。
恋人のように抱き合う二人。力強く抱きしめられるハグによって、葵の心はますます女性化していく。
ーーーーー
「二人とも、何やってるの?」
夢見る少女のような顔でキスをしていた葵は、急に現実へと引き戻される。
恐る恐る後ろを振り返ると、アリスが固まった表情で立っていた。
両手で、BS学園の男性生徒の制服を抱えている。アリスは今度は怒気の含まれた声で同じセリフを繰り返す。
「何をやっているの? あおいちゃん、なんでパパと抱き合ってるの? なんでキスなんてしてるの?」
葵の頭は真っ白になる。
明人から迫られて、流された結果とは言え、こともあろうにアリスのパパといけないことをしてしまった。
罪悪感からだろうか。葵の足は勝手にガタガタと震え出した。
「あたし、ずっとあおいちゃんのためを思って、あの女医をやっつけるために、あおいちゃんが安心して男の子として学校に通えるように、動き回っていたのに……」
「アリスさん、ご、誤解です。これは……」
「これはって、何が誤解なの? パパと抱き合ってキスまでして、何が誤解だっていうの?」
アリスはさらに強く葵に問い詰める。迫真の演技で、葵を追い詰めていく。
逃げ場を失った葵は罪悪感に耐え切れず、大きく首を垂れた。
「不潔よ。男同士なのに不潔よ」
アリスは制服を床に投げつけて、踏みつける。
「それとも……。それともあおいちゃんは、女の子になりたいの?」
「ち、ちがう。僕はたまたま流されてしまっただけで、女の子になりたいわけじゃ……」
「いやよ。言い訳はやめて。聞きたくないわ。あおいちゃんは、自分が何をしでかしたか、分かっているの? あなたを守るために、あの女医をやっつけるために頑張ってきたあたしがバカみたいじゃない」
「ごめんなさい。本当にごめんなさい」
葵は目に涙を浮かべている。アリスは少しだけ語気を弱めて、葵に語り掛けた。
「証明して。あおいちゃんが、本当に信用できることを証明して」
証明? 一体何を? 疑問に思う葵にアリスは説明する。
「あおいちゃんには、これからあの女医のところに行ってもらうわ。和解して、一年間あの女医に言われたことを全て守るの。口答えしちゃダメよ。言うことを全て聞いて、早紀女医の信頼を勝ち取るの。そうしたら、許してあげるわ。一緒にあおいちゃんが、また男の子として安心して暮らせるように、協力してあげる」
「一年間ですか?」
「不満なの? これはあおいちゃんの意志の強さを試すテストなの。一年間、『僕は男なの』って思える強い意思を持っているんだったら、あたしも協力してあげてもいいと思っているの。あおいちゃんがホモじゃなくて、正真正銘の男の子だってことを証明して見せて」
アリスの言葉に葵は頷いた。自分はあんなに優しくしてくれたアリスを裏切ってしまった。
媚薬のせいとは言え、男と抱き合ってエッチまでしてしまった。
でも決してもう、流されない。葵は強く自らに誓う。これ以上アリスを傷つけるわけにはいかない。
一年耐えて、彼女の信頼を勝ち取るんだ。
その様子をアリスと明人が黒い笑みを浮かべて見つめていることに、葵は気付かなかった。
女の悦びの嵐はじりじりと続いている。
脳をメス化する媚薬は、今も体の中を充満している。
お風呂に一緒に浸かりながら、頭を何度も撫でられる。
その心地よさで、葵はうっとりとした顔を浮かべている。
「あおい。君は本当に可愛い。とっても魅力的な女の子だ」
褒められて葵は胸が暖かくなる。それは本人は気付かないものの、女としての小さな慕情の芽生えだった。
明人に手を引かれて脱衣所へと向かう。ピンク色のタオルで、体を拭くのを手伝われる。
髪を乾かした後ショーツを穿いた葵を、明人は後ろから抱き締める。その手にはピンクのブラジャーが握られていた。
「ほら、あおい。着けてごらん」
戸惑う葵の手を胸に導きながら、Aカップをブラを彼女の胸に当てる。そして、背中のフックをとめる。
葵は胸を包まれる感覚に戸惑いながらも、不思議な安心感を覚えた。
敏感な乳首が服によって擦れることは、もうない。
だが、それ以上にブラをするということ自体が「女である」ということを、より強く意識させられる。
「思った通り、君の胸にぴったりだ。これからは、毎日ちゃんと着けるんだよ」
明人は葵を優しく撫でながら、語り掛ける。
女の悦びを与えてくれた男性に諭されて、葵は思わずコクリと頷いた。
まだ頭が回っていないこともあるが、男の手で胸を包まれる心地よさを感じさせられたことで、ブラに対する抵抗感がかき消されてしまった故でもあった。
葵は用意されていたノンスリーブの黒いワンピースに脚を通した。
選択肢がなかったためとはいえ、女性の服を着るのもだいぶ板についてきた。
フレアのスカートが、葵の可愛らしさをより引き立てる。
葵は明人に手を引かれて、脱衣所を出る。
そして廊下で再び唇を奪われる。葵は今度は抵抗せずに、背伸びをしながら明人の首に腕を伸ばして、キスを受け入れる。
恋人のように抱き合う二人。力強く抱きしめられるハグによって、葵の心はますます女性化していく。
ーーーーー
「二人とも、何やってるの?」
夢見る少女のような顔でキスをしていた葵は、急に現実へと引き戻される。
恐る恐る後ろを振り返ると、アリスが固まった表情で立っていた。
両手で、BS学園の男性生徒の制服を抱えている。アリスは今度は怒気の含まれた声で同じセリフを繰り返す。
「何をやっているの? あおいちゃん、なんでパパと抱き合ってるの? なんでキスなんてしてるの?」
葵の頭は真っ白になる。
明人から迫られて、流された結果とは言え、こともあろうにアリスのパパといけないことをしてしまった。
罪悪感からだろうか。葵の足は勝手にガタガタと震え出した。
「あたし、ずっとあおいちゃんのためを思って、あの女医をやっつけるために、あおいちゃんが安心して男の子として学校に通えるように、動き回っていたのに……」
「アリスさん、ご、誤解です。これは……」
「これはって、何が誤解なの? パパと抱き合ってキスまでして、何が誤解だっていうの?」
アリスはさらに強く葵に問い詰める。迫真の演技で、葵を追い詰めていく。
逃げ場を失った葵は罪悪感に耐え切れず、大きく首を垂れた。
「不潔よ。男同士なのに不潔よ」
アリスは制服を床に投げつけて、踏みつける。
「それとも……。それともあおいちゃんは、女の子になりたいの?」
「ち、ちがう。僕はたまたま流されてしまっただけで、女の子になりたいわけじゃ……」
「いやよ。言い訳はやめて。聞きたくないわ。あおいちゃんは、自分が何をしでかしたか、分かっているの? あなたを守るために、あの女医をやっつけるために頑張ってきたあたしがバカみたいじゃない」
「ごめんなさい。本当にごめんなさい」
葵は目に涙を浮かべている。アリスは少しだけ語気を弱めて、葵に語り掛けた。
「証明して。あおいちゃんが、本当に信用できることを証明して」
証明? 一体何を? 疑問に思う葵にアリスは説明する。
「あおいちゃんには、これからあの女医のところに行ってもらうわ。和解して、一年間あの女医に言われたことを全て守るの。口答えしちゃダメよ。言うことを全て聞いて、早紀女医の信頼を勝ち取るの。そうしたら、許してあげるわ。一緒にあおいちゃんが、また男の子として安心して暮らせるように、協力してあげる」
「一年間ですか?」
「不満なの? これはあおいちゃんの意志の強さを試すテストなの。一年間、『僕は男なの』って思える強い意思を持っているんだったら、あたしも協力してあげてもいいと思っているの。あおいちゃんがホモじゃなくて、正真正銘の男の子だってことを証明して見せて」
アリスの言葉に葵は頷いた。自分はあんなに優しくしてくれたアリスを裏切ってしまった。
媚薬のせいとは言え、男と抱き合ってエッチまでしてしまった。
でも決してもう、流されない。葵は強く自らに誓う。これ以上アリスを傷つけるわけにはいかない。
一年耐えて、彼女の信頼を勝ち取るんだ。
その様子をアリスと明人が黒い笑みを浮かべて見つめていることに、葵は気付かなかった。
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