チート魔王はつまらない。

104.頼み事

 
「宝探し、大会…？」

 
見出しには大きくそう書かれていた。どうやらレールが主催している行事のようだ。

 
内容を要約すると、参加条件は三人一組。
指定された範囲にある鉱山で隠された『宝箱』を探し出し、制限時間以内に戻って来るというもの。

判定基準は『個数』と『価値』で決まる、と。

 

「この『価値』というのは？」

 
『個数』とは恐らく箱の数の事だろうが…価値ある箱なのだろうか。

 
「箱に種類があるんだよ。ほとんど鉄の箱だけど、何個か金の箱があるらしくてさ。その中にランダムで希少価値の高い鉱石とか宝石とかが入ってんだよ。って言っても鉄の箱にもそれなりのもんが入ってるらしいけど。ま、開けてみてからのお楽しみってやつだな」

「なるほど…」

 
要するに、『量』と『質』を総合して競う大会のようだ。

 
「で。箱には全部『鍵』がかかってんだけど、ここがこの大会の特徴だな、参加者がそれを解錠出来るかどうかも得点に関わってくんだよ」
「開けられなかった場合はどうなるんだ」
「得点にはなるけどちょい減点されて、開けられたら加点される。しかも金属で出来てる訳だからめっちゃ重いし、持って帰るにしてもその移動時間も考慮に入れてマップ把握もしなきゃならないっつう大会なんだよ」
「…ふむ、鍵か。それは少し厄介そうだな」
「しかーし！オレは錠開けの腕には自信がある」

 
得意げに胸を張ったテオが不敵に笑ってみせる。

 

…そういう事か。