炎のように

246.キャラ崩壊（素）

もはや
誰かに聞こえてしまうかもしれない
なんて気にしていた事なんか頭に無かった。

「俺は、ノーマルなんだよ！そっちの気は無い！いや、そういう人達を否定する訳じゃねぇけど！
て言うか何なんだアレ！ありえねーだろアイツ！人前でなんつー事しやがんだ！！」

ウガー！と効果音を当てられそうなくらいの勢いで、一気に一息で言い切った。

「ﾊｧ、ﾊｧ、ﾊｧ………っ、クソ！！」

訳の分からない苛立ちが自分の中で黒くくすぶって
こんな事で感情を剥き出しにしてしまった己が
酷く愚かで、みっともなかった。

「ﾊｯ、ﾊｯ、ﾊｯ、ﾊｯ………………………ふー…」

一通り叫んで、荒くなってしまった呼吸と早鐘を打つ心臓を鎮めようと深呼吸を繰り返した。

何度か繰り返して、漸く落ち着き、ドサッとソファーに倒れ込んだ。

額に乗せた手の甲の影から天井を仰ぎ見れば、知らず知らずのうちに、小さく独り言を零していた。


「ダメだ…これじゃダメなんだ…
もっと、もっと……………しないと…俺は、俺をもっと…殺さないと…」


そうしなければ、俺は…