Estrella

碧月 晶

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「ほら、ホームルーム始まんぞ。前向け」


これ幸いとそれに逃げれば、真琴はまだ納得していないといった面持ちだったが渋々体勢を直した。


「えーと、今日欠席してるのは…祭月(まつらぎ)だけか」



『まつらぎ』



例の転校生の、耳でしか聞いた事のない名字。

下の名前は何だったか、よく聞いていなかったから覚えていない。


教師達もあまりソイツについて触れないようにしているようだった。


大人が気にしていないのなら、ガキである俺達生徒が、ましてや赤の他人が気にする道理も無い。

最初こそ、クラスの連中もなかなか姿を現さない転校生を気にしていたようだったが

今ではもう誰も『まつらぎ』の事など気にも留めていなかった。
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